キャリアアップ助成金とは?メリットや申請時の注意点も解説!

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公開日:2025年3月

更新日:2025年4月2日

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップを支援し、労働意欲の向上を図ることを目的とした制度であり、厚生労働省から事業主へ支給されます。キャリアアップ助成金を活用することで、企業は非正規雇用労働者の処遇改善を進めると同時に、人材の定着率向上や労働生産性の向上といったメリットを得ることができます。

この助成金の対象となるのは、契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなどの非正規雇用労働者に対して、正社員化や賃金規定の改定、スキルアップ研修の実施など、キャリアアップにつながる取り組みを行った事業主です。キャリアアップ助成金を活用すれば、企業側にも金銭的なメリットが生まれ、より良い雇用環境の整備が可能になります。

本記事では、キャリアアップ助成金の対象となる事業者や、助成金申請の流れについて詳しく解説します。また、キャリアアップ助成金をスムーズに申請するためのポイントや、活用する際の具体的なメリットについても紹介しますので、申請を検討している事業主の方は、ぜひ最後までご覧ください。

キャリアアップ助成金とは?

キャリアアップ助成金とは、非正規社員のキャリアアップを促進し、労働意欲を向上させるために、正社員転換や処遇改善の取り組みを行った事業主に支給される助成金制度です。キャリアアップ助成金を活用することで、企業は非正規社員の定着率を向上させ、人材確保や経営の安定といったメリットを得ることができます。

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キャリアアップ助成金の目的

キャリアアップ助成金の主な目的は、有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者などの非正規社員のキャリアアップを支援し、安定した雇用環境を実現することです。非正規社員は、正社員に比べて賃金や雇用の安定性に課題があり、長期的なキャリア形成が難しい場合があります。そのため、キャリアアップ助成金を活用し、企業が正社員転換や賃金規定の改定、スキルアップ研修の実施などに取り組むことで、非正規社員の待遇向上につながります。

また、キャリアアップ助成金を活用するメリットとして、企業側は助成金による金銭的支援を受けながら人材育成を行えるため、人件費の負担を軽減しつつ、戦力強化を図ることができます。さらに、職場環境の改善によって、従業員のモチベーション向上や生産性向上のメリットも期待できます。

キャリアアップ助成金の対象事業主

キャリアアップ助成金の対象となる事業主は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 雇用保険の適用事業所であること
  • 事業所ごとにキャリアアップ管理者を配置していること
  • 労働局に認定を受けたキャリアアップ計画を策定していること
  • 対象労働者の労働条件、勤務状況、賃金の支払い状況などを明確にする書類を整備していること
  • キャリアアップ計画期間内に、実際にキャリアアップ施策を実施していること

キャリアアップ助成金は、民間企業だけでなく、NPO法人や医療法人なども申請可能です。助成金を受給することで、非正規社員の待遇改善を図り、企業の労働環境を向上させるメリットを享受できます。

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キャリアアップ助成金における中小企業の範囲

キャリアアップ助成金の支給額は、大企業と中小企業で異なります。特に中小企業にとっては、助成金の金額が比較的高く設定されているため、より大きなメリットを得ることができます。

以下の資本金の基準を満たす企業が中小企業に該当し、資本金がない事業主については、常時雇用する労働者の数で判断されます。

業種 資本金の額・出資の総額 常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

「常時雇用する労働者の数」とは、2か月を超えて雇用され、かつ週の所定労働時間が正社員・フルタイム労働者とおおむね同等である労働者を指します。

SoVa税理士ガイド編集部

キャリアアップ助成金を活用することで、中小企業でも非正規社員の正社員転換やスキルアップ支援を行いやすくなり、労働力の安定確保や生産性向上といったメリットを享受できます。

キャリアアップ助成金の種類

キャリアアップ助成金は、事業主の取り組みに応じて大きく「正社員化支援」と「処遇改善支援」の2つのカテゴリーに分かれ、さらに複数のコースに分類されます。

SoVa税理士お探しガイド編集部

これらのコースには、支給条件や支給金額に違いがあり、事業主は自社の状況に合ったコースを選択することで、キャリアアップ助成金のメリットを最大限に活用できます。

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キャリアアップ助成金の全解説:対象者、申請方法、メリット

正社員化支援

正社員化支援のコースは、非正規社員を正社員へ転換する取り組みを行った事業主が対象です。これにより、非正規労働者のキャリアアップを促進し、企業にとっても優秀な人材の定着を図ることができます。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員化コース

これらのコースを利用することで、企業は非正規社員の正社員転換を進め、安定した労働力を確保することが可能です。また、正社員化に伴う社会保険や福利厚生の整備も進み、従業員満足度の向上にもつながります。

処遇改善支援

処遇改善支援は、非正規社員の賃金や福利厚生などの待遇を改善する取り組みに対して支給される助成金です。事業主が従業員の待遇向上に積極的に取り組むことで、非正規社員の労働意欲を高め、企業の生産性向上にもつながります。

  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 賞与・退職金制度導入コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース
  • 社会保険適用時処遇改善コース

これらのコースを活用することで、企業は賃金規定の改定や社会保険の適用拡大など、従業員の処遇を改善できます。これにより、従業員の定着率を高め、企業の人材確保が容易になり、長期的な経営の安定が期待できます。

キャリアアップ助成金のメリット

キャリアアップ助成金には、事業主が活用することにより得られる多くのメリットがあり、その効果を最大限に引き出すことができます。以下に挙げる5つのメリットを知ることで、キャリアアップ助成金の受給や活用がどれだけ有益かを理解できるでしょう。

キャリアアップ助成金のメリット①:受給金額が比較的大きい

キャリアアップ助成金は、他の助成金制度と比べても比較的大きな受給金額が特徴です。たとえば、正社員化コースでは、1人あたり最大80万円を受け取ることができ、1事業所あたりの上限人数は20名。そのため、最大1,600万円まで受給することが可能です。この金額は、企業が非正規社員を正社員に転換する際の手間やコストに見合った額となり、キャリアアップ助成金を活用する大きなメリットとなります。

キャリアアップ助成金のメリットに関するおすすめ記事:【社労士監修】キャリアアップ助成金とは?申請方法や条件をわかりやすく解説

キャリアアップ助成金のメリット②:助成金の使い道が自由

キャリアアップ助成金は受け取った金額の使い道が自由です。必ずしも助成金を社員の給料や手当として使わなければならないわけではなく、自社の必要に応じて給与に充てることも、新しい設備の購入に使うこともできます。このメリットにより、企業は柔軟に助成金を活用し、組織の課題解決や運営資金に使えるため、経営の安定化にも寄与します。

キャリアアップ助成金のメリット③:正しく制度を利用すれば、助成金の返還は不要

基本的にキャリアアップ助成金は、正しく利用すれば返還は不要です。この点は事業主にとって大きなメリットとなります。助成金の使途も自由で、支給後は特に制約を受けずに経営資金として活用できます。

キャリアアップ助成金のメリットについて気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

しかし、不正受給をした場合は返還義務が生じ、5年間の申請停止措置も課せられます。この点に注意し、適正に制度を利用することが重要です。

キャリアアップ助成金のメリット④:人材不足の解消に繋がる

キャリアアップ助成金は、非正規社員の正社員化や処遇改善に対して支給されるため、従業員の定着率を向上させ、さらに新たな人材の採用にも繋がるメリットがあります。企業が正社員登用や賞与・退職金の整備などの制度改革を行うことで、従業員が長期的に働きやすい環境を整備できます。これにより、キャリアアップ助成金を活用した企業は、優秀な人材の確保が可能となり、結果的に人材不足の解消に繋がります。

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キャリアアップ助成金のメリット⑤:対象になる可能性が高い

キャリアアップ助成金は、業種や事業内容に関わらず多くの企業が対象となるため、活用しやすいメリットがあります。他の助成金制度では特定の条件や状況に該当しないと受けられないものが多いですが、キャリアアップ助成金は非正規社員の正社員化や処遇改善など、一般的な企業が直面する課題に対応しているため、多くの企業が申請できる点が大きなメリットとなります。

これらのメリットを活用し、キャリアアップ助成金を適切に申請することで、企業の経営改善や人材定着に大きく貢献することができます。

キャリアアップ助成金のデメリット

キャリアアップ助成金には、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、適切に対処することで、キャリアアップ助成金を効果的に活用できます。以下に挙げる3つのデメリットをおさえておきましょう。

キャリアアップ助成金のデメリット①:導入した規則(賞与・退職金など)の廃止は難しい

キャリアアップ助成金を活用して、賞与や退職金制度を新たに導入するコースでは、40万円以上の受給が可能ですが、一度導入した規則の廃止は非常に難しいという点がデメリットとなります。賞与や退職金の規則を撤廃することは、従業員にとって不利益変更にあたるため、原則として従業員の同意が必要です。

このため、キャリアアップ助成金を利用して規則を導入する際には、その後の運用に十分な注意を払い、財務に与える影響をシミュレーションした上で導入することが求められます。規則の変更や廃止は慎重に行うべきです。

キャリアアップ助成金のデメリット②:助成金は課税対象になる

キャリアアップ助成金は、受給金額が比較的大きいため、課税対象となります。助成金を受け取った際の金額が法人税等に影響を与えるため、税負担が増加する可能性があります。

キャリアアップ助成金で気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

特に、一度に受給できる金額が大きいため、課税所得が増え、税率が上がることがあります。

しかし、給与や賞与、退職金制度の導入にかかった費用は経費計上できるため、キャリアアップ助成金を受けた後に経費をしっかりと計上することで、最終的な税負担を軽減することが可能です。税務の影響を事前にシミュレーションし、必要に応じて税理士などの専門家に相談することがメリットです。

キャリアアップ助成金のデメリット③:助成金の申請には手間がかかる

キャリアアップ助成金の申請は、必要書類の準備や提出・修正、さらには就業規則の変更が求められるため、かなりの手間がかかります。また、申請後に書類に不備があった場合、受給できなかったという事例もあります。このため、申請前にしっかりと必要書類を確認し、正しい手続きを踏むことが非常に重要です。手間をかけて申請することで、受給のチャンスが広がり、キャリアアップ助成金のメリットを最大限に活用できるようになります。申請の流れや必要書類の準備については、事前に十分な情報収集と確認を行うことが求められます。

これらのデメリットを十分に理解した上で、キャリアアップ助成金を活用することで、非正規社員の正社員化や処遇改善を効果的に進めることができるとともに、企業にとって大きなメリットを得ることができます。

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キャリアアップ助成金申請時の注意点

キャリアアップ助成金を申請する際には、いくつかの重要な注意点を把握しておくことが大切です。これらの注意点を理解し、適切に対応することで、キャリアアップ助成金の申請がスムーズに進み、そのメリットを最大限に活用できます。以下に、申請時に理解しておくべき主なポイントを解説します。

キャリアアップ助成金申請時の注意点①:法令を遵守することが前提条件

キャリアアップ助成金を活用するためには、法令に基づいた手続きが必須です。特に、キャリアアップ助成金を申請する企業は、有期契約労働者などにも適用される労働関係法令や社会保険関係法令を守る必要があります。

具体的には、賃金の支払い、雇用契約書や出勤簿、賃金台帳の作成・管理などを適切に行っていることが求められます。これにより、法的な問題が発生するリスクを避けることができ、安心してキャリアアップ助成金を申請することができます。

キャリアアップ助成金申請時の注意点②:申請タイミングによる制度変更の可能性

SoVa税理士お探しガイド編集部

キャリアアップ助成金は、制度内容が定期的に変更されることがあるため、申請のタイミングに注意が必要です。気になる方は「【社労士監修】キャリアアップ助成金とは?申請方法や条件をわかりやすく解説」の記事もおすすめです。

特に、過去にいくつかの重要な改正が行われています。例えば、過去の改正内容は以下の通りです。

  • 正社員化コースでは、有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の助成が廃止されました(2022年4月1日以降)。
  • 正社員化コースや障害者正社員化コースにおいて、「正社員定義」が変更され、昇給や賞与・退職金の制度がある正社員への転換が必要になりました(2022年10月1日以降)。
  • 各コースでの生産性向上が認められる場合の加算が廃止されました(2023年4月1日以降)。

そのため、申請時に適用される具体的な内容については、最新の情報を確認することが重要です。都道府県労働局や最寄りのハローワークにて、キャリアアップ助成金の最新情報をしっかりと把握しましょう。

これらの注意点を理解し、正しい手続きを行うことで、キャリアアップ助成金のメリットを最大限に活用できるようになります。

まとめ

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の賃金増加や雇用の安定を促進し、企業にとっても大きなメリットが期待できる制度です。この助成金を活用することで、従業員のスキルアップや仕事へのモチベーションの向上が見込まれ、結果として企業の経営安定にも貢献します。

SoVa税理士ガイド編集部

さらに、キャリアアップ助成金は、非正規労働者を正社員に転換したり、処遇を改善したりする企業に対して支給されるため、従業員の定着率を向上させ、長期的な経営の安定を支えるメリットがあります。

助成金を適切に申請するためには、計画的に手順を踏むことが重要です。そのため、専門家のサポートを受けることで、確実にキャリアアップ助成金を受け取ることができ、助成金のメリットを最大化することができます。

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