マイクロ法人が格安で税理士に依頼する際の注意点
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公開日:2025年7月
更新日:2025年7月29日
マイクロ法人の経営において、税務対応は避けて通れない重要な業務です。しかし、限られた予算の中で税理士に依頼するとなると、「できるだけ格安で依頼したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
近年では、マイクロ法人を対象とした格安税理士サービスも増えており、月額1万円以下で顧問契約できるケースも珍しくありません。ただし、格安という言葉に飛びついてしまうと、思わぬリスクやトラブルにつながる可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では、マイクロ法人が格安で税理士に依頼する際の相場や背景、選び方、リスク、そして注意点についてわかりやすく解説します。コストを抑えつつも、安心して任せられる税理士を見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
マイクロ法人が税理士に依頼する際の相場

マイクロ法人を設立した場合、税理士に依頼する費用の相場を把握しておくことは非常に重要です。マイクロ法人の経営においては、コストを抑えつつも適切な税務処理が求められるため、格安で信頼できる税理士を選ぶことがポイントになります。
ここでは、マイクロ法人が税理士に支払う顧問契約の月額費用、決算申告の報酬、オプションサービスの料金などについて詳しく解説します。
マイクロ法人が税理士と顧問契約する場合の月額費用相場
マイクロ法人が税理士と顧問契約を結ぶ際の月額費用相場は、一般的に2万円〜5万円程度です。

SoVa税理士ガイド編集部
しかし、格安税理士事務所の中には、オンライン対応に特化し、月額1万円前後のプランを提供しているところもあります。
都心部の大手税理士事務所では、マイクロ法人であっても月額10万円以上の料金が設定されているケースもあるため、コストを重視するマイクロ法人は、格安税理士を含めて複数の事務所を比較検討することが大切です。費用だけでなく、サービスの質や対応スピードも確認しましょう。
マイクロ法人が税理士に決算申告だけを依頼する場合の報酬相場
税理士に決算申告のみを依頼するマイクロ法人の場合、報酬相場は10万円〜30万円程度が一般的です。顧問契約を結ばず、必要なときだけ税理士にスポットで依頼することで、コストを抑えたいマイクロ法人に適しています。
マイクロ法人が格安で税理士に依頼する際の注意点に関するおすすめ記事
ただし、格安税理士でも決算のみの対応は追加費用がかかる場合があるため、契約前に料金体系を確認しておきましょう。経理の知識があるマイクロ法人であれば、決算だけ外注する方法は非常に効率的です。
マイクロ法人向けオプションサービスの費用例
マイクロ法人が税理士に依頼するサービスは顧問契約や決算申告だけにとどまりません。給与計算、年末調整、社会保険手続きの代行など、オプションサービスも活用できます。
たとえば、給与計算代行は月額1万円前後、経営計画作成支援は数万円〜30万円程度の費用が目安です。格安税理士事務所では、こうしたオプションサービスを必要に応じて追加できるプランもあります。マイクロ法人の規模や業種に合わせて、必要なサービスだけを選ぶことが費用対効果を高めるコツです。
格安でも税理士に依頼できるようになった背景

税理士への依頼相場を見て、「思ったよりも格安だ」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、なぜ格安でも専門家である税理士に依頼ができるようになったのか、その背景について解説していきます。
格安で依頼できる理由①:税理士費用の自由化による価格競争
マイクロ法人が税理士に依頼する際、税理士の費用は一律ではなく、事務所ごとに大きく異なります。かつては税理士報酬に一定の基準がありましたが、2002年の法改正以降、税理士や税理士法人が自由に料金を設定できるようになり、価格競争が激化しました。
この価格競争の中で、マイクロ法人を対象にした格安税理士サービスが多く登場しました。マイクロ法人の経営者にとっては、コストを抑えつつも必要なサポートを受けられるというメリットがあります。
ただし、格安なだけで税理士を選ぶと、サービス内容が不十分であったり、対応に不満が出る場合もあります。マイクロ法人が税理士を選ぶ際には、価格とともにサービスの中身や対応力も十分にチェックすることが重要です。

SoVa税理士ガイド編集部
マイクロ法人が格安で税理士に依頼する際の注意点についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:マイクロ法人が選ぶ格安で信頼できる税理士の探し方
格安で依頼できる理由②:会計ソフトの普及による業務効率化
マイクロ法人にとって税理士費用を「格安」に抑えられるもう一つの大きな理由が、会計ソフトの普及です。
格安で税理士に依頼できるようになった背景はここがポイント!

クラウド会計ソフトの登場により、マイクロ法人でも仕訳や帳簿作成、決算書類の作成などが自動化されるようになり、税理士に依頼する作業の手間が大きく軽減されました。
税理士にとっても、会計ソフトの導入によって作業負担が減るため、マイクロ法人向けに低価格でのサービス提供が可能になります。こうした背景から、月額1万円以下の格安税理士プランも増えており、特にスタートアップやコスト意識の高いマイクロ法人に支持されています。
ただし、会計ソフトと税理士の連携がうまくいかないとトラブルの原因にもなるため、格安プランであっても、しっかりとサポート体制が整っている税理士を選ぶことが安心です。
マイクロ法人に合った税理士の選び方

マイクロ法人が税理士に依頼する際、なるべく格安で信頼できる税理士を見つけたいと考える方は多いでしょう。しかし、安さだけに目を向けてしまうと、サポート不足やミスマッチが起きることも。そこでこの章では、マイクロ法人にとって本当に合った税理士を選ぶためのチェックポイントを紹介します。
マイクロ法人にあった税理士の選び方①:マイクロ法人の設立・運営実績が豊富か
マイクロ法人の支援実績が多い税理士は、設立から運営までの流れを熟知しており、必要な手続きや節税対策に精通しています。格安プランでも、マイクロ法人を多く担当してきた税理士であれば安心感があります。事務所のホームページなどで、実績内容を確認しましょう。
マイクロ法人にあった税理士の選び方②:業種や事業内容への理解があるか
マイクロ法人といっても業種はさまざま。自社の業種や取引形態に詳しい税理士を選ぶことで、より的確なアドバイスが受けられます。税理士との面談時には、自社の業務を説明し、どのような提案をしてくれるかを見て判断しましょう。
マイクロ法人にあった税理士の選び方③:クラウド会計ソフトに対応しているか
格安税理士の中にはクラウド会計ソフトに特化したサービスを提供しているところもあります。

SoVa税理士ガイド編集部
マイクロ法人が効率よく経理を進めるには、対応ソフトの知識や運用ノウハウを持つ税理士の存在が不可欠です。
マイクロ法人にあった税理士の選び方④:遠隔相談やオンライン対応が可能か
オフィスを持たないマイクロ法人や地方で活動する法人にとって、オンラインでのやり取りは非常に重要です。格安税理士の多くはオンライン対応を前提にしているため、対応可能なツールや時間帯を事前に確認しましょう。
マイクロ法人にあった税理士の選び方⑤:アフターフォローや質問対応が丁寧か
格安だからといって、サポートが薄いと意味がありません。マイクロ法人の経理や税務には日々疑問がつきものです。質問への対応スピードや、定期的なフォロー体制が整っているかを確認しておきましょう。
マイクロ法人にあった税理士の選び方⑥:補助金・助成金の提案力があるか
資金繰りに悩みがちなマイクロ法人にとって、補助金や助成金の活用は心強い支援策です。格安でも、こうした情報を能動的に提案してくれる税理士であれば、経営の幅が広がります。
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マイクロ法人にあった税理士の選び方⑦:経営や資金繰りの相談にも乗ってくれるか
税務だけでなく、経営や資金繰りまで見据えてサポートしてくれる税理士は、マイクロ法人にとって心強い存在です。格安サービスであっても、経営者の悩みに親身に寄り添う姿勢があるかをチェックしましょう。
格安税理士に依頼する際のリスク

マイクロ法人にとって、税理士への依頼費用を「格安」に抑えられることは大きな魅力です。特に設立初期や経費を最小限にしたいフェーズでは、コストの低い税理士と契約することでキャッシュフローに余裕が生まれます。
しかし、「格安税理士だから安心」と考えて安易に依頼してしまうと、サービスの質やサポート体制で後悔する可能性もあります。ここでは、マイクロ法人が格安税理士に依頼する際に考慮すべき6つのリスクについて解説します。
格安税理士に依頼するリスク①:サービス内容がマイクロ法人にとって不十分な場合がある
格安で税理士に依頼できる場合、マイクロ法人に提供されるサービスが必要最低限に限定されていることが多く見られます。たとえば、確定申告や決算書の作成のみを担当し、日々の記帳代行や給与計算、税務相談などはすべて追加料金が発生するケースがあります。
マイクロ法人として、最低限の業務だけを税理士に委託したい場合には格安プランでも問題ありませんが、経営や税務に不慣れな場合にはフルサポート型のプランが必要になることも。必要なサービスを見極め、内容と費用のバランスをチェックすることが重要です。
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格安税理士に依頼するリスク②:節税アドバイスが受けられず税金面で損をする可能性
マイクロ法人にとって節税は経営の要ともいえる重要事項です。しかし、格安税理士プランでは、節税対策や最新の税制変更に関するアドバイスが含まれていないケースがあります。
その結果、税務の専門知識に乏しいマイクロ法人が本来受けられたはずの控除や優遇制度を逃し、不要な納税をしてしまうリスクも。格安な顧問料に惹かれて契約しても、節税の機会損失が起きてしまえば、結果として損をしてしまうことになります。
格安税理士に依頼するリスク③:訪問や対面相談がなくサポートが限定される
格安税理士の多くはコストを削減するため、マイクロ法人への定期訪問を行わない方針を取っています。打ち合わせはチャットやメール、オンライン会議などに限られ、対面での相談は原則なしという場合も少なくありません。
対面で相談できないことに不安を感じるマイクロ法人にとっては、十分なサポートが受けられず、不満につながる可能性があります。特に、節税や補助金申請など突発的な判断が必要な場面では、相談のタイミングを逃すリスクにもつながります。
格安税理士に依頼するリスク④:オプション追加で結果的に高額になる場合がある
マイクロ法人が格安税理士と契約する際、「月額1万円以下」などの安さに惹かれがちですが、実際には基本料金に含まれているサービスが非常に限定的であることも。
格安で税理士に依頼する際に気をつけておきたい注意点

記帳、年末調整、経営相談などはすべてオプション扱いで、依頼ごとに別料金が発生する可能性があります。
結果として、初期の想定よりもはるかに高額な年間報酬になってしまい、「格安だと思ったのに全然安くなかった」と後悔するケースも。契約前には、年間でどれだけのサービスを使い、総額でいくらかかるのかをシミュレーションしておくことが大切です。
格安税理士に依頼する際の注意点

マイクロ法人が税理士に依頼する際、コストを抑えるために「格安税理士」を検討するケースも多くあります。特に資金に余裕がない設立初期やスモールビジネスにおいては、格安なサービスは大きな魅力です。
しかし、格安で税理士に依頼できるということは、それに伴うリスクも存在します。ここでは、マイクロ法人が格安税理士と契約する前に確認しておくべき注意点について解説します。
格安税理士に依頼する際の注意点①:サービス内容がマイクロ法人に適しているか確認する
格安税理士の最大の特徴は、料金が安い反面、提供されるサービス内容が限定的である点です。
格安で税理士に依頼する際はここがポイント!

特にマイクロ法人の場合、税務や経理の実務を社内で完結させるのが難しいため、税理士に依頼したい業務が月額費用に含まれているかを事前にしっかり確認することが重要です。
記帳代行、給与計算、年末調整、法定調書、節税相談など、マイクロ法人にとって重要な業務がすべてオプション扱いになっていると、結果的に追加費用がかさみ、「格安」どころか高額になることもあります。
格安税理士との契約前には、自社の状況と照らし合わせて、どの業務を依頼したいのかを明確にし、その内容が料金内で対応可能か細かくチェックしておきましょう。
格安税理士に依頼する際の注意点②:面談の頻度や対応方法をチェックする
マイクロ法人が税理士と顧問契約を結ぶ理由の一つは、経営や税務について直接アドバイスを受けられる点にあります。しかし、格安税理士の場合、訪問回数や面談対応が最小限に抑えられているケースも多く、そもそも面談を行っていないことすらあります。

SoVa税理士ガイド編集部
マイクロ法人が格安で税理士に依頼する際の注意点についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
面談が少ないということは、税理士に相談するタイミングを逃すことにもつながり、適切な節税対策や税務処理が遅れるリスクが発生します。マイクロ法人が直面する課題に応じて、どの程度の面談頻度が必要なのかを見極めた上で、格安税理士でも対応可能かどうかを確認しておきましょう。
対面での訪問がなくても、オンライン面談やメールでの相談対応が充実していれば、コストを抑えながらも安心して依頼できる場合もあります。まずはヒアリングを通じて、どのような対応が可能なのかを確認しておくことが大切です。
格安税理士に依頼する際の注意点③:税理士資格の有無を必ず確認する
マイクロ法人が税理士に依頼する際に絶対に見落としてはならないのが、税理士資格の有無です。税理士の資格がなければ、税務業務や相談を行うことは法的に認められていません。

SoVa税理士ガイド編集部
格安をうたう業者の中には、税理士資格を持たない無資格者が違法に業務を請け負っているケースも存在します。
税理士資格の有無を確認するには、日本税理士会連合会の「税理士名簿」で登録情報をチェックすることが有効です。また、マイクロ法人が契約しようとしている税理士が、正式な税理士法人として届出をしているかも確認ポイントです。
格安という言葉に惑わされず、しっかりとした資格を持つ税理士かどうかを見極めたうえで契約を進めることが、マイクロ法人の安全な運営につながります。
まとめ

マイクロ法人が格安で税理士に依頼することは、コスト削減という観点では非常に有効です。特に創業間もないフェーズや小規模経営の場合、税理士費用を抑えることは経営の安定にも直結します。
しかし、「格安」であることには相応の理由があるため、契約前にはサービス内容や対応範囲、税理士の資格有無などをしっかり確認することが重要です。安さにだけ注目するのではなく、マイクロ法人の業務内容やサポート体制にマッチする税理士かどうかを見極めましょう。
適切な格安税理士を選べば、コストと品質のバランスを取りながら、マイクロ法人経営をより効率的に進めることができます。この記事を参考に、あなたに合った税理士選びを進めてください。
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