役員報酬はどう決めたらいい?売上の何パーセントが適正かや相場についても解説!
役員報酬は、売上の何パーセントに設定するのが理想的なのでしょうか。特に、法人化したばかりのマイクロ法人の経営者や、年商1億円を目指す社長にとって、適正な役員報酬の決定は悩みの種です。
役員報酬を売上の何パーセントに設定するかによって、法人のキャッシュフローや節税対策、社会保険料負担が大きく変わるため、慎重な判断が求められます。本記事では、役員報酬の相場や売上に対する役員報酬の適正比率を詳しく解説します。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
適切な役員報酬を売上の何パーセントに設定するかを理解し、会社の成長と自身のモチベーション向上を両立させましょう。
目次
売上の何パーセントが適正かを考える前に|役員報酬とは
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役員報酬は、法律で厳密なルールが定められており、売上の何パーセントを役員報酬として設定するかは慎重に決める必要があります。ここでは、役員の定義や役員報酬と給与の違いについて詳しく解説します。
役員とは?
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役員とは、会社経営の責任を持つ立場にある人を指し、いわゆる経営者や上位管理職に該当します。
会社法では、役員を「取締役」「会計参与」「監査役」と定めていますが、法人税法上はさらに「執行役」「理事」「監事」「清算人」も含まれ、その範囲が広くなります。
役員報酬と給与の違い
給与とは、会社に雇用されている従業員が「労働の対価として」受け取る報酬のことです。一方、役員報酬は、会社と委任契約を結び、経営に関する裁量を持つ役員に対して支払われる報酬です。
さらに、役員報酬を売上の何パーセントに設定するかによって、法人の財務状況や節税対策が大きく変わります。
一般的に「管理職」と呼ばれる人々は、役員であるかどうかに関係なく、通常の雇用契約を結んで給与を受け取りますが、役員報酬は経営判断に基づいて売上の何パーセントを報酬として設定するかが重要なポイントになります。
役員報酬は売上の何パーセントが適正かに関するおすすめ記事
売上の何パーセントがいい?役員報酬の決め方
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役員報酬を決めるうえで知っておきたい規定や適正額・相場について詳しく解説します。売上の何パーセントを役員報酬に設定すべきかも考慮しながら、最適な報酬額を決めましょう。
役員報酬は、定款または株主総会の決議によって定める必要がありますが、売上の何パーセントを役員報酬とするかの明確な法的規定はありません。
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したがって企業ごとに適正な比率を意識することが重要です。
役員報酬の損金算入要件
役員報酬は、全額を会社の損金として計上できる従業員の給与とは異なり、一定の要件を満たさなければ損金算入(経費計上)できません。
損金として認められる役員報酬の支払い方は、以下の3つの要件があります。
要件 | 概要 |
---|---|
定期同額給与 | 毎月同じ金額の役員報酬を支給すること。 |
事前確定届出給与 | 役員賞与など、定期同額給与以外の変則的な支給について、事前に届け出ることで損金算入を認める制度。 |
業績連動給与 | 企業の業績に応じて支給される役員報酬。主に上場企業やその完全支配子会社が対象。 |
役員報酬を売上の何パーセントに設定するかによって、法人税・所得税の負担が変わるため、税務面も考慮しながら決定することが大切です。
役員報酬の上限と税務リスク
極端に高額な役員報酬は、法人税法上損金算入が認められない可能性があるため、以下の点に注意が必要です。
- 同業他社と比較して不当に高額な役員報酬の場合、税務調査で「過大役員報酬」と判断されることがある。
- 過大とみなされた役員報酬の一部は損金不算入となり、法人税負担が増加するリスクがある。
役員報酬・売上の何パーセント?に関するここがポイント!
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そのため、売上の何パーセントを役員報酬にするかは、業種や企業規模に応じた適正な水準を考慮することが重要です。
売上の何パーセントが適正な役員報酬か?
役員報酬の金額には法的な上限はありませんが、売上の何パーセントを役員報酬とするかの目安として、以下のような基準が一般的です。
売上規模 | 役員報酬の目安(売上の何パーセント) |
---|---|
1,000万円未満 | 5%〜20% |
1,000万〜5,000万円 | 3%〜15% |
5,000万〜1億円 | 2%〜10% |
1億円以上 | 1%〜5% |
役員報酬を決める際は、売上の何パーセントにするかを適切に設定し、法人税と所得税のバランスを考慮することが重要です。特に税務リスクを避けるためにも、同業他社の役員報酬の相場を確認しながら決定しましょう。
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役員報酬は売上の何パーセントが適正かに関するおすすめ記事:社長の給料は売り上げの何パーセントが適正か?
役員報酬は売上の何パーセントがベスト?
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役員報酬のベストな金額についてですが、基本的には社長自身が自由に決めることが可能です。ただし、例えば売上が低い状態で高額な役員報酬を設定すると、会社の財務状況に大きな影響を与えます。
たとえば、経常利益が300万円の会社で、売上の何パーセントかに関係なく社長が1億円の役員報酬を設定すると、会社は1億円の赤字になってしまいます。
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そのため、売上や利益を考慮しながら適正な役員報酬の割合を設定することが重要です。
役員報酬の目安は売上の何パーセント?
役員報酬の目安として、年間利益の20%以内が妥当とされています。
- 年間利益の20%を超える役員報酬を設定すると、会社の財務基盤が不安定になる可能性が高くなります。
- 売上の何パーセントを役員報酬に充てるかは、業種や企業規模によって異なりますが、一般的には売上の3〜10%程度が適正な範囲とされています。
- 役員報酬を決める際は、利益計画をもとに、売上の何パーセントを役員報酬とするかを慎重に検討することが重要です。
役員報酬を高く設定すると、会社の内部留保や純資産が減少し、再投資のための資金が不足するリスクがあります。
結果として、初期の役員報酬を高くしすぎることで、長期的には総額として受け取れる報酬が減る可能性も考えられます。
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そのため、役員報酬を売上の何パーセントにするかを適切に決め、企業の成長と社長の報酬のバランスを取ることが重要です。
役員報酬の設定と会社の成長戦略-売上の何パーセントがいい?
一方で、社長が個人的な資産よりも会社の成長や利益を優先する場合、役員報酬を売上の何パーセントか抑え、内部留保を増やすという戦略もあります。
役員報酬を抑えた分を設備投資や事業拡大に回すことで、結果的に売上が増加し、将来的な役員報酬の増加につながる可能性もあります。
したがって、役員報酬は売上の何パーセントにするか、利益の何パーセントにするかを考慮しながら決めることが重要です。
社長自身の経営方針やライフプランを踏まえ、会社の成長と自身の報酬のバランスをとった適正な役員報酬額を設定しましょう。
役員報酬は売上の何パーセントが適正かに関するおすすめ記事:役員報酬の適正額はいくら?税理士に相談するメリットについても解説
売上の何パーセント?役員報酬の相場
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役員報酬の決め方が分かってきたところで、他の企業の役員報酬の相場についても見ていきましょう。役員報酬を決める際の参考にしてみてください。
中小企業の役員報酬の実態
中小企業における役員報酬の金額は、売上の何パーセントを報酬として設定するかによって大きく変動します。国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、資本金2,000万円未満の企業では、役員の平均報酬は614万円となっています。
しかし、売上の何パーセントを役員報酬とするのが適正かは、業種や経営状況によって異なります。
中小企業の場合、役員報酬が高すぎると内部留保が不足し、事業運営に支障をきたす可能性があります。
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そのため、一般的には年間利益の20%以内または売上の3〜10%程度を役員報酬として設定するのが適切と考えられています。
上場企業の役員報酬の実態
上場企業の役員報酬は、中小企業と比べて大幅に高く、売上の何パーセントを役員報酬とするかの基準も異なります。
人事院の「民間企業における役員報酬(給与)調査」によると、従業員数3,000人以上の企業では、社長の平均年収は約8,602万円とされています。
上場企業では、役員報酬は基本報酬に加えて、ボーナスや株式報酬などのインセンティブを含めた報酬体系になっています。
また、売上の何パーセントを役員報酬として設定するかは、企業の業績や株主の意向によって決定されることが多いです。特に、業績連動型の報酬制度を採用する企業では、売上や利益に応じて報酬が変動します。
業種・企業規模別の役員報酬の相場
役員報酬の相場は業種や企業規模によって異なり、売上の何パーセントを役員報酬とするかの基準も変わります。
- 製造業・金融業:一般的に役員報酬が高めで、売上の5〜10%程度が役員報酬として設定されるケースもあります。
- サービス業・小売業:役員報酬は比較的低めで、売上の3〜7%程度が一般的です。
- 中小企業:売上の3〜5%、または年間利益の20%以内を役員報酬として設定することが推奨されます。
このように、売上の何パーセントを役員報酬とするかは、業種や企業規模によって大きく異なります。適正な役員報酬を決定するためには、同業他社のデータを参考にしながら、売上や利益に見合った役員報酬の設定が重要です。
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役員報酬を決める際の注意点
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経営者は、自身の最終ゴールを明確にしなければなりません。会社の成長戦略や役員報酬の設定は、売上の何パーセントを基準にするかで大きく変わります。 起業した初期の想いを忘れず、どの方向に進むのかを明確にすることが、適切な役員報酬額の決定につながります。
バイアウトを目指す場合
もしバイアウト(企業の売却)を目指すなら、役員報酬を売上の何パーセントにするか慎重に考える必要があります。 企業価値を最大化するためには、役員報酬を抑え、売上の大部分を利益として計上し、企業の評価額を上げる戦略が有効です。
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売却益に対する税負担が役員報酬よりも低いため、利益を最大化し、企業価値を高めることが重要です。
成長を目指す場合
会社を大きく成長させ、利益を積み重ねる場合、役員報酬を売上の何パーセントに設定するかが重要になります。 例えば、売上の5%~10%を役員報酬として受け取り、残りの利益を再投資に回すことで、さらなる成長を促すことができます。
この場合、年間利益の20%以内を役員報酬とするのが適切とされています。例えば、売上10億円、利益1億円の会社なら、役員報酬を利益の20%(2,000万円)以内に抑え、残りを成長投資に充てるという形が理想的でしょう。
現状維持を選ぶ場合
経営者の中には、「現在の規模を維持し、安定した収益を確保したい」と考える方もいます。この場合も、役員報酬を売上の何パーセントに設定するかが経営の安定に大きく影響します。
例えば、現状維持を目指す会社では、役員報酬を売上の10%程度に設定し、会社の利益がゼロにならないように管理することが求められます。 ただし、事業が停滞しないように、一定の成長を確保するために、役員報酬を抑え、売上の何パーセントかを未来への投資に回す戦略も検討すべきです。
借金がある場合の注意点
借金がある企業の場合、役員報酬を売上の何パーセントにするかは特に慎重に決める必要があります。 現状維持を目指す場合でも、借金の返済資金を確保しなければなりません。
例えば、売上5億円、利益5,000万円の会社で、年間2,000万円の借入返済がある場合、役員報酬を利益の20%(1,000万円)以内に抑え、返済資金を確保する必要があります。 もし役員報酬を利益の50%(2,500万円)に設定してしまうと、キャッシュフローが悪化し、企業の健全性が損なわれる可能性があるため注意が必要です。
【まとめ】役員報酬を設定する際の注意点
役員報酬の設定は、売上の何パーセントを基準にするかで経営の方向性が大きく変わります。
- バイアウトを目指すなら、役員報酬を抑え、企業価値を最大化。
- 成長を目指すなら、売上の5%~10%を役員報酬とし、残りを再投資。
- 現状維持を目指すなら、売上の10%を役員報酬としつつ、一定の成長を確保。
- 借金がある場合は、役員報酬を利益の20%以内に抑え、キャッシュフローを健全に。
役員報酬の決定に関する注意点
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経営者は売上の何パーセントを役員報酬として受け取るかを明確にし、自身の最終ゴールに沿った最適な設定を行うことが重要です。
役員報酬は売上の何パーセントが適正かに関するおすすめ記事:結局、一番得する社長の役員報酬額はいくらなのか!?
まとめ
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本日は、経営者が役員報酬の設定で損をしないために売上の何パーセントに役員報酬を設定すべきかについて最適な方法をお話ししました。役員報酬の設定は、単なる税金対策ではなく、会社の成長や経営者のモチベーションにも大きく関わる重要な要素です。
役員報酬を決定する際には、売上の何パーセントを役員報酬として設定するのが適切かを慎重に検討することが重要です。 一般的には、売上の3〜10%を役員報酬とするケースが多く、年間利益の20%以内に収めるのが妥当とされています。例えば、売上1億円、利益2,000万円の企業であれば、役員報酬を売上の5%(500万円)や、利益の20%(400万円)といった形で設定するのが一つの目安となるでしょう。
また、役員報酬は会社の経営戦略や成長目標に応じて最適化すべきです。税金対策を最優先にするのではなく、会社の発展と経営者自身のモチベーション向上を考慮し、売上の何パーセントを役員報酬にするのが適切かを判断しましょう。
最終的に、役員報酬の設定は、売上の何パーセントを基準にするかだけでなく、経営者の目標や会社の成長ビジョンとリンクさせることが重要です。 起業の本来の目的を見失わず、楽しみながら経営を続けるためにも、適切な役員報酬を設定し、しっかりと数字を管理しながら利益を上げていくことをおすすめします。
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