青色申告を法人がするメリットとは?手続き方法についても解説!

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公開日:2025年7月

更新日:2025年7月2日

法人を設立した後、「青色申告をするかどうか」で悩む方は多いのではないでしょうか。個人事業主のイメージが強い青色申告ですが、実は法人でも青色申告を選択することが可能です。法人が青色申告を行うことで、欠損金の繰越控除や繰戻し還付など、さまざまな税務上のメリットを受けられるのが大きな特徴です。一方で、青色申告には複式簿記による記帳が必要となり、一定の手間がかかるといった注意点もあります。

本記事では、法人が青色申告を選択する場合のメリット・デメリットから、手続き方法、もし青色申告をしなかった場合の扱いまで詳しく解説します。

法人も青色申告できる?

個人事業主の所得に所得税がかかるように、法人も事業によって得た所得に応じて法人税を納めなければなりません。法人は事業年度ごとに決算を行い、確定した決算にもとづいて法人税などを計算して確定申告を行います。

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個人も法人も、確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類の方法があります。青色申告と聞くと、個人事業主の確定申告をイメージする方が多いかもしれませんが、法人でももちろん青色申告は可能です。むしろ、法人の場合は白色申告よりも青色申告の方が一般的といえるでしょう。

SoVa税理士ガイド編集部

青色申告には白色申告にはない多くの節税メリットがあるため、法人の節税効果を考えるなら、青色申告を行うのがおすすめです。

ただし、法人が青色申告を行うには、事前に税務署に申請を行い、承認を受ける必要があります。青色申告の申請手続きは、税務署に「青色申告の承認申請書」を提出するだけで、手数料もかかりませんが、期限が定められています。そのため、法人を設立したら、早めに青色申告の申請を済ませておくといいでしょう。

法人が青色申告するメリット

ここでは、青色申告法人に適用される主なメリットとして「欠損金の繰越控除」「欠損金の繰戻し還付」「少額減価償却資産の特例」について解説します。

法人が青色申告するメリット①:欠損金(赤字)を10年間繰越控除できる

青色申告法人に認められている欠損金の繰越控除とは、青色申告を行った事業年度に発生した法人の赤字を、一定の要件を満たすことで最大10年間繰り越して控除できる制度です。
この一定の要件とは、法人が赤字を出した後の事業年度において、連続して確定申告書を提出することが必要です。白色申告では適用できないため、法人が節税を考えるなら青色申告が有利です。ただし、大法人など一部の法人については繰越できる赤字に制限があるため注意しましょう。

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法人が青色申告するメリット②:欠損金の繰戻しで法人税が還付される

青色申告法人では、青色申告書を提出した事業年度に欠損金が発生した場合、その欠損金を前事業年度に繰り戻して法人税の還付を受けることができます。
還付請求をする際には、確定申告書と合わせて還付請求書を提出する必要があります。ただし、この繰戻し還付は中小企業者等に該当する法人のみが対象です。大法人などには適用されない点に注意してください。

法人が青色申告するメリット③:30万円未満の減価償却資産を一括で経費計上できる

青色申告法人として認められている中小企業者等の法人は、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産について、一定の要件を満たせば取得価額を一括で経費計上できます。

法人が青色申告するメリットに関する気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

ただし、青色申告法人の場合でも、少額減価償却資産の年度合計額は法人1年間で300万円までという上限があるため、超える場合は注意が必要です。

法人が青色申告するデメリット

青色申告法人が青色申告を選択するデメリットとしては、複式簿記で記帳する必要があるため、法人の経理処理に手間と時間がかかることが挙げられます。

SoVa税理士ガイド編集部

法人が青色申告するメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:会社設立後は青色申告を!選択するメリット、手続き方法を解説

複式簿記とは、すべての取引を仕訳して記録・集計する方法であり、法人が単式簿記のように収入と支出だけを記録するのではなく、資産や負債の増減も含めて二重に記帳しなければなりません。そのため、青色申告法人の経理処理は白色申告よりも複雑になります。

しかし、法人が青色申告を選択することで得られるメリットは、このデメリットをはるかに上回るといえるでしょう。

SoVa税理士ガイド編集部

実際に、普通法人の98%が青色申告を選択しており、ほとんどの法人が複式簿記による経理処理を行っています。

したがって、青色申告法人として複式簿記を行う手間は、法人を経営していくうえで必要不可欠な努力だと考えられます。

法人の青色申告方法

法人が青色申告を選択する場合、税務署から承認を受ける必要があります。
このために必要となる書類が「青色申告の承認申請書」であり、以下の流れで青色申告法人としての手続きを進めます。

STEP①:青色申告の承認申請書を作成する

青色申告を行う法人は、事前に税務署へ提出する「青色申告の承認申請書」を作成しなければなりません。
承認申請書の書式は、国税庁のWebサイト「青色申告書の承認の申請」ページからダウンロードできますので、法人の代表者や経理担当者は必ず確認しておきましょう。

STEP②:青色申告の承認申請書を提出する

作成した「青色申告の承認申請書」は、納税地を所轄する税務署に提出します。提出方法は、税務署窓口への持参・郵送・e-Taxのいずれかが選択可能です。
青色申告法人として翌事業年度から確定申告を行う場合、必ず事業年度開始日の前日までに提出しなければなりません。

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例えば、決算日を3月31日とする法人が翌期から青色申告で確定申告を行う場合、提出期限はその年の3月31日となりますので注意が必要です。また、新たに会社を設立して1期目から青色申告法人として確定申告を行いたい場合は、設立日から3か月を経過する日の前日までに申請する必要があります。

法人の青色申告の手続期限

法人が行う法人税の確定申告は、青色申告・白色申告いずれの場合でも、事業年度終了日の翌日から2か月以内が申告期限です。

法人の青色申告に関する気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

会社の事業年度は法人ごとに自由に決めることができるため、個人事業主のように一律で3月15日が期限となるわけではありません。

決算日の翌日から2か月以内に必ず青色申告による申告を済ませる必要があることを理解し、個人事業主から法人化(法人成り)した場合などは特に注意しましょう。

法人の青色申告に必要な書類の提出先

法人が青色申告を行う際に必要書類を提出するのは、納税地を所轄する税務署です。税務署窓口へ直接持参するほか、郵送または信書便での提出、また近年ではe-Taxを活用した青色申告法人の電子申告も一般的になっています。

SoVa税理士ガイド編集部

法人が青色申告するメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:法人の青色申告とは?メリット・デメリットや手続をわかりやすく解説

なお、青色申告法人が2期連続で期限内に確定申告を行わなかった場合、青色申告の承認が取り消される可能性があるため十分注意してください。税務書類の提出日は原則として税務官庁に書類が到達した日とされますが、郵送や信書便で提出する場合は、通信日付印(消印)の日付が提出日として扱われます。
いずれにしても、法人が青色申告を確実に行うために、余裕を持って手続きを進めることが大切です。

法人が青色申告しなかった場合はどうなる?

法人が青色申告を行わない場合や、青色申告をしたいと考えていても申請期限までに青色申告の承認申請書を提出できなかった場合、その事業年度については法人は白色申告を行うことになります。白色申告も法人の確定申告の方法の一つであり、「納めるべき法人税を申告する」という点では青色申告と同様です。

SoVa税理士ガイド編集部

しかし、青色申告と白色申告の大きな違いは、白色申告では単式簿記での記帳が認められており、法人としての帳簿付けが青色申告に比べて簡便で済む点にあります。

ただし、白色申告の法人では、後述するような青色申告の各種特典やメリットを受けることができません。そのため、多くの法人が節税効果を得るために青色申告を選択しています。

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まとめ

法人が青色申告を選択することで、欠損金の繰越控除や繰戻し還付、小規模法人に認められる各種特例など、白色申告にはない多くのメリットを享受できます。

SoVa税理士ガイド編集部

ただし、青色申告には複式簿記での帳簿付けや申請期限など、法人として守るべきルールもあるため注意が必要です。

適切に準備を行い、期限内に青色申告の承認申請を提出することで、法人の税務メリットを最大限に活かしましょう。ぜひ本記事を参考に、法人経営における最適な青色申告の活用方法を検討してみてください。

法人が青色申告するメリットに関するおすすめ記事:会社設立したら法人青色申告を! 受けられるメリットや期限、手続きなどを徹底解説

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