本店移転登記を自分でやるには?メリット・デメリットも解説!
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公開日:2025年6月
更新日:2025年6月26日
会社の本店所在地を変更した際には、「本店移転登記」が必要になります。登記手続きと聞くと専門家に依頼するイメージがありますが、実はこの本店移転登記、自分で行うことも可能です。費用を抑えたい経営者や、会社設立時からの手続きを自分で管理したい方にとっては、本店移転登記を自分で進めるメリットは大きいと言えるでしょう。
本記事では、そもそも本店移転登記とは何かを確認したうえで、登記の種類や自分でやる方法、そしてメリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。

SoVa税理士お探しガイド編集部
自分で本店移転登記を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
本店移転登記とは

本店移転登記とは、会社の主たる事務所である「本店」の所在地を変更した際に、変更内容を法務局の登記簿へ正確に反映させるための登記手続きです。会社法第915条第1項により、本店を移転した場合には、その日から2週間以内に本店移転登記を申請しなければなりません。
本店移転登記を怠ると、代表者個人に対して最大100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法第976条)。

SoVa税理士ガイド編集部
また、登記事項証明書に記載された本店所在地と実際の住所が一致していないと、金融機関からの融資審査や取引先との契約手続きに悪影響を及ぼすことがあります。
本店移転登記は司法書士などの専門家に依頼することも可能ですが、費用を抑えたい場合は、自分で本店移転登記を行うこともできます。自分で本店移転登記を行うには、必要書類の準備や記載内容の正確性が求められるため、事前に手続きの流れや注意点をしっかり確認しておくことが大切です。会社の信用を守るためにも、本店移転登記を適切に、そして期限内に自分で進める意識が重要です。
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本店移転登記の種類

本店移転登記を自分で進める際は、移転先の本店所在地がどの法務局の管轄に属しているかを確認することが重要です。本店移転登記は、大きく「管轄内本店移転」と「管轄外本店移転」の2つのケースに分かれ、それぞれで手続きの方法や必要書類、自分で行う際の準備内容や費用が異なります。
管轄内の本店移転登記を自分でする場合
現在の本店所在地と同じ法務局の管轄内で移転する本店移転登記です。たとえば、東京都千代田区から同じ千代田区内、あるいは東京法務局の本局が管轄する千代田区から中央区への移転などが該当します。

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この場合、本店移転登記は、現在の管轄法務局1ヶ所に自分で申請するだけで完了します。比較的手続きがシンプルなため、自分で対応しやすいケースです。
管轄外の本店移転登記を自分でする場合
現在の所在地とは異なる法務局の管轄エリアに本店を移転するケースで、たとえば東京都千代田区(東京法務局)から神奈川県横浜市中区(横浜地方法務局)へ移転する場合が該当します。管轄外の本店移転登記を自分で行う場合は、旧本店所在地を管轄する法務局と、新本店所在地を管轄する法務局の両方へ登記申請を行う必要があります。自分で本店移転登記を行う際は、手続きの流れや登録免許税が管轄内とは異なるため、事前の確認と丁寧な準備が必要です。

SoVa税理士お探しガイド編集部
本店移転登記を自分でやる方法についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
このように、本店移転登記を自分で行う際は、移転先が管轄内か管轄外かによって必要な手続きが変わるため、まずは自社のケースがどちらに該当するのかを正確に把握することが重要です。
本店移転登記を自分でやる方法

会社の所在地を変更する際に必要な「本店移転登記」は、専門家に依頼せず、自分で行うことも可能です。

SoVa税理士ガイド編集部
費用を抑えたい方や登記手続きを学びたい方にとっては、本店移転登記を自分で行うことは現実的な選択肢となります。
自分で本店移転登記を行うには、以下のようなステップで進めます。
STEP①:まずは、株主総会や取締役会で本店移転の決議を行います。
STEP②:次に、本店移転登記のための登記申請書を作成します。
STEP③:あわせて、株主総会議事録や取締役会議事録などの必要書類を準備します。
STEP④:登録免許税に相当する収入印紙を申請書に貼付します(管轄内移転の場合は3万円、管轄外移転の場合は6万円)。
STEP⑤:準備が整ったら、移転前の管轄法務局に登記申請書類を提出します。
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本店移転登記に必要な申請書類は、法務局のウェブサイトからダウンロードすることができ、自分で印刷・記入が可能です。
本店移転登記にかかる登録免許税は、資本金1億円以下の場合は1万円、1億円を超える場合は3万円です。
自分で登記を申請する方法としては、法務省が提供する「申請用総合ソフト」を使ったオンライン申請のほか、窓口での書面申請、郵送による申請などがあります。
本店移転登記を自分でやるメリット・デメリット

本店移転登記を自分で行うか、専門家に依頼するかを検討している方は多いのではないでしょうか。ここでは、自分で本店移転登記を行う場合のメリットとデメリットを整理し、判断の参考となる情報をお届けします。
自分で本店移転登記を行うメリット
登記費用を大幅に削減できる
本店移転登記を自分で行えば、支払う費用は「登録免許税」と「郵送費用」または「法務局までの交通費」のみで済みます。司法書士などの専門家に依頼した場合に発生する報酬は一切かからず、同じ登記内容であっても総費用を大きく抑えることが可能です。本店移転登記においては、申請内容の質に差が出るわけではないため、「自分で行う」ことによる費用対効果の高さが最大のメリットといえるでしょう。
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自分で本店移転登記を行うデメリット
本店移転登記は頻繁に必要となる手続きではない
本店移転登記は、会社のオフィスを変更した際にのみ必要な手続きであり、何度も発生するものではありません。つまり、自分で手続きを覚えたとしても、今後同じ知識を活かせる場面は限られています。
手続きの調査と理解に時間がかかる
自分で本店移転登記を進めるには、インターネットや法務局の情報を元に必要書類や手順を1から調べる必要があります。本店移転登記申請書だけでなく、株主総会議事録や取締役会議事録などの複数の書類を準備しなければならず、内容や形式に決まったテンプレートがない場合も多くあります。

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また、社内決議の手続きと並行して、法務局とのやりとりも発生するため、手続きを正確に理解して進めるには2〜3日程度の労力が必要となることもあります。
法務局に出向く可能性がある
自分で本店移転登記を行う際、郵送申請だけでは完結しないこともあります。登記書類に不備があると、法務局から「補正通知」が届く場合があり、その場合は自分で法務局へ出向き、直接修正や再提出を行わなければなりません。
本店移転登記を自分で行う場合の注意点

登記の専門家である司法書士でさえ補正対応が必要になることがあるため、個人での申請は手間がかかる可能性も想定しておく必要があります。
本店移転登記を自分でやる方法に関するおすすめ記事:本店移転登記を自分で法務局に申請する方法・必要書類
調べた知識が本業に活かせないケースも
本店移転登記を自分で行って得た知識は、残念ながら多くのケースで日常の業務や経営には直結しません。自分で雛型を作成し、細かな手続きを学んだとしても、それが本業で再利用される場面は少なく、知識が一度限りで終わる可能性も高いです。
本店移転登記を自分でやる際の注意点

会社の所在地を変更する際に必要な「本店移転登記」は、自分で手続きすることも可能です。ただし、自分で本店移転登記を行う場合には、いくつか注意すべき点があります。以下に、本店移転登記を自分で進める際の主な注意点を整理しました。
注意点①:本店移転登記は頻繁に発生する手続きではない
本店移転登記は、会社のオフィスを移す時に限って必要となるため、何度も経験するような手続きではありません。自分で本店移転登記を行ったとしても、その知識を再利用する機会は限られます。そのため、一度きりの作業に多くの時間や労力をかけることになる可能性があります。
注意点②:本店移転登記の手続きには時間と労力がかかる
本店移転登記を自分で行うには、インターネットで情報を収集し、必要書類や手順を自力で調べる必要があります。本店移転登記申請書に加え、株主総会議事録や取締役会議事録など複数の書類を準備する必要があり、それぞれに正しい形式・内容が求められます。社内決議と法務局対応を並行して行うため、慣れていないと手続き全体に2〜3日程度の時間を要することもあります。
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注意点③:法務局に出向く必要が出てくることもある
自分で本店移転登記を進めた場合でも、郵送で全て完結するとは限りません。提出書類に不備があると、法務局から補正通知が届くことがあり、その際は自分で法務局に出向いて訂正対応をする必要が出てきます。補正が発生すると、登記完了までの期間が延びることもあるため、事前にしっかり準備しておくことが重要です。
注意点④:自分で本店移転登記をしても本業には活かしづらい
自分で本店移転登記の手続きを行うことで法務知識が増えるかもしれませんが、その知識が今後の本業に役立つとは限りません。

SoVa税理士ガイド編集部
一度限りの登記申請のために、時間をかけて雛型を整えたり、申請方法を覚えたりすることが、業務全体にどれほどのプラスになるかは慎重に見極める必要があります。
まとめ

本店移転登記を自分でやる方法に関するおすすめ記事
本店移転登記を自分で行うことは、費用削減の面では非常に魅力的です。ただし、書類作成や法務局とのやり取り、事前調査など、一定の手間と時間がかかる点は理解しておく必要があります。

SoVa税理士ガイド編集部
特に初めて自分で本店移転登記を行う場合は、事前にしっかりと流れや必要書類を把握し、スムーズに手続きが進められるよう準備をしておきましょう。
コストを抑えつつ会社運営の理解を深めたい方にとって、自分での本店移転登記は非常に有効な選択肢です。一方で、不安がある場合は専門家への相談も選択肢のひとつ。自社にとって最適な方法を見極めながら、本店移転登記を確実に完了させましょう。
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