入社手続きの流れは?入社手続きに必要な準備や押さえておくべきポイントを解説!
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公開日:2024年8月
更新日:2024年10月15日
入社手続きの流れは、従業員が会社にスムーズに適応するために欠かせない重要なプロセスです。入社手続きの基本的な流れとしては、まず必要書類の提出から始まり、次に社会保険や労働保険の加入手続き、そして給与計算に必要な情報の登録が含まれます。これらの手続きをきちんと進めるためには、事前に準備を整え、適切な段取りを踏むことが必要です。
入社手続きにおいて特に重要なのは、提出書類の確認や、社会保険の加入に必要な情報の正確な提供です。この流れが整備されていると、従業員も会社側も無駄な時間や手間を省き、スムーズに業務に取り掛かることができます。
本記事では、入社手続きの全体的な流れとともに、具体的な準備項目や押さえておくべきポイントについて解説します。入社手続きの流れを把握し、適切な対応を取ることで、企業の成長と従業員の早期戦力化に役立てましょう。
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採用担当者がおこなう入社手続きの流れ
新しい従業員を採用した際に、担当者が進めるべき入社手続きの流れは以下の通りです。事前に入社手続きの流れをおさえておくことで、流れ通りに迅速に手続きを進め、書類の提出期限に間に合わない等といったトラブルを防ぐことが出来ます。
入社手続きの流れ①:必要書類の提出を依頼する
入社手続きを進めるにあたり、新入社員から必要な書類を提出してもらうことが重要です。入社手続きに必要な書類は状況により異なるため、事前にリストを用意し、入社予定者に渡しておくと流れがスムーズです。入社手続きに必要な書類の詳細については後述します。
入社手続きの流れ②:法定三帳簿の作成
法定三帳簿とは、労働基準法に基づき作成・保管が義務付けられている「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の3つの帳簿を指します。
それぞれの帳簿の概要は次のとおりです
- 労働者名簿:従業員の氏名や住所、年齢などの情報を記載した名簿
- 賃金台帳:賃金の額や賃金計算の基礎となる項目を記載した台帳
- 出勤簿:従業員の出勤状況や労働時間を記録した帳簿
これらの帳簿は3年間の保管が法律で義務付けられており、違反があった場合には最大30万円の罰金が科せられる可能性があります。新入社員を迎える際には、これらの帳簿の作成を忘れずに行いましょう。
入社手続きの流れ③:社会保険の加入手続き
従業員が常時5人以上いる事業所(農林漁業やサービス業など一部例外あり)や法人では、入社手続きにあたって健康保険と厚生年金への加入が法律で義務付けられています。この条件に該当する場合、「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を年金事務所または健康保険組合に提出する必要があります。
入社手続きの流れに関するポイント!
この届出は雇用開始から5日以内に提出する必要があるため、入社手続きの流れをよく確認し、速やかに進めることが重要です。
入社手続きの流れ④:雇用保険の加入手続き
雇用保険に加入する流れとして、まずは管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。提出期限は雇用開始翌月の10日までとされているため、早めに入社手続きを済ませることが推奨されます。
入社手続きの流れ⑤:給与と住民税の申告
給与から住民税を特別徴収する場合の流れは、まず「給与支払報告書・特別徴収にかかる給与所得者異動届書」を市町村役場に提出し、申告手続きを行います。
入社手続きの流れ⑥:入社日までの準備
入社手続きには書類の準備だけでなく、入社日当日に向けた新入社員への案内も含まれます。持ち物や就業場所、勤務時間などを事前にきちんと伝えておきましょう。
社内の準備も重要です。配属先が決まっている場合は、部署内への周知やデスクや椅子の手配を行います。入社後すぐに業務に取り掛かるのか、あるいは研修を行うのかも事前に確認しておくとよいでしょう。
これらの入社手続きの流れを把握しておくことで、スムーズに新入社員を受け入れることが出来ます。流れを間違えてしまうと出戻りが生じたり、提出期限に間に合わないケースも出てきてしまうので注意しましょう。
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会社が入社手続き前に用意するもの
新入社員の入社手続きに必要な書類は、会社によって異なりますが、一般的にどの企業でも求められる書類と、内定者に準備してもらう書類があります。ここでは、入社手続きにあたって会社が用意するものについて解説します。
SoVa税理士お探しガイド編集部
会社側が入社手続き時に準備する書類には、内定者の署名や捺印が必要なもの、また交付が義務付けられているものなどがあります。
主な書類は次の通りです:
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 扶養控除等申告書
- 健康保険被扶養者異動届・国民年金第3号被保険者届
- 採用通知書(内定通知書)
- 入社誓約書
これらの書類は通常、返信用封筒と共に郵送され、内定者に署名・捺印をして返送してもらう流れになります。
会社が入社手続き前に用意するもの①:雇用契約書・労働条件通知書
雇用契約書および労働条件通知書は、労働条件を確認し合うための重要な書類です。雇用契約書には、雇用者と従業員の双方が署名または捺印をする必要があります。法律上、発行しなくても罰則はありませんが、認識の相違を防ぐために多くの企業が発行しています。
一方、労働条件通知書は法律で交付が義務付けられており、雇用主の署名または捺印が必要です。この2つの書類を一つにまとめて「労働条件通知書兼雇用契約書」として交付する企業もあります。なお、業務委託契約の場合は「業務委託契約書」が必要となります。
会社が入社手続き前に用意するもの②:扶養控除等申告書
扶養控除等申告書は、税務および社会保険の手続きに必要な書類で、扶養者の有無に関わらず提出が求められます。扶養控除とは、扶養家族がいる場合に年末調整で税の控除を受けられる制度です。申告書の提出は1社のみ可能ですので、副業がある場合は、本業の会社に提出する必要があります。
会社が入社手続き前に用意するもの③:健康保険被扶養者異動届・国民年金第3号被保険者届
この書類は、社会保険の手続きを行う際に必要なもので、扶養者がいる場合にのみ提出します。
会社が入社手続き前に用意するもの④:採用通知書(内定通知書)
内定者に正式な採用を通知するための書類です。法律上の交付義務はありませんが、採用通知後に採用を取り消すと違法となるため、注意が必要です。
会社が入社手続き前に用意するもの⑤:入社誓約書
入社誓約書は、就業規則や秘密保持に関する事項を明記した書類で、内定者から署名捺印をもらうことでトラブル防止につながります。
上記で紹介した書類を準備しておくことで、入社手続きの流れ通りにスムーズに新入社員の受け入れが出来ます。
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内定者に入社手続き時に用意してもらうもの
内定者に入社手続きにあたって準備してもらう主な書類は次の通りです。
- 雇用保険被保険者証番号
- 基礎年金番号
- 給与振込先の口座情報
- 源泉徴収票
- マイナンバー
これらの書類の中には、役所での手続きが必要なものもあるため、期日通りに入社手続きの流れを進めていく上でも、早めに準備してもらうよう伝えておくことが大切です。
入社手続きで内定者に用意してもらうもの①:雇用保険被保険者証番号
雇用保険被保険者証番号は、過去に雇用保険に加入した内定者に求める11桁の番号です。もし内定者が紛失した場合は、雇用主がハローワークで確認の依頼をすることができます。
入社手続きで内定者に用意してもらうもの②:基礎年金番号
基礎年金番号は社会保険手続きに必要な10桁の番号で、年金手帳や基礎年金番号通知書から確認できます。年金手帳の廃止に伴い、現在は基礎年金番号通知書が発行されています。
入社手続きで内定者に用意してもらうもの③:給与振込先の口座情報
内定者には給与振込先の口座情報を提供してもらいます。通帳のコピーを提出するか、会社の指定する方法で情報を提供してもらいます。
入社手続きで内定者に用意してもらうもの④:源泉徴収票
前職を退職した年と入社する年が同じ場合、前の会社から交付された源泉徴収票の提出を求めます。
入社手続きで内定者に用意してもらうもの⑤:マイナンバー
マイナンバーは税金や保険の手続きで使用される重要な番号です。マイナンバーカードや通知カード、住民票などから確認できます。
SoVa税理士お探しガイド編集部
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入社手続きにおける各種保険の加入の流れ
労働者が保険の加入基準を満たす場合、雇用形態にかかわらず、入社手続き時に適切な保険に加入することが義務付けられています。ここでは、各種保険の加入基準や加入の流れについて紹介します。
社会保険の加入基準と手続きの流れ
健康保険、厚生年金、介護保険を含めて「社会保険」と呼び、これらは同じ基準に基づいてセットで加入することが求められます。
ただし、厚生年金は70歳未満の方のみが加入対象で、70歳以上の方は健康保険と介護保険への加入のみとなります。
社会保険が適用される事業所
社会保険の適用事業所には、加入が義務付けられている「強制適用事業所」と、任意で加入できる「任意適用事業所」の2種類があります。
強制適用事業所とは、従業員数や業種に関係なく、必ず社会保険に加入する必要がある事業所を指します。
以下の条件に該当する事業所が強制適用事業所となります:
- 常時5人以上の従業員がいる事業所(飲食店や理美容業、農業、漁業等は除く)
- 従業員が1人以上いる国、地方公共団体、または法人の事業所
任意適用事業所は、事業所が厚生労働大臣の認可を受けることで社会保険に加入できます。この場合、健康保険と厚生年金のどちらか一方のみ加入することも可能です。
従業員の社会保険加入基準
従業員の社会保険加入基準は、一般労働者と短時間労働者で異なります。
一般労働者は、正社員の所定労働時間・日数の4分の3以上で、契約期間が2ヶ月以上の従業員が加入対象となります。
短時間労働者は、以下の条件をすべて満たす場合に加入が義務付けられています:
- 週20時間以上働いている
- 月額賃金が8.8万円以上
- 学生ではない(定時制・夜学等を除く)
- 2ヶ月以上の雇用が見込まれる
- 101人以上の従業員がいる事業所
2024年10月からは、従業員が51人以上の事業所にも適用範囲が拡大される予定です。
社会保険加入の手続きの流れ
社会保険の手続きの流れは、従業員を雇用した後、5日以内に健康保険・厚生年金被保険者資格取得届を事務センターまたは年金事務所に提出します。協会けんぽ以外の健康保険組合に加入する場合は、別途手続きが必要です。
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雇用保険の加入基準と手続きの流れ
雇用保険は、従業員が退職や失業した際に給付を受けるための保険です。複数の事業所で雇用されている場合は、本業の会社でのみ加入することができます。
雇用保険適用基準
事業所に従業員が1人でもいる場合、その事業所は雇用保険適用事業所となり、加入基準を満たす従業員全員を加入させる必要があります。
従業員の加入基準
週20時間以上働き、かつ31日以上継続して雇用される見込みがある場合、従業員は雇用保険に加入することになります。
雇用手続きの流れは、従業員を雇用した月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出します。
労災保険の加入基準と手続きの流れ
労災保険は、通勤中や業務中に発生したケガや事故に対して補償を行う保険です。従業員を雇用している事業所は必ず加入する必要があり、労働者のみが対象となります。
手続きの流れは、労働基準監督署へ保険関係成立届を提出し、概算保険料申告書を提出した後、保険料を納付します。さらに雇用保険の適用事業所設置届も提出が必要です。
税金の手続きの流れ
入社に伴い、所得税と住民税に関する手続きも必要です。以下が各税金の手続きの流れです。
所得税の手続きの流れ
従業員から提出された扶養控除等申告書に基づき、源泉徴収簿を作成し、税額を計算します。
住民税の手続きの流れ
住民税の手続きの流れは、前年の所得に基づいて課税されます。特別徴収であれば、雇用主が給与から天引きして税金を納付します。内定者が前職で特別徴収されていた場合は、異動届出書を市区町村に提出することで、手続きを継続できます。
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入社手続きの流れで押さえておくべきポイント
入社手続きの流れで特に重要なのは、必要書類の提出期限を守ることです。
前述の通り、雇用保険や社会保険の手続きには期限が定められており、入社手続きの流れにしたがって雇用開始と同時に速やかに手続きを進める必要があります。
仮に入社手続きの流れ通りに対応が出来ず、手続きが大幅に遅れてしまった場合、雇用保険では雇用開始日から手続き日までの期間分の賃金台帳と出勤簿を提出するほか、遅延理由書の作成・提出も求められます。
同様に、社会保険の手続きが本来の期限を60日以上超過した場合にも、賃金台帳や出勤簿の提出が必要です。
SoVa税理士お探しガイド編集部
いずれにしても、入社手続きの流れを間違えて入社手続きが遅れると、余計な手間がかかるばかりか、従業員に対しても負担をかけてしまうため、流れをよく確認し、迅速に入社手続きを開始することが非常に重要です。
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まとめ
入社手続きは、新たに従業員を迎える際に必ず行うべき重要なステップです。スムーズに入社手続きを進めるためには、流れをしっかりと把握しておくことが必要です。まず、入社手続きの最初の流れとして、雇用契約書や個人情報の収集、必要書類の準備が挙げられます。これらの書類は、雇用条件や勤務内容の確認に役立つ重要な資料です。また、社会保険や労働保険に関する手続きも、入社後すぐに行う必要があるため、事前に準備を整えておくことがポイントです。
本記事では、入社手続きの流れや、準備すべき書類、さらに手続き時の押さえておくべきポイントについて詳しく解説しました。入社手続きを効率よく進めるためには、正確な流れを理解し、必要な手続きをしっかりと管理することが重要です。企業の信頼性を高めるためにも、万全の準備を整えましょう。
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