会社設立の手続きを司法書士に依頼した場合の費用相場は?依頼した場合の流れも解説!
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公開日:2025年8月
更新日:2025年8月27日
会社設立を検討する際、多くの人が悩むのが「費用」と「手続きの複雑さ」です。会社設立には法定費用や登録免許税がかかるだけでなく、定款作成や登記申請など専門的な知識を必要とする手続きも多くあります。こうした会社設立の手続きをスムーズに進めたい場合に頼りになるのが司法書士です。司法書士に会社設立を依頼すれば、専門的なサポートを受けながら費用を把握し、効率的に法人登記を完了できます。
本記事では、司法書士に会社設立を依頼した場合の費用相場や流れ、その他に必要な費用について詳しく解説していきます。
司法書士とは

司法書士とは、法律実務に精通した専門家であり、特に会社設立や不動産登記などで「登記のプロ」と呼ばれる存在です。会社設立に関わる登記手続きは複雑であり、司法書士に依頼することで正確かつスムーズに進められる点が大きなメリットです。会社設立においては定款の認証、設立登記申請、必要書類の作成などを代行でき、これらの業務には費用がかかるものの、専門家である司法書士に任せることでリスクを大幅に減らすことができます。
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司法書士が会社設立やその他の登記関連で行える業務は、司法書士法第3条や司法書士法施行規則第31条に定められており、具体的には以下のように整理できます。
- 登記や供託手続きに関する代行や相談(会社設立登記や役員変更登記を含む)
- 法務局長に対する登記・供託の審査請求手続きの代行や相談
- 法務局に提出する各種書類の作成代行や相談
- 裁判所・検察庁に提出する書類の作成代行や相談
- 成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人としての業務
- 簡易裁判所での訴額140万円以下の訴訟・調停・裁判外和解の代行や相談(法務大臣の認定を受けた司法書士に限る)

SoVa税理士ガイド編集部
これらの会社設立や登記手続きに関わる代行業務は司法書士の独占業務とされており、弁護士を除く他の専門家やコンサルタントでは対応できません。
会社設立を検討する際には、司法書士に依頼することで必要な手続きを安心して進められる一方、依頼に伴う費用も把握しておくことが重要です。
会社設立の手続きを司法書士に依頼するメリット

会社設立を検討する人の中には、「司法書士に依頼すると費用がかかるし、自分でやった方がいいのでは?」と迷う人も少なくありません。しかし、司法書士に依頼することで会社設立にかかる手間やリスクを大きく減らし、結果的に費用対効果の高い選択になることもあります。本章では、司法書士に会社設立を依頼する4つのメリットを紹介します。
司法書士に会社設立を依頼するメリット①:スピーディーに会社設立できる
司法書士に会社設立を依頼すれば、スピーディーに法人登記まで進められます。会社設立の手続きは、以下のように多岐にわたり、書類作成や提出の不備があればやり直しになることもあります。
【会社設立・法人登記までの流れ】
- 会社の基本事項を決める
- 定款を作成する
- 定款の認証を受ける
- 代表者印を作成する
- 資本金を払い込む
- 必要書類をそろえる
- 登記申請を行う
- 登記完了を確認する

SoVa税理士ガイド編集部
会社設立の手続きを司法書士に依頼した場合の費用相場についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
これらを自分でやる場合、相当な時間と労力がかかります。一方、司法書士は会社設立の専門知識とノウハウを持っているため、不備なく効率的に進められ、費用を支払う価値のあるサポートといえるでしょう。通常であれば2〜4週間程度で会社設立を完了できます。
司法書士に会社設立を依頼するメリット②:定款作成のアドバイスを受けられる
会社設立において重要な定款は、企業の基本原則を定める大切な書類です。記載内容を誤ると後々大きなトラブルや追加費用につながるおそれがあります。
司法書士に相談すれば、自分の事業内容や会社の方針に沿った適切な定款を作成できます。特に初めて会社設立をする人にとって、専門的な視点でアドバイスを受けられるのは大きな安心材料です。司法書士のアドバイスは、設立後の経営においても無駄な費用やリスクを減らす効果があります。
司法書士に会社設立を依頼するメリット③:定款認証の印紙代4万円を節約できる
会社設立で必要な定款認証には、通常4万円の印紙代がかかります。しかし、司法書士に依頼すれば電子定款での認証が可能となり、この費用を節約できます。
司法書士に会社設立の手続きを依頼した場合のメリットはここがポイント!

自分で電子定款を準備する場合、専用ソフトや機器の購入費用が発生し、会社設立以外では使う機会が少なく無駄になりがちです。司法書士はすでに電子定款の環境を整えているため、余計な費用をかけずに済むのも大きなメリットです。
司法書士に会社設立を依頼するメリット④:ほかの業務に集中できる
創業期は会社設立以外にも、事務所の契約、銀行口座開設、ホームページ作成など多くの準備が必要です。会社設立の手続きをすべて自分で進めると、時間と労力が分散し、結果的に余計な費用や機会損失を招く可能性もあります。
司法書士に会社設立登記を任せれば、限られたリソースを営業や開業準備といった優先すべき業務に集中できます。費用はかかるものの、効率よく事業を立ち上げられる点は大きな魅力です。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の費用相場

司法書士に会社設立を依頼する場合、報酬や実費などさまざまな費用が発生します。ここでは合同会社と株式会社に分けて、司法書士に依頼した際の会社設立費用の目安を解説します。
合同会社の会社設立を司法書士に依頼した場合の費用
合同会社を司法書士に依頼して設立する場合、費用の相場は5万円~9万円程度です。依頼内容によっては費用が増えることもあれば、安くなる場合もありますが、重要なのは「費用に何が含まれているか」を確認することです。
基本的には会社設立登記の申請代行費用が含まれますが、定款作成費用や相談料、商号調査、印鑑カード交付申請、登記事項証明書の取得、印鑑証明書の取得などは、司法書士事務所ごとに基本料金に含まれるかオプションかが異なります。相談料は1時間5,000円~1万円程度、証明書の取得は1通1,000円程度が一般的です。
さらに、司法書士への報酬とは別に実費も発生します。

SoVa税理士ガイド編集部
特に大きいのは登録免許税で、「資本金×0.7%」または「6万円」のいずれか高い方が費用になります。
定款を紙で作成すると印紙税4万円が必要ですが、司法書士に電子定款を依頼すればこの費用を節約できます。
株式会社の会社設立を司法書士に依頼した場合の費用
株式会社を司法書士に依頼して設立する場合は、合同会社よりも手続きが複雑なため、報酬の相場は6万円~10万円程度とやや高くなります。こちらも会社設立にかかる費用の内訳を事前に確認することが重要です。
株式会社でも登録免許税は「資本金×0.7%」で計算しますが、最低額が15万円と高く設定されています。また、株式会社では定款の認証が必要で、資本金の額に応じて3万円~5万円の手数料が追加で発生します。定款を電子定款にすれば、合同会社と同じく印紙税4万円を節約可能です。
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会社設立の手続きに必要なその他費用

会社設立には、司法書士に依頼した際の報酬や基本的な法定費用以外にも、資本金や印鑑作成などの費用を考えておく必要があります。司法書士報酬だけでなく、会社設立全体にかかる費用を正確に把握することで、スムーズな準備が可能になります。
会社設立に必要なその他費用①:資本金に関する費用
会社法上は資本金1円から会社設立が可能ですが、実際には資本金が少なすぎると会社設立後の経営に支障をきたします。備品購入や運転資金に充てられず、融資を受ける際にも金融機関からの信用を得にくい点がデメリットです。資本金が不足すると倒産リスクも高くなるため、費用を惜しまず資本金をしっかり用意することが推奨されます。

SoVa税理士ガイド編集部
たとえば、一人代表の株式会社を設立する場合は、目安として100万円程度の資本金を準備しておくと安心です。司法書士に会社設立を依頼する際も、資本金の設定について相談できるため、適切な金額を検討する参考になります。
会社設立に必要なその他費用②:登録免許税に関する費用
会社設立の際には、登録免許税という法定費用が必ずかかります。司法書士に依頼する場合でも、この費用は依頼者が負担しなければなりません。
登録免許税の金額は「資本金の0.7%」で計算され、株式会社では最低15万円、合同会社では最低6万円が必要です。資本金が株式会社で2,140万円、合同会社で858万円を超える場合には、それ以上の費用が発生します。司法書士に会社設立を依頼する際には、この登録免許税を含めた全体の費用を見積もっておくことが大切です。
会社設立に必要なその他費用③:印鑑や書類取得にかかる実費
会社設立には、司法書士報酬や登録免許税以外にも、印鑑や証明書取得のための費用が発生します。これらは比較的少額ですが、会社設立時に必ず必要になるため、事前に把握しておきましょう。
項目 | 費用目安 |
---|---|
法人印鑑作成 | 5,000円程度~ |
代表者印鑑作成 | 1,000円程度~ |
印鑑登録費用 | 300円 |
印鑑証明書発行手数料 | 450円 |
登記事項証明書発行手数料 | 600円 |

SoVa税理士お探しガイド編集部
会社設立の手続きを司法書士に依頼した場合の費用相場についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
これらを合計すると1万円前後の費用になります。司法書士に依頼して会社設立を進める際にも、これらの実費を忘れずに準備しておくことが重要です。
会社設立を手続きを司法書士に依頼した際の流れ

司法書士に会社設立を依頼すると、依頼者は複雑な手続きを大幅に省略でき、必要な費用を支払うだけでスムーズに法人を設立できます。以下では、司法書士に会社設立を依頼した場合の一般的な流れと費用の関わりを解説します。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した場合の費用相場に関するおすすめ記事:合同会社や株式会社設立を司法書士に依頼する費用【比較】
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順①:会社の基本情報を司法書士に伝える
まず、会社設立に必要な基本情報を司法書士に伝えます。商号(会社名)、本店所在地、事業年度、資本金などを司法書士に伝えることで、会社設立に必要な書類の準備が始まります。対面での面談のほか、電話やオンラインで対応する司法書士事務所もあります。

SoVa税理士ガイド編集部
この段階で、事業年度や資本金の設定について司法書士に相談できるため、無駄な費用を抑える判断材料にもなります。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順②:必要書類の作成
依頼内容に基づき、司法書士が会社設立に必要な登記書類を作成します。会社の憲法といわれる「定款」も司法書士が作成します。自分で作成する場合に比べて誤記や不備による追加費用を防げる点が大きなメリットです。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順③:書類確認・押印と登記費用の準備
司法書士が作成した会社設立書類を確認し、代表者印を押印します。あわせて、登録免許税などの登記費用を司法書士に預けます。司法書士によっては印鑑作成のサポートをしてくれるため、代表者印がまだない場合は依頼して費用をまとめて管理できるケースもあります。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順④:定款認証の代行
司法書士が代理人として公証役場に出向き、定款の認証を行います。ここでも司法書士に任せることで手間を省けるだけでなく、電子定款に対応している場合は印紙税4万円の費用を節約できます。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順⑤:資本金の振込
定款認証後、資本金を指定口座に振り込みます。通帳の記録や明細は、司法書士が会社設立の登記を申請する際に必要となります。登記にかかる費用もこの段階で司法書士に支払うのが一般的です。
会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順⑥:登記申請の代行
司法書士が代理人として法務局に会社設立登記を申請します。司法書士が申請した日が、正式な「会社設立日」となります。自分で行う場合に比べて不備のリスクを減らし、余計な費用をかけずに済むのもメリットです。
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会社設立の手続きを司法書士に依頼した際の手順⑦:登記完了
法務局の処理期間は1〜2週間程度で、登記が完了すると「登記事項証明書」や「印鑑証明書」を取得でき、会社設立が正式に認められます。司法書士に依頼することで、会社設立に必要な一連の費用を明確にしつつ、スムーズに法人運営をスタートできるのです。
まとめ

会社設立には司法書士報酬、登録免許税、資本金、印鑑作成費用など、さまざまな費用が発生します。司法書士に依頼することで費用はかかるものの、手続きの不備を防ぎ、時間や労力を節約できる点は大きなメリットです。合同会社や株式会社といった会社形態によって費用相場は異なりますが、司法書士に依頼する際は「どこまでの業務が費用に含まれているのか」をしっかり確認しておくことが重要です。
会社設立を成功させるためには、司法書士に相談しながら全体の費用を見積もり、自分の事業計画に合った方法でスムーズに設立手続きを進めましょう。
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