一人で会社を作るメリットは?会社を作る手順や費用についても解説!

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公開日:2025年1月

更新日:2025年1月18日

一人で会社を作るには、会社形態に合わせて書類の作成や登記申請などの手続きをする必要があります。では、事業を行う際に、一人で会社を作ることと、個人事業主として開業することでは、何が違うのでしょうか?

本記事では、一人で会社を作るための手順や個人事業主と一人で会社を作ることの違い一人で会社を作るにあたっての注意点について解説します。

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一人会社を作るメリットは?個人事業主との違いや一人会社の作り方を解説!

一人会社を経営することには、個人事業主では得られない多くのメリットがあります。本稿では、一人会社と個人事業主との違いを明確にしながら、一人社長として会社を運営する際の具体的なメリットやデメリットについて詳しく解説します。

一人で会社を作る際の条件や会社形態

一人で会社を作る際に選べる法人形態には、株式会社・合名会社・合同会社の3種類があります。現在の会社(法人)形態にはこれらに加えて「合資会社」も存在しますが、合資会社では2名以上のメンバーが必要となるため、一人で会社を作ることはできません。

したがって、一人で会社を作る場合には、選択肢は株式会社・合名会社・合同会社の3種類に限定されます。ただし、合名会社は出資者全員が無限責任を負う必要があるため、実際に一人で会社を作る際に選ばれるのは、主に株式会社と合同会社の2種類です。これらの形態は一人で会社を作る際の一般的な選択肢となっています。

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一人で会社を作るメリット

一人で会社を作ることには、個人事業主とは異なる多くのメリットがあります。一人で会社を作ることを検討する人は、このメリットを活かし、事業の拡大や信頼性の向上を目指しています。実質的なメリットに加えて、一人で会社を作ることで得られるイメージ面での効果も大きく、法人化はビジネスを成長させるために重要なステップと言えるでしょう。

一人で会社を作るメリット①:印象が良く信用性も高い

一人で会社を作る場合、個人事業主に比べて社会的な信用性が高まり、取引先や金融機関からの印象も向上します。一人で会社を作るには法人登記が必要で、この登記内容は一般に開示されるため、透明性が高く社会的な信頼を得やすくなります。こうした信頼性が、融資や取引の面で有利に働くのが一人会社の大きな特徴です。

一人で会社を作るメリット②:有限責任でリスクを軽減

一人で会社を作る際に選ばれる株式会社や合同会社では、経営者が負う責任は出資額に限定される有限責任となります。個人事業主のように無限責任を負う必要がないため、一人で会社を作ることでリスクを抑えた事業運営が可能です。ただし、一人で会社を作る場合でも、個人保証を求められるケースには注意が必要です。

一人で会社を作るメリット③:節税効果が大きい

一人で会社を作るメリットの一つとして、節税効果が挙げられます。法人税は個人事業主の所得税に比べて節税効果が高く、収益が一定以上になるとその差はさらに広がります。

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また、一人で会社を作ることで、役員報酬や退職金、生命保険料などを経費として計上できる範囲が広がり、より効率的な節税が可能です。

一人で会社を作るメリット④:事業の選択肢が広がる

一人で会社を作ると、法人でなければ行えない事業にも参入できるようになります。例えば、建設業や飲食業などの許認可が必要な事業は、資本金要件を満たす法人であることが前提です。一人で会社を作ることで、こうした事業の選択肢を広げることができます。

一人で会社を作るメリット⑤:資金調達が容易になる

一人で会社を作ることで、個人事業主にはない社会的な信用を活用し、大規模な資金調達が可能になります。資金調達のしやすさは事業の安定性や拡大に直結し、一人で会社を作ることが将来のビジネスチャンスを広げる基盤となります。

SoVa税理士お探しガイド編集部

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一人で会社を作るときの手順

一人で会社を作る際の手順は、次のように大きく分けられます。ここでは、一人で会社を作るプロセスに必要な各ステップを順を追って解説します。

一人で会社を作る際の手順①:会社の必要情報を整理

まず最初に、一人で会社を作るために必要な情報を整理しましょう。会社を設立するためには、以下の基本事項を決めておくことが重要です。

  • 社名
  • 本店所在地
  • 資本金
  • 設立日
  • 会計年度
  • 事業目的
  • 株主や役員の構成

これらをあらかじめまとめておくことで、一人で会社を作る際に定款作成がスムーズに進みます。

一人で会社を作る際の手順②:実印の作成

社名が決まったら、次は一人で会社を作るために必要な実印を作成します。実印は設立登記を申請する際に必要です。オンラインでの登記申請が可能ですが、一人で会社を作る場合、設立後の手続きやビジネス活動を見据えて、このタイミングで実印を作成することをおすすめします。また、銀行口座開設に使う銀行印や、請求書に押す角印(社印)も一緒に準備しておきましょう。

一人で会社を作る際の手順③:定款の作成

次に、一人で会社を作るために「定款」を作成します。定款は会社の基本ルールを記載した重要な書類です。定款作成においては、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」に分かれ、これらの項目に不備があると定款は無効となるため、慎重に記入します。定款は公証役場に提出し、認証を受けます。

気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

なお、合同会社の場合、定款の認証は不要ですが、定款の作成は必須です。

一人で会社を作る際の手順④:資本金の払い込み

定款の認証が終わった後、次に資本金の払い込みを行います。一人で会社を作る場合でも、資本金が1円以上であれば設立は可能ですが、実際の運営を見据えて、初期費用や運転資金を考慮した適切な金額を用意することをおすすめします。

一人で会社を作る際の手順⑤:法務局で申請

一人で会社を作るために必要な書類を整えたら、法務局に登記申請を行います。これには、「株式会社設立登記申請書」や定款が必要です。マイナンバーカードを使用したオンライン申請も可能です。申請後、通常は1週間から10日ほどで登記が完了し、会社設立が正式に認められます。

一人で会社を作る際の手順⑥:設立後に行う必要手続き

会社設立後にもいくつかの手続きが必要です。一人で会社を作った場合、法人税の届出や健康保険、年金への加入、法人口座の開設などの手続きを行います。これらの手続きは、期限内に間に合うよう余裕を持って行いましょう。一人で対応が難しい場合は、税理士や社会保険労務士に代行を依頼することもできます。

SoVa税理士お探しガイド編集部

以上が、一人で会社を作る際の基本的な流れです。各ステップでの作業をしっかりとこなして、スムーズに会社設立を実現しましょう。

一人で会社を作るメリットに関するおすすめ記事:「1人」で株式会社が設立できるって、本当? 具体的な方法を紹介

一人で会社を作る際の費用

一人で会社を作る際にかかる費用は、おおよそ25万円です。この費用には、法律で定められた必須費用と、資本金の額によって変動する費用が含まれています。さらに、一人で会社を作る場合のオフィスの規模や法人印へのこだわりなどによって、初期費用の総額は異なる場合があります。

今回は、一人で会社を作るために必要な必須の法定費用と、それ以外の任意で決まる費用について詳しく解説します。

法定費用

一人で会社を作る場合、法定費用は法務局や公証役場に必ず支払わなければならない費用です。具体的には以下の項目があります。

項目 費用 ポイント
定款認証手数料 3万円~5万円 資本金の額によって変動します。
収入印紙代 4万円 電子定款の場合は不要。
定款の原本証明 約2千円 1ページにつき250円
登録免許税 15万円 資本金の額に0.7%を掛けた金額と、最低額の15万円のうち高い方が適用。

例えば、資本金100万円で株式会社を設立する場合、約23万2千円の法定費用がかかります。詳細は以下の通りです。

  • 定款認証手数料:4万円
  • 収入印紙代:4万円
  • 定款の原本証明:2千円
  • 登録免許税:15万円

法定費用を抑えるためには、資本金を低く設定することが有効です。資本金が低いほど、定款認証手数料と登録免許税が低くなります。また、電子定款を使用すると、4万円の収入印紙代が不要となりますが、電子定款の作成には特別なシステムが必要なため、一人で会社を作る場合には行政書士に依頼することが一般的です。

任意で決まる費用

一人で会社を作る際には、任意で決まる費用も発生します。これらは、どのようなこだわりを持って会社を作るかによって大きく異なります。少なくとも30万円程度の現金を準備しておくことが無難です。任意費用の例としては以下があります。

  • 法人印
  • オフィス費用
  • パソコン
  • ホームページ制作
  • 税理士顧問契約

費用を抑えたい場合は、最も安価な法人印を選んだり、バーチャルオフィスを活用することで、コストを削減することができます。一人で会社を作る際には、これらの法定費用と任意費用を理解し、必要な準備を整えておくことが大切です。

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一人で会社を作る際の注意点

一人で会社を作り、その後会社を運営していく上で注意すべきポイントがいくつかあります。一人で会社を作る際には、以下の点に気をつけることが重要です。

一人で会社を作る際の注意点①:健康保険と厚生年金保険への加入は義務 

一人で会社を作った場合でも、すべての法人は健康保険と厚生年金保険への加入が義務付けられています。これは健康保険法第3条、厚生年金保険法第9条に基づき、個人事業主から法人化して一人で会社を作る場合でも例外なく適用されます。
ただし、役員報酬が0円または社会保険料よりも低い場合、社会保険への加入義務はなく、国民健康保険や国民年金への加入が必要です。これらの点を把握しておくことが、一人で会社を作る際に重要です。

一人で会社を作る際の注意点②:経費の扱い方に気をつける 

一人で会社を作ると、経費として認められる範囲が広がります。しかし、経費として計上するためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。例えば、福利厚生費、会議費、交際費、法定福利費などが該当しますが、これらの条件が難しい場合もあります。
特に、一人で会社を運営している社長自身のランチや旅行費用は、福利厚生費としては認められにくいです。しかし、取引先との関連があれば交際費や会議費として計上できる場合があります。このように、出費がどの勘定科目に該当するのかを理解しておくことが、一人で会社を作る際に大切です。

一人で会社を作る際の注意点③:自分自身の給料(役員報酬)の金額で税金が変わる 

一人で会社を作ると、自分自身への役員報酬を支払う必要があります。役員報酬は毎月定額に定めることで経費として計上可能となり、法人税の節税に貢献します(定期同額給与)。
ただし、役員報酬を高く設定しすぎると社長個人としての所得税が高くなり、逆に低く設定しすぎると法人税が高くなるため、バランスを取ることが重要です。適切な役員報酬の金額を設定することが、一人で会社を作った後の税金対策において大切な要素です。

SoVa税理士お探しガイド編集部

一人で会社を作る際には、これらの注意点をしっかりと理解し、適切な運営を行うことが成功への鍵となります。

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まとめ

一人で会社を作るには、法人化に伴って非常に多くの手続きを行う必要があり、会社を作った後の運営でもかなりの労力がかかります。しかし、一人で会社を作ることで、会社運営に必要なスキルを身につけられるとともに、法人としての社会的信用度が高まるなど、数多くのメリットも得られます。

これまで個人事業主として活動していた場合、一人で会社を作ることにより、節税面でも大きなメリットを実感できるでしょう。一人で会社を設立する際には、スムーズに進めるために必要な手順や注意点をしっかりと把握し、この記事で紹介したポイントを参考にして、しっかりと準備を整えてください。

一人で会社を作るメリットに関するおすすめ記事:一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

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