税理士に資金繰りを相談できる?相談のメリットと注意点について解説

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公開日:2025年7月

更新日:2025年8月2日

会社経営において最も重要ともいえるのが「資金繰り」の管理です。たとえ黒字決算であっても、手元資金が不足すれば支払いができず、最悪の場合は黒字倒産に陥るリスクもあります。そこで力を発揮するのが、資金繰りの専門知識を持つ「税理士」の存在です。

税理士は、単なる税務の専門家ではなく、資金調達や資金繰り表の作成、キャッシュフローの見直し、金融機関とのやりとりまで幅広く対応できる、経営者にとって心強いパートナーです。本記事では、資金繰りの基本から、資金繰りが悪化する原因、そして税理士に相談する具体的なメリットや支援内容、相談すべき税理士の見分け方まで詳しく解説します。

目次

  1. 資金繰りとは
  2. 資金繰りが悪化してしまう原因
    1. 資金繰りが悪化してしまう原因①:回収サイトが長い
    2. 資金繰りが悪化してしまう原因②:事業の急拡大
    3. 資金繰りが悪化してしまう原因③:物価の高騰によるコスト増加
    4. 資金繰りが悪化してしまう原因④:損益と収支を混同している
  3. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット
    1. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット①:最適な資金調達方法を提案してくれる
    2. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット②:資金調達のタイミングを見誤らない
    3. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット③:金融機関に評価される書類を作成できる
    4. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット④:優遇条件で融資を受けられる可能性がある
    5. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑤:融資面談の対策ができる
    6. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑥:税金による資金繰り悪化を防げる
    7. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑦:金融機関からの信頼性が高まる
    8. 税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑧:根本的な資金繰り改善につながる
  4. 資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること
    1. 資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること①:最適な資金調達手段の提案
    2. 資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること②:審査を通過しやすい申請書類の作成
    3. 資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること③:融資面談の戦略的サポート
    4. 資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること④:調達後の資金繰り改善支援
  5. 資金繰り相談におすすめの税理士の見分け方とは
  6. まとめ

資金繰りとは

資金繰りとは、「会社の資金のやりくり」を意味する非常に重要な業務であり、税理士の支援を受けながら計画的に進めることが求められます。

会社を経営していくうえで、日々発生する収入と支出を正確に把握・管理し、資金が不足しないようにバランスを保つことが「資金繰り」の基本です。売掛金を回収して現預金が増加し、仕入や経費の支払い、借入金の返済などによって現預金が減少する。この一連の資金の流れを管理することが、まさに資金繰りの中心となります。

資金繰りにおいては、基本的には現金預金を対象としますが、コマーシャル・ペーパーのようにすぐに現金化できる資産がある場合、それも資金に含めることが可能です。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリットに関するおすすめ記事

税理士は、こうした資金繰りの現状を分析し、将来のキャッシュフローを見越したアドバイスを行う重要なパートナーです。特に、資金繰り表の作成や予実管理、金融機関との交渉支援において、税理士の専門的な知見が大きく役立ちます。

会社経営において資金繰りは生命線ともいえる存在です。

SoVa税理士ガイド編集部

資金繰りがうまくいかなくなると、たとえ帳簿上では黒字であっても、手元資金が不足することで支払いが滞り、いわゆる「黒字倒産」に至る危険性もあります。

こうしたリスクを回避するためにも、税理士と連携しながら資金繰りの見直し・改善を図ることが不可欠です。

資金繰りに不安がある場合や、今後のキャッシュフローに課題を感じる場合には、ぜひ早めに税理士に相談し、専門的なサポートを受けることをおすすめします。

資金繰りが悪化してしまう原因

赤字が続けば資金繰りが悪化するのは当然ですが、実は黒字経営であっても資金繰りが悪化してしまうケースがあります。経営者としては、このような「黒字倒産」を防ぐためにも、資金繰りの悪化要因を正しく理解し、早期に対策を講じることが重要です。その際、税理士に相談することで、自社の状況に合った具体的なアドバイスを受けることができ、資金繰り改善に大きく貢献します。

以下では、資金繰りが悪化してしまう代表的な原因と、それに対して税理士がどのようにサポートできるのかを解説します。

資金繰りが悪化してしまう原因①:回収サイトが長い

回収サイトとは、「売上が発生してから売掛金が入金されるまでの期間」のことを指します。たとえば回収サイトが60日であれば、売上代金が入金されるのは2カ月後になります。その間にも仕入代金や人件費、家賃などの支払いは発生するため、現預金が不足し、資金繰りが悪化する恐れがあります。

SoVa税理士ガイド編集部

税理士に会社の資金繰りを相談するメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:資金繰りと資金調達

特に、買掛金の支払いサイトよりも売掛金の回収サイトが長い場合、支払いと入金のタイミングのズレが資金繰りを逼迫させます。このようなケースでは、税理士とともに資金繰り表を作成し、タイミングの見直しや、金融機関からのつなぎ資金調達などを検討する必要があります。

資金繰りが悪化してしまう原因②:事業の急拡大

売上が順調に伸び、事業が急成長しているにもかかわらず、資金繰りが急激に悪化することがあります。たとえば、仕入や人件費はすぐに支払いが必要であるのに対し、売上に対する入金が翌月以降となる場合、キャッシュフローに大きなギャップが生じてしまいます。

このような資金繰りのズレは、黒字にもかかわらず資金ショートを招きかねません。税理士は、こうした成長局面においてもキャッシュフロー予測を行い、必要な資金を事前に確保するための助言や融資申請の支援を行うことができます。

資金繰りが悪化してしまう原因③:物価の高騰によるコスト増加

近年の物価高騰により、企業のコスト構造は大きく変化しています。特に製造業や飲食業では、原材料費や光熱費の上昇が資金繰りに大きな影響を与えています。想定を超えるコストが発生してしまうと、利益率が圧迫され、結果として資金繰りが厳しくなります。

このような状況では、税理士の力を借りて予算と実績の差異分析を行い、コスト管理を徹底することが有効です。

資金繰りに関するここがポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

また、必要に応じて価格改定や業務の見直しを行い、資金繰りへの影響を最小限に抑えることが求められます。

資金繰りが悪化してしまう原因④:損益と収支を混同している

「損益」と「収支」は似たような言葉ですが、経営においては全く異なる概念です。損益は売上から経費を差し引いた会計上の利益であり、「損益計算書」で把握します。一方、収支は現金の入出金の動きであり、「資金繰り表」で管理します。

経営者が損益と収支を混同すると、利益が出ているからと安心してしまい、実際には手元資金が不足して資金ショートするという事態を招きかねません。税理士は、損益と資金繰りを切り分けて適切に管理する方法を指導し、定期的なキャッシュフローの確認を通じて、資金繰りの悪化を未然に防ぐ役割を担います。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット

税理士は、単なる税務の専門家にとどまらず、資金調達や資金繰りにおける心強い相談相手です。資金調達の相談先としては、経営コンサルタントや日本政策金融公庫、商工会議所などもありますが、「資金繰り改善」まで見据えた総合的なアドバイスができる点で、税理士に相談するメリットは大きいといえます。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット①:最適な資金調達方法を提案してくれる

税理士は融資、補助金・助成金、クラウドファンディング、資産売却など多様な資金調達手段を熟知しており、会社の資金繰り状況に応じて、適切かつ有利な方法を提案できます。資金繰りを圧迫しない手段の選定により、事業への悪影響を防げます。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット②:資金調達のタイミングを見誤らない

税理士は企業の財務状況を把握しているため、資金繰りが悪化する前に、適切なタイミングで資金調達を行うアドバイスが可能です。補助金などは支出後に入金されるケースが多く、資金繰りの予測と管理が不可欠です。

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税理士に会社の資金繰りを相談するメリット③:金融機関に評価される書類を作成できる

融資時に必要な事業計画書や資金繰り表は、税理士のサポートを受けることで、信頼性の高い内容に仕上げられます。特に金融機関出身の税理士であれば、審査の評価ポイントを押さえた書類作成が可能です。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット④:優遇条件で融資を受けられる可能性がある

税理士の支援を受けることで、日本政策金融公庫の制度融資や信用保証協会による保証料の軽減、民間金融機関での金利優遇など、資金調達時に有利な条件が適用されることがあります。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑤:融資面談の対策ができる

税理士は、融資面談で求められる説明内容や質問の意図を理解しており、面談対策に有効なアドバイスが可能です。

SoVa税理士お探しガイド編集部

適切な準備により、資金繰りの改善意図を明確に伝え、審査通過率を高められます。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑥:税金による資金繰り悪化を防げる

補助金やクラウドファンディングなど、資金調達には課税対象となるケースもあります。税理士に相談することで、納税資金の確保や課税リスクの回避ができ、資金繰りの悪化を防げます。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑦:金融機関からの信頼性が高まる

実績のある税理士が関与することで、金融機関からの信頼が増し、融資審査がスムーズになることがあります。税理士の名前がついた書類は、信頼の証ともなります。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリット⑧:根本的な資金繰り改善につながる

税理士は一時的な資金調達だけでなく、資金繰りが悪化した根本原因を分析し、長期的な改善策を提示することができます。資金繰りの構造的な課題を解消し、経営の安定化を図れます。

資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること

資金繰りの改善には、そのプロセスにおいて、対応すべきことがたくさんあります。ここでは、資金繰り相談に対して税理士ができることついて解説します。

資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること①:最適な資金調達手段の提案

資金調達は、会社の資金繰りに直結する重要な判断です。税理士は、財務・税務の両面から会社の状況を正確に把握し、融資・補助金・助成金などの中から、資金繰りへの影響を最小限に抑える最適な調達手段を提案できます。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリットに関するおすすめ記事

資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること②:審査を通過しやすい申請書類の作成

資金調達時には、事業計画書や資金繰り表などの書類作成が不可欠です。税理士は、資金の用途や返済見込みを的確に反映した書類作成を支援し、融資や補助金の審査通過率を高めることができます。

資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること③:融資面談の戦略的サポート

融資面談では、資金繰りの背景や返済計画の説明が求められます。

税理士に資金繰りを相談するここがポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

税理士は、面談での質問対応や説明ポイントを整理し、必要に応じて同席することで、融資成功に向けた強力な支援を行います。

資金繰り相談で税理士がサポートしてくれること④:調達後の資金繰り改善支援

資金調達はゴールではなく、安定した資金繰りのためのスタートです。税理士は、資金調達後のキャッシュフロー管理や追加資金の見極め、節税提案を通じて、長期的に安定した資金繰りを実現するための継続支援を行います。

「マイクロ法人の税理士」編集部

マイクロ法人の税理士は本当にいるのか、【 マイクロ法人の決算は税理士なしでやる方法とは?メリット・デメリットについても解説! 】の記事を参考に顧問税理士との契約を検討しましょう。

資金繰り相談におすすめの税理士の見分け方とは

資金繰りの相談は、対応分野に強みを持つ税理士を選ぶことが重要です。

SoVa税理士お探しガイド編集部

税理士にはそれぞれ専門分野や得意領域があり、すべての税理士が資金調達や資金繰り支援に精通しているわけではありません。

会社の資金繰り改善や資金調達を税理士に依頼する際には、資金繰り支援を得意とする税理士を選ぶことが極めて重要です。

資金繰りに不安を感じている、または新たな資金調達を検討している場合、以下のポイントを押さえて、適切な税理士を選定しましょう。

  • 資金調達や資金繰り支援の実績が豊富な税理士かどうか
    融資・補助金・助成金など、多様な資金調達の成功事例を持つ税理士は、資金繰りへの影響も見据えた的確な支援が期待できます。
  • 会社の業種や経営フェーズに精通した税理士かどうか
    資金繰りの課題は業種や成長段階によって異なるため、自社の状況を理解できる税理士であることが重要です。
  • 「認定支援機関」に登録されている税理士かどうか
    経済産業省が認定する「経営革新等支援機関」であれば、補助金や制度融資のサポートがスムーズで、資金繰りにもプラスになります。
  • 他士業と連携し、総合的な資金繰り支援ができるか
    資金調達に伴い、法務・労務・登記などの対応が必要な場合もあります。必要に応じて他士業と連携できる税理士は心強い存在です。
  • 会社の実情に合った資金繰り計画・調達手段を提案できるか
    表面的なアドバイスではなく、実際のキャッシュフローを見据えた資金繰り支援を行える税理士を選びましょう。
  • 金融機関出身の税理士である、または金融機関とのネットワークを持っているか
    金融機関の評価ポイントや融資審査に詳しい税理士であれば、資金繰りを安定させるための調達支援において、より有利に働く可能性があります。

SoVa税理士お探しガイド編集部

税理士に会社の資金繰りを相談するメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

おすすめ記事:資金調達を税理士に支援してもらう8つのメリットとオススメの税理士

資金繰りを安定させ、継続的な成長を目指すには、資金調達の一時的な成功だけでなく、継続的な財務管理・支援を行ってくれる税理士の存在が欠かせません。信頼できる税理士との連携が、会社の資金繰りを大きく支えるカギとなります。

まとめ

資金繰りの不安は、多くの経営者にとって大きな悩みのひとつです。しかし、資金繰りを正しく把握し、改善に向けた対策を講じることで、経営の安定と成長につなげることが可能です。そのためには、税務・財務に精通した「税理士」の力を借りることが非常に有効です。

税理士に資金繰りを相談することで、適切な資金調達の方法やタイミングの見極め、書類作成、融資面談の対策、そして長期的な資金繰り改善までトータルでサポートを受けられます。資金繰りで悩んでいる経営者の方は、ぜひ資金繰り支援に強い税理士に相談し、安心できる経営基盤を築いていきましょう。

税理士に会社の資金繰りを相談するメリットに関するおすすめ記事:資金繰りを改善するには?対策方法10選

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