法人設立届出書とは?書き方や提出先を詳しく解説!
カテゴリー:
公開日:2025年9月
更新日:2025年9月2日
法人設立をした際には、必ず税務署へ「法人設立届出書」を提出しなければなりません。法人設立届出書は、法人税や消費税といった税務処理に直結する重要な届出書であり、提出先や提出期限を守らないと不利益を受ける可能性もあります。さらに、法人設立届出書には種類があり、税務署だけでなく都道府県税事務所や市町村役場へも提出が必要になるケースがあります。
この記事では、法人設立後に提出すべき法人設立届出書の基礎知識から、届出書の書き方、添付書類、その他の関連手続きまでを詳しく解説します。法人設立を予定している方はもちろん、すでに法人設立を済ませた方も、届出書の正しい準備や提出方法を確認しておきましょう。
目次
- 法人設立届出書とは
- 法人設立届出書の種類と提出期限
- 法人設立届出書の書き方
- 法人設立届出書の書き方 STEP①:提出日・提出先の記入
- 法人設立届出書の書き方 STEP②:本店所在地・納税地の記入
- 法人設立届出書の書き方 STEP③:法人名・法人番号・代表者情報
- 法人設立届出書の書き方 STEP④:設立年月日・事業年度
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑤:資本金の記入
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑥:消費税の新設法人該当欄
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑦:事業目的・支店情報
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑧:設立形態の選択
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑨:事業開始日
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑩:給与支払事務所等の開設届出書の有無
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑪:添付書類の確認
- 法人設立届出書の書き方 STEP⑫:関与税理士・署名欄
- 法人設立届出書に添付する書類
- 法人設立届出書に関するその他手続き
- まとめ
法人設立届出書とは

法人設立届出書とは、法人設立をした事実や会社の概要を税務署に届け出るための重要な届出書です。法人登記を法務局で完了した後に必要となる手続きであり、法人税や消費税などの申告、その他の税務処理に活用されます。
法人設立を行った場合は、株式会社だけでなく、合同会社や協同組合などすべての内国法人に法人設立届出書の提出義務があります。

SoVa税理士ガイド編集部
法人設立後に届出書を提出し忘れると、税務処理に支障をきたす可能性があるため、必ず手続きを済ませましょう。
法人設立届出書には規定のフォーマットがあり、この届出書は税務署で配布されています。また、国税庁のWebサイトから無料でダウンロードすることも可能です。さらに、Webサイトから取得した法人設立届出書は、国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用してオンラインで提出することもできます。
法人設立の届出書に関するおすすめ記事
法人設立の手続きや法人設立届出書の作成・提出について不明点がある場合は、最寄りの税務署で相談することができます。ただし、税務署の閉庁日(土曜・日曜・祝日等)は届出書の相談や提出ができない点に注意が必要です。
法人設立届出書の種類と提出期限

法人設立をした際には、税務署だけでなく、都道府県税事務所や市町村役場へも届出書を提出する必要があります。法人設立届出書は法人税や法人住民税、法人事業税といった税金の課税根拠となる重要な書類であり、法人設立後の必須手続きです。この章では、法人設立に伴う届出書の種類や提出期限について詳しく解説します。
法人設立届出書の種類
法人設立を行った場合、提出が必要な届出書は複数あります。具体的には以下の3種類に分けられます。
- 税務署に提出する法人設立届出書
- 都道府県税事務所に提出する届出書
- 市町村役場に提出する届出書

SoVa税理士お探しガイド編集部
法人設立の届出書についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
法人設立後に必ず提出しなければならないのが、税務署への法人設立届出書です。都道府県税事務所への届出書も原則として提出が必要となります。市町村役場への届出書については、納税地の自治体によっては不要な場合もあります。それぞれの届出書には名称や記載項目に多少の違いがありますが、基本的な内容は共通しています。なお、この記事では特に税務署に提出する法人設立届出書を中心に説明します。
どんな法人でも届出書は必須
法人設立届出書の提出は、法律で義務付けられています。株式会社や合同会社はもちろん、一般社団法人なども対象であり、法人設立後は必ず届出書を提出しなければなりません。
法人設立届出書に関するここがポイント!

ただし、一般財団法人や一般社団法人であっても、非営利型法人に該当する場合は法人設立届出書の提出義務が免除されるケースもあります。
法人設立届出書の提出期限
法人設立届出書は、法人設立から2か月以内に所轄の税務署へ提出する必要があります。法人設立の準備で忙しい時期ですが、提出期限を過ぎるとトラブルの原因となるため注意が必要です。
また、都道府県税事務所や市町村役場に提出する届出書については、自治体ごとに期限が異なります。例えば東京23区では法人設立日に関わらず事業開始日から15日以内、大阪府では法人設立日または事務所設置日から2か月以内とされており、提出期限が短い場合もあります。法人設立後は必ず各自治体のルールを確認して届出書を提出しましょう。
法人設立届出書の書き方

法人設立を行った後、税務署に提出する法人設立届出書には数多くの記入項目があります。法人設立届出書は法人税や消費税の申告に直結する大切な書類であり、法人設立後の初期手続きに欠かせません。この章では、法人設立届出書のフォーマットに沿って、具体的な書き方をSTEPごとに詳しく説明します。
法人設立届出書の書き方 STEP①:提出日・提出先の記入
法人設立届出書の左上には提出日を和暦で記入し、「〇〇税務署長殿」の欄には所轄の税務署名を書きます。法人設立後に提出する届出書の基本情報となるため、誤記入がないよう注意しましょう。所轄税務署が分からない場合は、国税庁のサイトで検索できます。
法人設立届出書の書き方 STEP②:本店所在地・納税地の記入
法人設立届出書には、本店または主たる事務所の所在地を登記事項証明書通りに記載します。「納税地」は多くの場合本店所在地と同一のため、「同上」と書けば足ります。電話番号は固定電話・携帯電話どちらでも問題ありません。
法人設立届出書の書き方 STEP③:法人名・法人番号・代表者情報
法人名は登記通りの正式名称をフリガナ付きで記載します。法人番号は国税庁の法人番号公表サイトで確認可能です。代表者氏名・住所・電話番号も正確に記入しましょう。

SoVa税理士お探しガイド編集部
法人設立直後で法人番号が未掲載の場合は空欄でも受理されます。
法人設立届出書の書き方 STEP④:設立年月日・事業年度
設立年月日は法人登記を申請した日を和暦で記入します。事業年度は定款に定めた会計期間をそのまま記載します。法人設立届出書では、これが税務署にとって事業の基礎情報となります。
法人設立届出書の書き方 STEP⑤:資本金の記入
法人設立時に登記した資本金や出資金を正確に記入します。法人設立届出書は資本金によって消費税の課税区分が決まるため、金額の誤りは避けましょう。
法人設立届出書の書き方 STEP⑥:消費税の新設法人該当欄
資本金1,000万円以上の法人は「消費税の新設法人」に該当するため、設立年月日を記入します。1,000万円未満の場合は空欄で差し支えありません。
法人設立届出書の書き方 STEP⑦:事業目的・支店情報
事業目的欄には定款に記載された内容を記載し、書ききれない場合は概要で対応します。支店や出張所がある場合はその住所も記入します。法人設立届出書では将来の事業展開を明示する意味合いもあります。
法人設立の届出書に関するおすすめ記事:法人設立後に出すべき届出一覧!必要書類をかんたんに作成する方法
法人設立届出書の書き方 STEP⑧:設立形態の選択
個人事業主から法人成りした場合は「個人企業を法人組織とした法人」を選択します。新設法人の場合は「その他」に○を付け、「新設法人」と記入すれば問題ありません。
法人設立届出書の書き方 STEP⑨:事業開始日
すでに事業を開始している場合は法人設立日と同日を記入、未開始の場合は予定日を記載します。
法人設立届出書の書き方 STEP⑩:給与支払事務所等の開設届出書の有無
従業員や役員報酬の支払いがある場合は「有」に○を付け、法人設立届出書と合わせて給与支払事務所等の開設届出書を提出します。
法人設立の届出書に関するおすすめ記事
法人設立届出書の書き方 STEP⑪:添付書類の確認
定款の写しなど、法人設立に伴う必須書類を確認し、該当欄にチェックを入れます。添付漏れは法人設立届出書が受理されない原因になるため注意が必要です。
法人設立届出書の書き方 STEP⑫:関与税理士・署名欄
顧問税理士がいる場合は氏名を記入し、届出書を代行作成した場合は税理士署名も必要です。法人設立届出書を自分で作成した場合は空欄で差し支えありません。
法人設立届出書に添付する書類

法人設立をした際には、法人設立届出書そのものだけでなく、添付書類の準備も欠かせません。法人設立届出書に添付する書類は、提出先によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

SoVa税理士お探しガイド編集部
法人設立の届出書についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:法人設立届出書の書き方を項目ごとに詳しく解説!
ここでは、法人設立届出書に必要な添付書類を「定款等の写し」と「登記事項証明書」に分けて解説します。
法人設立届出書の添付書類①:定款等の写し
税務署に提出する法人設立届出書には、2019年4月以降、定款のコピーのみを添付すれば足ります。以前は複数の添付書類が必要でしたが、現在は簡素化されています。国税庁が公開する届出書フォーマットには「その他」という欄が残されていますが、法人設立後に税務署へ提出する際は定款の写しだけで問題ありません。
法人設立届出書の添付書類②:登記事項証明書
法人設立届出書を都道府県税事務所や市町村役場へ提出する場合、定款のコピーに加えて登記事項証明書が必要となります。
法人設立届出書の提出時はここがポイント!

したがって、法人設立に伴う届出書を準備する際には、税務署用と自治体用の両方を想定して、定款のコピーと登記事項証明書をセットで用意しておくことが重要です。
法人設立届出書に関するその他手続き

法人設立登記が完了した後も、税務署への法人設立届出書以外に複数の手続きが必要です。年金事務所や労働基準監督署などでの社会保険・労働保険関連の届出書、業種ごとの許可や登録、さらに税務関連の申請書類などを整えることが、法人設立後のスムーズな事業運営につながります。ここでは、法人設立届出書以外に必要な主な手続きを整理して解説します。
法人設立届出書以外に必要な手続き①:社会保険関連の届出書
法人設立後は、従業員を雇用していなくても社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務です。年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」や「被保険者資格取得届」などを法人設立届出書とあわせて提出します。これらは事実発生日から5日以内の届出が必要です。
法人設立届出書以外に必要な手続き②:雇用・労働保険の届出書
従業員を雇用する場合は、ハローワークで雇用保険の届出書を、労働基準監督署で労働保険の届出書を提出します。法人設立後の労務管理の基盤となるため、提出先や保険料の納付先に注意が必要です。
法人設立届出書以外に必要な手続き③:業種別の許可・登録
法人設立をしただけでは事業が開始できない業種もあります。探偵業は「探偵業届出」、飲食業は「食品営業許可」、建設業は「建設業許可」など、業種に応じて行政機関への届出書や許可申請が必要です。
法人設立時に気をつけておきたい注意点

個人事業主時代に取得した許可は法人設立後に引き継げないため、再度申請が必要となります。
法人設立届出書以外に必要な手続き④:税務署への追加届出書
法人設立届出書のほか、税務署に提出するとメリットがある届出書があります。
- 青色申告の承認申請書:欠損金の繰越控除や特典を受けられる(提出期限:法人設立から3か月以内)。
- 源泉所得税の納期の特例の承認申請書:源泉税の納付を半年ごとにまとめられる。
- 電子申告・納税等開始届出書:e-Taxでのオンライン申告が可能になる。
法人設立の届出書に関するおすすめ記事
これらは法人設立後の節税や手続き効率化に役立ちます。
法人設立届出書以外に必要な手続き⑤:GビズIDの取得
法人設立後はオンライン申請の機会が増えるため、GビズIDの取得がおすすめです。社会保険の電子申請やIT導入補助金の申請、e-Govでの届出書提出など、法人設立後の行政手続きを効率化できます。
まとめ

法人設立届出書は、法人設立を行ったすべての法人に提出義務がある重要な届出書です。法人設立登記が完了した後、税務署や自治体に対して期限内に提出する必要があり、添付書類や関連手続きも忘れてはいけません。法人設立届出書の正しい書き方や必要書類を理解しておけば、法人設立後の税務処理や社会保険・労働保険の手続きもスムーズに進められます。
法人設立は新しい事業のスタートです。届出書の準備を確実に行い、安心して事業を運営していきましょう。
法人設立の届出書に関するおすすめ記事:【記入例付き】法人設立届出書の正しい書き方と提出先・注意点を解説
税理士を探すのが大変と感じた方
Feature
会計事務所SoVaの特徴
専門家の窓口は1つに
税理士業務だけでなく
社労士業務も対応しています
会計ソフト記帳
年末調整
税務相談
給与計算
従業員入社
登記申請
節税アドバイス
補助金
アドバイス
経費削減
アドバイス
一般的な税理士
会計ソフト記帳
年末調整
税務相談
※士業の独占業務に該当するものは、SoVa提携士業と協業して対応します
税理士業務+社労士業務で、価格はそのまま
一般的な税理士と
同水準の価格で依頼できます
〜5名規模
〜10名規模
〜20名規模
〜30名規模
¥29,800/月(税抜)~
※士業の独占業務に該当するものは、SoVa提携士業と協業して対応します
SoVaをもっと知りたい!