青色申告承認申請書とは?書き方や注意点について解説!
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公開日:2025年4月
更新日:2025年4月30日
個人事業主やフリーランスとして確定申告を行う際、節税効果の高い青色申告を選択したいと考える人は多いでしょう。その第一歩として必要になるのが、青色申告承認申請書の提出です。しかし、初めての場合は青色申告承認申請書の書き方がわからず、どのように記入すればよいのか悩んでしまうこともあります。
この記事では、青色申告承認申請書とは何か、提出するメリットや書き方、注意点などをわかりやすく解説します。これから青色申告を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。
青色申告承認申請書とは

青色申告で確定申告を行うには、事前に税務署へ青色申告承認申請書を提出する必要があります。青色申告承認申請書の書き方に従って正しく記入し、期限内に提出することで、青色申告の承認を受けることができます。

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申請後、税務署によって青色申告承認申請書が受理されても、「承認しました」という通知は原則として届きません。
青色申告を受けようとする年の12月31日まで(その年の11月1日以降に新たに開業した場合は、翌年の2月15日まで)に、税務署から不承認の通知がなければ、提出した青色申告承認申請書は承認されたものとみなされます。
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書き方に不備があると受理されない可能性もあるため、青色申告承認申請書の正確な書き方をあらかじめ確認しておくことが大切です。
青色申告承認申請書を提出するメリット

青色申告承認申請書を提出して青色申告を行うと、さまざまな税務上の優遇措置を受けることができます。青色申告承認申請書の書き方を正しく理解し、期限内に提出することで、以下のようなメリットが得られます。
青色申告承認申請書を提出するメリット①:青色申告特別控除を活用できる
青色申告承認申請書を提出し、承認を受けたうえで複式簿記によって帳簿を作成し、正しく記帳・申告することで、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。控除額は10万円、55万円、65万円の3段階がありますが、最も大きな控除を受けるには申告の期限内提出と記帳方法など、青色申告承認申請書の提出に加えて多くの要件を満たす必要があります。
青色申告承認申請書の書き方を誤ると、そもそも青色申告としての承認が得られないこともあるため、提出前には内容を慎重に確認しましょう。
青色申告承認申請書を提出するメリット②:純損失の繰越控除で赤字の年も無駄にしない
青色申告承認申請書を提出して青色申告の承認を得ている場合、事業で赤字(純損失)が出た場合でも、その損失を翌年以降3年間にわたり繰り越して黒字所得と相殺できます。これにより所得税や住民税を軽減できる可能性があります。

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青色申告承認申請書の書き方についてさらに詳しく知りたいはこちらの記事もご参照ください。
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この制度も、青色申告承認申請書を事前に提出していないと利用できないため、提出のタイミングと書き方の正確さが重要です。
青色申告承認申請書を提出するメリット③:純損失の繰戻し還付で過去の納税が戻ってくる
青色申告承認申請書を提出し、青色申告が認められている場合には、当年度に赤字が出た際、前年の黒字と相殺して税金の還付を受ける「純損失の繰戻し還付」も可能です。これは白色申告では認められていない制度であり、青色申告の大きな利点のひとつです。
青色申告承認申請書を提出するメリット④:青色事業専従者給与を全額経費にできる
青色申告承認申請書を適切な書き方で提出し承認を受けていれば、生計を共にする家族(配偶者や親族)に支払った給与を、事業の必要経費として全額計上できます。白色申告では一定額の控除にとどまるため、節税効果が大きく異なります。

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なお、青色事業専従者給与を経費にするには、別途届出書の提出も必要なため、青色申告承認申請書の提出とあわせてスケジュールを管理しておきましょう。
青色申告承認申請書を提出するメリット⑤:貸倒引当金を計上できる
青色申告の承認を受けた事業者は、売掛金や受取手形などの債権に対して、貸倒れに備えた「貸倒引当金」を経費として計上できます。一般事業者では最大5.5%、金融業では3.3%が上限です。この制度を活用するには、まずは青色申告承認申請書を提出し、書き方のルールを守って青色申告者としての承認を受ける必要があります。
青色申告承認申請書を提出するメリット⑥:少額減価償却資産の即時費用化が可能
取得価額が30万円未満の少額減価償却資産については、青色申告者であれば、年間300万円まで即時に必要経費として計上することが可能です。これにより減価償却を待たずに節税効果が期待できます。
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このような優遇措置も、青色申告承認申請書を期限内に正しい書き方で提出していなければ受けることはできません。
青色申告承認申請書の書き方

ここでは、青色申告承認申請書の具体的な書き方と記入例について詳しく解説します。青色申告承認申請書には多くの記載項目があり、正しい書き方を理解していないと申請が受理されない可能性もあるため、ひとつずつ丁寧に確認していきましょう。
青色申告承認申請書に記載すべき項目一覧
以下は、青色申告承認申請書の書き方を進めるうえで必要な主な記載項目です。
- 所轄の税務署
- 提出日
- 基本情報(氏名・住所など)
- 青色申告を始めたい年
- 事業の所在地
- 所得の種類
- 青色申告の取消・取りやめの履歴
- 開業日(1月16日以後の場合)
- 事業承継の有無
- 簿記の方式
- 使用する帳簿の種類
- 特記事項
- 関与税理士の情報
所轄の税務署の書き方
青色申告承認申請書の最上部に、提出先となる所轄税務署名を記載します。自分の事業所所在地に基づく所轄税務署は、国税庁のホームページなどから調べられます。
提出日の書き方
青色申告承認申請書に記載する提出日は、実際に税務署へ書類を提出する日を記入します。開業日とは異なる点に注意してください。
基本情報の書き方
青色申告承認申請書には、申請者の氏名、住所、電話番号などの基本情報を記入します。事業所が自宅の場合は「住所地」にチェックを入れます。国外在住でも日本で納税義務がある場合は「居所地」、オフィスが別にある場合は「事業所」を選びましょう。
青色申告を始めたい年の書き方
青色申告承認申請書の該当欄には、「2024年分」など、青色申告を開始したい年度を記入します。書き方を間違えると承認が翌年以降になってしまう可能性があるため、正確に記入してください。
事業の所在地の書き方
事業所が複数ある場合は、すべての営業所や事務所の所在地と名称を、青色申告承認申請書に漏れなく記載しましょう。
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所得の種類の書き方
青色申告承認申請書では、自身が申告する所得の種類を選択する必要があります。青色申告の対象となるのは「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3種類です。該当するものにチェックを入れましょう。
取消・取りやめの履歴の書き方
過去に青色申告をしていたが、取り消しや取りやめの履歴がある場合には、その年度とともに青色申告承認申請書内の該当欄に記載します。
開業日の書き方(1月16日以後の場合)
1月16日以降に開業した場合、その開業日を青色申告承認申請書の該当欄に記入します。この欄は以下の条件に該当する場合にのみ必要です。
- 1月16日以降に開業し、その年から青色申告を始めたい場合
- 青色申告事業者から事業を承継した場合

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なお、1月15日以前に開業した場合は、3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があり、それを過ぎると翌年分からの適用となります。
事業承継の書き方
事業を承継した場合、青色申告承認申請書には相続開始年月日や、前事業者(被相続人)の氏名などを記載します。
簿記方式の書き方
青色申告承認申請書では、帳簿の記帳方式を「複式簿記」または「簡易簿記」から選択します。複式簿記を選ぶと最大55万円または65万円の青色申告特別控除を受けられます。
青色申告承認申請書の書き方について気をつけておきたい注意点

帳簿名の書き方
使用予定の帳簿名を青色申告承認申請書にチェック形式で記入します。一般的には以下の帳簿が該当します。
- 現金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
- 預金出納帳
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
会計ソフトなどを使えば自動で作成されるため、初心者でも安心です。
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特記事項の書き方
特別な事情や補足情報がある場合には、青色申告承認申請書の特記事項欄に記載します。記入は任意ですが、状況を正確に伝えるために活用すると良いでしょう。
関与税理士の書き方
顧問税理士がいる場合は、氏名や事務所名などを青色申告承認申請書に記入します。特に税理士経由で提出する場合には、正確に記載しましょう。
青色申告承認申請書の提出期限

青色申告を始めるには、青色申告承認申請書を期限内に提出する必要があります。青色申告承認申請書の提出期限は、原則として開業日から2ヶ月以内と定められています。たとえば、1月1日から1月15日までに開業した場合は、その年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署へ提出する必要があります。書き方を間違えたり、提出期限を過ぎてしまったりすると、当年から青色申告を適用できなくなるため注意が必要です。

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青色申告承認申請書の書き方についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:会社を始めた時に知りたい、青色申告承認申請書の書き方と記入例。
また、すでに事業を始めていて白色申告をしていた方が、翌年から青色申告に切り替えたい場合にも、青色申告を開始する年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出しなければなりません。この場合も、青色申告承認申請書の書き方を確認し、必要事項を正確に記入することが求められます。

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さらに、事業を営んでいた方から相続によって事業を継承し、そのまま青色申告を続けたい場合には、相続開始日(被相続人の死亡日)に応じて、青色申告承認申請書の提出期限が異なります。
具体的には以下のとおりです。
- 相続開始が1月1日〜8月31日の場合:死亡日から4ヶ月以内
- 相続開始が9月1日〜10月31日の場合:その年の12月31日まで
- 相続開始が11月1日〜12月31日の場合:翌年の2月15日まで
いずれのケースでも、青色申告承認申請書の書き方を正確に理解し、必要書類とあわせて期限内に提出することが、青色申告を適用するための重要なポイントとなります。
青色申告承認申請書の書き方に関するおすすめ記事:青色申告承認申請書とは?書き方やいつまでに提出すべきか詳しく解説します
青色申告承認申請書を提出する際の注意点

基本的に、青色申告を始める際には開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出します。青色申告承認申請書の書き方に加えて、提出時に注意すべきポイントも事前に把握しておくことが大切です。以下では、青色申告承認申請書を提出する前に知っておきたい実務上の注意点を解説します。
青色申告承認申請書を提出する際の注意点①:失業保険との関係に注意
青色申告承認申請書を開業届と同時に提出すると、失業保険の受給資格を失う可能性があります。失業保険は「就労できない状態」の人を対象とした制度であるため、開業届とともに青色申告承認申請書を提出すると、「働ける状態」とみなされ、給付が打ち切られることがあります。
青色申告承認申請書の書き方に気を取られがちですが、失業保険を受け取っている場合には、申請のタイミングにも十分注意し、必要であればハローワークや税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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青色申告承認申請書を提出する際の注意点②:青色申告承認申請書の控えを忘れず保管
青色申告承認申請書の書き方を確認し無事提出できたら、必ず控えも作成して受付印をもらいましょう。控えは、後に事業用口座を開設する際や、金融機関からの融資申請時に提出を求められるケースがあります。
青色申告承認申請書の書き方におけるここがポイント!

税務署に青色申告承認申請書を郵送で提出する場合は、書き方に加えて、返信用封筒(切手貼付済)を同封する必要がある点にも注意してください。
受付印を押した控えが返送されることで、提出の証明になります。青色申告承認申請書の控えは、今後の事業運営でも役立つため、しっかり保管しておきましょう。
青色申告承認申請書を提出する際の注意点③:複式簿記の知識が必要になる
青色申告承認申請書を提出して承認されると、原則として複式簿記での記帳が求められます。特に、最大65万円の青色申告特別控除を受けたい場合は、複式簿記で帳簿を作成することが必須です。
複式簿記の仕組みは、借方と貸方の両方に取引を記録する形式で、帳簿作成のハードルは白色申告より高くなります。そのため、青色申告承認申請書の書き方だけでなく、会計ソフトの活用や税理士への依頼も視野に入れるとよいでしょう。
まとめ


SoVa税理士ガイド編集部
青色申告を行うためには、事前に青色申告承認申請書を提出する必要があります。
この記事では、青色申告承認申請書の概要から、具体的な書き方、提出期限、注意点まで詳しく紹介しました。
正しい書き方を理解し、期限内に提出することで、青色申告ならではの控除や特典を受けることができます。申請の手続きを確実に進めるためにも、本記事を参考にしながら青色申告承認申請書の準備を進めていきましょう。
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