合同会社の役員報酬ゼロは副業でも問題なし?社会保険との関係をわかりやすく解説
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公開日:2025年6月
更新日:2025年6月6日
副業で合同会社を設立する人が増えるなか、「役員報酬をゼロにしても本当に問題ないのか?」「社会保険への加入はどうなるのか?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、副業として立ち上げた合同会社であっても、役員報酬ゼロという設定は制度上可能です。しかも、役員報酬ゼロにすることで、会社に資金を残したり、社会保険料の負担を回避できるなど、一定のメリットもあります。
ただし、合同会社の役員報酬がゼロである場合、原則として社会保険には加入できないというデメリットもあります。副業で合同会社を設立した方にとって、社会保険への未加入は将来の年金や健康保険制度に影響するため、慎重な判断が必要です。
この記事では、副業で合同会社を設立した際の役員報酬の考え方を中心に、役員報酬をゼロにした場合の社会保険との関係、メリット・デメリット、税務上の注意点などをわかりやすく解説します。

「副業で合同会社の役員報酬ゼロで社会保険加入は可能?」編集部
合同会社の役員報酬をゼロにして副業をスタートしようと考えている方、社会保険の取り扱いに不安がある方は、ぜひ本記事を最後までお読みください。

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目次
副業でも合同会社の役員報酬をゼロにできる?
副業として合同会社を設立した場合でも、役員報酬をゼロ(役員報酬なし)に設定できるのか気になる方は非常に多いのではないでしょうか。結論から言えば、副業で設立した合同会社であっても、役員報酬をゼロにすることは可能です。これは、副業であれ本業であれ、合同会社の設立直後によく選ばれる合理的な対応のひとつです。
そもそも、合同会社の役員(業務執行社員)は、労働基準法上の労働者には該当しないため、会社が役員に対して役員報酬を支給しなければならない義務はありません。そのため、副業として合同会社を運営する場合でも、役員報酬ゼロのまま事業を開始しても問題はなく、合法的に運営可能です。
副業で設立した合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関するおすすめ記事

合同会社を設立後に副業として役員報酬ゼロにする場合、以下の記事も参考になるでしょう。
「【副業で法人設立】役員報酬ゼロだと社会保険はどうなる?」
特に、副業として合同会社を立ち上げた場合には、すでに本業での安定した収入があることから、あえて役員報酬はゼロに設定し、合同会社にキャッシュを残す判断は非常に合理的です。副業での合同会社の初期フェーズでは、役員報酬ゼロにすることで社会保険や税務上の負担も軽減できる可能性があるため、多くの副業起業家にとって現実的な選択肢となっています。
副業で合同会社の役員報酬をゼロにするメリット

副業として合同会社を設立した社長が最初に検討すべき事項のひとつが、「副業での役員報酬をゼロに設定するかどうか」です。実は、合同会社の社長が副業で役員報酬をゼロにすることは可能であり、副業として合同会社を運営する場合には非常に有効な戦略となります。
ここでは、合同会社の役員報酬をゼロにすることで得られるメリットについて、副業という立場や社会保険への影響も含めて詳しく解説していきます。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関する記事:「【税理士が解説】役員報酬0円の社会保険の影響と注意点」
副業で合同会社の役員報酬をゼロにするメリット①
会社の利益が残りやすくなる

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副業での合同会社の役員報酬をゼロにすることによって、合同会社の資金繰りが安定しやすくなります。役員報酬は合同会社の経費として支出されるため、役員報酬をゼロに設定すれば、その分資金が流出せずに合同会社内にとどまります。

合わせて読みたい「合同会社の役員報酬の決め方」に関するおすすめ記事

合同会社の役員報酬の決め方とは?決め方の注意点や、役員報酬の相場についても解説!
特に副業で合同会社を設立した場合は、事業がまだ安定していない段階で無理に役員報酬を設定すると、合同会社のキャッシュフローが圧迫されるリスクがあります。赤字の状態でも毎月役員報酬を払い続ける必要があるため、あえて副業の役員報酬はゼロで黒字を維持し、合同会社の財務状況を健全に保つという判断はとても重要です。
さらに、役員報酬や支払う税金・社会保険料がないため、合同会社の財務状況がより良好であることは、将来的な融資審査でもプラス評価につながります。
副業で合同会社を設立した場合の役員報酬ゼロと社会保険に関するポイント!

副業として合同会社を立ち上げ、役員報酬をゼロにすることで、資金調達力を高めるという戦略は中長期的に見てもメリットのある選択です。
副業で合同会社の役員報酬をゼロにするメリット②
税金や社会保険料の抑制が可能
副業で合同会社を経営している場合、本業での給与収入があることが多いため、あえて合同会社からの役員報酬はゼロにする方が得策です。役員報酬をゼロにして受け取らなければ、社長個人の所得が増えないため、所得税・住民税の課税も発生しません。
加えて、社会保険料は合同会社の役員報酬の金額に基づいて算出されるため、役員報酬をゼロにすることでそもそも社会保険に加入することができません。

「副業で合同会社の役員報酬ゼロで社会保険加入は可能?」編集部
つまり、社会保険に加入しても役員報酬がゼロであるため、役員報酬に社会保険料率をかけても社会保険料がゼロになってしまうのです。
本業の会社で社会保険に加入している場合は、副業の合同会社であえて役員報酬ゼロとすることで、重複した社会保険負担を避けられる可能性もあるのです。

「副業で合同会社の役員報酬ゼロで社会保険加入は可能?」編集部
副業で合同会社を設立し、役員報酬をゼロにした場合の社会保険に関する事項は後程詳しく解説します。
副業で合同会社の役員報酬をゼロにするデメリット
副業として合同会社を設立し、役員報酬をゼロに設定することは可能ですが、実は役員報酬をゼロにすることには一定のデメリットも存在します。合同会社の設立初期には資金温存の観点から役員報酬ゼロが合理的に見える場合もありますが、社会保険の問題や信用面、節税効果の損失など、慎重に判断すべき点も多くあります。
ここでは、副業で合同会社を運営しながら役員報酬をゼロにする場合の代表的なデメリットについて詳しく解説します。

副業で合同会社の役員報酬をゼロにするデメリット①
社会保険に加入できない
副業で合同会社を設立し、役員報酬をゼロに設定すると、社会保険への加入資格を失う恐れがあります。社会保険(健康保険・厚生年金)は、法人から役員報酬を受けている役員に適用される制度です。そのため、役員報酬がゼロ=労務の対価が存在しないと見なされ、合同会社での社会保険の加入対象から外れることになります。
副業で合同会社を運営している場合、本業で社会保険に加入している方も多いでしょう。しかし、副業の合同会社でも労務提供があると判断される場合には、たとえ役員報酬がゼロでも、社会保険への加入義務が生じる可能性があるため注意が必要です。
副業で設立した合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関するおすすめ記事

合同会社を設立後に副業として役員報酬ゼロにする場合、以下の記事も参考になるでしょう。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関する参考記事:「合同会社を収入なしで設立できる?役員報酬ゼロ時の社会保険についても解説」
一方、役員報酬を受け取っていない限り、副業合同会社の社長は国民健康保険・国民年金への加入を求められる場合もあり、保険料の全額を自己負担することになります。社会保険は会社が半額を負担する制度であるため、個人事業主と同様の国民健康保険・国民年金は、結果的に負担が大きくなることもあります。
このように、副業で合同会社を運営しながら、役員報酬をゼロにすることで社会保険の適用外となることは、大きなデメリットとなり得ます。
副業で合同会社の役員報酬をゼロにするデメリット②
節税にならない可能性もある

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副業合同会社で役員報酬をゼロにすることで節税を狙うケースもありますが、必ずしも期待通りの効果が出るとは限りません。役員報酬をゼロにすれば、合同会社の利益が増え、その分法人税の対象となる課税所得が増加します。
副業とはいえ、合同会社の所得が増えれば法人税や法人住民税、事業税の負担が重くなる可能性があります。この場合、個人で得る収入に課税される所得税・住民税よりも、法人の納税額の方が高くなることもあります。
また、副業合同会社の場合、法人の納税資金も結局は社長個人が負担することになるため、法人税の増加は実質的に社長個人の負担と同じです。節税どころか、役員報酬ゼロの設定によってトータルの税負担が増えるリスクもあるのです。
副業で合同会社の役員報酬をゼロにするデメリット③
金融機関や取引先からの信用に影響が出ることも
副業で合同会社を設立し、役員報酬をゼロにしていると、金融機関や取引先からの信用に影響を与える可能性があります。たとえば、融資を申し込む際に提出する決算書に「役員報酬ゼロ」と記載されていると、「この社長はどうやって生活しているのか?」と疑念を抱かれることがあります。

もちろん、副業収入があることを説明できれば問題にならない場合もありますが、副業収入を明示的に証明できなければ、信用を損ねるリスクは十分にあります。実際に、副業で設立した合同会社で融資額が減額されたり、審査で不利になるケースも報告されています。
また、取引先にとっても、副業であるかに関わらず合同会社の信用力は重要な判断材料の一つです。
副業で合同会社を設立した場合の役員報酬ゼロと社会保険に関する注意点

役員報酬がゼロまたは極端に低いと、経営の実態が不透明と見なされることがあり、信頼を得にくくなることもあります。
副業として立ち上げた合同会社であっても、一定の信頼性を担保するために、役員報酬の設定は慎重に行うべきです。
副業で設立した合同会社の役員報酬がゼロだと、社会保険には加入できない?
副業として合同会社を設立し、役員報酬をゼロに設定した場合、社会保険制度との関係で注意すべき重要なポイントがあります。特に副業経営者にとっては、役員報酬ゼロが社会保険の加入可否に直結するため、正確な知識が必要です。
ここでは、副業で合同会社設立後に役員報酬をゼロにした場合の社会保険について詳しく解説していきます。

合わせて読みたい「合同会社 一人社長 給料」に関するおすすめ記事

合同会社の一人社長が給料(役員報酬)を決める際の決め方と注意点
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険の関係①
副業の合同会社で役員報酬ゼロの場合は社会保険に加入できる?
副業で設立した合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関するおすすめ記事

合同会社を設立後に副業として役員報酬ゼロにする場合、以下の記事も参考になるでしょう。
「合同会社設立後も社会保険の加入は義務!手続きや保険料、副業の場合を解説」
社会保険料は、役員報酬や給与をもとに標準報酬月額を算出し、それに応じて等級ごとに設定されます。しかし、副業で運営する合同会社において役員報酬がゼロであれば、社会保険料の計算基礎そのものが存在せず(社会保険料を負担するための役員報酬がない)、社会保険に加入する資格を失うことになります。
また、役員報酬がゼロではなくても、役員報酬が非常に低額で第1等級にも満たない水準の場合、社会保険料の徴収ができないため、結果として社会保険に加入できないケースもあるのです。これは、副業合同会社で「最低限の役員報酬を設計したい」という場合にも注意すべき点です。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険の関係②
社会保険に加入していた役員が役員報酬ゼロになった場合の手続き

副業で合同会社を設立し、当初は役員報酬を受けて社会保険に加入していた場合でも、途中から役員報酬をゼロに変更すると、原則として社会保険の喪失手続きが必要となります。つまり、役員報酬をゼロにすると、社会保険の資格を自動的に失うことになる可能性が高いのです。

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ただし、日本年金機構の見解では、役員報酬が著しく低下した場合であっても、労務の実態や会社運営の内容に応じて社会保険資格を維持できる場合もあるとされています。
副業で合同会社を設立した場合の役員報酬ゼロと社会保険に関するポイント!

特に副業として合同会社を運営している場合は、本業との兼ね合いも考慮しつつ、社会保険の扱いを慎重に判断することが重要です。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険の関係③
税務と社会保険の観点からも、役員報酬ゼロは慎重に検討すべき
副業で合同会社を設立した社長が、コストを抑える目的で役員報酬をゼロに設定するケースはよく見られます。しかし、社会保険の非加入リスクや税務上の不整合を考慮すると、単純に合同会社の役員報酬をゼロにすればよいというわけではありません。
副業で合同会社を設立した場合の役員報酬ゼロと社会保険に関する注意点

特に社会保険に加入しないことで将来の年金受給や医療保障に影響が出る点は、副業であっても大きな問題です。さらに、役員報酬ゼロによって法人の利益が大きくなりすぎ、結果的に法人税が増えるリスクも考慮しなければなりません。
そのため、副業合同会社における役員報酬の金額設定は、社会保険制度や税務面と連動して判断する必要があります。社会保険の適用を維持したいのであれば、最低限の報酬を支給しつつ、標準報酬月額の等級内に収める設計も検討すべきです。

「副業で合同会社の役員報酬ゼロで社会保険加入は可能?」編集部
副業で合同会社を設立した場合、役員報酬をゼロにできるのか、その際の社会保険はどうなるのかに関して、以下の記事も是非ご覧ください。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関する記事:「役員報酬なしの社会保険の加入義務は?合同会社の一人社長向けにも解説」
合同会社で社会保険に加入できない場合、副業経営者はどう対応すべきか
副業合同会社で役員報酬をゼロにして社会保険に加入できなくなった場合は、社会保険のかわりに個人として国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。これは、副業であっても本業とは別に法人を持つ以上、社会保険制度外となった場合の基本的な対応です。
注意すべきは、国民健康保険には社会保険のような扶養制度がない点です。たとえば、副業合同会社を運営している社長に扶養家族がいる場合でも、国保では家族1人ひとりに保険料が発生するため、社会保険に加入している場合よりも負担が大きくなる可能性があります。
また、以前の勤務先で加入していた社会保険を任意継続として継続加入する制度(協会けんぽ)も、短期間の対応策として有効です。
副業で設立した合同会社で役員報酬をゼロにする際は、社会保険を失うことでどのような影響が出るかを事前に把握し、代替手段を準備しておく必要があります。
合同会社で副業の役員報酬を設定する際のポイント
副業として合同会社を設立した際に悩むポイントのひとつが「役員報酬をいくらに設定すべきか」という点です。特に、役員報酬をゼロに設定できるのか、ゼロにするとどのような影響があるのかは、副業経営者にとって重要な判断材料となります。

「副業で合同会社の役員報酬ゼロで社会保険加入は可能?」編集部
副業で合同会社を設立した場合、役員報酬をゼロにできるのか、その際の社会保険はどうなるのかに関して、以下の記事も是非ご覧ください。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関する記事:「解説!一人法人の社会保険加入|「役員報酬ゼロ」の加入義務は?「副業で法人設立」は本業先にばれる?」
役員報酬は一度決めると簡単には変更できないため、副業とはいえ、経営を圧迫しない現実的な金額を慎重に決める必要があります。ここでは、副業で立ち上げた合同会社における役員報酬の金額設定の考え方や、役員報酬をゼロにする場合の注意点、社会保険との関係について解説します。

合同会社で副業の役員報酬を設定する際のポイント①
同業・同規模の合同会社を参考にする
副業として合同会社を設立した場合の役員報酬は、同業種・同規模の合同会社の相場を参考にすることが基本です。役員報酬は事業計画やキャッシュフローに直結するため、適切な金額設定が求められます。
特に注意すべきなのは、「役員報酬が低すぎること」よりも「高すぎること」の方が問題になるケースが多いという点です。副業の合同会社で売上が安定していないうちに、相場よりも高額な役員報酬を設定してしまうと、社会保険料の負担も増加し、経営を圧迫する要因となります。
副業で合同会社を設立した場合の役員報酬ゼロと社会保険に関するポイント!

合同会社での副業の役員報酬が高すぎると、損金算入できたとしても合同会社の利益が過度に圧縮され、法人税の節税効果が薄れる可能性もあるため、トータルでは損になることもあります。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関する参考記事:「《会社設立》役員報酬ゼロなら社会保険の加入義務はない?」
一方、副業の合同会社では、役員報酬をゼロに設定する選択肢もあります。役員報酬ゼロであれば、会社にキャッシュを残せるうえ、無理なく事業を運営できるという利点がありますが、社会保険への加入要件を満たさない点には注意が必要です。
つまり、副業合同会社の役員報酬は、ゼロかどうかにかかわらず、「同業種・同規模の相場感」と「会社の体力」の両面を見ながら、無理のない範囲で決定することが重要です。
合同会社で副業の役員報酬を設定する際のポイント②
副業の年間収支を踏まえたゼロ設定の検討

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副業で合同会社を運営している場合、本業からの収入があるため、役員報酬をゼロにしても生活に支障がないケースが多くあります。このような背景から、副業合同会社では初年度に限って役員報酬をゼロに設定するという選択肢がよく取られています。
しかし、ゼロ設定が可能だからといって、副業で得た収益をすべて会社に残すことが最適とは限りません。会社の利益を増やすことで法人税が増加する場合もあるため、役員報酬ゼロが常に節税になるとは限らない点にも注意が必要です。
合同会社で副業の役員報酬を設定する際のポイント③
社会保険とゼロ報酬の関係を理解する
副業合同会社で役員報酬をゼロにすると、社会保険に加入できなくなる可能性がある点にも注意が必要です。社会保険は、役員報酬を受けていることが加入条件となるため、役員報酬がゼロでは「労務の対価」が存在せず、健康保険や厚生年金の適用対象外となります。
この場合、副業であっても国民健康保険と国民年金に切り替える必要があります。社会保険は会社と個人で保険料を折半するため、役員報酬ゼロにより社会保険から外れると、個人負担が一気に増える可能性もあるのです。
副業で合同会社を運営していても、社会保険の扶養制度を活用したい場合や、将来的な年金受給を考えるなら、役員報酬をゼロではなく最低限設定するという選択肢も視野に入れるべきです。
副業で設立した合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関するおすすめ記事

合同会社を設立後に副業として役員報酬ゼロにする場合、以下の記事も参考になるでしょう。
「合同会社設立後の社会保険加入は義務?条件や手続き方法を解説!」
合同会社で副業の役員報酬を設定する際のポイント④
節税と役員報酬ゼロの両立は副業だからこそ慎重に

副業として設立した合同会社で、役員報酬をゼロにすれば税負担が軽くなると考えがちですが、実際には法人税・所得税・社会保険料のトータルバランスを見極める必要があります。
たとえば、役員報酬をゼロにした結果、会社の利益が大きくなり法人税が高額になるといったケースも少なくありません。逆に、副業の本業収入との合算課税を避ける目的で役員報酬をゼロにするという戦略もあります。
つまり、副業としての合同会社では、役員報酬ゼロ=最適解ではない可能性があるのです。社会保険の非加入リスクや税負担、将来のライフプランまで見据えて、副業の役員報酬をゼロにするかどうかを慎重に検討する必要があります。
合同会社の役員報酬ゼロと社会保険に関する記事:「会社員が副業法人を設立して法人代表者として報酬を受けると社会保険はどうなるか」
【参考】役員報酬の額面と手取り額一覧表
副業で合同会社を設立し、役員報酬をいくらに設定するべきか悩んでいる方は多いでしょう。
特に、役員報酬をゼロにするか、それとも最低限支給して社会保険に加入するかは、副業経営における重要な判断ポイントです。
ここでは、合同会社における役員報酬の額面と、社会保険料・税金を差し引いた手取り額のイメージをわかりやすくまとめました。
副業での役員報酬設計や、役員報酬ゼロのメリット・デメリットを検討する際の参考資料として、ぜひご活用ください。
役員報酬(月額) | 役員報酬(年額) | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り(月額) | 手取り年額 |
---|---|---|---|---|---|---|
10万円 | 120万円 | 18万円 | ー | 1万円 | 8万円 | 102万円 |
20万円 | 240万円 | 36万円 | 4万円 | 9万円 | 16万円 | 192万円 |
30万円 | 360万円 | 54万円 | 7万円 | 15万円 | 24万円 | 284万円 |
40万円 | 480万円 | 73万円 | 12万円 | 23万円 | 31万円 | 371万円 |
50万円 | 600万円 | 89万円 | 21万円 | 31万円 | 38万円 | 459万円 |
100万円 | 1,200万円 | 139万円 | 127万円 | 83万円 | 71万円 | 851万円 |
150万円 | 1,800万円 | 167万円 | 311万円 | 140万円 | 98万円 | 1,181万円 |

「副業で合同会社の役員報酬ゼロは可能?」編集部
副業で合同会社を設立した場合、役員報酬をゼロにできるのか、その際の社会保険はどうなるのかに関して、以下の記事も是非ご覧ください。
「役員報酬は0円も可能?0円のメリットやデメリットを解説」
合同会社の役員報酬・社会保険に関してよくある質問|Q&A
Q1:役員と従業員では社会保険の加入条件に違いがありますか?
A.役員と従業員では、社会保険の加入条件に大きな違いがあります。
従業員は雇用契約に基づき、常勤・非常勤を問わず労務提供の実態があれば社会保険に加入します。これに対し、合同会社の役員は、副業や非常勤であったり、役員報酬がゼロである場合、社会保険の加入対象外となることがあります。
とくに、役員報酬がゼロに設定されている合同会社では、社会保険料の算定ができないため、社会保険への加入は不可となります。
Q2:合同会社の役員でも家族を社会保険の扶養に入れられますか?
A.合同会社の役員であっても、社会保険に加入していれば、家族を扶養に入れることは可能です。
ただし、扶養に入れるには、家族の年間収入が130万円未満であり、役員報酬の1/2未満であることが条件になります。副業として合同会社を設立し、役員報酬をゼロにしている場合は、社会保険に未加入の可能性があるため、扶養申請の前に社会保険加入状況を確認する必要があります。
Q3:2024年10月の社会保険適用拡大は、副業で合同会社を運営する役員にも影響しますか?
A.直接的な対象は短時間労働者ですが、副業として複数の合同会社の役員を兼任している場合、社会保険の適用に影響があります。
例えば、これまで社会保険の適用外だった合同会社が、新制度で適用対象となり、役員報酬がゼロでない場合は、新たに社会保険加入の手続きが必要になることがあります。その際は、「二以上事業所勤務届」の提出が求められ、副業合同会社の役員報酬と本業の報酬を合算して社会保険料が決定されます。
参考:厚生労働省「社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について」
Q4:副業として合同会社を設立した場合、役員報酬をゼロにすれば社会保険の負担は回避できますか?
A.副業として設立した合同会社で、役員報酬をゼロにすれば、原則として社会保険への加入義務は発生しません。
役員報酬ゼロという設定は、合同会社の設立初期において資金を会社内に留保したい副業経営者にとって有効な手段です。

「副業で合同会社の役員報酬ゼロは可能?」編集部
副業で合同会社を設立した場合、役員報酬をゼロにできるのか、その際の社会保険はどうなるのかに関して、以下の記事も是非ご覧ください。
「副業すると社会保険料はどうなる?副業時の社会保険の注意点を解説」
ただし、社会保険に加入しないことで将来的な年金や健康保険の保障がなくなり、国民健康保険や国民年金への加入が必要になるため、副業の収入状況や本業とのバランスを考慮しながら、役員報酬ゼロが適切かどうかを慎重に判断することが大切です。
まとめ|副業での合同会社の役員報酬ゼロと社会保険の関係性

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副業として合同会社を設立した場合でも、役員報酬をゼロに設定することは制度上問題ありません。実際、多くの副業合同会社では、初期の資金負担を抑える目的で役員報酬ゼロが選ばれています。合同会社の役員報酬は自由に設定できるため、副業を前提とした事業運営にも柔軟に対応できます。
ただし、副業で役員報酬をゼロにすると、社会保険への加入条件を満たさないことになります。社会保険は、会社から役員報酬を受け取っていることが加入の前提となるため、役員報酬ゼロでは社会保険に加入できず、代わりに国民健康保険・国民年金への加入が必要になります。これは、副業合同会社であっても例外ではありません。
さらに、副業であっても合同会社の役員報酬がゼロだと、社会保険の扶養条件に影響したり、将来的な年金額にも関係するため慎重な判断が求められます。税金・社会保険料・経営の安定性を総合的に考慮しながら、合同会社の役員報酬をゼロにすべきかどうかを検討することが重要です。
つまり、副業で合同会社を設立した際の役員報酬ゼロの判断には、社会保険との関係性、税務上の影響、そして将来の資金計画まで含めた包括的な視点が必要です。
合同会社の役員報酬をゼロにすることで得られるメリットと、社会保険に加入できないことによるデメリットの両方を理解した上で、自分にとって最適な設定を見極めましょう。

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役員報酬をゼロに設定することは可能?メリット・デメリットについて解説!
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