決算賞与の決め方とは?支給するメリット・デメリットや注意点も解説!

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公開日:2025年1月

更新日:2025年1月31日

決算賞与とは、会社の業績に応じて臨時で支給される賞与のことであり、通常賞与とは異なり、決算期ごとに支給の有無や金額が決定されます。決算賞与の決め方は企業ごとに異なり、業績や従業員の貢献度を考慮した上で支給されることが一般的です。

そのため、決算賞与の決め方に悩む経営者も多く、「決算賞与を支給するべきか」「決算賞与と通常賞与の違いは何か」といった疑問を抱えることも少なくありません。決算賞与の決め方によっては、従業員のモチベーション向上や企業の節税効果を高めることができますが、適切な決め方をしなければ公平性に欠けたり、企業の資金繰りに影響を与えたりする可能性があります。

SoVa税理士お探しガイド編集部

決算賞与の決め方を明確にし、ルールを整えておくことで、より効果的な運用が可能になります。

決算賞与とは

決算賞与とは、企業の業績が好調な場合に、利益に応じて臨時に支給される賞与のことを指します。通常のボーナス(夏季・冬季賞与)とは異なり、決算賞与はその年度の利益状況によって決め方が変わるのが特徴です。

決算賞与の主な特徴と決め方

  • 業績に応じた変動制
    決算賞与の支給額は、その年度の利益によって変動します。利益が大きい場合には増額されることがありますが、利益が少ない場合には支給されないこともあります。
  • 決算時期に支給の有無を決定
    決算賞与の支給可否は、企業の決算状況を踏まえて判断されます。したがって、決め方は年度末の業績評価に左右されることが一般的です。
  • 従業員への利益還元の一環
    決算賞与は、従業員への恩給的給付として支給されることが多く、企業の利益を従業員に還元する目的で実施されます。

本来、決算賞与も通常のボーナスと同様に支給義務はありません。ただし、就業規則などで支給規定を設けている場合には、賃金としての支払義務が生じるため、決算賞与の決め方を事前に明確にしておくことが重要です。

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決算賞与と通常賞与の違い

企業の賞与には、大きく分けて決算賞与と通常賞与(ボーナス)の2種類があります。一般的に通常賞与は夏と冬の2回支給されますが、決算賞与は決算期に支払われるものであり、業績によって決め方が大きく異なります。

決算賞与と通常賞与の比較

項目 決算賞与 通常賞与(ボーナス)
支給義務 なし なし(ただし、夏・冬に支給する企業が多い)
支給時期 決算後に業績を考慮して支給 夏・冬に定期的に支給
支給対象 正社員(パート・アルバイトを含む場合もあり) 正社員(パート・アルバイトを含む場合もあり)
支給額の決め方 業績によって変動 業績連動、または貢献度などによる

決算賞与は決算期の業績に応じて臨時的に支給されるため、その年の利益状況によって支給額や支給の有無が決まります。一方、通常賞与は業績や個人の貢献度を考慮しながら、企業の方針に基づいた算定基準で支給されるのが一般的です。

通常賞与が定期的に支給される報酬であるのに対し、決算賞与は企業の業績が好調な際に、利益を還元する目的で支給される報酬です。

SoVa税理士お探しガイド編集部

そのため、決算賞与の決め方次第で、企業のキャッシュフローや従業員のモチベーションに大きな影響を与えることになります。

決算賞与の支給するかどうかの決め方

決算賞与を支給するかどうかの決め方として、支給する場合のメリット・デメリットを知っておくことが重要です。以下では、決算賞与を支給するメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

【決め方のポイント】決算賞与を支給するメリット

メリット①:税金対策として有効

企業の利益に応じて納める法人税は、決算賞与を活用することで節税が可能です。

例:税率35%の会社が、利益1,000万円に対して200万円の決算賞与を支給した場合

決算賞与なし: 1,000万円 × 35% = 350万円(法人税)

決算賞与あり: (1,000万円 – 200万円) × 35% = 280万円(法人税)

→ 70万円の節税

決算賞与の決め方として、利益の一定割合を支給額の基準とする企業が多く、適切な比率を設定することが重要です。

メリット②:従業員のモチベーション向上

決算賞与があることで、従業員は企業の業績向上が自分の報酬に直結することを実感し、仕事への意欲が高まります。「税金で納めるくらいなら、従業員に還元したい」と考える経営者も少なくありません。

【決め方のポイント】決算賞与を支給するデメリット

デメリット①:会社のキャッシュフローが悪化する可能性

決算賞与を支給すると、当然ながら会社の現金が減少するため、先述の例の場合は以下の通りです。

決算賞与なし → 法人税350万円

決算賞与200万円支給 → 法人税280万円 + 決算賞与200万円 = 合計480万円

決算賞与の決め方に関するポイント!

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決算賞与にかかる社会保険料も加わるため、さらに支出が増加します。決算賞与の決め方として、企業のキャッシュフローを考慮し、無理のない範囲で支給額を設定することが求められます。

メリット②:翌年の支給可否が従業員の士気に影響

決算賞与は業績次第で支給の有無が決まるため、翌年の支給が難しくなるケースもあります。一度支給すると「来年ももらえるのでは?」と期待する従業員も多く、支給がないと不満や不信感につながることもあります。

決算賞与を支給する際は、「業績に応じた臨時的な賞与」であることを明確に伝え、期待値を適切にコントロールすることが重要です。

SoVa税理士お探しガイド編集部

決算賞与の決め方に関するおすすめ記事:決算賞与の支給要件や平均額は? 支給する時期やメリットも紹介

決算賞与の決め方と平均額

決算賞与の支給方法について明確な規定がない企業もあります。本記事では、決算賞与の決め方や、平均額の有無について解説します。

決算賞与の決め方

決算賞与の決め方は、大きく以下の3つに分類されます。

決算賞与の決め方①:給与と連動する「給与連動型」

「基本給 × 支給率」のように、給与を基準に決算賞与を決定する方法です。

決算賞与の決め方に関するここがポイント!

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メリット: 計算がシンプルで、支給額決定までの手間が少ない
デメリット: 高給与者ほど決算賞与が多くなるため、貢献度の高い低給与者から不満が出る可能性

決算賞与の決め方②:等級・勤続年数・個別評価による「給与非連動型」

従業員の等級・勤続年数・個別評価に応じて決算賞与を決める方法です。

メリット: 貢献度に応じた決算賞与の支給が可能で公平性が高い
デメリット: 支給額の決定に手間がかかる

決算賞与の決め方③:全従業員一律で支給する「一律型」

全員に同じ決算賞与額を支給する方法です。

メリット: 決算賞与の決定作業が簡単で、事務処理の負担が少ない
デメリット: 貢献度に差がある場合、不公平感が生じる可能性

決算賞与の決め方のポイント

  • 利益を全社的に還元したい場合 → 「一律型」
  • 特定の部署や従業員に多く支給したい場合 → 「給与非連動型」
  • 公平性を確保しつつ手間を減らしたい場合 → 「給与連動型+業績連動」

企業の決算賞与の決め方は、支給目的に応じて適切に選択することが重要です。また、支給金額に差をつけたり、一部の従業員のみに決算賞与を支給したりすることも可能です。

SoVa税理士お探しガイド編集部

上記を参考に、決算賞与を支給するかどうかや、支給方法の決め方の参考にしてみてください。

決算賞与の金額の決め方

決算賞与を支給する際には、決算賞与の金額の決め方について悩まれる方も少なくないかと思います。決算賞与の支給額は、企業の利益状況によって決まるため、一般的な平均額は存在しません。

  • 一律数万円程度の手当として支給する企業もあれば、
  • 業績に応じて数十万円以上の決算賞与を支給する企業もあります。

決算賞与は給与として扱われるため、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)や所得税の源泉徴収が発生します。支給額の決定にあたっては、手取り額の計算や経理処理の負担も考慮する必要があります。

企業の決算賞与の決め方次第で、従業員のモチベーション向上や節税効果を最大化できるため、適切な方法を検討しましょう。

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決算賞与を損金計上するための注意点

決算賞与を支給する際は、メリットやデメリットに加え、適切な決め方と損金算入の要件を把握することが重要です。特に、決算賞与を当期の損金として計上するためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

決算賞与を支給する際の注意点①:支給通知は書面で行う

決算賞与の決め方では、支給額を確定したら書面で通知を行うことが重要です。

税法上、決算賞与の通知方法に明確な規定はありませんが、口頭やメールのみの通知では証拠が残らず、適切な決め方を証明できない可能性があります。そのため、以下の対応を推奨します。

  • 決算賞与通知書を作成し、従業員のサインや押印をもらう
  • メール通知の場合は、必ず受領確認の返信を求める

決算賞与の決め方に関するポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

これにより、決算賞与の決め方が適切であり、通知が確実に行われたことを証明できます。

決算賞与の決め方に関するおすすめ記事:【賞与は損益分岐点比率で考えよ】もしもに備えて好業績でも賞与は出さないという勘違い①

決算賞与を支給する際の注意点②:決算日の翌日から1か月以内に支給する

決算賞与を当期の損金として計上するには、決算日の翌日から1か月以内に支給する必要があります。

期限を過ぎると、翌期の費用扱いとなり、当期の損金に算入できません。決算賞与を節税対策として活用する場合は、必ず期限内に支給しましょう。

また、決算賞与にかかる社会保険料の損金算入時期にも注意が必要です。

  • 決算日までに支給すれば、社会保険料も当期の損金として計上可能
  • 決算後に支給すると、社会保険料は翌期の損金となる

気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

決算賞与の決め方を誤ると、税務上のメリットを十分に活かせない可能性があるため、慎重にスケジュールを管理しましょう。

決算賞与を支給する際の注意点③:支給は銀行振り込みにする

決算賞与の支給方法は、銀行振り込みが最適です。

  • 振込記録が残るため、決算賞与の支給日や支給額を証明できる
  • 決算賞与の決め方が適正であることを税務署へ説明しやすい

SoVa税理士お探しガイド編集部

もし現金で支給する場合は、全従業員から領収書を受け取るなど、支給額と支給日の記録を残すことが重要です。

決算賞与の決め方に関するおすすめ記事:決算賞与とは業績に連動した賞与!ボーナスとの違いは「金額・時期」!

まとめ

決算賞与は、従業員のモチベーション向上や企業の節税対策として有効ですが、その決め方が重要です。決算賞与を支給する際は、公平感のある決め方をしなければ従業員の満足度が低下し、効果的な人材育成につながりません。

また、決算賞与を損金として計上し、節税のメリットを得るためには、事前通知や支給時期などの要件を満たす必要があります。決算期が近づいてから決算賞与の決め方を検討すると、担当部署の負担が増し、適切な支給が難しくなるため、あらかじめ決算賞与のルールや運用方法を明確にし、スムーズな決算賞与の決め方を確立しておくことが大切です。

決算賞与の決め方を慎重に検討し、事前準備を徹底することで、企業にとっても従業員にとってもメリットのある決算賞与の支給を実現させましょう。

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