税理士に顧問契約を依頼するときの注意点と契約書のポイントを解説
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公開日:2024年4月
更新日:2024年8月15日
目次
税理士との顧問契約について
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SoVa税理士お探しガイド編集部
税理士は、納税申告から税務調査対応に至るまでの税務手続きを納税者の代わりに担う専門家です。
税理士と顧問契約書を交わした上で顧問契約を結ぶと、その税理士が「顧問税理士」として活動し、税務関連の文書の作成や税務全般に関する相談を行ってもらうことが可能になります。
契約書で締結した顧問契約の内容に応じて、月に一度の面談を通じて節税策や資金管理、業務効率化についての相談やアドバイスを依頼することが一般的です。
税理士との顧問契約時の注意点
しかし、顧問契約書を結ぶ際には、依頼する業務の範囲や顧問料金についての理解が一致していないと、後に不満やトラブルの元になる可能性がありますので、十分な注意が必要です。
おすすめ記事:税理士と顧問契約を結ぶときの注意点とは
顧問契約の基本
顧問契約とは、弁護士や税理士、会計士などの有資格専門家と、特定の業務に関して合意し契約書などの書面で契約を交わすことを指します。
おすすめ記事:税理士との顧問契約で必ず確認しておくべき5つの注意点
この契約は通常、「業務契約書」と称される文書を用いて、担当する業務の範囲、契約の期間、および報酬の詳細を契約書に明記し、両者が同意の上で文書に署名し、契約書に捺印を行って正式に契約が成立します。
この契約書をしっかりと締結しておかないと、後でトラブルになる可能性もあります。付き合いや紹介によって信頼できそうな税理士と顧問契約を締結する場合であっても契約書をしっかりと締結するようにしておきましょう。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
顧問契約書に関するポイントについては後述します。
おすすめ記事:税理士の顧問契約書の重要性とは?作成のポイントも解説
顧問税理士に依頼可能な業務
契約書によって顧問税理士と契約を締結した後に
税理士は、記帳業務や決算作業だけでなく、資金繰りや事業承継に関する相談も提供します。
記帳
記帳とは、領収書の提出から帳簿記入までの作業を依頼することです。例えば、クラウド会計ソフトを活用すれば、ネットバンキングやクレジットカードのデータと同期し、自動で明細を読み込んで仕訳し、会計ソフトにデータを入力します。導入初期には、税理士からの設定や入力方法の指導を受けることができ、仕訳はクラウドを通じて定期的に税理士にチェックしてもらうことで、効率を上げると同時に月額の顧問料も抑えられます。
経理
効率的な経理システムの構築と税理士の適時なチェックは、会社運営において非常に重要です。どのシステムを導入し、いつ税理士に確認を求めるかは、専門家と相談しながら決める必要があります。
給与計算業務
一部の事務所では、給与計算を含む人事労務業務も提供しています。給与計算は、締め日から支給日までの期間に完了させる必要があります。
経営相談
経理は、事業の財務状態を把握し、経営指標を作成する活動です。税理士は、これらの情報を基に、資金繰りや経営戦略のアドバイスを提供することが可能です。中小企業の多様な経営課題に対応するために、「中小企業経営力強化支援法」が施行され、税理士が主体の「経営革新等支援機関」制度も創設されました。
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事業承継
事業承継は、会社を継続する上で避けて通れない課題です。国も様々な支援を行っていますが、多くの経営者が事業承継を軽視しています。税理士は事業承継計画の策定や準備に関するアドバイスを提供することができます。
資金繰り
資金繰りは、企業の存続に直接影響する重要な要素です。売上を上げるだけでなく、資金の適切な管理も必要です。税理士は、資金調達の方法や銀行融資の手続きに関するアドバイスを提供し、効率的な資金管理をサポートします。
節税対策
税理士は、税制の知識を活用して、節税対策を提案します。特別償却や税額控除、修繕費を活用することで、税負担を軽減することが可能です。
決算・申告
決算は、会社の業績を確定させる作業であり、申告はそれを基にした税金の計算と報告です。クラウド会計ソフトを用いれば決算書の作成が容易になりますが、最終的な確認は税理士によるものが推奨されます。
補助金・助成金
補助金や助成金の申請には、財務数値や事業計画が必要です。一部の税理士事務所では、申請書の作成から手続きのサポートまで提供しています。
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顧問税理士の変更時の留意点
「顧問料が高すぎる」「提供されるサービスに満足していない」などの理由から、税理士の変更を考えるケースがあります。契約の解除は口に出しにくいものですが、トラブルを避け、円滑に進めるためには慎重に行う必要があります。
では、税理士を変更する際に気を付けるべき点は何でしょうか。
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書類・データの引き継ぎ
税理士には請求書や領収書、総勘定元帳といった重要な書類が渡されています。これらは契約終了時に必ず返してもらう必要があります。特に注意が必要なのが、e-Taxのパスワードです。このパスワードを顧問税理士しか知らない場合、新しいパスワードを設定すると、過去のメールボックスへのアクセスが失われることがあります。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
新たに顧問を決めた場合、どの書類をどのように返してもらうべきか、データの引継ぎはどうすればスムーズかといった点についてアドバイスを受けることができます。
参考記事:税理士の顧問契約書の重要性とは?作成のポイントも解説。
契約書の条項の確認
税理士を変更する際には、契約書の契約期間や条項の確認が不可欠です。自動更新するという条項が含まれている場合があり、「契約期間終了の1ヶ月前までに通知がない場合自動で更新される」とされていることもあるため、これに基づいて適切な時期に解約の意志を伝える必要があります。
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顧問契約の締結に際しての注意事項
顧問契約時の注意点①:提供される業務内容の確認
まずは、自社の状況や顧問料について話し合い、どの種類の業務を依頼するかを確認することが重要です。
税理士には、領収書を渡して日常の記帳業務を一括で依頼することも可能ですし、決算作業のみを依頼することもできます。クラウド会計ソフトを利用すれば、日々の記帳業務はほぼ自動化されるため、自社で会計を行いながら税理士からは月次でのアドバイスを受け、将来的には年に一度の決算業務のみを依頼する方法も検討できます。
さらに、経理業務に加えて、金融機関対応や資金繰りのアドバイスの提供を依頼するのも良いでしょう。
重要なのは、経営の発展を支える高付加価値の経理システムを築いていくことです。税理士との相談を通じて、「記帳は自社で行い、仕訳のチェックや月次決算の文書作成は外部に依頼する」など、具体的な業務内容を決定しましょう。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
これらの点を税理士と事前に共有しておくことで、後々のトラブルを避けることができます。
おすすめ記事:月次顧問契約って何をしてくれるの?
顧問契約時の注意点②:顧問契約の報酬相場の把握
顧問契約を結ぶ前には、依頼する業務に対する報酬の相場を理解しておくことが重要です。税理士法の改正により、税理士の報酬規程が廃止され、報酬設定が各税理士に委ねられるようになったため、「どの程度の業務であればどれくらいの報酬が相場か」が判断しにくくなっています。
日本税理士連合会の実態調査報告書や税理士事務所のウェブサイトを参考にすると、個人および法人の月額顧問料は「3万円以下」が一般的なケースとして多いようです。決算報酬に関しても、個人で10万円以下、法人で20万円以下のケースが多いとされています。
報酬が適切かどうかを評価する際には、支払い額と提供されるサービス内容を照らし合わせて考えることが必要です。例えば、税理士が具体的な作業をほとんどせずに高額な顧問料を要求している場合は、その報酬を高いと感じるかもしれませんが、逆に提供されるサービスが充実していれば、相場よりも低いと感じる可能性もあります。
顧問契約書の締結に関するポイント!
報酬が高いか安いかを判断する際には、金額だけでなく実際の業務内容も確認することが大切です。
おすすめ記事:税理士の顧問料の相場とは?費用を抑える方法と払いすぎていないかのポイントについても解説
顧問契約時の注意点③:契約書の条項の確認
契約書を締結する際には、委託する業務の範囲、契約の期間、報酬の設定について詳細をしっかりと確認しましょう。
契約書で確認すべきポイント①:委任業務の範囲
委任される業務の範囲はケースにより異なり、例えば月次での面談を実施する場合や、決算作業のみを依頼する場合などがあります。
どのような業務を依頼できるのかを契約書にサインする前に書くにするようにしましょう。
契約書で確認すべきポイント②:契約期間
契約書において契約期間には自動更新の条項が含まれていることがあり、「契約期間終了の1カ月前までに双方からの意思表示がなければ、自動的に更新される」といった形で契約書に記載されることが一般的です。
契約書で確認すべきポイント③:報酬の額
報酬の額については、以前の税理士報酬の算定基準を参考にすることや、類似の業務を提供している他の事務所の報酬を参考にして、適切な相場感を持つことが重要です。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
契約書を締結する際にこれらの項目を確実に把握し、納得のいく契約を目指しましょう。
おすすめ記事:税理士の顧問契約とは?メリットや任せられる業務、相場を紹介
顧問契約時の注意点④:顧問料の改定に関する確認
顧問料は、会社の規模に応じて変動することがあります。事業の規模が拡大し、業務量が増えた場合、顧問料が増額されるのは自然な流れです。しかし、いつどのような状況で報酬が増額されるのかをあらかじめ契約書上で明確にしておくことが重要です。
ここがポイント!
これにより、予期せぬ費用増加を避け、事業計画においてもより確実な予算管理が可能となります。顧問契約を結ぶ際は、報酬の値上げ条件を事前に詳細に確認し、双方にとって公平な契約内容で合意することが望ましいです。
おすすめ記事:顧問税理士が必要なわけは?
顧問契約時の注意点⑤:追加料金が必要な業務の明確化
税務調査が行われた際の追加報酬についても、契約時に確認しておくことが重要です。最近では、税務調査に関する対応をあらかじめ顧問料に含むと契約書に明記している事務所もありますが、税務調査の発生が判明してからでは、その話を持ち出すのは難しいものです。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
事前に契約書でこれらの条件を確認し、契約書上明記しておくと安心です。
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税理士と結ぶ顧問契約って何?契約内容から注意点まで!
まとめ
この記事では、税理士との顧問契約における注意点や契約書上で確認すべきことを説明しています。顧問契約は税務申告から税務調査対応までをカバーし、契約内容には業務範囲、契約期間、報酬などが含まれます。契約書の記載を明確にし、報酬の相場を理解し、顧問料の条件変更や追加料金についても事前に合意することが重要です。これにより、後のトラブルを防ぎます。
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