開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれる?開業費の会計処理についても解説!

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公開日:2024年8月

更新日:2024年10月4日

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事業を始める際、開業費として認められる経費がいつまでさかのぼれるのかを把握しておくことは、節税対策の面でも非常に重要です。今回は会社を設立すると避けて通れない開業費について、「開業費はいつまでさかのぼれるのか」についても深掘りしていきます。

合わせて読みたい「開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか?」に関するおすすめ記事

会社の設立費用は経費にできるのか?会社設立をした際の仕訳も解説

開業費がいつまでさかのぼれるのかの他に、この記事では会社の設立費用を経費にする方法について解説しています。
また、会社設立費用を経費にしたときの仕訳例も紹介しているため、開業費や創立費について詳しく知りたい方におすすめの記事です。

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開業費はいつまでさかのぼれる?第1章 開業費とは

開業費はいつまでさかのぼれるのかについて紹介する前に、開業費とはなんでしょうか?

開業費とは、会社設立後、営業開始までに支出した開業のための費用を処理する勘定科目です。

具体的には、開業準備期間中の賃借料、広告、通信、交通費などが開業費に該当します。

【開業費の例】

・チラシ、看板などの広告宣伝費
・事務用消耗品費(文房具やソフトウェアの購入費)
・営業開始に関わる研修費用
・市場調査費用
・印鑑や名刺の作成費用
・打ち合わせに要した交際費、接待費、旅費交通費

開業準備のために特別に支出した費用が対象となるため、事務所の家賃や水道光熱費、社員の給料などのように毎月一定額かかる費用は、開業準備のために特別に支出されたものとは認められず、開業費には含まれません。

他にも、一般的に「開業費」とならないものは、以下のようなものがあります。

・後で返還される敷金
・10万円以上の固定資産
・商品の仕入代金

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開業費の仕訳の仕方については、以下の記事がおすすめです。
開業費とは?償却・仕訳や個人事業主・法人の違いと開業準備のコツ

開業費の注意点① 10万円以上の固定資産


1つあたり10万円以上の備品などは、固定資産として扱われるため、開業費として計上することはできません。

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例えば、IT分野で使用する高額な専門ソフトウェアは、購入時期が準備期間中であっても、資産として計上する必要があります。また、パソコンや応接セットなどの高価な有形固定資産については、減価償却が必要です。減価償却では、資産の法定耐用年数に基づいて、購入費用を数年にわたって経費として分割して計上します。

「開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか」解説部

減価償却の耐用年数は、国税庁が公表している「主な減価償却資産の耐用年数表」で確認できます。

開業費の注意点② 資産取得にかかった費用

また、仕入代金については「売上原価」として処理されるため、開業費には含まれません。敷金や礼金も一見開業費に含められるように思えますが、原則として開業費として認められていません。

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個人事業主の開業費に関して、以下の記事で解説されています。
開業前にかかった費用はどのように仕訳すればよいですか?

開業費の注意点③ 領収書を保管

領収書や明細書がないと、開業費として計上できないため注意が必要です。購入や支払いの日時が不明確だと、開業のための支出であることを証明できず、開業費として認められません。

「開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか」解説部

開業費に関わらず、税務調査対策の一貫として全ての領収書を保管しておきましょう。

開業費として計上するためには、購入時や支払い時に必ず領収書や明細書を受け取り、それらを紛失しないようにしっかりと管理しましょう。

「開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか」に関連する気をつけておきたい注意点

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法人設立のために現物出資を行った場合も、開業費としては計上できない点に注意が必要です。

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ただし、次のような場合には、レシートや領収書が発行されなくても、出金伝票を作成することで開業費として計上できる場合があります。

・慶弔費用

・少額の旅費交通費

・接待費用を割り勘で支払った場合 など

「開業費はいつまでさかのぼれるのか」に関連する

「開業費はいつまでさかのぼれるのか」に関連する

「開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか」に関連するポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

いずれの場合も、領収書をきちんと保管しておかないと開業費として扱うのが難しくなる可能性があります。紛失を防ぐために、保管場所を決めるなどの対策を講じることが重要です。領収書を残しておかないと、開業費として、いつまでさかのぼれるのか期間にも影響してくるので気をつけましょう。
開業の準備にかかった費用は経費にできる?計上方法などを詳しく解説!

開業費と創立費の違い

開業費と創立費の違いは、費用が発生するタイミングや、費用にきる範囲が異なります。
ここでは、創立費の費用にできる範囲について、前述の開業費と対比する形で紹介していきます。

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開業費は仕訳帳と固定資産台帳に記録しておく必要があります。詳細は以下の記事がおすすめです。
開業費とは?開業費にできる範囲と節税方法について解説

創立費とは、会社設立前、設立のために要した費用を言います。

例えば、以下のような支出は「創立費」として計上することになります。

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【創立費の例】

・発起人の報酬

・定款その他諸規則の作成費用

・設立登記の登録免許税

・士業に支払う報酬

・法人設立のために雇った使用人の給与

・法人設立のための会議費

・法人設立に要した交通費

「開業費はいつまでさかのぼれるのか」に関連する

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開業費と創立費の違いについては、「創立費・開業費とは?それぞれの違いと仕訳方法について解説」が参考になるでしょう。

開業費はいつまでさかのぼれる?第2章 開業費はいつまでさかのぼれるのか

ここでは「開業費は何年前まで(何年前まで)さかのぼれるのか」について詳しく解説していきます。開業費とは、事業を始める前の準備段階で発生した費用を指し、様々な支出が含まれます。しかし、「開業費は何年前までさかのぼって計上できるのか?」や「開業費はいつまで遡れるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?本記事では、開業費が何年前まで遡れるのか、またその計上方法について詳しく解説し、適切に開業費を申告するためのポイントをお伝えします。開業費は何年前まで遡れるのか、どのように取り扱えばよいのか知りたい方は、ぜひ最後までお読みください!

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実際、開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのかについて明確なルールがありません。開業費をいつまで(何年前まで)さかのぼれるのかは、税務署がその支出を適切と判断するかどうかによって決まります。たとえ長い期間にわたってさかのぼれるとしても、税務署に対して納得できる説明ができれば問題はないでしょう。言い換えれば、正当な理由があり税務署が認めれば、開業費はいつまででもさかのぼれると言えます。

ただし、一般的にいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか知っておくと安心です。開業費として計上できるのは、開業準備にかかった費用です。常識的な範囲で考えると、開業準備にかかる期間は半年から1年程度が妥当でしょう。したがって、開業費としてさかのぼれるのは、開業の半年から1年前までの期間に発生した支出であると考えておくとよいです。

「開業費はいつまでさかのぼれるのか」に関連するポイント!

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なお、開業後に発生した費用は「開業費」として計上できません。たとえば、開業後に宣伝のために使った交通費は「旅費交通費」として分類されます。
開業費用に関する疑問を解決!集め方や償却方法を解説

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開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれる?第3章
開業費の会計処理とは?

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「繰延資産」として計上する

創立費や開業費は、一般的に「繰延資産」に分類されます。繰延資産とは、法人が支出した費用のうち、その効果が支出後1年以上にわたるものを指します。このような費用は、支出した年度に一度に費用として計上するのではなく、翌期以降にわたって繰り延べて計上することが可能です。

繰延資産とは?

「繰延資産」とは、企業や個人事業主が支出した費用のうち、その効果が1年以上続くものを指し、資産として扱われます。

通常、費用として支出するお金の中には、支払い済みであったり、支払いが確定しているものの、その効果が長期間にわたって収益を生み出す可能性があるものがあります。これらを「繰延資産」と呼び、開業費や開発費などが該当します。繰延資産は、通常の費用として処理するのではなく、将来的な効果を考慮して一時的に資産として計上することが認められています。

繰延資産は、まず資産として計上し、その後、適切な期間にわたって償却し、徐々に費用として計上します。似た方法として「減価償却」がありますが、これは、事業で使用する固定資産を耐用年数に応じて分割し、経費として計上する会計処理です。減価償却資産とは、使用や時間の経過により価値が減少する資産を指します。繰延資産は減価償却資産ではありませんが、「資産として計上し、後で償却して経費にする」という点で、減価償却と似ています。

繰延資産の償却期間は、種類によって異なりますが、一般的には3年から5年です。

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開業費について理解するうえで繰延資産の理解は必要不可欠です。繰延資産について詳細を知りたい場合は以下の記事がおすすめです。
繰延資産とは?具体例と償却方法、仕訳のやり方について解説

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翌期以降に状況に応じて費用化

繰延資産はいつまでに償却する必要があるのでしょうか?

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結論、繰延資産はいつまでに償却しないといけないという明確な定めは存在しません
ただし、繰延資産として計上された後、翌期以降、数年にわたって費用化(償却)するのが一般的です。

会計上は、繰延資産を毎期一定額ずつ規則的に償却(均等償却)しますが、税務上は中小企業において「任意の事業年度に任意の金額」を費用化(一括償却)することが認められています。

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設立初期の利益が少ない年度では費用化を控え、利益が増加したタイミングで費用化することで、効果的な節税対策が可能となります。

均等償却とは?

均等償却は、繰延資産の金額を決められた期間内に均等に割り振り、毎期同じ額を費用として計上する方法です。定められた期間にわたって、繰延資産の総額を均等に費用として配分していきます。

任意償却(一時償却)とは?

任意償却(一時償却)は、償却期間内であれば、繰延資産の金額の範囲内で自由に償却できる方法です。この方法では、償却費を計上する時期や金額に柔軟性があり、支出した年に全額償却することも、全く償却しないことも可能です。創立費や開業費といった繰延資産は、償却費を計上する際に均等償却か任意償却のどちらかを選ぶことができます。任意償却が可能な繰延資産の未償却分は、いつでも償却費として経費に含めることができます。

「開業費はいつまでさかのぼれるのか」に関連するおすすめ記事

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任意償却については以下の記事が参考になるでしょう。
減価償却・任意償却の基礎とは。オフィス(事務所)購入にメリットはあるか?

開業費はいつまでさかのぼれる?第4章 繰延資産で節税

繰延資産は、節税のために有効に活用できます。繰延資産として計上した支出を、数年にわたって費用として計上することで、節税効果が得られるからです。

たとえば、設立したばかりの会社は売上が少ないことが多く、繰延資産として処理できる支出も多くなります。この状況で費用を一度に計上すると赤字になるリスクがあります。

そこで、創立費や開業費などを繰延資産として資産計上することで、費用計上を抑えることができます。こうすることで、その年の収益に応じて償却金額を調整できるのです。

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「開業費はいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか」に関連するポイント!

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会社法に基づく会計処理では、繰延資産の償却は任意に行うことが可能です。償却期間は自由に設定できるため、利益が多い年には償却を増やし、利益が少ない年には償却を抑えるなど、柔軟に対応できます。
繰延資産を活用して法人税を節税しよう!

開業費はいつまでさかのぼれる?第4章 まとめ

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今回は開業費がいつまで(何年前まで)さかのぼれるのか、開業費の会計処理について解説しました。
結論、開業費はいつまでさかのぼれるのかについては明確な定めは存在しません。しかし、開業費は開業前ならいつまででもさかのぼれるわけではないことにも注意が必要です。開業費で1年以上さかのぼれるかは、1年以上さかのぼって開業費を計上することに合理的な理由があるかどうかになります。税務署に適切に説明ができるように、領収書は必ず保管しておきましょう。

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会社設立時に税理士は必要?依頼するメリットとおすすめのタイミングとは

会社設立時に税理士に依頼することは、多くの創業者にとっておすすめな選択肢です。開業費に関しても、「いつまでさかのぼれるのか」は明確なルールがないため、専門的な観点で判断する必要があります。したがって、開業費はいつまでさかのぼれるのか不安な場合などは、この記事を参考にしながら税理士を探してみましょう。

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