年末調整の必要書類とは?書類の書き方や確定申告との違いについても解説!
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公開日:2024年10月
更新日:2024年10月30日
会社員であれば、11月頃から「年末調整」という言葉をよく耳にするようになるでしょう。年末調整は税金に関する重要な手続きで、主に会社員が毎年行うものです。新入社員にとっては少し難しそうに感じるかもしれませんが、所得税を払いすぎている場合は還付されることもあり、反対に手続きを忘れると不利益が生じる可能性があるため、正しく実施することが重要です。
この記事では、年末調整の概要や必要書類、申告書の記入方法について解説します。
そもそも年末調整とは?
年末調整とは、給与や賞与から源泉徴収された所得税の過不足を精算するための手続きで、毎年行われます。所得税が過剰に納付されていた場合は還付され、不足している場合は追加で徴収されます。年末調整が必要なのは、源泉徴収で引かれている所得税額があくまで概算であるためです。
通常、会社は毎月、従業員に支払う給与から所得税を計算し、その分を天引きして国に納付します。しかし、その時点では年間の収入や控除額が確定していないため、年末調整で1年間の収入と控除を確定させた上で、正確な所得税額を計算し、納税額の過不足を調整するのが年末調整です。
年末調整と確定申告の違い
一般的に、企業に勤めている場合は年末調整によって所得税の過不足が精算されます。しかし、企業に勤めていない自営業者やフリーランスの方は、年末調整を受けることは出来ず、1年間の所得税を自分で確定させるために、確定申告を行う必要があります。
確定申告は毎年2月16日から3月15日までの間に行い、納税者自身が1年間に得た収入や経費などを計算して申告します。
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年末調整の対象となる人
年末調整の対象は、会社勤めで源泉徴収を受け、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人です。これは、年間を通じて勤務している人や、年の途中で入社し年末まで勤務している人が対象で、年末調整の対象者には正社員や契約社員だけでなく、パートタイムやアルバイトの方も含まれます。
年末調整に関する注意点
転職した場合は、転職先の会社で年末調整が行われるため、前職の源泉徴収票を提出する必要があります。
年末調整の対象外となる人
年末調整の対象外となるのは、会社員でない人だけではなく、会社員であっても特定の条件を満たす場合は対象外となります。以下のような場合は、年末調整ではなく自分で確定申告を行う必要があります。
- 自営業者やフリーランス
- 年間の給与所得が2,000万円を超える場合
- 複数の会社から給与を受け取っている場合
- 災害減免法の適用を受ける場合
- 継続して同一の雇用主に雇用されていない場合
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年末調整の流れ
年末調整の準備は、通常10月の終わり頃から始まります。多くの必要書類でやり取りや作業が発生するため、手続きを円滑に進めるためには年末調整の全体の流れを把握しておくことが重要です。
年末調整の流れ①:申告書の配付と回収
年末調整の手続きは、まず必要書類の配付と回収から始まります。企業が従業員に配布して記入を依頼する必要書類と、該当する従業員が自分で準備して提出する必要書類の両方があります。年末調整の対象となる従業員を確認し、全員が必要書類を漏れなく配布できるようにしましょう。
11月の中旬から下旬には必要書類が回収できるよう、余裕を持った締め切りを設定することが大切です。
SoVa税理士お探しガイド編集部
また、必要書類の記入方法に関する従業員からの問い合わせに迅速に対応できるよう、サポート体制を整えておくことも重要です。
年末調整の流れ②:年末調整の計算
12月になり、その年の給与や賞与の総額が確定したら、給与支払額と各種控除額を計算し、その年に支払うべき所得税(年調年税額)を算出します。その後、年調年税額と既に源泉徴収された税額を比較し、過剰に徴収していた場合はその差額を還付し、不足がある場合は追加で徴収します。
年末調整の流れ③:必要書類の作成と提出
年末調整の計算が終わったら、源泉徴収票、法定調書合計表、給与支払報告書などの必要書類を作成し、税務署や市区町村に提出する必要があります。これらの必要書類の提出期限は、翌年の1月31日(休日の場合は翌営業日)までです。
また、従業員には源泉徴収票を発行する必要があります。さらに、年末調整に関連する作業として、報酬や料金の支払い時に源泉徴収を行った場合は、支払調書を作成し、税務署に提出することも必要です。
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年末調整の必要書類
従業員が会社に提出する年末調整の必要書類は、以下の通りです。
- 保険料控除申告書と控除証明書
- 扶養控除等(異動)申告書
- 配偶者控除等申告書
- 住宅借入金等特別控除申告書と残高証明書(対象者のみ)
以下、それぞれの必要書類について詳しく説明します。
必要書類①:保険料控除申告書と控除証明書
「給与所得者の保険料控除申告書」は、地震保険料や生命保険料など、支払った保険料に対して控除を受けるための必要書類です。申告には、支払った保険料の金額や保険会社名が記載された必要書類が必要です。
気をつけておきたい注意点
加えて、実際に保険料を支払ったことを証明する控除証明書も提出が求められます。これらの必要書類を揃えて提出してもらうようにしてください。
具体的には次の証明書が必要です。
- 生命保険・地震保険の支払い: 控除証明書
- 小規模企業共済掛金の支払い: 掛金払込証明書
- 社会保険料の支払い: 証明書または領収書
これらの証明書がないと、申告内容を裏付けることができないため、各必要書類の内容と証明書の整合性をしっかり確認しましょう。
必要書類②:扶養控除等(異動)申告書
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、扶養控除や他の控除を適用するための必要書類です。年末調整では、扶養している家族の人数によって控除額が変わるため、この必要書類で扶養家族に関する情報を申告します。
扶養している配偶者や親族の氏名、生年月日、マイナンバーなどを記入する必要があり、この申告書を基に控除額が計算されます。
必要書類③:配偶者控除等申告書
「給与所得者の配偶者控除等申告書」は、配偶者控除や配偶者特別控除を適用するための必要書類です。控除額を決定するためには、配偶者の氏名や生年月日、マイナンバー、年間所得などの情報を記載する必要があります。配偶者がいる従業員には、この必要書類を忘れずに提出してもらいましょう。
必要書類④:住宅借入金等特別控除申告書と残高証明書(対象者のみ)
「住宅借入金等特別控除申告書」は、マイホーム購入時に住宅ローンを利用した従業員が「住宅借入金等特別控除」や「特定増改築等住宅借入金等特別控除」を受けるための必要書類です。この申告書を提出することで、住宅ローンの年末残高に基づいて計算された金額が所得税から控除されます。
住宅借入金等特別控除を受けるためには、以下の必要書類も添付するようにしましょう。
- 住宅金融支援機構の融資額残高証明書
- 住宅ローンを提供する金融機関からの年末残高証明書
ただし、特別控除が適用されるのは2年目以降で、1年目は確定申告が必要です。1年目の従業員には、その点をしっかり周知しておきましょう。
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年末調整の必要書類の書き方
年末調整に関連する必要書類は複数ありますが、必要書類ごとに適用される控除対象が異なり、それぞれの控除額を正確に計算する必要があります。
控除額を確定するには、各税制の規定が影響するため、最新の税制改正に注意しながら、年末調整で重要なポイントを押さえて必要書類の確認を行いましょう。
必要書類の書き方①:地震保険料控除
地震保険料控除の申告では、保険会社名や保険の種類を記入し、支払った地震保険料および旧長期損害保険料の金額を必要書類に記載して、合計金額を控除額として算出します。
必要書類の書き方②:生命保険料控除
生命保険料控除は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3区分ごとに計算します。各区分に対応する保険会社名や保険の種類を、保険料控除証明書を参考に記載し、それぞれの区分の控除額を計算した後、合計額が保険料控除額となります。
必要書類の書き方③:社会保険料控除
社会保険料控除は、給与から天引きされている分については記入する必要がなく、代わりに扶養家族や配偶者の社会保険料を支払っている場合の金額を記入します。これらの支払い分は全額控除の対象となります。
必要書類の書き方④:小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済等掛金控除では、支払った掛金の金額を記載します。ただし、給与から控除されている確定拠出年金の掛金など、企業側が把握している分については記入の必要はありません。
SoVa税理士お探しガイド編集部
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年末調整の必要書類のダウンロード方法
年末調整の必要書類は、法定調書とともに、毎年10月下旬から11月上旬にかけて各税務署から企業へ郵送されます。ただし、税務署からの郵送を待たずに準備を進めたい場合は、国税庁の公式ウェブサイトから必要書類をダウンロードすることが可能です。
ダウンロードできる必要書類は、以下の5つです。
- 扶養控除等(異動)申告書
- 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
- 保険料控除申告書
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
- 源泉徴収票
その他の必要書類については、年末調整ソフトを利用して会社名や従業員情報を入力し、印刷後に配布することができます。
年末調整の必要書類に関するポイント!
このように、年末調整の必要書類は事前にすべて揃えることができるため、準備を整え、スムーズに対応できるようにしておきましょう。
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まとめ
年末調整には多くの必要書類やデータが必要で、従業員から提出してもらう必要書類や、企業が提出するべき必要書類も多岐にわたるため、ミスや漏れがないように注意が必要です。
また、法改正によって控除の適用範囲や控除率が変更されることがあり、その結果、通常より業務が増えることも考えられます。
SoVa税理士お探しガイド編集部
年末調整は必須の業務であるため、早めに準備を進め、計画的に対応していくことが大切です。
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