起業時に融資は自己資金なしでも受けられる?融資制度や審査のポイントを解説!
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公開日:2025年10月
更新日:2025年10月4日
「自己資金なしで起業できるのか?」「起業時に融資を受けられるのか?」と不安に思う方は少なくありません。一般的に起業には自己資金が必要とされますが、実際には自己資金なしでも利用できる融資制度が存在します。
日本政策金融公庫をはじめとした公的機関の創業融資や、自治体の制度融資などを活用すれば、自己資金なしの起業でも資金調達が可能です。もちろん、自己資金なしで融資を受ける場合には審査が厳しくなる傾向がありますが、事業計画の作り込みや支援機関のサポートを受けることで突破できるケースもあります。
本記事では、自己資金なしで起業時に融資を受ける方法や制度の種類、さらに審査を通過するためのポイントを詳しく解説します。
目次
自己資金なしでも起業時に融資を受けられる?

基本的に、自己資金なしで起業して融資を受けるのは簡単ではありません。しかし、自己資金なしでの起業でも、融資をまったく受けられないわけではありません。実際には、自己資金の要件が設けられていない起業向けの融資制度も存在するため、しっかりとした事業計画を立てることで、自己資金不足をカバーし、融資審査に通過できる可能性があります。
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントに関するおすすめ記事
例えば、代表的な創業融資である日本政策金融公庫の「新規開業資金」は、自己資金の要件が明確に定められていません。そのため、自己資金なしで起業を始める場合でも融資申込が可能です。これは、これから起業したいが資金に余裕がない人にとって大きなメリットといえるでしょう。
ただし注意すべきは、たとえ自己資金なしで融資を受けられたとしても、起業時に希望する融資額すべてが借りられるとは限らない点です。

SoVa税理士ガイド編集部
一般的に、創業融資における融資額の目安は自己資金の3倍から4倍程度とされており、自己資金なしで起業する場合には、融資額が大幅に減額されるリスクがあります。
日本政策金融公庫総合研究所の「2023年度新規開業実態調査」でも、起業に必要な創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で約24%という結果が出ています。
したがって、自己資金なしで起業して融資を受けたい人は、融資制度を賢く活用することに加えて、可能な限り自己資金を準備する努力も同時に進めることが重要です。スムーズな資金調達を実現するためには、自己資金なしでも融資を受けやすくなる方法を知ると同時に、少しずつでも自己資金を積み上げる工夫を取り入れることが、起業成功への大きな一歩となります。
自己資金なしでも起業時に受けられる融資制度

自己資金なしで起業を考えると、「本当に融資が受けられるのだろうか?」と不安になる方は多いでしょう。実際には、自己資金なしでも利用できる起業時の融資制度はいくつか存在します。ここでは、代表的な制度を紹介しながら、自己資金なしで起業する場合にどのように活用できるかを解説します。
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントに関するおすすめ記事:自己資金なしでも創業融資を受けられる?融資制度や注意点も解説
自己資金なしでも起業時に受けられる融資制度①:日本政策金融公庫「新規開業資金」
国が100%株式を保有する政府系金融機関である日本政策金融公庫の「新規開業資金」は、起業や事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした融資制度です。融資限度額は7,200万円(うち運転資金は4,800万円)で、自己資金の要件が定められていないため、自己資金なしで起業を始めたい方でも融資申込が可能です。
自己資金なしでも起業時に受けられる融資制度②:日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」
「中小企業経営力強化資金」は、新しい事業分野の開拓を支援するための融資制度で、融資限度額は7億2千万円と非常に大きな規模です。自己資金の要件は設けられていないため、自己資金なしでの起業でも申込が可能です。
起業時に自己資金なしで融資を受ける際に気をつけておきたい注意点

ただし、経営革新や異分野との連携による新市場の創出など、具体的な事業計画が求められ、中小企業経営強化法に基づく認定経営革新等支援機関の助言を受けている必要があります。
自己資金なしでも起業時に受けられる融資制度③:日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付」
「挑戦支援資本強化特別貸付」は、新規開業やスタートアップを支援するための融資制度です。融資限度額は7,200万円で、こちらも自己資金の要件は定められていません。自己資金なしで起業を考えている場合にも活用可能ですが、地域経済活性化に寄与する事業であることや、税務申告を行っている場合は所得税等を完納していることなど、一定の条件を満たす必要があります。

SoVa税理士お探しガイド編集部
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
自己資金なしでも起業時に受けられる融資制度④:都道府県や市区町村の「制度融資」
制度融資とは、信用保証協会が保証人となり、中小企業や小規模事業者が融資を受けやすくなる仕組みです。自己資金の要件は自治体によって異なりますが、例えば東京都の制度融資には自己資金の要件がありません。自己資金なしで起業したい方でも利用しやすい仕組みといえます。
起業時に融資を受ける際の流れ

自己資金なしで起業し、融資を利用する場合には、手続きの流れを正しく理解しておくことが重要です。ここでは、日本政策金融公庫の創業融資と自治体の制度融資に分けて、起業時に自己資金なしでも利用できる融資の流れを解説します。
起業時に自己資金なしで日本政策金融公庫の融資を受ける流れ
Step1. 相談窓口を利用する
日本政策金融公庫には、起業予定者向けの相談窓口があります。自己資金なしでの起業を検討する場合、制度の詳細や事業計画書作成のアドバイスを事前に受けることが可能です。
Step2. インターネットで申し込む
公庫の公式サイトからオンライン申請を行い、起業計画や必要書類を提出します。
Step3. 面談を行う
担当者との面談で、起業の内容や自己資金なしで融資を希望する理由、返済計画を説明します。
Step4. 審査
提出資料と面談内容をもとに3週間程度の審査が行われます。
Step5. 契約・融資実行
審査通過後、契約を経て融資が実行されます。通常は申込から1ヶ月程度で入金されます。
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントに関するおすすめ記事
起業時に自己資金なしで自治体の制度融資を受ける流れ
Step1. 受付機関に申請
商工会議所や自治体窓口に必要書類を提出します。
Step2. 金融機関による審査
事業計画をもとに金融機関が審査します。
Step3. 信用保証協会への依頼と審査
金融機関が保証を依頼し、信用保証協会が審査を行います。
Step4. 融資実行
保証が確定すると融資契約が結ばれ、資金が振り込まれます。

SoVa税理士お探しガイド編集部
実行まで2〜3ヶ月かかることが多いため、自己資金なしで起業する場合でも余裕ある資金計画が欠かせません。
起業時に自己資金なしで融資を受けるためのポイント

自己資金なしで起業し、融資を受けようとする場合には、いくつかの大切な注意点があります。自己資金がある場合と比べて、自己資金なしでの起業は融資条件が不利になりやすく、事業の継続や返済計画に大きな影響を及ぼすことがあります。ここでは、起業時に自己資金なしで融資を利用する際に特に押さえておくべき注意点を解説します。
起業時に自己資金なしで融資を受ける際の注意点①:融資額が少なくなる
一般的に、融資額は自己資金の3〜4倍程度が目安とされています。そのため、自己資金なしで起業する場合は、希望する融資額を下回るケースが多いです。実際に、日本政策金融公庫総合研究所の調査でも、起業時に必要となる創業資金総額のうち自己資金の平均割合は約24%とされています。

SoVa税理士ガイド編集部
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
融資額が希望より少なくなると、事業開始後の運転資金が不足するリスクが高まります。そのため、自己資金なしで起業する場合は、初期投資を必要最小限に抑えたり、段階的に設備投資を行うなど、融資額に合わせた事業計画の見直しが必要です。
起業時に自己資金なしで融資を受ける際の注意点②:金利が高くなる
自己資金なしの起業は金融機関から「リスクが高い」と判断されやすいため、融資の金利が高めに設定される傾向があります。特に信用保証協会の保証付き融資では、自己資金なしの場合に1〜2%程度金利が上乗せされることもあります。
返済の負担を軽減するためには、できるだけ低金利の融資制度を選ぶことが重要です。例えば、日本政策金融公庫の「新規開業資金」などの公的融資を利用することで、比較的低金利での借入が可能になります。
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントに関するおすすめ記事:創業融資とは?自己資金なしでも借りられる?メリットや申請の流れ、注意点を解説
起業時に自己資金なしで融資を受ける際の注意点③:見せ金は絶対に避ける
一時的に第三者から資金を借りて自己資金があるように見せかける「見せ金」は、起業時の融資申請において絶対に避けるべき行為です。
起業時に融資を受ける際に気をつけておきたい注意点

見せ金での融資申請は金融機関を欺く行為とみなされ、詐欺罪に問われる可能性もあります。発覚すれば、今後の融資が極めて難しくなったり、すでに借りた融資の返還を求められるリスクもあります。
自己資金なしであっても、正直に状況を説明し、事業計画や返済能力をアピールすることが大切です。
起業時に自己資金なしで融資を受ける際の注意点④:返済計画を入念に立てる
自己資金なしで起業する場合、開業費用や運転資金をすべて借入金でまかなうことになります。そのため、事業開始後の売上だけで、融資元本と利息を返済していく必要があります。
毎月の経費や税金支払いも含めたシミュレーションを行い、現実的な返済計画を立てることが重要です。日本政策金融公庫の融資制度には、元本返済を一定期間据え置き、利息のみ支払える据置期間が設定できるものもあるため、自己資金なしの起業時にはこうした制度を上手に活用しましょう。
起業時に自己資金なしで融資を受ける際の注意点

自己資金なしで起業しようとすると、当然ながら融資の審査は厳しくなります。しかし、それでも工夫次第で融資を受けやすくする方法があります。自己資金なしで起業する場合にどのような工夫が必要か、また融資を受ける際に気を付けるべき点について解説します。
自己資金なしでも起業時に融資を受けるためのポイントに関するおすすめ記事
起業時に自己資金なしでも融資を受けるためのポイント①:同業で独立開業する
自己資金なしで起業する場合、日本政策金融公庫の新創業融資を活用する人が多いですが、その際に有利になる条件のひとつが「現在勤めている会社と同業種で独立すること」です。異業種での起業でも融資の申し込みは可能ですが、自己資金なしだと審査が厳しくなる傾向があります。同業での起業は経験やスキルを証明できるため、融資審査で有利に働きます。
起業時に自己資金なしでも融資を受けるためのポイント②:事業計画書を緻密に作成する
融資の審査では事業計画書が最重要といっても過言ではありません。自己資金なしでの起業は金融機関から「リスクが高い」と判断されやすいため、より説得力のある事業計画が必要です。市場調査のデータや収支予測、返済計画を具体的に盛り込み、融資を受けるにふさわしい根拠を示すことが大切です。
起業時に自己資金なしでも融資を受けるためのポイント③:認定支援機関を活用する
認定経営革新等支援機関に相談し、そのあっせんを通じて融資を申し込むと、日本政策金融公庫の審査に通りやすいと言われています。

SoVa税理士ガイド編集部
自己資金なしで起業を考えている場合には、まず支援機関に相談するのがおすすめです。事業計画書の作成サポートも受けられるため、より有利な形で融資を受けられる可能性が高まります。
まとめ

自己資金なしで起業する場合でも、融資制度を上手に活用すれば事業をスタートさせることは十分に可能です。日本政策金融公庫の新規開業資金や自治体の制度融資など、自己資金なしでも申し込める制度を理解し、事業計画を具体的に練り上げることが成功のカギとなります。
ただし、自己資金なしで融資を受ける際には「融資額が少なくなる」「金利が高くなる」といった注意点があるため、返済計画をしっかり立てることが不可欠です。必要に応じてクラウドファンディングや補助金などの併用も検討し、複数の資金調達手段を組み合わせることで、起業後のリスクを軽減できます。
自己資金なしでも融資を受けて起業することは決して不可能ではなく、正しい知識と準備を持つことで安定した事業運営につなげられます。
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