給与計算でミスが発覚したらどうする?対処法とおすすめの依頼先も紹介

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公開日:2024年4月

更新日:2024年5月15日

給与計算は総支給額の算出や税金の控除など、毎月繰り返される多くの業務処理が必要です。従業員に支払う給料の計算であるため、小さなミスも許されません。しかしながら、働き方の多様化や従業員数の増加により、給与計算の誤りが増えるリスクが高まります。この記事では、給与計算のミスが発生した場合の適切な対処方法について解説します。さらに、一般的なミスの例やその要因、それに対する防止策をご紹介いたします。ミスの要因を理解することで、予防策を講じることが可能です。ミスが発生しやすいパターンを把握し、それを未然に防ぐための対策を取りましょう。

給与計算でミスが発覚した場合の対処法

給与計算のミスは避けるべきですが、手作業で行う場合や雇用条件の変更がある場合には、誤りが発生する可能性があります。ミスに気づいたときは、以下の手順で対処することが重要です。

従業員に給与計算のミスの説明とお詫びをする①

給与計算のミスが判明したら、速やかに関係する従業員に対して説明とお詫びの連絡をします。謝罪の際には丁寧さを心がけ、具体的なミスの内容を明確に伝えます。

例えば、「◯月◯日の残業代が反映されていなかった」といった具体的な箇所を指摘し、誤りを正確に理解してもらいます。

その上で、「差額は◯月分の給与支給において調整する」といった具体的な対応策を提示します。さらに、今後のミス防止のために取り組む是正策やチェック体制の強化についても真摯に伝えることが重要です。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    顧給与計算のミスに関しては

おすすめ記事:給与計算でミスが発覚したら?対処法とリスク、防止策を解説

ミスをしている給与明細を訂正する①

給与計算のミスを従業員に連絡すると同時に、誤りのあった給与明細を修正して差し替えます。特に、基本給や通勤手当、各種手当、経費の立替金などの支給項目は、源泉徴収される所得税額や雇用保険料にも影響する可能性があるため、慎重に対応する必要があります。

さらに、社会保険料の控除に誤りがあると、年末調整時の所得税額にも影響します。ミスを放置して所得税を納めてしまうと、後から修正手続きが必要になる可能性があるため、早急に給与計算を訂正することが重要です。

【給与額が不足している場合】速やかに調整する③

給与計算の誤りにより給与額が不足している場合、労働基準法第24条の「全額支払いの原則」に基づき、速やかに調整が必要です。この原則に従い、給与額の調整は原則として当月中に行われるべきであり、翌月での調整は違法とされます。

ただし、従業員が同意する場合には翌月での調整も可能ですが、当月内での対応が望ましいとされます。

給与計算のミスへの対処法に関するポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

誤りを訂正する際には、源泉所得税や雇用保険料などの控除額も再計算し、不足分を追加支給することが必要です。

賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

引用:労働基準法第24条(賃金の支払)について|厚生労働省

【給与額が過払いの場合】当月~翌月支給日までに調整する③

給与額が過払いになった場合は、当月から翌月の支給日までに調整することが一般的です。不足額がある場合と同様に、「当月内での調整」が望ましいですが、労使協定で給与計算の誤りが発生した場合の翌月調整が定められている場合や、従業員との合意がある場合には翌月調整も可能です。

ただし、給与調整を行う場合には従業員の合意が必須です。従業員の同意なしで勝手に差し引くことはできません。また、給与額を過剰に支払っている場合は、控除額(源泉所得税や雇用保険料)も本来より多くなっている可能性があります。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    このため、控除額を考慮して正しく計算し、過払い分を差し引く必要があります。

おすすめ記事:給与計算で間違いが発覚した時の訂正方法は?いつまでに対応すべき?お詫び文例あり

給与計算でよくあるミス

扶養から外れたあとの反映が漏れているミス②

家族が扶養から外れた場合、例えば子どもが社会人になったり、配偶者の収入が増えた場合など、配偶者控除や扶養控除などの適用が受けられなくなり、給与から所得税の徴収が発生します。もし給与からの徴収が漏れていた場合は、年末調整時に補正されます。

時間外労働の割増賃金の計算が漏れているミス①

従業員が残業や休日出勤、深夜労働などを行った場合、会社は割増賃金を支払う義務があります。割増賃金の計算方法は法律によって定められており、割増率は労働を行った日や時間帯によって異なります。そのため、計算ミスが起こりやすいです。

おすすめ記事:「給与計算を間違えた!」そんな万が一の時に役立つ法知識と、ミス発生時の対応を解説 

手当の反映が漏れているミス①

会社によっては、役職に応じた役職手当など、基本給に加えて各種手当が支給される場合があります。しかし、給与計算の担当者が社内人事や手当の仕組みを正しく把握していないと、手当の支給額の変動を給与に反映できず、ミスが生じる可能性があります。

40歳以上の介護保険料の控除が漏れているミス②

通常、介護保険料は40歳になる誕生日の前日を含む月から必要となります。例えば、5月20日生まれの場合は5月分から、5月1日生まれの場合は4月分から徴収されます。

気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

従業員数が多い場合は漏れが発生する可能性があり、それが給与計算時のミスを招く要因となります。

おすすめ記事:給与計算ミスにおける原因と対処法とは?間違いを削減する方法も紹介

退職者の社会保険料控除に関するミス①

社会保険料は、「被保険者の資格を喪失した月の前月」(退職日の翌日が属する月の前月)までの分を徴収するルールに基づいています。日割り計算ではなく、月単位での徴収が行われます。

そのため、月の途中で従業員が退職した場合、退職月の社会保険料は控除対象外となります。もし誤って退職月分の社会保険料を差し引いた場合は、速やかに過徴収した保険料を返金する必要があります。

なお、月の末日に退職した場合は、翌月1日が資格喪失日とみなされるため、退職月分までの社会保険料控除が必要です。

社会保険の料率改定に対する対応漏れのミス②

保険料率や控除限度額の変更など、社会保険制度に関する法律や規制の改定がある場合には、迅速に対応する必要があります。最新の情報を把握し、適切な保険料を計算・控除することが重要です。

給与計算のミスに関するおすすめ記事

税理士_依頼_おすすめの記事

社会保険料率の改定やそれにともなって生じるミスへの対処法については以下の記事もおすすめです。

おすすめ記事:給与計算を誤り、一部従業員の給与が未払いであることが発覚した場合にはどんな対応が必要でしょうか。 – なんでもQ&A

給与計算ミスが原因となるトラブルと損害

給与計算のミスが労務や税務に思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。具体的な例を挙げると、以下のような事象が考えられます。

給与計算に関するミスにより労務リスクが生じる④

給与計算のミスは、労務管理の不備として従業員から訴訟を起こされる場合があります。従業員から不信感を抱かれると、信用回復には時間と労力がかかるでしょう。

また、対応が遅れると労働基準監督署から是正勧告を受けたり、ペナルティが課せられる可能性もあります。早急な対応と正確な給与計算が重要です。

給与計算によるミスによって納税にもミスが生じる④

給与計算のミスが税額控除額に影響を与える可能性があります。納税は国民の義務であり、ミスがあれば従業員は大きな損害を被ることになります。また、納付が遅れた場合は遅延損害金を支払う必要があります。さらに、会社の信用問題にも影響を及ぼす可能性があるため、税額に関するミスがないかを細心の注意を払うことが重要です。

給与計算のミスと対処法に関するおすすめ記事

給与計算でミスをしない4つの防止策

ミスしないためのチェック体制の見直し①

給与の計算には、割増賃金や各種手当、控除など、ミスをしやすいポイントがたくさんあります。ミスをすぐに気づけるようにするために、社内のチェック体制を整備しましょう。

ミスが起こりやすいポイントを中心にチェックリストを作成し、ダブルチェックやトリプルチェックの体制を整えることをおすすめします。これにより、給与計算の正確性と効率性を向上させることができます。

給与計算スケジュールの見直し②

給与計算ミスを削減するために、給与計算スケジュールの見直しを行うことは重要です。具体的なポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。

従業員情報の変更を反映する期間の設定:
固定給などの従業員情報の変更を反映する期間を曜日固定などに設定し、定期的に設けることで入力漏れを防止します。

給与締め日の周知徹底:
給与締め日を社員に周知徹底し、給与計算業務にスムーズに移行できる状況を整えます。

給与締め日から支給日までの十分な間隔の確保:
給与締め日から支給日までの間隔を十分に設け、作業時間を確保します。

これらの対策により、余裕のあるスケジュールを確保することでミスを防止し、給与計算業務をより効率的に行うことができます。

給与計算を外部に依頼する

給与計算を社会保険労務士や税理士などの専門家に依頼することは可能です。社内の人材やリソースの問題で給与計算のミスを防ぐのが難しい場合、専門家に依頼することでミスのリスクを軽減できます。

ただし、給与計算のアウトソーシングにはコストがかかるだけでなく、自社にノウハウが蓄積されないなどのデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を比較検討し、アウトソーシングするかどうかを検討してください。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    給与計算のミスが発覚した場合については以下の記事もおすすめです

おすすめ記事:【社労士監修】給与計算のミスが発生した場合の対応方法を詳しく解説!

給与計算は税理士に依頼するのがおすすめ!

中小企業の中でも従業員数が少ない場合には、税理士へ給与計算代行を依頼することがおすすめです。小規模な企業では、顧問税理士との契約が一般的で、給与計算を含む複数の業務を低価格で税理士に依頼できることが多いです。税理士は企業の過去の状況や背景を理解しているため、業務の開始もスムーズに進むでしょう。このような点も給与計算代行を税理士に依頼する理由の一つです。

一方で、中小企業が社会保険労務士(社労士)に給与計算を依頼する場合は、企業の状況を一から説明する必要があり、準備に時間がかかる可能性があります。そのため、すでに関係がある税理士に給与計算の可能性や追加費用について確認することから始めると良いでしょう。

ここがポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

このような点も踏まえると、特に設立間もない会社や中小企業においては、税理士に依頼することがおすすめです。税理士は、状況をよく理解しており、給与計算などの業務を効率的に処理してくれるでしょう。

おすすめ記事:給与明細でミスが発生した時の対処法を解説

まとめ:給与計算を税理士に依頼してミスへの不安を解消しよう

これまで紹介してきた通り、給与計算は複雑な手続きであることからミスをしてしまう可能性が高いです。
さらに給与計算は毎月発生する業務ですし、毎年保険料や税率の変更がなされることから、これらの知識のアップデートを適切に行わないとミスが生じてしまいます。
給与計算を税理士に依頼することで、ミスへの不安から解放されるでしょう。事業に集中できる環境をつくるためにも給与計算を税理士に依頼することをおすすめします。

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