本店移転登記申請書とは?必要書類や注意点についても解説!
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公開日:2025年6月
更新日:2025年6月28日
会社の所在地を変更する際に必要となるのが「本店移転登記」です。この本店移転登記を行うには、法務局に対して正確な「登記申請書」を提出しなければなりません。とくに、本店移転登記申請書は、会社の登記事項に変更が生じたことを公的に登録するための重要な書類であり、提出書類や記載内容に不備があると登記が受理されない可能性もあります。
この記事では、そもそも本店移転とは何か、本店移転の種類ごとの違いや、本店移転登記申請書の記載例、提出までの具体的な流れをわかりやすく解説します。あわせて、本店移転登記申請書の提出方法や注意点についても網羅的に紹介していきますので、これから本店移転を予定している方や、登記申請書の作成に不安がある方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそも本店移転とは?

本店移転とは、登記簿に記載されている会社の本店所在地を変更することを意味します。会社の本店住所は、法的な拠点として登録されている正式な所在地であり、商業登記簿に記録されています。

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この本店所在地に変更があった場合には、必ず法務局に対して「本店移転登記申請書」を提出し、本店移転の登記手続きを行わなければなりません。
たとえば、新しいオフィスに本社機能を移す場合や、別地域に本社を移転して新たな拠点とする場合、法人としての所在地変更が必要な場面では、登記上の本店住所を変更する手続き、すなわち「本店移転登記申請書」を用いた登記申請が必要です。これは、個人が引っ越した際に住民票の住所変更を届け出るのと同様に、法人にも法的な住所変更の手続きが求められるためです。
また、「本店」という用語は、飲食業や小売業などで働いている方には馴染みがあるかもしれませんが、一般的な事業会社では「本社」や「支社」といった呼び方がされることもあります。とはいえ、呼称が異なるだけで、登記上の意味としては「本店」に集約されるため、本店移転が発生した場合は、必ず登記簿上の「本店所在地」に対して変更登記が必要となります。
本店移転登記申請書の書き方に関するおすすめ記事
登記簿とは、会社設立時に法務局が作成し、法人の重要な基本情報を管理する書類です。この登記簿には、「商号」「本店住所」「資本金」「役員の氏名」などの情報が記載されており、それぞれが登記事項として法的に定められています。よって、「本店住所」に変更があった場合には、「本店移転登記申請書」を提出して、速やかに登記内容を更新する必要があります。
本店移転の種類

本店移転登記の手続きは、会社の本店所在地を所轄する法務局で行う必要があります。この登記申請書を提出する法務局は、本店の住所によって異なり、たとえば本店が千代田区にある場合は東京法務局(本局)、渋谷区にある場合は東京法務局渋谷出張所が担当となります。そのため、本店移転登記申請書を提出する前に、正しい法務局の管轄を確認することが重要です。
本店移転の登記申請手続きは、「管轄内移転」と「管轄外移転」の2つに分けられ、それぞれで提出すべき登記申請書類や添付書類、登録免許税が異なります。以下、それぞれの本店移転における登記申請書の取り扱いについて説明します。

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本店移転登記申請書の書き方についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:本店移転登記を自分で法務局に申請する方法・必要書類
管轄内の本店移転
本店移転前と移転後の住所が、同一の法務局の管轄内にある場合、「管轄内移転」に該当します。たとえば、会社の旧オフィスが渋谷区で、新しいオフィスも渋谷区内である場合は、いずれも東京法務局渋谷出張所の管轄となるため、この本店移転は「管轄内移転」となります。
この場合、本店移転登記申請書は1通のみを作成・提出すればよく、印鑑届書の提出も不要です。
本店移転の登記申請書に関する気をつけておきたい注意点

ただし、定款変更が伴う場合や登記申請を代理人に依頼する場合には、株主総会議事録や委任状などの書類も必要になります。
管轄外の本店移転
一方、本店移転によって会社の所在地が異なる法務局の管轄区域へ移る場合は、「管轄外移転」となります。たとえば、旧オフィスが渋谷区で新オフィスが豊島区(池袋)にある場合、それぞれが東京法務局渋谷出張所および豊島出張所の管轄となるため、「管轄外移転」に該当します。

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この管轄外での本店移転では、登記申請書は旧管轄と新管轄の双方に提出する必要があり、「本店移転登記申請書」を2通作成しなければなりません。
加えて、新しい法務局へ会社の実印を届け出る「印鑑届書」や、各法務局に提出する「委任状」もそれぞれ2通必要になるため、書類の準備が煩雑になります。
本店移転登記申請書とは?

本店移転登記申請書とは、会社の本店所在地を変更する際に、法務局へ提出する必要がある登記申請書のことです。オフィスや事業所を移転する場合には、必ず本店移転登記を行わなければならず、この登記申請書の提出が義務付けられています。
なお、本店移転の登記申請に必要な書類は、移転先が現在の本店所在地を管轄する法務局の区域内か、それとも管轄区域外かによって異なります。
本店移転登記申請書の書き方に関するおすすめ記事:本店移転登記に必要な書類は?書き方や手続き方法をわかりやすく解説
管轄内で本店移転する場合の登記申請書類
現在の本店所在地と移転先が異なる市町村であっても、同じ法務局の管轄区域内である場合には、「本店移転登記申請書」に加え、以下の書類が必要です。
- 本店移転登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 取締役会議事録 または 取締役決定書
- 委任状
商業登記法に基づき、これらの登記申請書類を準備します。本店移転に際し定款変更を行う場合は、株主総会議事録や株主リストの提出が求められます。株主総会議事録には、移転決議の内容、株主総数、発行済株式数、会議の出席状況などを明記する必要があります。
本店移転登記申請書の書き方に関するおすすめ記事
また、取締役会設置会社が本店移転登記申請を行う場合、定款変更の有無に関係なく取締役会議事録を添付する必要があります。取締役会を設置していない会社では、取締役の決定書を提出します。司法書士などに登記申請を依頼する際には、委任状も忘れずに提出しましょう。
管轄外へ本店移転する場合の登記申請書類
本店移転によって新しい所在地が現在の法務局の管轄外となる場合は、提出すべき登記申請書類が追加されます。必要書類は以下の通りです。
- 本店移転登記申請書(旧管轄用・新管轄用の2通)
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 取締役会議事録 または 取締役決定書
- 印鑑届書
- 委任状(旧管轄用・新管轄用の2通)
本店移転の登記申請書に関するポイント!

管轄外への本店移転では、旧本店所在地の法務局と新本店所在地の法務局の両方に対して登記申請を行う必要があるため、「本店移転登記申請書」は2通作成します。同様に、代理申請を行う際の委任状も2通必要となります。
さらに、法務局の管轄が変わる場合は、新しい法務局に会社実印を登録するための「印鑑届書」も提出しなければなりません。本店移転登記においては、こうした法務局ごとの要件を事前に確認し、必要な登記申請書類を漏れなく準備することが重要です。
本店移転登記申請書の提出までの流れ

本店移転登記を申請するには、あらかじめ入念な準備が必要です。本店移転に関する登記申請書を正しく提出するために、以下の手順に沿って準備を進めましょう。
1. 定款変更の要否を確認する
本店移転登記申請の第一歩は、定款記載事項に本店所在地が含まれているかを確認することです。定款には、市町村や東京23区などの最小行政区画単位で本店の所在地を記載する必要があり、本店移転によってその行政区画が変更となる場合は、定款の変更が必要となります。
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定款の変更を伴う本店移転の場合、まず株主総会で定款変更に関する決議を行い、その後、取締役会で移転先の所在地および移転日を正式に決定します。この際、本店移転に関する株主総会議事録および取締役会議事録を作成し、登記申請書とともに提出する必要があります。
2. 本店移転登記申請書に添付する議事録の作成
本店移転登記を行う際には、定款変更の有無にかかわらず、議事録の作成が必要となります。とくに定款記載の本店所在地が変更されるケースでは、株主総会議事録と株主リストを添付資料として本店移転登記申請書に同封します。

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また、取締役会設置会社であれば、取締役会議事録が必要であり、非設置会社であれば、取締役の決定書を添付する必要があります。これらの文書はすべて、本店移転登記申請書の添付書類として法務局に提出します。
3. 移転先の法務局の管轄を確認し、必要な登記申請書類を準備
本店移転登記を進めるうえで重要なのが、移転先が現在の法務局の「管轄内」か「管轄外」かの確認です。本店移転の形態によって、提出すべき登記申請書の形式や枚数、添付資料が異なります。
- 管轄内移転の場合:登記申請書は1通、印鑑届書は不要
- 管轄外移転の場合:登記申請書は旧・新管轄分の2通、印鑑届書や2通の委任状が必要
いずれの場合も、事前に法務局のホームページや「本店移転登記サポートツール」などを活用して、移転先住所の管轄法務局を確認しておきましょう。
本店移転登記申請書の書き方に関するおすすめ記事:法人(会社)を住所変更する手続きは?本店移転登記の必要書類も解説
本店移転登記申請書の提出方法と注意点

本店移転登記申請書は、会社の本店所在地を管轄する法務局に提出します。とくに、管轄外への本店移転となる場合には、旧本店所在地を所轄する法務局にすべての登記申請書類を提出する必要があります。この点は、本店移転登記申請書の提出先を誤らないよう、必ず確認しましょう。
また、本店移転登記申請書は、本店移転の日から2週間以内に提出しなければなりません。登記申請が期限を過ぎると過料の対象となるため、本店移転登記申請書は余裕をもって準備・作成し、速やかに提出することが大切です。
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本店移転登記申請書の提出方法
本店移転登記申請書の提出方法には、以下の2つの選択肢があります。
- 法務局窓口への直接提出
- 郵送による提出
法務局の窓口で本店移転登記申請書を直接提出する場合、不備があった際にその場で修正指示を受けられるという利点があります。ただし、開庁時間の制限や手間を考えると、多くのケースでは郵送での提出がおすすめです。
本店移転の登記申請書に関するポイント!

郵送で本店移転登記申請書を提出する際には、書留を利用し、封筒の表に「登記申請書在中」と明記してください。これにより、郵送中の紛失や誤送を防ぐことができます。
本店移転登記申請書の提出時における3つの注意点
本店移転登記申請書の注意点①:製本
本店移転登記申請書は、通常複数枚の構成となるため、提出前には必ず製本を行いましょう。本店移転登記申請書を印刷後、左側2カ所をホッチキスでとじ、見開き部分に契印が必要となります。きちんと製本された本店移転登記申請書でないと、受付がスムーズに進まないこともあるため注意が必要です。
本店移転登記申請書の注意点②:押印
製本した本店移転登記申請書には、必ず会社実印での押印が求められます。書類の綴じ部分には契印を、各ページの右上には捨印を押印してください。また、本店移転登記申請書に記載された代表取締役の署名欄にも、会社実印を用いて押印を行います。すべてのページに正しく押印されているか、事前にしっかり確認しましょう。
本店移転登記申請書の注意点③:収入印紙の貼付
本店移転登記を行う際には、登録免許税を収入印紙で納付する必要があります。この収入印紙は、本店移転登記申請書に直接貼付しなければなりません。貼付し忘れると、申請自体が無効となる可能性があるため十分に注意しましょう。
なお、管轄外移転の場合には、本店移転登記申請書を旧法務局用と新法務局用の2通提出する必要があります。それぞれの登記申請書に個別に収入印紙を貼付する必要があるため、金額や枚数にも注意を払いましょう。
まとめ

本店移転を行う際には、適切な手続きを踏んで「本店移転登記申請書」を法務局に提出することが求められます。

SoVa税理士お探しガイド編集部
管轄内移転か管轄外移転かによって必要書類や申請書の枚数も異なるため、事前に移転先の法務局の管轄を確認し、必要な書類を漏れなく準備することが重要です。
また、本店移転登記申請書には定款変更や議事録の添付が必要なケースもあるため、提出までの流れを正しく理解しておくことで、スムーズな登記完了につながります。本記事で解説した内容を参考にしながら、登記申請書の作成・提出を計画的に進めましょう。
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