合同会社を設立する際の法務局手続きは?費用や設立までの流れを詳しく解説!
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公開日:2025年10月
更新日:2025年10月15日
合同会社を設立する際には、法務局での手続きが欠かせません。合同会社は株式会社に比べて手続きがシンプルで費用も抑えられますが、設立登記をはじめとする法務局での申請や届出を正確に行わなければ、会社として認められません。
この記事では、法務局の基本的な役割から、合同会社の設立にかかる費用や流れ、そして設立時・設立後に法務局で行う具体的な手続きまでを詳しく解説します。
法務局とは?

法務局とは、法務省の業務の一部を出先機関として担う地方支分部局の一つであり、合同会社をはじめとする会社の設立に深く関わる重要な機関です。
法務局では、国籍や戸籍、登記、供託、訟務、人権擁護など多岐にわたる業務を行い、国民の権利や財産を保護しています。その中でも特に商業・法人登記に関する業務は、合同会社や株式会社などの会社設立に欠かせない手続きの中心を担っています。
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合同会社を設立する際には、法務局で会社設立登記の申請を行う必要があります。登記申請では、定款、設立登記申請書、代表社員の就任承諾書などの書類を提出し、法務局の審査を経て正式に会社が設立されます。
また、設立後も法務局では、合同会社の商号変更、目的変更、本店所在地の移転、役員変更、解散や清算結了などの登記手続きが行われます。

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さらに、印鑑証明書や履歴事項全部証明書(登記簿)の交付も法務局で受け付けており、合同会社の設立から運営まで一貫して重要な役割を果たしています。
合同会社の設立に必要な費用

合同会社を設立する際に必要となる費用は、おおよそ10万円前後が目安です。合同会社の設立手続きでは、株式会社と異なり公証役場での定款認証が不要なため、主に法務局で行う登記手続きに関する費用が中心となります。具体的には、定款に貼付する収入印紙代と、法務局に納付する登録免許税が合同会社設立時の法定費用です。

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合同会社を設立する際の法務局手続きについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
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このほか、合同会社を設立したあとの手続きでは、印鑑の作成費用や印鑑証明書・登記事項証明書(登記簿謄本)の取得費用など、法務局関連の実務に伴う費用も発生します。設立時には、これらの変動費用も含めてあらかじめ見積もっておくとよいでしょう。
項目 | 内容 | 金額(目安) |
---|---|---|
必ずかかる法定費用 | 定款の収入印紙代(紙の定款に貼付) | 40,000円(電子定款の場合は不要) |
登録免許税(法務局へ納付) | 60,000円 または 資本金の0.7%(どちらか高い方) | |
変動する費用 | 印鑑の作成費用(会社実印・銀行印・社判など) | 約10,000〜15,000円 |
印鑑証明書の取得(法務局で発行) | 約390〜450円 | |
登記事項証明書(登記簿謄本)取得費用 | 約480〜600円 |
合同会社の設立費用はここがポイント!

合同会社の設立では、電子定款を利用することで法務局への申請時に印紙代4万円を節約できるのが大きなポイントです。
また、登記が完了した後は、法務局で印鑑カードや登記事項証明書を取得する手続きが必要となるため、設立費用に加えて数千円程度の追加費用を見込んでおくと安心です。
合同会社の設立時に法務局で行う手続き

合同会社を設立する際には、法務局での手続きが最も重要なステップとなります。
合同会社の設立は、定款の作成や出資金の払い込みだけでは完了せず、法務局への法人登記(会社設立登記)を行うことで、初めて法的に会社として認められます。
この章では、合同会社の設立時に法務局で行う具体的な手続きを順を追って解説します。
合同会社の設立時に法務局で行う手続き①:法人登記(会社設立登記)の申請
合同会社を設立する際に最も重要な手続きの一つが、法務局で行う法人登記(会社設立登記)です。合同会社の設立登記は、会社の存在を法的に証明するための必須手続きであり、登記が完了して初めて合同会社としての活動を開始できます。
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また、法務局では登記申請と併せて、合同会社の代表者印(会社実印)の登録も行います。設立時に行うこれらの手続きは、すべて合同会社の信頼性を高めるために欠かせません。
合同会社の設立時に法務局で行う手続き②:設立登記の申請方法
合同会社を設立する場合、まず管轄の法務局に対して法人登記(会社設立登記)を申請します。法人登記とは、合同会社の商号(社名)、本店所在地、事業目的、出資額、代表社員などの基本情報を法務局に登録することです。
この情報は登記簿として一般公開され、取引先や金融機関が合同会社の信頼性を確認できるようになります。したがって、法務局での登記が完了することで、合同会社が正式に設立されたと認められるのです。
登記申請時には、以下のような書類を法務局に提出します。
書類名 | 内容 |
---|---|
設立登記申請書 | 合同会社の設立登記を申請するための書類 |
登録免許税分の収入印紙 | 登記申請時に必要な税金を納めるための印紙を貼付 |
定款 | 合同会社の基本ルールを定めた書類(電子定款の場合は印紙代不要) |
社員の同意書(社員決定書) | 出資者全員で商号・目的・本店所在地などを決定したことを証明 |
代表社員の就任承諾書 | 代表社員が就任を承諾したことを示す書類 |
代表社員の印鑑証明書 | 代表社員全員分の印鑑登録証明書 |
資本金の払込証明書 | 出資金を払い込んだことを証明する通帳コピー等 |
印鑑届書 | 合同会社の実印登録のための届出書 |
登記用紙と同一の用紙またはCD-R | 登記事項をまとめたデータまたは書面 |
これらの書類をそろえ、法務局に提出して審査を受けることで、合同会社の設立が完了します。
合同会社の設立時に法務局で行う手続き③:代表者印(会社実印)の登録
合同会社の設立登記を申請する際には、印鑑届書を提出して代表者印(会社実印)の登録も行います。法務局での印鑑登録は、会社設立後に法人口座を開設したり、契約書や融資の申請を行う際に必須です。
代表者印にはサイズ規定があり、1辺1cm以上3cm以内の正方形の中に収まる印鑑である必要があります。印鑑届書に押印し、代表社員の個人実印および印鑑証明書を添えて法務局へ提出します。
なお、2021年2月15日の法改正により、法人登記をオンラインで行う場合は印鑑届書の提出が任意となりました。

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しかし、実際には多くの合同会社が法務局で代表者印を登録しています。印鑑登録を済ませておくことで、設立後の各種手続きがスムーズに進むため、オンライン申請の場合でも登録を行うのが一般的です。
合同会社の設立時に法務局で行う手続き④:オンライン登記の活用
現在では、法務局のオンライン申請システムを利用して合同会社の設立登記を行うことも可能です。電子定款を作成し、オンラインで登記申請を行えば、紙の定款で必要だった4万円の印紙代を節約できます。
また、オンライン申請と同時に代表者印の登録申請も行えるため、法務局への来庁回数を減らすことができます。これにより、合同会社の設立手続きを効率的に進められるでしょう。
合同会社の設立後に法務局で行う手続き

合同会社を設立して登記が完了した後も、法務局で行う手続きがいくつかあります。
代表的なものに「印鑑カード」「印鑑証明書」「登記事項証明書(登記簿謄本)」の取得があり、これらは法人口座開設や契約締結などに欠かせない重要書類です。
この章では、合同会社の設立後に法務局で行う各種申請の流れとポイントを分かりやすく解説します。
合同会社の設立後に法務局で行う手続き①:印鑑カード・印鑑証明書・登記事項証明書の取得
合同会社を設立して法務局での登記が完了したら、まず行うべきは「印鑑カード」「印鑑証明書(印鑑登録証明書)」「登記事項証明書(登記簿謄本)」の取得手続きです。
これらは合同会社の設立直後に必ず必要となる重要書類であり、特に法人口座の開設や融資の申込み、各種契約を進める際に必須です。法務局での登記手続きが終わったら、速やかにこれらの申請を進めましょう。

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なお、必要な申請書類はすべて法務局のWebサイト「登記事項証明書・印鑑証明書等の交付請求書様式」からダウンロードできます。
合同会社の設立後に法務局で行う手続き②:印鑑カードの取得
印鑑カードは、合同会社の代表者印(会社実印)を証明するためのカードで、印鑑証明書を取得する際に必要です。印鑑カードを所持することで、登録された代表者印が法務局に届け出られたものであることを証明できます。
印鑑カードの取得には、設立登記を行った合同会社の管轄法務局で「印鑑カード交付申請書」を提出します。申請書には、登録済みの代表者印を押印し、費用は無料です。郵送での申請も可能で、その場合は「印鑑カード交付申請書」と切手を貼った返信用封筒を同封して法務局に送付します。
合同会社の設立後に法務局で行う手続き③:印鑑証明書(印鑑登録証明書)の取得
合同会社の代表者印を登録し、印鑑カードを受け取った後は、印鑑証明書(印鑑登録証明書)を取得できるようになります。印鑑証明書は、契約書や申請書などに押された印鑑が、正式に法務局に登録されている合同会社の代表者印であることを証明する書類です。
会社の設立後には、法人口座開設、融資申請、不動産契約、社会保険手続きなど、あらゆる場面で印鑑証明書の提示を求められます。合同会社を円滑に運営するためにも、法務局での取得方法を理解しておくことが重要です。
合同会社を設立する際の法務局手続きに関するおすすめ記事:自分一人で合同会社を設立するには?用意する書類から必要手続きまで解説
印鑑証明書の申請方法は「窓口」「郵送」「オンライン」の3通りあります。
- 窓口申請:全国どこの法務局でも申請可能で、手数料は450円。印鑑登録証明書交付申請書に収入印紙または登記印紙を貼付して提出します。
- 証明書発行請求機の利用:証明書発行請求機が設置されている法務局では、印鑑カードを挿入してタッチパネル操作のみで印鑑証明書を取得できます。
- 郵送申請:印鑑登録証明書交付申請書、印紙、返信用封筒、郵便切手、印鑑カードを同封して法務局に郵送。手数料は窓口と同額です。

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合同会社を設立する際の法務局手続きについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
オンライン申請も可能で、電子証明書を用いればよりスムーズに印鑑証明書を取得できます。
合同会社の設立後に法務局で行う手続き④:登記事項証明書(登記簿謄本)の取得
登記事項証明書(登記簿謄本)は、法務局に登記された合同会社の商号、本店所在地、代表社員、資本金、設立年月日などを証明する公式書類です。
合同会社の設立後には、法人口座開設や融資申込み、社会保険の新規加入、行政への許認可申請、事務所賃貸契約など、さまざまな場面で必要になります。
登記事項証明書の申請方法も「法務局の窓口」「郵送」「オンライン申請」の3つです。
- 窓口申請:全国どこの法務局でも取得可能で、登記事項証明書交付申請書に手数料600円分の収入印紙または登記印紙を貼付して提出します。
- 郵送申請:同様の申請書を作成し、手数料の印紙と返信用封筒を同封して法務局に郵送します。
- オンライン申請:法務局の登記・供託オンライン申請システムを利用すれば、電子証明書付きデータとして登記事項証明書を取得できます。

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合同会社を設立する際の法務局手続きについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
なお、登記事項証明書は誰でも申請可能で、合同会社の代表社員でなくても取得できます。登記内容に誤りがないか確認するためにも、合同会社設立後に必ず一度は法務局で登記事項証明書を取得しておくと安心です。
合同会社の設立後に法務局で行う手続き⑤:手続きをスムーズに進めるポイント
合同会社の設立後に法務局で行う各種手続きは、登記完了後すぐに進めるのが理想です。特に印鑑証明書や登記事項証明書は、金融機関や自治体への届出で頻繁に求められるため、早めに取得しておくと後の業務がスムーズになります。
また、近年は法務局のオンライン申請システムの利便性が向上しており、電子定款の活用や登記情報の電子取得なども進んでいます。合同会社を設立する際は、これらの仕組みを上手に活用しながら、設立後の法務局手続きを効率化しましょう。
法務局ではなくオンラインで申請可能な手続き

合同会社を設立した後の手続きの中には、法務局に行かずにオンラインで申請できるものもあります。
特に「印鑑証明書」や「登記事項証明書」は、法務局のオンライン申請システムを活用することで、時間と手間を大幅に削減できます。
オンライン申請を利用すれば、法務局の窓口に出向いたり書類を郵送したりする必要がなく、設立直後の合同会社の事務負担を軽減できます。書面申請よりも手数料が安い点もメリットです。
合同会社の設立する際の法務局手続きで気をつけておきたい注意点

ただし、証明書自体は電子データではなく、法務局窓口または郵送で受け取りとなる点に注意しましょう。
法務局ではなくオンラインで申請可能な手続き①:印鑑証明書のオンライン申請方法
合同会社の設立後に印鑑証明書を申請する場合、法務局の登記・供託オンライン申請システム「登記ねっと 供託ねっと」を利用します。専用ソフト「申請用総合ソフト」をインストールし、申請者情報(法人情報)登録と電子証明書の準備を行えば申請可能です。
手数料は、法務局窓口受け取りで390円、郵送受け取りで410円(送料込み)です。オンライン申請を活用することで、設立直後の銀行口座開設や契約書提出などもスムーズに行えます。
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法務局ではなくオンラインで申請可能な手続き②:登記事項証明書のオンライン交付申請
合同会社の設立登記が完了した後に取得する「登記事項証明書」も、オンラインで申請可能です。
申請方法は以下の二通りです。
- 「申請用総合ソフト」を利用する方法
- 「登記ねっと 供託ねっと」内の「かんたん証明書請求」から直接申請する方法
があります。
「かんたん証明書請求」は電子署名が不要で、法人情報登録のみで完結します。手数料は、法務局窓口受け取りで480円、郵送受け取りで500円(送料込み)です。
まとめ

合同会社を設立する際には、法務局での登記手続きが最も重要なステップです。
定款の提出や登録免許税の納付、印鑑登録、登記事項証明書の取得など、設立時から設立後までの各段階で法務局の手続きを正確に行うことが、会社運営をスムーズに進めるための基本となります。
また、近年は法務局のオンライン申請システムを活用すれば、合同会社の設立や登記関連手続きを効率的に進められます。
費用や必要書類をしっかり把握し、法務局での手続きを着実に進めることで、安心して合同会社をスタートできるでしょう。
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