決算賞与のメリット・デメリットについて詳細解説!
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公開日:2024年9月
更新日:2024年9月6日
決算賞与は、企業が決算期に合わせて支給する臨時のボーナスであり、企業にとっては重要な戦略的報酬の一つです。この記事では、決算賞与のメリットとデメリットについて詳しく解説します。決算賞与の主なメリットには、税金対策や従業員のモチベーション向上が含まれますが、同時にその支給にはデメリットも存在します。決算賞与を効果的に活用するためには、これらのメリットとデメリットを十分に理解することが重要です。この記事を通じて、決算賞与のメリットを最大化し、デメリットを最小限に抑えるための知識を得てください。
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決算賞与とは
決算賞与とは、企業のその年度の業績に応じて支給される臨時的なボーナスのことです。通常の賞与とは異なり、決算賞与は業績次第で金額が変わるため、企業の経営状況を反映した支給となります。決算賞与を支給するメリットは、従業員のモチベーション向上に繋がることです。さらに、決算賞与は損金に計上できるため、企業にとっては法人税を抑えることができるという大きなメリットもあります。決算賞与のメリットを最大限に活用することで、従業員と企業の双方にとってプラスの影響をもたらします。このように、決算賞与の支給には様々なメリットがあり、企業にとっても有効な手段となります。
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決算賞与と、一般的な賞与の違い
決算賞与と通常賞与の大きな違いは「支給時期」と「支給額」にあります。決算賞与は、会社の決算結果に基づいて支給されるため、支給時期は決算の前後に限定されます。特に、決算賞与をその期の損金(経費)として処理するメリットを享受するためには、すべての従業員に対して決算日までに個別に支給額を通知し、その後1か月以内に実際に支給する必要があります。このメリットは、税務上の節税効果を得られる点にあります。一方、通常賞与は企業の規定に従って支給され、一般的には夏と冬の2回に分けて支給されるのが主流です。
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さらに、決算賞与と通常賞与の支給額にも違いがあります。決算賞与の金額は、決算時の会社の業績に直接影響され、業績が好調な場合には高額な決算賞与を支給することが可能となり、従業員のモチベーション向上のメリットがあります。一方、通常賞与の金額は企業の就業規則や賃金規程に基づき、個人の業務成果や評価、基本給を基準に決定されます。このように、決算賞与には税制上のメリットや業績に応じた支給額の柔軟性があり、従業員に対する報酬制度としてのメリットが大きい点が特徴です。
決算賞与の支給時期は?
「決算賞与のメリットとデメリット」解説部
決算賞与の損金算入などの詳細は国税庁のHPでご確認ください。
決算賞与の支給時期は、決算賞与を損金として計上できるメリットを得るため、決算日(事業年度終了日)から1カ月以内に設定されています。この期間内に支給されることで、決算賞与は法人税を抑えるメリットを企業にもたらします。
決算賞与のメリットとデメリットに関連するポイント!
賞与の損金算入に関するルールは、法人税法第72条に記載されています。
たとえば、決算日が3月末の場合、決算賞与は4月末までに支給しなければならず、これによって決算賞与のメリットである損金算入が可能となります。決算賞与の金額は決算後に業績が確定してから決定されるため、支給時期は必ず決算後となり、企業は決算賞与のメリットを最大限に活かすことができるのです。
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決算賞与の対象者は?
決算賞与の対象者は、基本的に決算日時点で在籍している従業員です。決算賞与の支給対象者の範囲は企業が自由に決定できますが、トラブルを避けるために、決算賞与に関する社内規程でその範囲を明確に定めておくことが一般的です。通常、決算賞与の対象となるのは正社員が多いですが、企業によっては、パートやアルバイトの従業員にも決算賞与を支給することがあります。さらに、就業規則などで決算賞与の対象者が具体的に規定されていない場合、特に業績に大きく貢献した従業員に対してだけ決算賞与を支給するのも許可されています。これにより、企業は決算賞与のメリットを活用して、業績に貢献した人々を特別に評価し、モチベーションを向上させることが可能です。
決算賞与のメリットとデメリットに関連する気をつけておきたい注意点
役員に対して決算賞与を支給した場合、その金額は損金不算入、つまり会社の経費にすることはできないので注意が必要です。
参考:「役員に対しても決算賞与?事前確定届出給与」
決算賞与の金額は一般的な賞与より高い?
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与の概要については、以下の記事もおすすめです。
「決算賞与とは? 転職前に知りたい決算賞与の概要を解説」
決算賞与の金額は、決算賞与が会社の業績に連動して変動するため、具体的にどの程度の決算賞与が支給されるかを予測するのは難しいでしょう。決算賞与は通常、その年度の余剰利益を従業員に分配する形で支給されるため、通常のボーナスよりも少額になるケースが多い決算賞与もあります。特に、決算賞与のメリットとして、業績に大きく貢献した従業員や、長年勤続している従業員に対して、決算賞与が高く分配される可能性がある点が挙げられます。
一方で、決算賞与には注意が必要です。たとえ会社が大きな利益を上げたとしても、設備投資や新規事業への投資にその利益が使われることで余剰利益が減り、結果として決算賞与の金額が減少することがあります。このような状況でも、決算賞与のメリットは存在し、業績に連動しているため、企業の業績向上に対する従業員のモチベーションを高める効果が期待されます。
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決算賞与のメリットとデメリット
決算賞与を支給することはメリットもある半面、デメリットの面もあります。
ここでは、決算賞与のメリットとデメリットに着眼して解説します。
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【決算賞与のメリット①】従業員のモチベーションが上がる
決算賞与の支給には、従業員のモチベーションを高める大きなメリットがあります。決算賞与は会社の業績に基づいて支給される臨時ボーナスで、この決算賞与が従業員に与えるメリットは、業績向上に対する直接的な報酬である点です。自分たちの努力が決算賞与という形で還元されることで、従業員は自分たちの貢献が評価されていると感じることができ、その結果、さらなる努力を促すメリットがあります。
さらに、決算賞与を支給することによって、「利益をきちんと従業員に還元する」という会社の姿勢を示すことができます。この姿勢が「もっと頑張ろう」という意欲を引き出すメリットがあります。決算賞与の支給により、従業員のモチベーションが上がり、目標達成への意欲が増すことで、離職率の低下や生産性の向上といった追加のメリットも期待できます。つまり、決算賞与を実施することによって得られるメリットは、単に金銭的な報酬にとどまらず、会社全体のパフォーマンス向上にもつながるのです。
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与のメリット・デメリットについては、以下の記事も参考にしながら確認しておきましょう。
「通常賞与と決算賞与の違い 〜メリットとデメリットまとめ〜」
【決算賞与のメリット②】節税効果
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与のメリット・デメリットは以下のサイトも確認しておきましょう。
「決算賞与とは? 支給時期、もらえる人、メリット・デメリット」
利益が増えると課税所得も増え、それに伴い法人税が高くなる可能性があります。しかし、決算賞与を利用することで、法人税の節税効果というメリットを得ることができます。決算賞与の支給によって得られるメリットを最大限に活用するためには、以下の要件を満たすことが重要です。
1. 決算賞与の支給額を支給対象となるすべての従業員に対して通知していること。
2. 通知した決算賞与の支給額を、事業年度終了の翌日から1か月以内に実際に支払っていること。
3. 決算賞与の支給額を通知した日の事業年度内に、損金経理を行っていること。
これらの要件を満たすことで、決算賞与の支給額を損金として計上でき、結果的に課税所得を減少させることが可能です。このプロセスによって法人税を効果的に節税するメリットがあります。逆に、要件のいずれかが欠けていると、決算賞与を損金にすることができず、節税効果のメリットを享受できないため、要件を正確に確認し、しっかり対応することが不可欠です。
【決算賞与のデメリット①】手元に残るキャッシュが減少する
前述のように、決算賞与を活用することで得られる節税メリットは大きいです。具体的なメリットを見てみましょう。例えば、税率が35%で利益が1,000万円の企業が300万円の決算賞与を支給する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
決算賞与を支給しない場合、利益1,000万円に対して課せられる法人税は1,000万円 × 35%で350万円となります。一方、決算賞与を支給することで、課税所得が1,000万円から300万円の決算賞与額を引いた700万円となり、700万円 × 35%で税額は245万円になります。この場合、決算賞与を支給することによって、105万円の税金を節約できるというメリットがあります。
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与の節税に関する概要は以下のサイトをご覧ください。
「決算賞与による節税対策|要件とメリット・デメリット」
ただし、決算賞与には、支払いそのもののコストも伴います。300万円の決算賞与を支給するためには、会社はその額を支払わなければなりません。そのため、105万円の節税メリットを受けたとしても、結果的には195万円の追加支出が発生します。
したがって、決算賞与を利用する際は、節税メリットだけでなく、実際に支払うべき決算賞与額とその結果の影響を総合的に判断する必要があります。このように、決算賞与のメリットを最大限に活用するためには、節税効果と支払コストのバランスを慎重に検討することが重要です。
【決算賞与のデメリット②】賞与を支給できなかった場合、従業員のモチベーションが下がってしまう
決算賞与には、多くの「メリット」と「デメリット」が存在します。決算賞与の「メリット」は、主に業績に応じて支給されるため、企業にとっては業績が良い年に大きな「メリット」があります。具体的には、決算賞与を支給することで、従業員のモチベーションを向上させ、会社全体の士気を高めることができます。また、決算賞与は損金として計上できるため、節税の「メリット」も享受できます。しかし、「デメリット」として、業績に応じて決算賞与の支給額が変動するため、前年に支給があった場合でも、今年は支給されないリスクがあります。このため、従業員の期待に応えられず、モチベーションが低下する可能性があります。また、決算賞与の支給がない場合には、会社の評価が下がることもあります。
したがって、決算賞与の「メリット」と「デメリット」を十分に理解し、決算賞与の支給が業績に基づくものであることを従業員に明確に伝えることが重要です。決算賞与の「メリット」を最大限に活用する一方で、潜在的な「デメリット」を避けるための対策を講じることが、企業の長期的な成功につながります。
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与を支給する場合は、決算賞与のデメリットも理解しておく必要があります。
「決算賞与での節税対策は危険?メリット・デメリットを解説」
【決算賞与のデメリット③】社会保険や税金がかかる
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決算賞与は、報酬の一形態として支給されるもので、決算賞与には社会保険料や税金がかかるため、決算賞与の支給額からこれらの控除を差し引いた額が実際の手取り額になります。決算賞与のメリットとしては、業績に応じた報酬が従業員のモチベーション向上に寄与することが挙げられますが、一方でデメリットとして、決算賞与の額面から控除される社会保険料や税金の影響で手取り額が少なくなることがあります。従業員が「決算賞与の手取り額が知りたい」と尋ねた場合には、「決算賞与の額面から所得税と社会保険料を引いた額が手取り額です」と説明するのが適切です。この場合、決算賞与の計算式としては、「決算賞与の額面 − (所得税 + 社会保険料) = 決算賞与の手取り額」と示すことができます。このように、決算賞与のメリットとデメリットを理解し、実際の手取り額の計算方法を把握することが重要です。
決算賞与のデメリットに関連する参考記事:「【税理士監修】決算賞与とは?ボーナスとの違いや社会保険料の計算式」
社会保険料
決算賞与にかかるデメリットの1つである社会保険料についてもう少し深く見てみましょう。
企業が従業員に支給する報酬、例えば給与やボーナス、そして決算賞与には、必ず社会保険料がかかります。社会保険料には「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の3種類が含まれます。特に決算賞与については、企業にとってのメリットとデメリットがあります。
合わせて読みたい「役員報酬の株主総会議事録の作成方法」に関するおすすめ記事
役員報酬の株主総会議事録の作成方法とは?記載例も解説!
決算賞与のメリットの一つは、決算月末日までに支給される場合、その社会保険料の企業負担分を損金に算入できる点です。これにより、決算賞与を支給することで法人税の節税が可能になります。しかし、決算賞与を決算月末日を超えて支給した場合、その社会保険料は損金に算入できないというデメリットがあります。
そのため、決算賞与を利用して節税のメリットを最大限に活かしたい場合は、決算期末までに決算賞与を支給することが重要です。決算賞与の社会保険料に関する注意点を押さえ、メリットを最大限に活用しつつ、デメリットを避けるための適切な対応が求められます。
決算賞与を未払い計上するための3要件
決算賞与は、決算日に未払いであっても損金に算入できるため、大きな節税メリットを享受できます。決算賞与の節税メリットを確保するためには、以下の3つの要件を全て満たすことが必須です。これにより、決算賞与の未払計上が可能になり、法人税の軽減というメリットを実現できます。
【決算賞与を未払い計上するための要件①】
決算日までに決算賞与の支給額を通知していること
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与の金額を決算日までに全ての受給者に通知する必要があります。この通知により、決算賞与の未払計上が可能となり、節税メリットが得られます。具体的には、決算賞与の通知書を作成し、その日付と受取人の氏名を記入します。また、通知書に受取人のサインをもらうことで、決算賞与の未払計上における証拠を確保し、節税メリットを確実にすることができます。
【決算賞与を未払い計上するための要件②】
決算日以降1か月以内に決算賞与を支給すること
決算賞与は、決算日から1か月以内に全ての受給者に支給しなければなりません。このタイミングでの支払いが、決算賞与の未払計上と節税メリットに直接影響します。支払い方法としては、銀行振込が一般的ですが、現金で支給する場合には受給者から領収書をもらうことが重要です。これにより、決算賞与の支給が正式に記録され、節税メリットを最大化できます。
【決算賞与を未払い計上するための要件③】
決算で損金経理を行うこと
決算賞与を損金として計上するためには、決算時に未払賞与として費用計上を行う必要があります。これにより、決算賞与の未払計上が行われ、法人税の節税メリットを享受することができます。適切な経理処理を行うことで、決算賞与の節税メリットを実現し、法人税負担を軽減することが可能です。
決算賞与のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事
決算賞与の税務調査に関する注意点などは以下の記事がおすすめです。
「決算賞与の支払う場合の税務上の留意点」
決算賞与を支給する際には、税務調査で上記の要件が確認されることがあるため、要件を確実に満たすことが重要です。さらに、賃金規程や決算賞与の支給対象者に関する規定についても確認される場合がありますので、特別な賞与の支給対象者がどのように定められているかを事前に確認しておくことをお勧めします。こうした対策により、決算賞与のメリットを最大限に引き出し、未払計上による節税効果を十分に享受することができるでしょう。
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まとめ
決算賞与には多くのメリットとデメリットが存在し、企業の経営戦略において重要な要素です。決算賞与の最大のメリットは、損金算入による法人税の節税効果です。決算賞与を支給することで、法人税の負担を軽減できるため、企業の経済的メリットが大きくなります。また、決算賞与を通じて従業員に業績向上のインセンティブを与えることで、モチベーションの向上や生産性の改善といったさらなるメリットが期待できます。しかし、決算賞与にはデメリットもあり、支給額が業績に依存するため予測が難しいという点があります。さらに、決算賞与を適切に処理するためには、法律で定められた要件を満たす必要があり、これには手間やコストがかかることもデメリットとして挙げられます。加えて、決算賞与の支給が従業員間での公平性を欠く場合、内部の不満や摩擦を引き起こす可能性もあります。企業は、決算賞与のメリットとデメリットをよく理解し、戦略的に利用することで、最適な経営判断を下すことが求められます。
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