税理士報酬(費用)の勘定科目はどうする?源泉徴収についても解説!

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公開日:2024年4月

更新日:2024年10月15日

税理士に依頼することで、税務関連の手続きや申告書の作成をスムーズに進めることができますが、その代わりに税理士との契約費用や月額顧問料を支払う必要があります。これらの支出を適切に処理するためには、適切な勘定科目によって仕訳を行い、費用として計上する必要があります。

この記事では、税理士報酬(費用)に関連する勘定科目について説明し、費用を計上する際の適切な勘定科目に加えて、源泉徴収の義務や仕入税額控除についても解説します。

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税理士費用を計上するときの勘定科目

税理士に確定申告や顧問契約を依頼する際、支払った金額をそのまま費用として計上できます。一般的には、「支払手数料」「業務委託費」「支払報酬料」「支払顧問料」などの勘定科目が利用されます。

税理士への支払いにはいくつかの選択肢がありますが、顧問税理士との継続的な契約が決まっている場合は、自分がわかりやすい勘定科目を継続して使用することができます。それぞれの勘定科目について、具体例を交えながら解説します。

費用計上するときの勘定科目①:業務委託費

業務委託費は、会社が他の会社や個人に業務を委託した際の支払いを記録するための勘定科目です。一般的には「外注費」とも呼ばれます。複数の業務委託がある場合は、それぞれの内容を補助科目として明記しておくと理解しやすくなります。

税理士に業務委託をする場合、主に確定申告書の作成や経理の代行を依頼することが一般的です。業務委託を継続的に行っている場合は、これを業務委託費として記録します。

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税理士との業務委託契約で15万円の費用を支払った場合の仕訳例

借方貸方
業務委託費150,000円現金150,000円

費用計上するときの勘定科目②:支払手数料

支払手数料は、取引や契約に関連して支払う手数料を記録するための勘定科目です。税理士だけでなく、弁護士や司法書士など専門家との取引にも使用されます。

この勘定科目は、銀行振り込み手数料や代引き手数料など、さまざまな手数料に適用されます。

  • 「税理士報酬(税理士費用)の勘定科目」編集部

    後でどの手数料かを区別しやすくするために、補助科目に「税理士契約」などと入力しておくと便利です。

税理士との契約手数料で3万円の費用を支払った場合の仕訳例

借方貸方
支払手数料30,000円現金30,000円

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おすすめ記事:税理士報酬の勘定科目・仕訳は?【源泉徴収・消費税もすっきり理解】

費用計上するときの勘定科目③:支払報酬料

支払報酬料は、専門的な業務を委託した際に支払う報酬金を記録するための勘定科目です。税理士が行う「税務代行」や「税務書類の作成」、そして具体的な「税務相談」など、税務に関する専門業務に対する報酬(費用)は、支払報酬料として計上されます。

  • 「税理士報酬(税理士費用)の勘定科目」編集部

    ただし顧税理士の業務は幅広いため、税務関連の専門業務だけでなく、記帳代行などの他の業務も含めて支払報酬料としてまとめて計上することができます。

税理士に確定申告書作成の費用20万円を支払った場合の仕訳例

借方貸方
支払報酬料200,000円現金200,000円

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参考:税理士に顧問料を支払ったときの仕訳は?

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費用計上するときの勘定科目④:支払顧問料

支払顧問料は、専門家を顧問として雇った際の金額を記録するための勘定科目です。支払報酬料と大きな違いはありませんが、税理士や弁護士などの専門家に顧問契約をしている場合にこの勘定科目を使用します。

税理士や弁護士からのコンサルティングやアドバイスは、会社にとって重要な役割を果たしていることがあります。税理士や弁護士への顧問料を「支払顧問料」として記録しておくことで、年間でどれだけの顧問料を支払ったのかを明確に把握することができます。

税理士費用の経費計上に関するポイント!

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顧問業務以外の記帳代行や申告書作成などの業務も、支払顧問料としてまとめて記録することができます。

税理士に顧問を依頼し、3万円の顧問料(月額費用)を支払った場合の仕訳例

借方貸方
支払顧問料30,000円現金30,000円

費用計上するときの勘定科目⑤:雑費

雑費は、他の勘定科目に分類されない支出や一時的な支出などに使用される勘定科目です。

税理士報酬(費用)を雑費として計上することも可能ですが、一般的には避けることが推奨されます。なぜなら、税理士への支払いを雑費に計上すると、その支出がどのような内容のものかが区別しづらくなる可能性が高いからです。特に、税理士に頻繁に依頼する場合は、支出を明確に把握するために別の適切な勘定科目を利用することが望ましいでしょう。

  • 「税理士報酬(税理士費用)の勘定科目」編集部

    ただし、税理士に依頼する機会が極めてまれな場合、つまり支出が非常に少ない場合は、税理士報酬(費用)を雑費として計上しても問題ありません。

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おすすめ記事:税理士報酬・費用の仕訳と勘定科目まとめ

税理士費用の勘定科目と源泉徴収について

源泉徴収とは

源泉徴収とは、報酬を支払う側が、所得税や復興特別所得税を差し引いた金額で報酬を支払い、その差額を代わりに納税する制度のことです。

一般的に、会社員の方は給与から源泉徴収された税金が差し引かれて銀行口座に入金されます。差し引かれた税金は、会社が代わりに国や地方自治体に納付しています。

源泉徴収が必要な所得は、給与や税理士報酬(費用)だけでなく、原稿料や講演料、弁護士へ報酬(費用)の支払いなど、さまざまな所得に対して適用されます。

  • 「税理士報酬(税理士費用)の勘定科目」編集部

    源泉徴収が必要な報酬と注意事項を徹底解説!でも紹介されていますが、金銭の代わりに物品で支払いを行っても、報酬や料金としてみなされますので、源泉徴収の対象となる点に注意しましょう。

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参考:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」

給与計算・役所手続き・記帳業務・節税アドバイスを依頼するならSoVaがおすすめ!!

役員報酬や基本給の変更をすると、『月額変更届』という役所手続きを行うケースが多くあり、給与計算代行をしている税理士でも、5,000円~8,000円程度の別途料金(1人)がかかることがあります。

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税理士(報酬)費用を支払う際に源泉徴収しなくて良い場合

税理士報酬(費用)の支払いで源泉徴収が不要な例は次の通りです。

 税理士法人へ報酬(費用)を支払う場合:
税理士法人が受け取った報酬に対する税金(法人税)を納税するため、基本的に源泉徴収は不要です。

 人を雇っていない個人事業主が税理士報酬を支払う場合:
個人が源泉徴収義務者ではないため、源泉徴収をする必要がありません。

常時2人以下の家事使用人のみに給与を払っている個人事業主が税理士報酬(費用)を支払う場合:
家事使用人の給与を支払っているだけで、源泉徴収義務者ではないため、源泉徴収をする必要がありません。

源泉徴収をする義務がある事業主を「源泉徴収義務者」と呼びます。これらの例では、個人が源泉徴収義務者ではないため、税理士報酬(費用)を支払っても源泉徴収をする必要がありません。

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源泉徴収義務者にあたるかどうかは国税庁の「No.2502 源泉徴収義務者とは」で確認してください。

税理士費用を支払う際に源泉徴収が必要な場合

給与や報酬を支払う際に源泉徴収を行い、納税する義務がある者を「源泉徴収義務者」と呼びます。

原則として、従業員を雇用する法人や個人事業主は、源泉徴収義務者に該当します。これにより、給与や報酬の支払いがある度に源泉徴収を行う必要があります。また、学校、官公庁、協同組合なども源泉徴収義務者の一例です。

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収額の計算方法は次の通りです。

源泉徴収額の計算式・支払い金額が100万円以下:支払金額×10.21%・支払い金額が100万円超:(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円※小数点以下は切り捨て

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出典:「令和4年版 源泉徴収のあらまし」|国税庁

たとえば、税理士報酬(費用)が5万円だった場合の源泉徴収額は5,105円となります。

また仕訳としては次のようになります。

借方貸方
業務委託費50,000円預金44,895円
預り金5,105円

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おすすめ記事:税理士へ支払う費用は経費にできるのか

源泉徴収を納付する際の注意点は次の通りです。

・源泉徴収した所得税および復興特別所得税に関しては、原則として翌月10日までに税務署へ納付する必要があります。ただし、特別な事情がない限り、期日に遅れると源泉徴収額の10%に相当する金額を「不納付加算税」として支払う必要があります。

・ただし、従業員が10人未満の法人であれば、特例の承認を受けることにより、納付を年に2回(7月と1月)にまとめることができます。

・税理士や司法書士に一定額以上の報酬(費用)を支払っている場合、支払調書を翌年1月末までに税務署へ提出する必要があります。提出が遅れるとペナルティが発生するため、期限内に必ず提出するようにしましょう。

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税理士報酬(税理士費用)の勘定科目や仕訳に関して、以下の記事も参考になるでしょう。
おすすめ記事:【2024】税理士費用は経費にできる!勘定科目や仕訳処理の方法を解説

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従業員の入社後に社会保険の加入手続きを社労士に依頼する場合、1万円~2万円(1人)程度かかります。会社として初めて社会保険に加入する場合は、10万円近くかかることもあります。

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税理士費用の勘定科目と仕入税額控除について

課税対象とされる取引には次のようなものがあります。

・商品などの棚卸資産の購入
・原材料等の購入
・機械や建物のほか、車両や器具備品等の事業用資産の購入または賃借
・広告宣伝費、厚生費、接待交際費、通信費、水道光熱費などの支払
・事務用品、消耗品、新聞図書などの購入
・修繕費
・外注費

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税理士報酬(税理士費用)の勘定科目や仕訳に関して、以下の記事も参考になるでしょう。
出典:「No.6451 仕入税額控除の対象となるもの」|国税庁

事業者が提供する労働やサービスの対価も消費税の課税対象に含まれています。そのため、税理士や司法書士などに支払う報酬(費用)も消費税の課税対象に含まれます。

税理士費用について仕入税額控除をする場合の仕訳例
ここでは、10万円の税理士報酬(費用)の支払いにおいて、源泉徴収と仕入税額控除をする場合の仕訳例を紹介します。

はじめに報酬に対する消費税と源泉徴収の額は以下の通りです。

消費税額:10万円×10%=10,000円源泉徴収額:10万円×10.21%=10,210円

計算で算出した金額を基に仕訳すると次のようになります。

借方貸方
業務委託費100,000円預金99,790円
仮払消費税10,000円預り金10,210円

このケースでは、税理士に実際に払う金額は「預金」の勘定科目にある99,790円になります。

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おすすめ記事:顧問料の仕訳と勘定科目はどうする?税理士・社労士・弁護士など業種別の顧問料を解説! | クロジカ請求管理

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顧問税理士に記帳代行業務のみを依頼する場合、1万円~3万円程度が相場です。給与計算の代行も依頼すると4万~5万円程度になることも少なくありません。

会計事務所SoVaでは、記帳業務や給与計算だけではなく、社会保険などの役所手続き、さらには助成金・補助金や節税アドバイスを29,800円〜丸ごとお任せいただくことが可能です。バックオフィス業務が面倒だと感じている方は、ぜひ会計事務所SoVaにお任せください!

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まとめ ~税理士報酬(税理士費用)の勘定科目~

税理士に支払う報酬の勘定科目としては、「支払手数料」や「業務委託費」、「支払報酬料」、そして「顧問料」などが一般的に使われます。税理士報酬の費用を計上する際には、源泉徴収を「預り金」として記録することが重要なポイントです。加えて、税理士に支払う費用は仕入税額控除の対象にもなるため、消費税の処理にも注意が必要です。

また、勘定科目の名称は、使用している会計ソフトや環境によって異なることがありますが、わかりやすく統一された勘定科目を使用することが大切です。個人事業主の場合、税理士に支払う報酬に対しては源泉徴収が必要ない場合もあるため、しっかりと確認して仕訳を行うことが求められます。

源泉徴収や消費税の関係で少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的には源泉徴収額を差し引いて税理士に支払うという流れを押さえておけば、勘定科目の選択や仕訳もスムーズに進められるでしょう。

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