合同会社の設立時に必要な印鑑の種類は?各印鑑の役割や準備する際の注意点を解説!
合同会社を設立する際には、さまざまな手続きが必要ですが、その中でも重要なのが「印鑑」の準備です。合同会社の設立では、印鑑を適切に用意しなければ登記申請がスムーズに進まず、手続きが遅れる可能性があります。
では、合同会社を設立する際に本当に印鑑が必要なのか、また電子定款を利用する場合に印鑑はどうなるのか、疑問に思う方も多いでしょう。さらに、合同会社の設立時に準備すべき印鑑の種類や選び方、注意点についても知っておくことが大切です。
この記事では、合同会社の設立における印鑑の必要性や、準備すべき印鑑の種類・役割・注意点について詳しく解説します。これから合同会社を設立しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも合同会社の設立に印鑑は必要?

合同会社の設立において、印鑑の準備と適切な押印は非常に重要な手続きの一つです。合同会社を設立する際に登記申請を書面で行う場合、印鑑は必須となります。
特に、登記申請時には印鑑届書に会社代表者印を押印し、さらに代表社員の個人実印を使用して押印したうえで、個人実印の印鑑証明書(作成後3か月以内のもの)を添付して提出する必要があります。
合同会社の設立時に必要な印鑑に関するおすすめ記事
また、合同会社の設立は以下のような流れで進められます。
設立のSTEP①:合同会社の社名や事業内容など基本事項を決定する
設立のSTEP②:定款を作成する
設立のSTEP③:法人印鑑を注文する
設立のSTEP④:出資(金銭・現物出資)を履行する
設立のSTEP⑤:合同会社設立の登記申請をする
合同会社を設立する際には、印鑑届書や印鑑証明書のほかにも、出資に関する払込・給付を証明する書面、登録免許税の納付、定款の提出が必要です。

SoVa税理士ガイド編集部
印鑑の不備があると登記申請がスムーズに進まないため、事前に適切な印鑑を準備し、必要書類を揃えておくことが重要です。
さらに、合同会社を設立した後は、税務署に「法人設立届出書」や「給与支払事務所等の開設届出書」などの書類を提出する必要があります。合同会社の印鑑は設立時だけでなく、今後の税務手続きや銀行口座開設などにも使用するため、長期的に使いやすい印鑑を選ぶことが大切です。
電子定款で登記する場合の印鑑の必要有無

2021年の商業登記規則改正により、合同会社の設立をオンラインで申請する際、法務局(登記所)への印鑑提出が任意となりました。そのため、合同会社設立時にオンラインで登記申請を行う場合、印鑑や印鑑証明書が不要です。
さらに、オンライン申請では、定款をPDF形式に変換し、電子定款として添付して登記申請できます。電子定款を利用すると、収入印紙の貼付が不要となるため、コストを抑えられるメリットがあります。
しかし、合同会社設立時に印鑑が不要となるのは登記申請時のみです。設立後、取引先との契約締結、金融機関への融資申し込み、官公庁への書類提出など、印鑑を使用する場面は多くあります。

SoVa税理士お探しガイド編集部
そのため、たとえオンライン申請を選択した場合でも、合同会社設立にあわせて印鑑を準備しておくことをおすすめします。
また、電子定款で登記申請を行う場合でも、発起人の個人実印の押印は必要です。合同会社設立の際には、印鑑の使用シーンを考慮し、適切な印鑑を用意することが重要です。
合同会社の設立時に必要な印鑑に関するおすすめ記事
合同会社設立時に必要な印鑑の種類と役割

合同会社の設立時に必要な印鑑には、代表者印(実印)、銀行印、角印、ゴム印の4種類があり、それぞれに役割があります。合同会社設立時には、これらの印鑑を準備することで、法的手続きや日常業務がスムーズに進みます。以下は、それぞれの印鑑の役割と用途です。
代表者印(実印)
代表者印は、合同会社設立時の登記申請書に捺印し、会社設立登記時に登録する印鑑です。この印鑑は法務局に登録され、合同会社設立において最も重要な役割を果たします。
合同会社の設立に必要な印鑑選びのここがポイント!

法務局への登録には、規定があり、印鑑の大きさは1cm以上で、3cm以内の正方形に収まるものを使用しなければなりません。
代表印の主な役割
- 合同会社設立の登記申請書への押印
- 各種契約書や委任状への押印
- 官公庁への提出書類(入札書類等)への押印
銀行印
銀行印は、合同会社設立時に開設する法人口座に使用される印鑑です。代表者印と同じものを使用しても構いませんが、紛失や摩耗のリスクを避けるため、分けて使用する企業がほとんどです。銀行印と代表者印は異なるサイズにすることが一般的です。
銀行印の主な役割
- 法人口座の開設届出書への押印
- 銀行取引に関する書類への押印
角印
角印は、合同会社設立後に日常的に使用される社印で、特に請求書や発注書への押印に使われます。代表者印や銀行印とは異なり、四角形の形状をしており、日常業務に便利な印鑑です。
角印の主な役割
- 社内文書への押印
- 領収書や発注書、見積書などへの押印
- 郵便物の受取印
ゴム印
ゴム印は、正式な書類ではない簡易的な印鑑として使用されます。合同会社設立時には、代表者印、銀行印、角印の3つの印鑑が一般的に必要ですが、ゴム印も作成しておくと日常業務で便利です。
ゴム印の主な役割
- 会社の社名や代表者名、住所、電話番号を記載した書類・封筒への押印

SoVa税理士ガイド編集部
合同会社の設立時に必要な印鑑についてさらに知りたい人は、こちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:合同会社設立時に印鑑は必要?法人印鑑の種類や注意点を解説
合同会社設立時に最も重要な役割を果たす印鑑は、やはり代表者印(実印)です。合同会社設立において、この印鑑が登記申請書に必要不可欠であるため、正しいサイズと形式で準備することが大切です。
また、銀行印や角印、ゴム印も、合同会社設立後の日常業務において役立つ印鑑であるため、設立時に一緒に準備することをおすすめします。
合同会社の設立時に必要な印鑑に関するおすすめ記事:合同会社(LLC)の設立書類作成&押印
合同会社設立時に必要な印鑑の選び方

合同会社設立時に必要な法人用印鑑を選ぶ際、重要なポイントとして材質、形状、書体の3つが挙げられます。それぞれの特徴を理解し、合同会社設立に最適な印鑑を選ぶことが、今後の法的手続きや日常業務において重要な役割を果たします。以下で詳しく解説します。
合同会社の設立時に必要な印鑑に関するおすすめ記事
印鑑の材質
合同会社設立における印鑑の材質には、主に木材、黒水牛、チタンの3種類があります。それぞれの材質について、機能面、耐久性、価格にどのような違いがあるのかを確認して、最適な印鑑材質を選びましょう。
印鑑の材質 | 捺印のしやすさ | 耐久性 | 価格の安さ |
---|---|---|---|
木材(柘など) | 〇 | 〇 | ◎ |
黒水牛 | ◎ | ◎ | 〇 |
チタン | ◎ | ◎ | △ |
- 木材(柘など)
合同会社設立時にコストパフォーマンスを重視する場合は、木材(特に柘)製の印鑑を選ぶと良いでしょう。軽量で耐久性もあり、価格も非常にリーズナブルです。 - 黒水牛
高級感と耐久性に優れる黒水牛製の印鑑は、長年使用できるため、合同会社設立後に頻繁に使用する場合に適しています。 - チタン
チタン製の印鑑は非常に高級で、摩耗に強く耐久性も抜群ですが、価格は高めです。合同会社設立時に長期的に使用する印鑑として検討する価値があります。

SoVa税理士お探しガイド編集部
材質選びの注意点として、価格の差が大きいため、捺印のしやすさだけでなく、耐久性と使用頻度のバランスを考慮して選ぶことが重要です。
印鑑の形状
合同会社設立時に選ぶ印鑑の形状には、まっすぐな円柱状の寸胴(すんどう)と、中央部分にくびれがある天丸(てんまる)の2種類があります。法人用印鑑に関する規定はなく、好みの形状を選べます。
- 寸胴
市販の印鑑ケースに対応しやすく、価格も比較的安価です。合同会社設立時にコストを抑えたい場合におすすめです。 - 天丸
見た目が特別感があり、専用のふた付きケースに収納されるため、傷つきにくい特徴があります。合同会社設立時に見た目や捺印のしやすさを重視する場合に適しています。
印鑑の書体
合同会社設立時に使用する印鑑には、篆書体(てんしょたい)、印相体(いんそうたい)、古印体(こいんたい)の3種類の書体がよく使われます。

SoVa税理士ガイド編集部
法人用印鑑の書体に関する規定はなく、自由に選べますが、偽造防止の観点から、篆書体や印相体を選ぶのが一般的です。
- 篆書体(てんしょたい)
合同会社設立時に、偽造防止を重視する場合は篆書体を選ぶと良いでしょう。複雑な形状で偽造が難しく、公式性が高い書体です。 - 印相体(いんそうたい)
篆書体をベースにした書体で、偽造防止に非常に効果的です。印鑑の強度も高く、合同会社設立後に長期的に使用する場合に適しています。 - 古印体(こいんたい)
古印体は篆書体を簡略化した書体で、読みやすさと偽造防止の効果をバランスよく兼ね備えています。合同会社設立時に使いやすさを重視する場合におすすめです。
合同会社設立時に必要な印鑑を準備する際の注意点

合同会社設立の際に必要となる印鑑作成にはいくつかの重要な注意点があります。ここでは、合同会社設立における印鑑作成の際に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
合同会社の印鑑を準備するの注意点①:代表社員之印を刻印する
合同会社設立時に印鑑を作成する際は、株式会社のように「代表取締役印」ではなく、「代表社員之印」と刻印することが必要です。合同会社設立時には、代表者として「代表取締役」の文言を使用しないことが一般的で、合同会社の印鑑には「代表社員之印」と表記されます。
印鑑を専門業者に依頼する場合は、「株式会社ではなく合同会社」を伝え、誤って「代表取締役」と刻印されないようにしましょう。
合同会社の設立時に必要な印鑑に関するおすすめ記事
合同会社の印鑑を準備するの注意点②:偽造防止と視認性の高い書体を選択
合同会社設立時に作成する印鑑の書体は、偽造されにくく視認しやすいものを選びましょう。合同会社の印鑑には、把握しやすく、かつ簡単に真似できない書体が求められます。印鑑の専門業者に依頼することで、視認性と偽造防止を両立させた合同会社の印鑑を作成することができます。
合同会社の印鑑を準備するの注意点③:1辺1cm以上3cm以下の正方形に収める
合同会社設立時に使用する会社実印(代表者印)は、1辺1cm以上3cm以下の正方形に収める必要があります。合同会社の印鑑として、一般的には直径1.8cmの丸印が使用されますが、刻印に使用する文字数によって印鑑のサイズが変わるため、文字数に応じてサイズを決定することが重要です。
その他の業務で使用する印鑑は、形状やサイズに特別な規定がないため、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

SoVa税理士お探しガイド編集部
合同会社の設立時に必要な印鑑についてさらに知りたい人はこちらの記事もご参照ください。
合同会社の印鑑を準備するの注意点④:ゴム印やシャチハタ印は不可
公的な手続きに使用する合同会社の印鑑として、ゴム印やシャチハタ印は認められていません。合同会社設立後、業務において印鑑を使用する際は、ゴム印やシャチハタ印は使わず、正式な法人印鑑を別途作成しておく必要があります。
ただし、日常業務での使用にはゴム印やシャチハタ印を利用することができる場合もありますが、契約や取引内容によっては使用できないこともありますので、状況に応じて適切な印鑑を選ぶことが重要です。
合同会社の印鑑を準備するの注意点⑤:印鑑の兼用は避ける
合同会社設立時に限らず、印鑑の兼用は避けるべきです。例えば、会社実印(代表者印)と銀行印、または角印との兼用はリスクを伴います。
合同会社設立時の印鑑管理で気をつけておきたい注意点

同一の印鑑を兼用することにより、偽造や盗難の危険性が高まり、後に問題を引き起こす可能性があります。
そのため、合同会社設立時には、印鑑をそれぞれ分けて作成し、別々に保管することを推奨します。万が一の際にも、どの印鑑を使用したのか分からなくなるリスクを避けるため、兼用は避けましょう。
まとめ

合同会社の設立には、適切な印鑑の準備が欠かせません。電子定款を活用すれば印鑑が不要な場面もありますが、会社の運営や銀行手続きなどをスムーズに進めるためには、代表社員印・銀行印・角印などの印鑑を事前に準備しておくことが重要です。

SoVa税理士ガイド編集部
また、合同会社の印鑑は一度作成すると長期間使用するため、印鑑の材質やサイズ、彫刻する文字の内容にも注意して選ぶことが大切です。
設立後に「この印鑑では手続きできない!」といったトラブルを防ぐためにも、しっかりと計画的に準備を進めましょう。これから合同会社の設立を考えている方は、本記事を参考にしながら、適切な印鑑を準備し、スムーズに会社設立を進めてください。
合同会社の設立時に必要な印鑑に関するおすすめ記事
税理士を探すのが大変と感じた方
Feature
会計事務所SoVaの特徴
専門家の窓口は1つに
税理士業務だけでなく
社労士業務も対応しています
会計ソフト記帳
年末調整
税務相談
給与計算
従業員入社
登記申請
節税アドバイス
補助金
アドバイス
経費削減
アドバイス
一般的な税理士
会計ソフト記帳
年末調整
税務相談
※士業の独占業務に該当するものは、SoVa提携士業と協業して対応します
税理士業務+社労士業務で、価格はそのまま
一般的な税理士と
同水準の価格で依頼できます
〜5名規模
〜10名規模
〜20名規模
〜30名規模
¥29,800/月(税抜)~
※士業の独占業務に該当するものは、SoVa提携士業と協業して対応します
SoVaをもっと知りたい方