あえて法人化しないメリットはある?法人化を検討すべき判断基準も解説!
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公開日:2026年1月
更新日:2026年1月10日
個人事業主として事業が軌道に乗ってくると、「このまま法人化しないで続けるべきか」「そろそろ法人化すべきか」と悩む方は多いのではないでしょうか。一般的には、売上や利益が増えたら法人化するのが正解と思われがちですが、実はあえて法人化しないという選択が合理的なケースも少なくありません。
法人化には節税や社会的信用の向上といったメリットがある一方で、設立費用や社会保険料、事務負担の増加など、見落とされがちなデメリットも存在します。そのため、状況によっては法人化しないほうが手取りが多く、経営の自由度も高い場合があります。
この記事では、あえて法人化しない理由やメリット・デメリットを整理したうえで、法人化しないほうがいいケース、法人化したほうがいいケース、そして法人化すべきかどうかの判断基準までをわかりやすく解説します。法人化するかしないかで迷っている方は、ぜひ判断材料として参考にしてください。
目次
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あえて法人化しない理由

法人化は節税や信用力アップといったメリットが注目されがちですが、すべての個人事業主にとって最適とは限りません。実際には、事業規模や働き方、将来設計によってはあえて法人化しないほうが、コスト面・精神面の両方でバランスが取れるケースもあります。ここでは、個人事業主が法人化しない理由を具体的に解説します。
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あえて法人化しない理由①:収入を自由にコントロールできなくなる
法人化すると、役員報酬は原則として会社設立後3か月以内に決定し、事業年度中は同額で支給し続ける必要があります。そのため、売上が増減しても柔軟に自分の収入を調整することができません。
月ごと・年ごとに収入を調整しながら働きたい人にとっては、法人化しないほうが自由度が高いといえるでしょう。
あえて法人化しない理由②:設立費用と初期手続きの負担が大きい
法人化には、定款認証や登録免許税などの設立費用がかかります。株式会社の場合は20万円前後、合同会社でも数万円の費用が必要です。
加えて、税務署や年金事務所などへの届出も増えるため、コストと手間を考慮して法人化しない判断をする人も少なくありません。
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あえて法人化しない理由③:税金の種類が増え、税務が複雑化する
法人化すると、法人税・法人住民税・法人事業税など、支払う税金の種類が増えます。税率や計算方法も複雑になり、税務処理の難易度は一気に上がります。
「できるだけ自分で管理したい」「税務に時間を取られたくない」という人は、あえて法人化しないほうが負担が少ない場合があります。

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あえて法人化しない理由④:会計・事務作業が大幅に増える
法人では、複式簿記での記帳や貸借対照表・損益計算書の作成、決算申告などが必須です。
本業に集中したい人にとっては、こうした会計・事務作業の増加がネックとなり、法人化しない選択につながることもあります。
あえて法人化しない理由⑤:社会保険料の負担が重くなる
法人は従業員が1人だけでも社会保険への加入が義務付けられています。保険料は会社と個人で折半するとはいえ、トータルの負担額は大きくなりがちです。
社会保険料を抑えたい場合、法人化しないほうが資金繰りが安定するケースもあります。
SoVa税理士ガイド編集部
あえて法人化しないメリット・デメリットについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
あえて法人化しない理由⑥:赤字でも住民税の支払いが必要になる
法人化すると、たとえ赤字でも法人住民税(均等割)は免除されません。最低でも毎年一定額を支払う必要があります。業績が不安定な時期には、この固定費が心理的・資金的な負担となり、法人化しない判断を後押しすることがあります。
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あえて法人化しない理由⑦:税務調査の対象になりやすい
一般的に、法人は個人事業主よりも税務調査が入りやすい傾向があります。帳簿や取引内容も細かく確認されるため、精神的なプレッシャーを感じる人もいます。こうしたリスクを避けたいと考え、あえて法人化しない人も一定数存在します。
あえて法人化しない理由⑧:経営判断の自由度が下がる可能性がある
法人は個人のものではなく、役員や出資者など複数の利害関係者が関わる存在です。意思決定に制約が生じることを避け、自分一人でスピーディーに判断したい人は法人化しないほうが合っている場合があります。
あえて法人化しない理由⑨:責任の重さが精神的負担になる
法人化し、従業員を雇ったり事業を拡大したりすると、責任の重さは一気に増します。「自分のペースで無理なく働きたい」という価値観を持つ人にとっては、法人化しないほうが心の余裕を保ちやすいこともあります。
あえて法人化しない理由⑩:廃業・撤退時のハードルが高い
法人の廃業には、解散登記や清算手続きなど多くの工程が必要で、時間も費用もかかります。将来の方向転換や撤退の可能性を考慮し、身軽さを優先して法人化しないという選択をする人もいます。
あえて法人化しないメリット

法人化するかしないかに明確なルールはなく、事業規模が拡大してもあえて法人化しない選択をする個人事業主も多く存在します。法人化にはメリットだけでなくコストや負担も伴うため、状況によっては法人化しないほうが合理的なケースもあります。ここでは、あえて法人化しないことで得られる主なメリットを解説します。
あえて法人化しないメリット①:開業・運営コストを大きく抑えられる
法人化する場合、法人登記にかかる登録免許税や定款認証手数料など、設立時にまとまった費用が発生します。さらに、定款作成を行政書士や司法書士に依頼すれば、専門家への報酬も必要になります。一方、法人化しないで個人事業主として事業を続ければ、こうした初期費用をかけずに済みます。
SoVa税理士お探しガイド編集部
あえて法人化しないメリットについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
また、運営面でも法人は税務や会計が複雑になり、税理士などの専門家に依頼する機会が増えがちです。開業時だけでなく継続的なコストを抑えたい場合、あえて法人化しない選択は大きなメリットになります。
あえて法人化しないメリット②:確定申告や税務手続きが比較的シンプル
法人化すると、法人税申告や決算書作成など、これまでになかった税務手続きが増えます。計算方法も変わるため、専門的な知識が必要になり、結果として外部に依頼するケースも多くなります。
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その分、時間的・金銭的な負担が増える可能性があります。
一方、法人化しない個人事業主の確定申告は、法人と比べると手続きがシンプルです。すでに個人事業主として申告に慣れている場合は、事業規模が拡大しても比較的スムーズに対応できる点が、あえて法人化しないメリットといえるでしょう。
あえて法人化しないメリット③:法人税や法人住民税を支払わなくてよい
法人化すると、法人税・法人住民税・法人事業税など、個人事業主にはない税金が発生します。特に法人住民税は、赤字であっても最低額を支払わなければなりません。
さらに、経営者個人としての収入には所得税・住民税がかかるため、納税管理も複雑になります。

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その点、法人化しない個人事業主であれば、法人税や法人住民税を支払う必要はありません。事業収入と個人収入をまとめて申告できるため、税務手続きを簡略化できるのは大きなメリットです。
あえて法人化しないメリット④:社会保険料の負担を抑えやすい
法人として事業を行う場合、従業員の社会保険料の半分を会社が負担する必要があります。従業員が増えるほど社会保険料の負担も重くなり、固定費として経営を圧迫することがあります。
また、労災保険については法人が全額負担しなければなりません。
一方、法人化しない個人事業主であれば、原則として自分自身と扶養家族分の国民年金・国民健康保険を支払えば足ります。社会保険料の固定負担を抑えやすい点も、あえて法人化しないメリットのひとつです。
あえて法人化しないメリット⑤:収益を自由に使いやすい
法人化すると、経営者は役員報酬として給与を受け取る形になります。役員報酬は原則として期首に決定し、期中で自由に変更できません。また、他に株主がいる場合は、経営者一人の判断で金額を決められないケースもあります。
あえて法人化しないメリットに関するここがポイント!
法人化しない個人事業主であれば、役員報酬という概念がないため、事業の収益を比較的自由に使えます。資金の使い道を柔軟に調整したい人にとっては、あえて法人化しないほうがストレスなく事業を続けられるでしょう。
法人化しないデメリット

手間やコストを考えると、あえて法人化しないで個人事業主のまま事業を続ける選択は合理的に見えることも多いでしょう。ただし、法人化しないことにはメリットだけでなく、将来的に不利になる可能性のあるデメリットも存在します。ここでは、法人化しない場合に注意しておきたい主なデメリットを整理します。
あえて法人化しないデメリット①:節税できる範囲に限界がある
個人事業主の場合、経費として計上できる支出や金額には一定の制限があります。一方、法人化すると経費として認められる範囲が広がり、役員報酬や各種手当などを活用した節税がしやすくなります。そのため、法人化しない場合は、節税の選択肢が限られてしまう点がデメリットです。
SoVa税理士ガイド編集部
また、赤字の繰越期間も個人事業主は原則3年ですが、法人化すれば10年繰り越すことが可能です。中長期的な節税を重視する場合、あえて法人化しないことが不利になるケースもあります。
あえて法人化しないデメリット②:年収1,000万円を超えると税負担が重くなりやすい
課税所得が増えると、個人事業主には累進課税が適用されます。課税所得が900万円を超えると所得税率は33%となり、法人税率よりも高くなる点は見逃せません。そのため、年収1,000万円以上が安定して見込める場合、法人化しないことで税負担が増えてしまう可能性があります。
収入規模が大きくなってきた段階では、あえて法人化しない選択が必ずしも最適とは限らなくなる点に注意が必要です。
あえて法人化しないデメリット③:社会的信用を得にくい
一般的に、個人事業主は法人と比べて社会的信用が低いと見られがちです。
特に知名度のない個人事業主の場合、取引先から「法人のほうが安心」と判断されるケースも少なくありません。
また、取引条件として法人のみを対象としている企業もあり、法人化しないことで取引機会を逃す可能性があります。金融機関の融資審査においても、法人より不利になる点はデメリットといえるでしょう。
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あえて法人化しないデメリット④:責任の範囲が個人に及ぶ
個人事業主は、事業に関する責任をすべて個人で負う「無限責任」となります。万が一事業で大きな損失が出た場合、法人化しないと個人の財産まで影響を受ける可能性があります。
一方、法人化していれば原則として有限責任となり、責任の範囲を出資額に限定できます。リスク管理の観点では、あえて法人化しないことが不安要素になる場合もあります。
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あえて法人化しないデメリット⑤:事業拡大や多角展開が難しくなる
個人事業主は、法人と比べて資金調達や新規取引の面で不利になりやすく、事業拡大のスピードが制限されることがあります。また、複数の事業を同時に展開する場合も、個人では管理負担が大きくなりがちです。
事業を大きく成長させたい、将来的にスケールさせたいと考えている場合、法人化しない選択が成長の足かせになる可能性も理解しておく必要があります。
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個人事業主から法人化(法人成り)したときの社会保険手続きとは?個人事業主から法人化した際のメリットも解説!
あえて法人化しないほうがいいケース

法人化は必ずしも全員にとって最適な選択ではありません。事業のフェーズや収益状況、将来の見通しによっては、あえて法人化しないほうが負担を抑え、安定した経営につながるケースもあります。ここでは、法人化しないほうがいい代表的なケースを具体的に解説します。
あえて法人化しないほうがいいケース①:売上や利益がまだ安定していない
法人化すると、法人税や法人事業税に加え、赤字であっても法人住民税(均等割)を毎年支払う必要があります。
売上が経費を下回り、課税対象金額が発生していない場合でも、法人化した時点で最低でも年7万円程度の税負担が生じます。
売上や利益が安定していない段階でこうした固定費が増えると、資金繰りを圧迫する可能性があります。まずは事業を軌道に乗せることを優先し、あえて法人化しない判断をするほうが安全なケースも多いでしょう。
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あえて法人化しないほうがいいケース②:年間利益が500万円以下である
法人税は原則として一定の税率が適用される一方、個人事業主の所得税は累進課税です。課税所得が900万円未満であれば、所得税率は法人税率と大きな差はありません。
そのため、ケースにもよりますが、年間利益が500万円以下であれば、法人化しないほうが税負担を抑えられることが一般的です。利益が安定して500万円を超えてきた段階で、あらためて法人化を検討するという考え方も現実的といえるでしょう。
あえて法人化しないほうがいいケース③:税務や手続きの負担を増やしたくない
法人化すると、法人税申告や決算書作成など、税務・会計の手続きが一気に複雑になります。その結果、税理士などの専門家に依頼する必要が生じ、時間的・金銭的な負担が増えることも少なくありません。
「本業に集中したい」「事務作業はできるだけ減らしたい」と考える場合、あえて法人化しないで個人事業主のまま経営を続けるほうが、ストレスなく事業に向き合えるでしょう。
あえて法人化しないほうがいいケース④:将来的に事業を縮小・終了する可能性がある
将来的に事業を縮小したり、別の働き方へ切り替えたりする可能性がある場合は、法人化しない選択が向いていることもあります。法人化すると、設立だけでなく廃業時にも登記や清算などの手続きと費用が発生します。
SoVa税理士ガイド編集部
一方、法人化しない個人事業主であれば、廃業や休業の手続きは比較的シンプルです。将来の方向転換を視野に入れている場合は、身軽さを優先してあえて法人化しないほうが長期的に見て負担が少ないでしょう。
法人化したほうがいいケース

法人化にはメリット・デメリットの両面があるため、やみくもに進めるのではなくタイミングを見極めることが重要です。あえて法人化しない選択が合理的な時期もありますが、一定の条件を満たした場合には、法人化したほうが明らかに有利になるケースもあります。ここでは、法人化を前向きに検討したい代表的なタイミングを紹介します。
法人化したほうがいいケース①:課税所得が900万円を超えてきた場合
節税を目的として法人化を検討する場合、ひとつの目安となるのが課税所得700万円〜900万円です。個人事業主の所得税は累進課税のため、所得が増えるほど税率も高くなります。課税所得が900万円を超えると、所得税率は33%以上となり、税負担が一気に重くなります。
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一方、法人化した場合の法人税率は原則として一定です。そのため、課税所得がこの水準を超えてくると、あえて法人化しないよりも、法人化したほうが税負担を抑えやすくなるケースが増えてきます。
法人化したほうがいいケース②:売上高が1,000万円を超えた、または超える見込みがある場合
個人事業主の場合、売上高が1,000万円を超えると、原則として2年後から消費税の納税義務が発生します。
しかし、法人化した場合、設立後一定期間は消費税の納税が免除される仕組みがあります。
売上高が1,000万円を超えるタイミングに合わせて法人化すれば、消費税の支払いを最大で数年間先送りできる可能性があります。この制度を活用すれば、あえて法人化しないよりも資金繰りを有利に進められるため、節税面から見て法人化したほうがいいケースといえるでしょう。
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個人事業主から法人化するメリットとデメリットとは?
法人化したほうがいいケース③:事業を本格的に拡大したいと考えている場合
事業を拡大したいタイミングでは、法人化が大きな後押しになることがあります。法人化すると社会的信用が高まり、金融機関からの融資を受けやすくなったり、大手企業との取引が可能になったりと、ビジネスチャンスが広がります。
SoVa税理士ガイド編集部
「人を雇いたい」「設備投資をしたい」「事業規模を一段階引き上げたい」と考えている場合は、あえて法人化しないよりも、法人化したほうが成長しやすい環境を整えられるでしょう。
法人化したほうがいいケース④:人・モノ・金を本格的に集めたい場合
事業拡大には「人・モノ・金」が欠かせません。法人化することで、採用面・資金調達面・取引条件の面で有利になることが多く、経営の選択肢が広がります。個人事業主のままでは限界を感じ始めた段階では、あえて法人化しない理由が薄れてくるともいえます。
中長期的に事業を成長させたいのであれば、法人化は前向きに検討すべき選択肢のひとつです。
あえて法人化しない場合の将来のリスク

あえて法人化しない選択を続けた場合、短期的には手間やコストを抑えられる一方で、将来的にはいくつかのリスクが生じる可能性があります。法人化しないことで起こり得る代表的なリスクとして、取引の幅が狭まること、ビジネスチャンスを逃しやすくなること、そして事業承継時にトラブルが発生しやすい点が挙げられます。
実際に、取引先を法人に限定している企業も一定数存在します。そのため、法人化しないままでいると新たな取引先を開拓しにくくなり、結果として取引の幅が狭まり、思うように事業を拡大できない可能性があります。あえて法人化しない選択が、ビジネス展開の制約につながるケースもあるでしょう。
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また、個人事業主は法人と比べて社会的信用が低く見られやすく、金融機関の融資審査に通りにくい傾向があります。その結果、必要なタイミングで十分な資金を調達できず、法人化しないことが原因でビジネスの機会を逸失するリスクも想定されます。
SoVa税理士ガイド編集部
法人化しないデメリットについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
さらに、法人化しない状態で事業を続けた場合、事業承継の場面で問題が生じることもあります。法人であれば経営権や会社の財産を比較的スムーズに引き継ぐことができますが、個人事業主の場合、事業用資産や権利は相続の対象となります。
法人化する場合に気をつけておきたい注意点
相続人が複数いるとトラブルに発展する可能性があり、加えて多額の相続税が課されるケースもあるため、あえて法人化しないことが将来のリスクにつながる点には注意が必要です。
法人化で失敗しないためのポイント

法人化は、事業を次のステージへ進めるための有効な選択肢です。しかし、メリットだけに目を向けて勢いで法人化してしまうと、「あえて法人化しないほうが良かった」と後悔するケースも少なくありません。法人化するかしないかを正しく判断し、失敗を避けるためのポイントを事前に押さえておくことが重要です。
法人化で失敗しないためのポイント①:法人化する目的を明確にする
法人化を検討する際に最も重要なのは、「なぜ法人化するのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま法人化すると、後から「法人化しないほうが良かったのでは」と感じる原因になります。
法人化には、社会的信用の向上、資金調達のしやすさ、節税の選択肢が広がるといったメリットがありますが、これらはすべての事業に当てはまるわけではありません。
事業規模が小さい段階や、取引先が限られている場合は、あえて法人化しないほうが合理的なケースもあります。
自分の事業にとって、法人化が本当に必要なのか、それとも現時点では法人化しない選択が適しているのかを、冷静に見極めましょう。
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法人化で失敗しないためのポイント②:法人化によって増える費用を把握する
法人化すると、設立費用だけでなく、社会保険料や税理士報酬などの固定費が増加します。
特に社会保険料は、個人事業主では任意だったものが、法人化すると原則として強制加入となるため、想定以上の負担になることもあります。
法人化による売上増や節税効果と、増加する費用を比較し、法人化することで本当に手元に残るお金が増えるのかを事前に確認することが重要です。
費用を正しく把握せずに法人化すると、資金繰りが悪化し、「法人化しないほうが良かった」と感じてしまう可能性があります。
法人化で失敗しないためのポイント③:事業承継の必要性を考慮する
将来的に事業承継を考えている場合、法人化は有効な選択肢になります。個人事業主の場合、事業主に万が一のことがあると、事業が継続できなくなるリスクがありますが、法人化していれば代表者交代によって事業を続けられます。
家族や従業員に事業を引き継がせたいと考えている場合は、あえて法人化しないよりも、法人化したほうがスムーズなケースも多いでしょう。
SoVa税理士ガイド編集部
一方で、事業承継の予定がなく、将来的に事業を縮小・終了する可能性がある場合は、法人化しない選択も十分に合理的です。
法人化で失敗しないためのポイント④:事前にシミュレーションを行う
法人化するかしないかを判断する際には、必ずシミュレーションを行いましょう。シミュレーションでは、現在の収支をもとに、法人化後の税金や社会保険料、手元に残る資金を具体的に算出します。
これにより、法人化による節税効果がどの程度あるのか、逆に法人化しないほうが有利なのかを客観的に判断できます。シミュレーションの結果次第では、法人化のタイミングを遅らせる判断も有効です。
法人化で失敗しないためのポイント⑤:専門家に相談する
法人化は手続きや税務が複雑なため、自己判断だけで進めるのはリスクがあります。税理士や司法書士などの専門家に相談することで、法人化するべきか、あえて法人化しないほうがいいかを含めた客観的なアドバイスを受けることができます。
また、専門家に依頼すれば、法人化の手続きだけでなく、法人化後の税務・会計・社会保険の対応まで一貫してサポートしてもらえます。結果として、法人化後のトラブルを防ぎ、事業に集中できる環境を整えられるでしょう。
あえて法人化しないほうがいい?法人化すべきかの判断基準

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個人事業主として事業が軌道に乗ってくると、「このまま法人化しないで続けるべきか、それとも法人化すべきか」と悩むタイミングが訪れます。法人化は大きな決断だからこそ、勢いや周囲の声だけで判断するのは危険です。あえて法人化しない選択が正解のケースもあれば、法人化すべき明確なサインが出ている場合もあります。
あえて法人化しないメリットに関するおすすめ記事
ここでは、法人化すべきかを判断するための代表的な基準を整理します。
法人化すべきかの判断基準①:課税所得(利益)が800万円を超えているか
法人化を検討するうえで、まず確認したいのが課税所得の金額です。
個人事業主の所得税は累進課税で、所得が増えるほど税率が上がります。一方、法人税は税率がほぼ一定のため、一定以上の所得になると、法人化しない場合の税負担が重くなりやすい傾向があります。

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個人事業主から法人化するメリットとデメリットとは?
ひとつの目安とされるのが、課税所得800万円前後です。このラインを超えてくると、あえて法人化しないよりも、法人化したほうがトータルの税負担を抑えられる可能性が高まります。ただし、社会保険料や経費計上の違いも影響するため、最終的にはシミュレーションが欠かせません。
法人化すべきかの判断基準②:年間売上が1,000万円を超えているか
年間売上1,000万円という数字も、法人化すべきかどうかを考える重要な基準です。
個人事業主の場合、2年前の課税売上高が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。
しかし、このタイミングで法人化すれば、新設法人は個人とは別人格と扱われるため、原則として設立から最大2年間は消費税が免除されます。
売上が伸びてきたにもかかわらず、あえて法人化しないことで消費税負担が重くなるケースもあるため、1,000万円が見えてきた段階で法人化を検討する価値は十分にあります。
法人化すべきかの判断基準③:事業を拡大し、従業員を雇う予定があるか
従業員の雇用や事業拡大を考え始めたタイミングも、法人化を検討すべきサインです。
法人化して社会保険を整えることで、求職者からの信頼が高まり、人材を採用しやすくなります。
また、設備投資や店舗展開などで資金が必要な場合も、法人化しない状態より法人化したほうが融資を受けやすい傾向があります。事業を自分一人で完結させず、成長させたいと考えるなら、法人化は有力な選択肢になります。

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個人事業主と法人化はどっちが得?それぞれの違いやメリット・デメリットを解説!
法人化すべきかの判断基準④:対外的な信用度やBtoB取引が重要か
取引先が法人を前提としているBtoBビジネスでは、法人化の有無が大きく影響します。
企業によっては「法人以外とは取引しない」という方針を取っているケースもあり、法人化しないことでビジネスチャンスを逃す可能性があります。
SoVa税理士ガイド編集部
また、金融機関からの評価も、会計や事業の継続性が明確な法人の方が有利になりがちです。対外的な信用を重視する場合、あえて法人化しない理由は少なくなっていくでしょう。
法人化すべきかの判断基準⑤:将来的に事業承継を考えているか
将来、家族や従業員に事業を引き継ぐ可能性がある場合も、法人化は重要な判断材料になります。
個人事業主のままでは、事業用資産が相続対象となり、手続きが煩雑化したり、トラブルに発展したりするリスクがあります。
一方、法人であれば株式を譲渡することで、契約関係や財産を比較的スムーズに引き継ぐことが可能です。
将来を見据えた安定経営を考えるなら、あえて法人化しない選択が最善とは限らないケースもあります。
まとめ

法人化は、事業を成長させるための有効な選択肢である一方、すべての個人事業主にとって最適とは限りません。売上や利益、事業の将来像によっては、あえて法人化しないほうがコストやリスクを抑えられ、安定した経営につながるケースも多くあります。
一方で、利益が大きくなってきた場合や、事業拡大・資金調達・事業承継を見据える段階では、法人化しないことが不利に働く可能性もあります。そのため重要なのは、「法人化するかしないか」を感覚で決めるのではなく、自身の事業フェーズや数値をもとに冷静に判断することです。
SoVa税理士ガイド編集部
あえて法人化しない選択も、法人化する選択も、どちらが正解ということはありません。メリット・デメリット、将来のリスク、判断基準を正しく理解したうえで、自分の事業にとって最も合理的な選択をすることが、後悔しない経営判断につながります。
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