転職した場合の年末調整はどうしたらいい?必要な書類や手続きを解説!
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公開日:2024年12月
更新日:2024年12月19日
会社員は、年末調整を通じて、毎月の給料から差し引かれていた所得税を精算します。転職した場合、新しい転職先の会社で年末調整を行うことが一般的ですが、年末の時点で転職先に入社していない場合や翌年1月以降に転職する場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
年末調整を新しい転職先で行う際には、前職の源泉徴収票を提出することが求められるため、前職からの書類を忘れずに準備しておきましょう。
SoVa税理士ガイド編集部
転職と年末調整が絡む手続きは複雑になりやすいため、事前にしっかり確認することが大切です。本記事では、転職した場合の年末調整で必要な書類や手続きについて解説します。
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転職した場合の年末調整
年末調整は、その年に転職した役員や従業員も対象となる重要な手続きです。転職者の場合、転職前の給与と転職後の給与を合算して年末調整を行う必要があります。この際、前職の源泉徴収票が必須となり、転職者がその書類を適切に提出することが求められます。
特に、転職先の企業で年末調整を行う場合、転職のタイミングや前職の収入状況によって処理が異なるため、担当者は転職者の状況を正確に把握することが重要です。しかし、転職者に対する年末調整には注意点が多く、誤りが発生しやすい領域でもあります。
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<ケース別>転職した場合における年末調整の対応方法
12月時点で会社勤めをしている場合、原則として勤務先が年末調整を行います。ただし、転職のタイミングによっては、年末調整の対象外となることがあるため、注意が必要です。
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ケース①:転職後の年末調整
- 12月までに転職し、新しい会社で給与を受け取る場合
新しい会社で年末調整を受けるためには、前職の源泉徴収票を転職先に提出する必要があります。ただし、以下の場合は確定申告が必要です。- 前職の源泉徴収票が間に合わない場合
- 転職先での初給与が翌年1月以降に支払われる場合
- 12月に転職した場合
前職または転職先で年末調整を行う可能性がありますが、場合によっては確定申告が必要になるため、どちらが調整を行うのか確認が重要です。
ケース②:年内に複数回の転職をした場合
同じ年に複数回転職した場合、全ての前職の源泉徴収票を12月時点で勤務している会社に提出する必要があります。源泉徴収票を紛失した場合、前職に再発行を依頼してください。ただし、再発行には時間がかかる場合があります。
ケース③:年末時点で就職していない場合
12月時点で離職中の場合、自分で確定申告を行う必要があります。この場合、退職翌年の2月16日から3月15日に申告を行うことで、払い過ぎた所得税が還付される可能性があります。申告には源泉徴収票が必要なので、事前に入手しておきましょう。
ケース④:長期間の離職後に転職した場合
離職期間中に国民年金や国民健康保険を支払っていた場合、社会保険料控除が適用されることで還付金が増える可能性があります。国民年金に関する控除証明書や領収書を年末調整時に会社へ提出してください。
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転職者の年末調整の手順
転職者に対する年末調整は、以下の手順で進めます。
転職者の年末調整ステップ①:転職者から前職分の源泉徴収票を受け取る
転職者が前の勤務先から発行された「給与所得の源泉徴収票」を提出することが、年末調整の第一歩です。
- 源泉徴収票の重要性
源泉徴収票は、前職の給与や源泉徴収税額、社会保険料の控除額などを把握するために必要不可欠な書類です。 - 発行期限
前職の源泉徴収票は「退職の日以後1か月以内」に交付されることが義務付けられていますが、全ての企業が期限内に対応しているとは限りません。そのため、転職者には早めに依頼し、場合によっては前職の企業へ再発行をお願いするよう促しましょう。
転職者の年末調整ステップ②:転職者から年末調整の控除申告書を受け取る
年末調整で適用できる控除を正しく処理するため、以下の各種申告書を転職者から回収します:
- 扶養控除等(異動)申告書
- 保険料控除申告書
- 配偶者控除等申告書
- 住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)
SoVa税理士お探しガイド編集部
企業がこれらの申告書をあらかじめ用意して転職者に配布すると、スムーズに進められます。
転職者の年末調整ステップ③:前職と現職の給与を合算して年末調整を実施
- 合算の流れ
転職者が前職分の源泉徴収票を提出した場合、それを現職の給与と合算して年末調整を行います。これにより、年間の税額が正確に計算され、過不足が調整されます。 - 無職期間がある場合の留意点
転職者に無職期間がある場合、その期間に国民年金や国民健康保険を支払っている可能性があります。これらの支払額は控除の対象になるため、転職者に控除証明書や領収書の提出を依頼しましょう。
転職者の年末調整ステップ④:転職者が年末調整に必要な書類を提出できない場合
もし転職者が源泉徴収票を期限内に提出できない場合、年末調整は現職分のみで行われる可能性があります。この場合、転職者自身が確定申告を行い、正しい税額を申告する必要があります。
転職者の年末調整を適切に行うためには、前職分の情報や控除申告書を正確かつ早期に回収することが重要です。企業側も転職者への連絡を密にし、不明点は早めに確認する体制を整えることをおすすめします。
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転職者の源泉徴収票の書き方
転職者がいる場合、年末調整で源泉徴収票を作成する際には通常とは異なる記載方法が必要です。特に、以下の項目に留意してください。
転職者の源泉徴収票の書き方①:支払金額の合算
転職者の年末調整では、前職分の給与を合算して計算する必要があります。
- 前職分の支払金額
前職の源泉徴収票に記載されている「支払金額」を、現職で支払われた給与に合算します。なお、合算後の給与総額が2,000万円を超える場合は、年末調整の対象外となり、確定申告が必要です。 - 源泉徴収税額の合算
合算後の総給与額をもとに、年末調整で再計算した所得税及び復興特別所得税額を記載します。 - 社会保険料の合算
前職で支払われた給与から控除された社会保険料の額も、現職分と合算して計算します。
転職者の源泉徴収票の書き方②:摘要欄の記載
年末調整で他の支払者(前職)の給与を合算した場合、源泉徴収票の摘要欄に以下の情報を必ず記載します:
- 他の支払者(前職)の住所または所在地、および氏名または名称
- 他の支払者での退職年月日
- 他の支払者が支払った給与の総額、徴収した所得税及び復興特別所得税の額
- 他の支払者で控除された社会保険料の金額
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転職者の源泉徴収票の書き方③:中途就職・退職の記載
転職者の場合、源泉徴収票の「就職」の欄に「○」を付け、転職した年月日を記載します。
転職者を含む法定調書合計表作成時の注意点
翌年1月末までに税務署へ提出する「法定調書合計表」の作成でも、転職者がいる場合には特別な配慮が必要です。
Ⓐ「俸給、給与、賞与等の総額」の記載
- 注意点
法定調書合計表の「支払金額」および「源泉徴収税額」には、転職者が就職前に他の支払者(前職)から受け取った給与や徴収された税額は含めずに記載します。
Ⓑ「源泉徴収票を提出するもの」の記載
- 注意点
転職者の「給与所得の源泉徴収票」を税務署へ提出する際には、「支払金額」や「源泉徴収税額」に転職者が前職で支払われた給与や徴収された税額を含める必要があります。この点はⒶの総額欄の記載方法とは異なるため、注意が必要です。
転職者がいる場合、年末調整で前職の情報を正確に反映するために、前職の源泉徴収票を早めに入手し、内容を確認することが欠かせません。
気をつけておきたい注意点
また、法定調書の作成や税務署への提出時にも、前職の給与に関する記載が必要となるため、記載内容に細心の注意を払いましょう。
転職した場合の年末調整に関するおすすめ記事:転職者の年末調整 前職分の給与の扱いや書類の書き方の注意点を解説!
転職者の年末調整でよくある質問
以下は転職者の年末調整に関するよくある質問です。転職者の年末調整は通常時よりも必要な書類が増えるため、以下の内容を参考に、余裕を持って準備することをおすすめします。
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転職者の年末調整でよくある質問①:前職の源泉徴収票はいつ発行される?
転職者が年末調整をスムーズに行うためには、前職の源泉徴収票の提出が必須です。源泉徴収票は、退職日から1カ月以内に発行することが義務付けられています。特に、10月~11月のように年末調整が迫る時期に転職する場合、退職時に「いつごろ発行されるか」を確認しておくことが重要です。
源泉徴収票の発行は、退職後の最終給与の振込が完了した段階で行われるのが一般的です。例えば、10月末退職で11月末に給与が振り込まれる場合は、給与振込後すぐに発行されることが多いです。ただし、11月末に退職し、最終給与の振込が12月中旬に予定されている場合などは、発行が年末調整の期限に間に合わない可能性もあります。この場合は、会社側に発行を急いでもらうよう依頼し、対応が難しい場合は税務署に相談する必要があります。
転職者の年末調整でよくある質問②:前職の源泉徴収票の発行が間に合わなかったら?
転職者が年末調整の際に前職の源泉徴収票を提出できない場合、転職先で年末調整が完了できません。そのため、源泉徴収票の発行が遅れている場合は、転職先の人事担当者に相談し、自分で確定申告を行う準備を進めることが必要です。
どのような理由があっても、源泉徴収票がなければ年末調整を完了することはできません。そのため、年末調整に間に合うように前職の会社と早めに連絡を取ることが転職者にとって非常に重要です。
転職者の年末調整でよくある質問③:転職活動中の離職期間がある場合は?
転職者が離職期間を経て再就職した場合、離職期間中に支払った社会保険料(国民年金や国民健康保険)は、社会保険料控除の対象となります。これらを年末調整で申告することで、還付金を受け取れる可能性があります。
- 国民年金保険料の控除証明書
日本年金機構から送られてくる控除証明書を、転職先に提出する必要があります。この書類は、控除を受けるために必須です。 - 国民健康保険の控除
支払った金額がわかる書類(領収書や納付済額通知書)を用意しておきましょう。ただし、転職先でこれらの提出が求められない場合もあります。
また、離職期間中に受け取った雇用保険の失業給付金は非課税であるため、年末調整や確定申告の際に申告する必要はありません。
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まとめ
中途入社の転職者は、年末調整を現職の会社で行います。この際、前職分と現職分の所得を合算する必要があるため、前職の源泉徴収票が必須です。退職後1か月以内に発行されるのが原則ですが、発行が遅れることもあるため、転職者には早めに準備を依頼しましょう。
転職者が提出すべき書類には、すべての源泉徴収票、扶養控除や保険料控除、基礎控除の各申告書、そして国民年金や国民健康保険料の支払証明書が含まれます。離職期間中に支払った保険料は、社会保険料控除として適用可能です。
転職した場合の年末調整は必要書類が増えるので、早めの準備を進めるようにしましょう。
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