税務調査の流れは? 法人の税務調査での指摘ポイントや税理士の役割まで解説!

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公開日:2024年5月

更新日:2024年5月18日

法人の税務調査は、多くの企業にとって重要かつ緊張するイベントです。この記事では、税務調査の流れや主な指摘ポイント、そして税理士の役割について詳しく解説します。税務調査の不安を和らげ、適切な対応をするための基礎知識を提供します。

おすすめ参考記事:税務調査とは?実施時期や流れ、必要書類や注意点について全解説

法人の税務調査

法人設立後に初めて税務調査の連絡を受けると、緊張や不安を感じることがあるでしょう。税務調査とは、どのような流れでどの範囲まで調査されるのか、また税金を徴収されるのか?といった疑問もあるでしょう。法人の税務調査は、大きく分けて税務署の法人税部門、課税部の資料調査課(通称「料調」)、および調査部によって行われます。

料調が担当する調査は、資本金1億円未満の法人に対して行われます。それ以上の大規模法人については調査部が担当します。

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    このように、資本金の額によって調査を担当する部署が異なりますので、事前に把握しておくと良いでしょう。

法人の税務調査においては、さまざまな視点からの流れで調査が行われます。この税務調査には、税理士も重要な役割を果たします。税理士は、税務調査の流れに対しての対応や、調査結果に対する意見表明など、企業側の立場でサポートします。

税務調査の流れや対応方法を理解しておくことで、税務調査の流れなどに対する不安や疑問を軽減することができます。次の構成では、具体的な税務調査の流れと税理士の役割について詳しく解説します。

税務調査の流れ -法人と個人の違い-

法人の税務調査と個人の税務調査の違いについてですが、税務調査の大枠での内容はさほど変わりません。しかし税務調査の対象範囲の違いによる流れは多少の違いが出てきます。法人と個人それぞれに特有の調査の流れなど理解しておくことで、税務調査に対する準備や対応をスムーズに行うことができます。

法人の税務調査の流れ

まず、法人の税務調査の流れについて解説します。一般的な税務調査(任意調査)の流れは、以下のような段階を経て進行します。

法人の税務調査の流れ①
調査の予告

法人の税務調査の流れの一つ目として、税務署は法人に対して事前に税務調査の予告を行います。通知書には調査の目的や期間、範囲、必要な書類や情報の提出日などが記載されています。指定された調査日が都合が合わない場合、別日を希望して調整することも可能です。

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    また、現金を中心とした商売を行っている法人に対しては、事前通知なしの無予告での税務調査が入ることもあります。

おすすめ記事:税務調査の実際の流れ ②事前通知

法人の税務調査の流れ②
書類・情報の事前準備と提出

法人の税務調査の流れの二つ目は、税務調査日程が決まったら、税務調査当日までに必要な資料の準備を進めます。顧問税理士がいる場合は、税理士と事前打ち合わせをしておくことも重要です。調査当日は、税務署の要求に応じて必要な書類や情報を提示または提出します。

法人の税務調査の流れ③
調査の実施

法人の税務調査の流れの三つ目は、税務署の調査官が法人の事業所を訪れ、提出された書類や情報を詳細に確認します。調査官は法人の所得や経費、税金の申告の正確性をチェックし、疑わしい項目や不透明な取引について追加の質問を行うこともあります。

法人の税務調査の流れ④
調査結果の通知

法人の税務調査の流れの最後は、税務署は税務調査結果を法人に通知します。

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    結果によっては、法人の所得や税金が修正され、追徴課税が行われることもあります。

おすすめ記事:法人に対して税務調査が入る確率は?税務署が調査に入る条件とは

個人の税務調査との違い

個人の税務調査も法人と同様に、確定申告に関わる書類や帳簿、電子データなどが対象となります。個人事業主の場合、経費の記録や帳簿の管理が特に重要です。

法人と個人の違いは、税務調査の対象範囲や内容にあります。法人では、経理や財務の専門家が携わっていることが多く、より複雑な取引や税務問題が発生する可能性があります。そのため、税務調査の流れや内容がより詳細で専門的になることがあります。

一方、個人の税務調査は、個人事業主や個人の所得に焦点を当てたものになります。経費の記録や申告の正確性に加えて、個人の所得源や支出内容に注目が集まることが多いため手順の流れは法人の流れと異なってきます。

いずれの場合も、税理士のサポートは重要です。税理士は税務調査の対応や税務調査の結果に対する意見表明など、法人や個人に対して専門的なアドバイスを提供します。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    税理士のサポートを得ることで、税務調査の対応をスムーズに進め、税務調査結果に対して適切な対応ができるでしょう。

法人税務調査の流れと税理士に関連する記事:法人の税務調査の流れと対象になりやすい傾向とは?

法人の税務調査 -税務調査の種類-

法人の税務調査には主に「任意調査」と「強制調査」の2つの種類があります。それぞれの税務調査の特徴と流れについて解説します。

任意調査

任意調査は、税務署の職員によって行われる一般的な税務調査です。この税務調査は大部分の税務調査に該当します。流れとしては事前に電話などで税務調査の通知があり、2日程度の期間をかけて帳簿や関連書類を詳細に調査します。

「任意」と名前がついていますが、税務調査を拒否したり、正当な理由なく帳簿の提示を拒んだりすると、法的な罰則を受ける可能性があります。そのため、任意の税務調査とはいえ、受忍義務があることを覚えておきましょう。

また、帳簿や書類の隠蔽や改ざんなど不正行為の疑いがある場合や、税務調査の適正な遂行が困難な場合には、無予告での税務調査が行われることもあります。事前通知がなく税務調査が行われた場合でも、理由を税務署の職員に確認し、後日通知の上で税務調査を依頼することも可能です。

強制調査(犯則調査)

強制調査は、国税局査察部が行う税務調査です。裁判所の令状に基づいて事前の連絡なく行われるため、調査対象となった場合は拒否することができません。この税務調査は立件を目的とした犯罪捜査の一種であり、巨額の脱税の疑いがある場合に実施されます。

強制調査の流れとしては、令状に基づき調査官が法人の事業所や関係者の自宅などを訪問し、必要な資料や情報を収集します。この調査は捜査権限を持って行われるため、調査対象者は調査官の要求に従わなければなりません。

いずれの税務調査でも税理士は、法人をサポートする重要な存在です。任意調査や強制調査の際には、税理士が法人にアドバイスを提供し、税務調査に対する流れに対して適切な対応をサポートします。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    また、税理士は税務調査結果に対する意見表明や申告内容の説明など、法人側の立場で税務署と交渉する役割も果たします。

税理士の専門知識や経験を活用することで、税務調査の流れをスムーズに進めることができ、税務調査結果に対する適切な対応を取ることが可能です。法人は、税理士と連携して税務調査に臨むことで、より確実な税務調査への対応を行うことができるでしょう。

法人税務調査の流れと税理士に関連する記事:税務調査とは?調査時期や流れ、対象、必要書類などの基礎知識を解説

法人の税務調査 -対象になりやすい法人-

税務調査の対象になりやすい法人にはいくつかの特徴があります。この特徴を把握しておくことで、税務調査に対する備えや対策を行うことができます。以下では、税務調査が入りやすいとされる法人の種類とその特徴を解説します。

継続管理法人

継続管理法人とは、過去の税務調査で不正が指摘された法人のことを指します。たとえば、風俗業など業種として不正が多いとされる業種も対象となりやすいです。継続管理法人は、再び不正が発生する可能性があると判断されるため、税務調査の対象として注意が必要です。

循環接触法人

循環接触法人とは、取引内容や会計処理に不審な点が多い法人や、税務調査の際に不正への加担が疑われる法人のことです。取引の透明性や正確性に疑問がある場合、税務調査の対象となることがあります。

周期対象除外法人

周期対象除外法人は、通常の税務調査ではなく、特定の理由によって税務調査が行われる法人を指します。たとえば、経営者が交代したり、事業規模に変化があったりした法人です。申告内容を解明する必要があると判断されると、周期的な調査の対象外であっても税務調査が行われることがあります。

その他の対象法人

これらの3種類の法人に加えて、以下のような法人も税務調査の対象となりやすいと考えられます。

輸出業者

消費税の還付を受けた輸出業者は税務調査の対象になることがあります。

急成長している法人

売上が急激に伸びている法人は、税務調査の対象となる可能性があります。

不自然な経費計上

常識的な範囲を超えた経費計上で利益が抑えられている法人は、税務調査の対象となることがあります。

税務調査の対象になりやすい法人は、税務調査の流れに備えて対策を講じる必要があります。適切な会計処理や書類の保存、税理士との連携を強化することで、税務調査に対応しやすくなります。

税理士の役割は、税務調査の流れをサポートするだけでなく、税務調査の結果に対するアドバイスや交渉も行います。税理士と連携して正確な会計処理を行うことで、税務調査への備えが強化されます。

税務調査の対象になる可能性がある法人は、これらの点を意識しておくことで、税務調査の流れにスムーズに対応できるでしょう。

法人の税務調査 -指摘されるポイント-

法人の税務調査でよく確認されるポイントは、法人が正確に申告を行っているかを判断するための要素です。以下に挙げたポイントは、税務調査で特に重点的に確認されます。税理士との連携を通じて、これらの点に適切に対処し、税務調査に備えましょう。

売上および仕入れ金額

売上は税務調査で最も重視される項目の一つです。売上の計上漏れや過少申告の有無を確認するため、預金通帳と帳簿、決算書との一致が確認されます。また、仕入れ金額も税務調査の焦点となります。仕入れ金額を過大に計上することで税負担を軽減する不正があるためです。売上と仕入れの整合性を確認することで、不正の有無を探ります。

前年と比較して売上や仕入れ金額が大きく変動している場合、その理由を明確かつ合理的に説明できるように準備しておくことが重要です。

期ずれ

期ずれは、事業年度の前後に行われた取引の計上のずれを指します。期ずれがあると本来の税金額が変わってくるため、税務調査では重点的に確認されます。発生主義に基づいて、売上や費用が適切なタイミングで計上されているかを確かめましょう。

損金の振り分け

損金とは、法人が所有する資産を減少させる費用・経費・損失のことを指します。会計上損金として認められるものが、税務上で不適切とされることがあります。税理士とともに損金の算入・不算入の判断を適切に行いましょう。特に、高額な役員報酬、交際費、寄付金などが限度を超えていないかに注意が必要です。

領収書や書類の整合性

税務調査では決算書や帳簿のほか、領収書などもチェックされます。領収書の内容が辻褄が合っているか、交通費や飲食費などの経費計上が適切かどうかが確認されます。交通費は領収書がなくても経費として計上できることがありますが、帳簿の内容から目的や日付を正確に説明できるように準備しておきましょう。

高頻度で利用する飲食店の領収書も注意が必要で、私用の可能性が疑われないよう相手との関係や目的を明確にしておく必要があります。

時系列の矛盾

税務調査では時系列の矛盾も見逃されません。たとえば、出張で社員が不在のときに社員旅行や忘年会の出席者が多い場合、経費の水増しの疑いが生じる可能性があります。

これらのポイントは法人の税務調査の流れの中で重点的に確認されるため、正確な記録と証拠を準備しておくことで税務調査をスムーズに乗り切ることができます。税理士と協力して法人の税務調査に備えることで、税務調査に対する安心感も高まります。

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法人の税務調査 -税理士の役割-

法人の税務調査に際して、税理士の役割は非常に重要です。税務調査が予告されると、不安を感じる方も多いかもしれませんが、税理士と定期的なコミュニケーションを保ち、税理士に税務調査に立ち会ってもらうことで、不安を和らげ、スムーズな税務調査対応が可能になります。ここでは、法人の税務調査における税理士の役割とメリットについても解説します。

税務調査官の主張に対する税法面からの回答

税理士が税務調査に立ち会うメリットの一つは、調査官の主張に対して税法面から回答できることです。税務調査官の判断が正確でない場合でも、税理士がいれば専門的な視点から正しい回答ができるため、税務調査の結果に不公平な負担が発生するのを避けられます。税法は解釈の違いで意見が分かれることもあるため、税理士の存在が追徴課税や過度な負担を防ぐ助けになります。

税務調査の事前準備のサポート

税理士に立ち会いを依頼すると、税務調査の事前準備もスムーズに進められます。初めての税務調査では、必要な書類や税務調査で確認される内容が不明瞭なため、税理士のアドバイスを受けることが有益です。事前準備を万全にすることで、税務調査に対する不安が軽減されます。

税理士が申告書を作成している場合、その申告書には税理士の署名が含まれます。これにより、税務調査の対象になる可能性は残るものの、税務専門家である税理士による関与が書類の信頼性を高めます。税理士が作成した申告書に基づいて調査に対応することで、調査官の指摘に対して適切に対応することが可能です。

税務調査対応とリスク軽減

税理士との顧問契約は、税務調査対応やリスク軽減に寄与します。税理士が申告書を作成し、継続的に関与していることで、調査時に適切な対応ができるほか、リスクを未然に防ぐことが可能です。顧問契約を結ぶことで、税理士からのサポートを受けながら税務調査に対応できます。

法人の税務調査の流れにおいて、税理士の役割である立ち会いは特に大きなメリットがあります。専門的な知識を持つ税理士のサポートを得ることで、法人の税務調査に対する不安を軽減し、適切な対応が可能となります。顧問契約を結ぶことで、事前準備や税務調査時の対応をサポートしてもらい、法人の税務リスクを軽減しましょう。

法人税務調査の流れと税理士に関連する記事

まとめ

法人の税務調査は、企業の税務状況を正確に評価するための重要なプロセスです。税務調査の流れは、事前の予告から書類の準備、調査の実施、結果の通知まで、段階的に進行します。税務調査では売上や仕入金額、期ズレ、損金の振り分け、領収書の不整合などが重点的に確認されます。これらの調査項目は、適切な税務処理が行われているかを評価するための重要なポイントです。

税務調査に対する不安を軽減するためには、税理士の役割が大きな力を発揮します。税理士は税務調査に立ち会い、調査官の主張に対して税法面から適切な回答を行うことで、調査の妥当性を確認し、必要に応じて追徴課税を回避するサポートを行います。また、税理士の立ち会いにより、事前準備がスムーズに進み、税務調査に対する安心感が高まります。

税理士との顧問契約は、税務調査対応において重要なアセットとなります。税理士が申告書を作成し、継続的に企業に関与することで、税務調査の流れに対して的確な対応が可能となります。税務リスクを軽減するためにも、税理士のサポートを受けることをおすすめします。

今回の記事では、法人の税務調査の流れと、税理士の役割について詳しく解説しました。税務調査は企業経営において避けては通れないプロセスですが、税理士の協力を得て正確かつ適切に対応することで、企業の税務状況を健全に保つことができます。ぜひ、税理士との連携を図り、法人の税務調査に備えてください。

法人税務調査の流れと税理士に関連する記事:国税局出身の税理士が語る!税務調査の基礎知識と調査の流れ

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