スタートアップの資金調達方法とは?シリーズAやシード期などの投資ラウンドも紹介
カテゴリー:
公開日:2025年7月
更新日:2025年7月18日
スタートアップにとって、資金調達は事業の命運を左右する最重要課題です。特にシード期のスタートアップは、まだ売上や実績がない段階でありながら、大きな開発資金や人件費、広告費などが必要となるため、適切な資金調達手段を確保することが成功のカギとなります。
このようなスタートアップの資金調達は、企業の成長段階に応じて「シードラウンド」「シリーズA」「シリーズB」「シリーズC」といった投資フェーズに分けて行われるのが一般的です。たとえば、アイデアを形にする段階ではエンジェル投資家やクラウドファンディングを活用し、サービスを市場に投入する際には、ベンチャーキャピタルによるシリーズAの資金調達が検討されます。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップとしての基盤が整ってきた段階では、シリーズBやシリーズCによる資金調達によって、全国展開やグローバル進出を狙う企業も増えています。
本記事では、スタートアップの資金調達に関する基本知識から、各資金調達フェーズにおける具体的な方法や注意点まで、シード期からシリーズCまでの全体像を網羅的に紹介します。スタートアップの立ち上げを検討している方、すでに創業済みで次の資金調達を計画している方は、ぜひ本記事を通じてスタートアップの資金調達戦略を明確にしてみてください。

専門家費用を46%カット!!
会計事務所SoVaでは、記帳業務や給与計算だけではなく、社会保険などの役所手続き、さらには助成金・補助金や節税アドバイスを29,800円〜丸ごとお任せいただくことが可能です。バックオフィス業務が面倒だと感じている方は、ぜひ会計事務所SoVaにお任せください!
目次
スタートアップの資金調達方法とは?
スタートアップが事業を加速させる上で、避けて通れないのが「資金調達」です。新規事業の立ち上げや製品・サービスの開発、マーケティングの強化など、スタートアップには多くの資金ニーズが存在します。しかし、自己資金や創業メンバーからの出資だけでは十分とは言えず、外部からの資金調達をどのように行うかが成長の鍵となります。
本記事では、スタートアップが活用できる代表的な資金調達方法について、資金調達手段ごとの特徴、資金調達時のメリットやリスクなどを、資金調達を検討しているスタートアップに向けてわかりやすく解説していきます。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップの資金調達方法は?6つの段階や注意点を解説」

専門家費用を46%カット!!
会計事務所SoVaでは、記帳業務や給与計算だけではなく、社会保険などの役所手続き、さらには助成金・補助金や節税アドバイスを29,800円〜丸ごとお任せいただくことが可能です。バックオフィス業務が面倒だと感じている方は、ぜひ会計事務所SoVaにお任せください!
スタートアップの資金調達方法①
アセットファイナンス

アセットファイナンスとは、スタートアップが所有する資産を活用して資金調達を行う方法です。たとえば、不動産や設備を売却し、そのまま賃貸契約を結んで利用を継続する「リースバック」の手法がこれに該当します。このようなアセットベースの資金調達は、借入とは異なり負債を増やすことなく現金を確保できるため、財務諸表への影響を最小限に抑えたいスタートアップにとって魅力的な資金調達手段といえるでしょう。
一方で、そもそも資産が少ないスタートアップでは、活用できる資産自体が限られるという問題もあります。加えて、売却やリースには手数料や税負担が発生するケースもあり、コスト面にも注意が必要です。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップの資金調達法とは?ラウンドに合う適切な方法を知ろう」
スタートアップの資金調達方法②
ファクタリング
ファクタリングは、スタートアップが保有する売上債権、つまり売掛金を専門業者に買い取ってもらうことで資金調達を行う方法です。売掛金を現金化することにより、スタートアップは迅速に資金調達を実現できます。特に、取引先の信用力が高ければ、設立間もないスタートアップであっても資金調達が可能となるのが特徴です。
また、ファクタリングは借入ではないため、返済義務が発生しません。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関するポイント!

売上債権の売却という形式を取るため、バランスシートへの影響も小さく、資金調達後の財務健全性を維持しやすいという点も、スタートアップにとって大きなメリットです。
スタートアップの資金調達方法③
出資
スタートアップが成長資金を得るために最も多く用いられる手法のひとつが、出資による資金調達です。エンジェル投資家やベンチャーキャピタルなど、将来の成長に期待する投資家からの資金調達は、返済義務がないという点で大きな魅力があります。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップは株式を発行し、代わりに資金を得るため、キャッシュフローを圧迫せずに済むという点で、非常に重要な資金調達手段となっています。
ただし、出資を受けるということは株主が増えることを意味し、経営権の希薄化や意思決定の複雑化といったデメリットも発生します。出資による資金調達は、スタートアップにとって強力な成長ドライバーである一方で、経営体制への影響も十分に考慮する必要があります。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「シリーズAとはどのようなフェーズ?資金調達方法も解説」
スタートアップの資金調達方法④
融資
スタートアップが銀行や日本政策金融公庫などから借入を行うことも、一般的な資金調達方法の一つです。特に日本政策金融公庫では、創業間もないスタートアップ向けに無担保・無保証の融資制度も用意されており、資金調達を円滑に進めやすい制度設計となっています。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関するポイント!

融資による資金調達では、審査に時間を要し、また利息負担や元本返済の義務が発生するため、資金繰りに余裕を持った計画が必要です。
スタートアップの成長段階に応じて、必要な金額や返済可能性をしっかり見極めて借入を行うことが肝要です。

合わせて読みたい「スタートアップ 役員報酬」に関するおすすめ記事

スタートアップ企業の役員報酬はどう決めればいい?役員報酬の相場や決め方を解説!
スタートアップの資金調達方法⑤
社債
社債は、スタートアップ自らが債券を発行して投資家から資金を集める資金調達手法です。融資とは異なり、企業側が利率や償還期間などを設定できる自由度の高い手段であり、一定の信用力を持ったスタートアップにとっては、大規模な資金調達にも対応可能な方法です。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップの資金調達方法は?主な種類やステージ別の戦略を解説」
しかし、返済時期には元本を一括で償還する必要があるため、将来的なキャッシュフローに不安があるスタートアップにとっては慎重な資金調達計画が求められます。資金調達額が大きいほど返済負担も重くなるため、社債発行にあたっては明確な資金使途と長期的な経営ビジョンが不可欠です。
スタートアップの資金調達方法⑥
助成金・補助金
スタートアップが活用できる資金調達の中でも、返済義務がないという点で非常に有利なのが、助成金・補助金の制度です。経済産業省や自治体などが推進する施策の一環として提供されており、スタートアップの研究開発、設備投資、雇用創出などを支援する目的で支給されます。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップの資金調達」
ただし、助成金や補助金は採択率が低く、書類作成や審査対応などの事務作業も多く発生します。申請の準備やアドバイスを受けるために、専門家への相談を活用するスタートアップも増えています。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
長期的な資金調達戦略の一環として検討すべき手段です。
スタートアップの資金調達方法⑦
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、不特定多数の個人から小口の資金を集めるスタートアップにとって新たな資金調達手段です。購入型、寄付型、融資型、株式型など複数の形式があり、スタートアップは自社のプロジェクトに共感した支援者から資金を集めることができます。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
商品やサービスのプレセールスとして活用できるため、市場の反応を確認する手段としても有効です。
手軽に、迅速に資金調達できる点が大きなメリットとなるでしょう。出資や融資と違い、さまざまな準備や手続きもなく、専用のサイトに登録してプロジェクトを立ち上げるだけで成り立つため、行うハードルが低いです。
一方で、クラウドファンディングを利用した資金調達には注意点も存在します。まず、スタートアップが目指す資金調達額に達しなければ、プロジェクト自体が不成立となり、支援金が出資者に返金されてしまう仕組みが多いです。そのため、プロジェクトを立ち上げるための準備や広報活動にかけたコストや時間が、結果的に無駄になるリスクもあります。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップの資金調達や、シリーズAなどの投資ラウンドについては以下のサイトも是非ご覧ください。
「シリーズAとは?投資ラウンドの意味や調達額・シリーズBとの違いを解説」
さらに、クラウドファンディングで調達した資金の全額がスタートアップの手元に残るわけではありません。ほとんどのプラットフォームでは、集まった金額に対して10~20%程度の手数料が発生するため、資金調達後の予算配分を見誤らないように計画的に進めることが大切です。
スタートアップの資金調達方法⑧
RBF(Revenue-Based Financing)
RBFは、将来の売上に連動して返済を行うユニークな資金調達手段です。担保や保証人を必要とせず、スタートアップの成長性を前提として一定の売上割合を返済として支払うモデルです。短期間での急成長を見込むスタートアップに適しており、柔軟な返済設計ができる点が高く評価されています。

ただし、売上が期待よりも伸び悩んだ場合には返済負担がかえって重くなるというリスクもあります。資金調達戦略としてRBFを取り入れるには、売上予測や事業計画の精度が求められるため、成長シナリオをしっかり描けるスタートアップに向いています。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
「シリーズAってなに?投資ラウンドや成長ステージごとの資金調達手法を分かりやすく解説!」
スタートアップにおける資金調達ステージ
スタートアップが成長していくためには、それぞれのステージに応じた資金調達が不可欠です。ここでは、スタートアップが立ち上がった初期段階であるエンジェルラウンドから、成長軌道に乗った後のシリーズCまで、資金調達の特徴と目的を詳しく解説します。スタートアップがどの段階でどのように資金調達を行うべきかを理解することで、より効果的な成長戦略を描くことが可能になります。
スタートアップの状況 | 主な資金調達先 | 資金使途 | 資金調達額の目安 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
エンジェルラウンド | アイデア段階・プロトタイプ前 | エンジェル投資家 日本政策金融公庫 |
人材採用 初期開発費 事業立ち上げ準備 |
数百万円〜数千万円 | 実績がなく信用も薄いため、 知人や個人投資家からの調達が中心 |
シードラウンド | 製品・サービス開発中 リリース前 |
エンジェル投資家 VC 公庫 クラウドファンディング |
開発費 市場調査 マーケティング費 |
数百万〜数億円 | スタートアップがサービス構築と 仮説検証を進める段階の資金調達 |
シリーズA | サービス・製品が市場に 出始めた段階 |
ベンチャーキャピタル 助成金・補助金 |
広告宣伝 人材強化 システム拡充 |
数千万円〜十数億円 | 一定の売上や実績があり、 本格的に拡大に向けた資金調達をスタート |
シリーズB | 収益化・ユーザー数の 安定が見えてきた段階 |
ベンチャーキャピタル 金融機関 大型投資家 |
全国展開 新規事業 人材確保 |
数億円〜数十億円 | スタートアップの事業が成長軌道に乗り、 規模拡大を加速するための大型調達 |
シリーズC | 黒字化が安定し IPOやM&Aを目指す段階 |
VC 大手金融機関 上場準備ファンド |
海外展開 新製品開発 買収・統合資金 |
数十億円以上 | 上場・事業売却などEXITを視野に、 スタートアップとして最終フェーズの資金調達段階 |
エンジェルラウンド:スタートアップ初期の資金調達ステージ
エンジェルラウンドとは、スタートアップ企業が事業のアイデア段階で実施する資金調達のフェーズです。プロダクトやサービスがまだ形になっていない段階のため、銀行融資などの資金調達は難しく、エンジェル投資家や日本政策金融公庫からの出資が主な資金調達手段となります。
この段階での資金調達は、サービス開発やチームづくり、人材確保に活用され、スタートアップが一歩目を踏み出すための土台を支える重要なプロセスです。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップの資金調達や、シリーズAなどの投資ラウンドについては以下のサイトも是非ご覧ください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップに最適な資金調達とは? ブートストラップまたはベンチャーキャピタル?」
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関するポイント!

エンジェル投資家は資金だけでなく、経営支援や人脈提供など、スタートアップの成長に欠かせない支援も行ってくれる点が大きなメリットです。
シードラウンド:スタートアップがプロダクトを形にする資金調達段階
シードラウンドは、スタートアップが製品やサービスを具体的に開発する段階で行う資金調達です。すでにアイデアから試作品、あるいはサービス構想へと進みつつあるスタートアップにとって、シード期における資金調達は、開発費やマーケティング準備、人材採用など多岐にわたる支出をカバーする必要があります。
シードステージでは、クラウドファンディング、エンジェル投資家、日本政策金融公庫、地方自治体の補助金制度など、複数の資金調達ルートを併用するケースが多く見られます。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「シリーズAとは?資金調達における定義や金額、投資ラウンドについて」
スタートアップにとって、このシード段階での資金調達の成否は、プロダクトリリースのスピードや質に大きな影響を与えるため、戦略的なアプローチが求められます。
シリーズA:スタートアップが市場に打って出る資金調達のフェーズ
シリーズAラウンドは、スタートアップがプロダクトやサービスを市場に投入し、一定のユーザー獲得やフィードバックを得たタイミングで実施する資金調達ステージです。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップとして初期の市場適応性が確認され、今後の売上拡大を狙って事業基盤を整えるための資金調達が行われます。
このフェーズでは、ベンチャーキャピタル(VC)や一部の金融機関が主要な資金調達元となり、調達額は数千万〜十数億円規模になることもあります。スタートアップはこの資金を活用して、マーケティングや広告展開、営業組織の拡充など、事業のスケールアップに取り組みます。

合わせて読みたい「スタートアップ企業において税理士に依頼できる業務とメリット」に関するおすすめ記事

スタートアップに税理士は必要?依頼できる業務とメリットを徹底解説
シリーズB:スタートアップが拡大フェーズに突入する資金調達ステージ
シリーズBは、スタートアップがすでに市場での一定の成功を収め、さらなる成長やスケールアップを目指す段階の資金調達です。シリーズBは安定的な売上や利用者数の増加が見込まれ、事業拡大のために人材や新規顧客の開拓に資金が必要となります。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップの資金調達や、シリーズAなどの投資ラウンドについては以下のサイトも是非ご覧ください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップ企業におすすめの資金調達方法6選!投資ラウンドについても徹底解説」
シリーズBの資金調達は、VCや金融機関、場合によっては大手企業との提携資金も加わることがあります。スタートアップが新たなサービスを開発したり、海外展開を図るといったチャレンジにも対応できる資金規模となり、調達額は数十億円に達するケースもあります。
シリーズC:スタートアップがIPOやM&Aを視野に入れる資金調達段階
シリーズCラウンドは、スタートアップが黒字化や安定収益を達成し、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収・合併)などのエグジットを見据える段階で行われる資金調達です。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関するポイント!

日本国内外への大規模な事業展開や、さらなる技術投資・プロダクトラインの拡大のために、多額の資金が必要とされます。
シリーズCの資金調達では、ベンチャーキャピタルに加えて、投資ファンドや大企業からの戦略的出資が行われることもあります。スタートアップにとって、このシリーズCラウンドでの資金調達は、最終的な企業価値の最大化に直結する非常に重要なフェーズとなります。


「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
このように、スタートアップの資金調達は、エンジェルラウンドからシード、シリーズA・B・Cと、事業の成長段階ごとに戦略的に実施されます。
それぞれのステージにおいて最適な資金調達方法を選択することが、スタートアップが持続的な成長を遂げるための鍵となるのです。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップの資金調達方法5選!メリットデメリットや注意点も解説」
スタートアップにおける資金調達の注意点
スタートアップ企業が資金調達を検討する際には、単に資金を集めればよいというものではなく、それぞれの資金調達手段ごとに存在するリスクや注意点を理解しておく必要があります。ここでは、スタートアップの経営者が知っておくべき資金調達の注意点を、出資・融資・ファクタリング・助成金・クラウドファンディングの5つの方法に分けて解説します。
スタートアップにおける資金調達の注意点①
経営権が左右される可能性
スタートアップが資金調達の初期段階で出資を受ける際、経営の主導権が投資家に一部渡ってしまう可能性があります。これは、出資と引き換えに株式を発行することで、議決権が移るためです。スタートアップの将来ビジョンに共感する投資家を慎重に選ばなければ、経営判断に対して外部からの強い影響を受けることになりかねません。
特にシード期やシリーズA以前のスタートアップは資本力が弱いため、大きな出資と引き換えに過度な経営干渉を受けるリスクが高くなります。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する注意点

スタートアップとしての理念を守るためにも、出資条件の交渉や投資家選定には十分な注意が必要です。
スタートアップにおける資金調達の注意点②
返済義務と資金計画の綿密な設計が不可欠
スタートアップにとって、融資は安定した資金調達手段の一つですが、当然ながら返済義務が発生します。特に、創業直後のスタートアップでは、売上が安定していないことが多いため、返済計画を甘く見積もると資金繰りに苦しむ結果となります。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップの資金調達や、シリーズAなどの投資ラウンドについては以下のサイトも是非ご覧ください。
「スタートアップの起業資金調達方法: 各種資金調達方法のベストプラクティス」
また、融資の審査には時間がかかることも多く、スタートアップが必要とするスピード感と合わない場合もあります。そのため、融資を受ける際は、あらかじめ資金が着金するまでの期間も含めたキャッシュフロー設計が重要です。資金調達の手段として融資を選ぶ場合には、返済能力と資金使用計画を明確にしておきましょう。
スタートアップにおける資金調達の注意点③
早期資金調達の裏に潜むコスト負担
スタートアップが売掛金を活用して現金化を図るファクタリングは、返済義務が発生しない点で魅力的な資金調達手段です。しかし、手数料が高めに設定されている場合が多く、実際に受け取れる金額が想定よりも少なくなるケースがあります。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する注意点

ファクタリングでは取引先の信用力が重視されるため、スタートアップ側に不利な条件となることもあります。資金調達の即効性は高いものの、長期的な視点で見たときに割高なコストを支払うことにならないか、事前に精査しておくべきです。
スタートアップにおける資金調達の注意点④
スタートアップならではの申請難易度と資金繰りの課題
スタートアップが活用しやすい資金調達方法として、助成金や補助金が挙げられます。返済義務がなく、政策的支援を受けられるメリットは大きいですが、申請の手間や受給タイミングに課題があります。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
「国内スタートアップ資金調達ランキング(2024年1月-12月)」
特に助成金・補助金は原則として後払い制度のため、交付が決まっても資金が入るのは後日です。スタートアップの運転資金に余裕がない場合は、先に立て替えなければならず、キャッシュフローが圧迫されることもあるため注意が必要です。
また、申請条件が細かく設定されており、スタートアップの事業内容や設立年数によっては適用外となるケースもあります。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップならではの状況に合わせて、受給可能な制度かどうかを事前にチェックしましょう。

スタートアップにおける資金調達の注意点⑤
クラウドファンディングは広報力が成功の鍵
クラウドファンディングは、スタートアップが一般ユーザーから資金を募る新しい形の資金調達手段として注目されています。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する注意点

目標金額に達しなければ資金が得られない「オール・オア・ナッシング」方式のリスクがある点に注意が必要です。
また、スタートアップがクラウドファンディングで資金調達を成功させるには、事業の魅力を明確に伝え、多くの支援者を集めるためのマーケティング戦略が欠かせません。SNSやメディアを駆使した情報拡散、プロジェクトの魅力的な見せ方など、実施前の準備が成否を分ける大きな要素になります。
スタートアップが資金調達を成功させるための重要なポイント
スタートアップにとって、資金調達は単なる資金確保ではなく、将来的な成長やスケールアップを実現するための“戦略的アクション”です。特に、急成長を目指すスタートアップにとって、資金調達の成功がその後の展開を大きく左右します。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
ここでは、スタートアップが資金調達を成功に導くために押さえておくべき5つのポイントを解説します。
スタートアップの資金調達ポイント①
魅力的で説得力あるスタートアップの事業計画書を作る
スタートアップが資金調達を行う際、まず重要になるのが「精密な事業計画書」です。これは、投資家にとってスタートアップ企業の将来像を判断する重要な資料です。スタートアップならではの独自性やイノベーション、ビジネスモデル、ターゲット市場、収益構造、競合優位性、成長戦略を、具体的な数値やシミュレーションを交えて記述しましょう。
さらに、スタートアップが調達した資金をどのように使うのか――マーケティング、人材採用、プロダクト開発など、具体的な使途を明確に記すことで、スタートアップの資金調達に対する信頼性が格段に高まります。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
「資金調達ラウンド(投資ラウンド)とは?スタートアップが知っておくべきステージや資金調達方法を解説」
スタートアップの資金調達ポイント②
資金調達で重視される投資家の評価基準を把握する
スタートアップの資金調達では、投資家の視点を理解することが非常に重要です。スタートアップが成長市場に属しているか、どのようなポジションを取っているか、スケーラビリティはあるか、そしてスタートアップの経営陣がどれだけ信頼できるか――こうした要素が資金調達時に厳しくチェックされます。
投資家の評価視点 | 概要 |
---|---|
市場規模と将来性 | スタートアップの事業が拡大できる土壌があるかを定量的に説明する |
経営チームの実力 | スタートアップのチームに実績・経験があることを示す |
スケーラビリティ | スタートアップが資金調達後にどれだけ事業を拡大できるかを具体例で説明 |

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップの資金調達や、シリーズAなどの投資ラウンドについては以下のサイトも是非ご覧ください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「スタートアップの資金調達成功法とは?スケール・ステージ別に解説」
スタートアップがこれらを踏まえた資金調達戦略を立てることで、投資家からの信頼獲得につながります。
スタートアップの資金調達ポイント③
スタートアップは複数の資金調達手段を組み合わせて使う
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する記事

スタートアップにおける資金調達方法、シード期やシリーズAの投資ラウンドにおける資金調達の注意点などは以下の記事も是非参考にしてください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「連載③:スタートアップファイナンス序論~資金調達の手段と特徴、資本政策を検討する際の留意点」
スタートアップが成功するためには、1つの資金調達手段だけに依存してはいけません。スタートアップは、出資・融資・クラウドファンディング・補助金など、複数の資金調達方法を戦略的に組み合わせることが求められます。
スタートアップのフェーズ(シード期、シリーズA、シリーズBなど)に合わせて、最適な資金調達の手段を選ぶことが、事業の安定と成長を支える鍵になります。スタートアップが柔軟な資金調達戦略を構築することで、リスクを最小限に抑えながら資金確保が可能になります。
スタートアップの資金調達ポイント④
スタートアップは専門家と連携して資金調達を行うべき

スタートアップの資金調達には、法務・税務・財務などの高度な知識が求められます。そのため、スタートアップは税理士、弁護士、ファイナンシャルアドバイザー、資金調達コンサルタントといった専門家のサポートを受けることが成功の近道です。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関するポイント!

資本政策の構築や出資契約書の整備、資金調達プレゼンの作成といった場面では、スタートアップが独力で対応するのは難しいことが多いため、専門家の視点が非常に有益です。

「スタートアップの資金調達と投資ラウンド」編集部
スタートアップの資金調達や、シリーズAなどの投資ラウンドについては以下のサイトも是非ご覧ください。
スタートアップの資金調達とシリーズAに関する参考記事:「資金調達のラウンドとは?各ステージの違いや特徴、調達時の注意点を解説」
スタートアップの資金調達ポイント⑤
スタートアップは中長期の資金調達戦略も設計すべき
スタートアップが資金調達に成功するためには、単発の調達で満足せず、長期的な視野で資本戦略を構築することが不可欠です。たとえば、シード期の出資条件が、将来のシリーズA・シリーズBの資金調達にどう影響するか、Exit(IPOやM&A)を見越した資金調達がどう設計されているかなど、資本戦略は常に「未来」を意識して設計されるべきです。
スタートアップの資金調達と投資ラウンドに関する注意点

スタートアップが成長するにつれて、株式の希薄化リスク、投資家との関係、経営権の保持など課題は増えます。こうしたリスクを管理するためにも、戦略的な資金調達の設計は必要不可欠です。
まとめ|スタートアップの資金調達方法
スタートアップにとって、資金調達は事業の未来を左右する極めて重要なプロセスです。アイデア段階であるシード期の資金調達では、製品やサービスを形にするための出資が欠かせず、多くのスタートアップがエンジェル投資家やクラウドファンディングを活用します。スタートアップとして成長を続けるには、シード期を成功させることがその後の資金調達をスムーズに進めるカギとなります。
そして、プロダクトの市場投入や事業拡大を目指す段階では、シリーズAでの資金調達が必要となり、ここでの成功がスタートアップの事業規模を一気に押し上げるチャンスになります。さらに、シリーズB、シリーズCといった後続ラウンドにおける資金調達は、スタートアップがスケールアップしIPOやM&Aを視野に入れるタイミングです。それぞれのシリーズでの資金調達方法は異なり、戦略的な判断と慎重な準備が求められます。
このように、スタートアップの資金調達は「いつ・どのシリーズで・どの手法を使うか」によって、成功の可能性が大きく変わってきます。シード、シリーズA、シリーズB、そしてシリーズCと、各ラウンドの資金調達の目的や規模をしっかり理解し、スタートアップのステージに応じた最適な資金調達を選ぶことが、事業成長の鍵です。
スタートアップとして資金調達を成功させるには、常に市場の動向を見極めながら、自社のフェーズに合った調達戦略を見直し、柔軟に対応することが不可欠です。この記事を通じて、スタートアップにおける資金調達の本質と、各シリーズの役割や意味を理解し、将来的な成長への第一歩として活用していただければ幸いです。
税理士を探すのが大変と感じた方
Feature
会計事務所SoVaの特徴
専門家の窓口は1つに
税理士業務だけでなく
社労士業務も対応しています
会計ソフト記帳
年末調整
税務相談
給与計算
従業員入社
登記申請
節税アドバイス
補助金
アドバイス
経費削減
アドバイス
一般的な税理士
会計ソフト記帳
年末調整
税務相談
※士業の独占業務に該当するものは、SoVa提携士業と協業して対応します
税理士業務+社労士業務で、価格はそのまま
一般的な税理士と
同水準の価格で依頼できます
〜5名規模
〜10名規模
〜20名規模
〜30名規模
¥29,800/月(税抜)~
※士業の独占業務に該当するものは、SoVa提携士業と協業して対応します
SoVaをもっと知りたい!