マイクロ法人でも厚生年金に加入する義務はある?加入するメリットとデメリットを解説!

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公開日:2025年3月

更新日:2025年3月29日

マイクロ法人とは、フリーランスなどの個人事業主が税金対策や厚生年金の加入を目的に設立・経営する法人のことです。マイクロ法人では、役員報酬を適切に設定することで厚生年金に加入でき、国民年金よりも手厚い年金制度を活用できる可能性があります。通常、マイクロ法人は個人事業主が単独で運営し、従業員や他の株主がほとんど存在しない「個人事業主のための法人」として機能します。

マイクロ法人でも厚生年金に加入できるかに関するおすすめ記事:フリーランス・個人事業主は知っておきたい新たな選択肢「マイクロ法人」とは?

近年、フリーランスを中心にマイクロ法人の設立が増えており、厚生年金を利用した社会保険料の最適化が注目されています。しかし、マイクロ法人と厚生年金の関係にはメリットだけでなくデメリットもあるため、その実態をしっかり理解することが重要です。

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マイクロ法人の設立で社会保険料の最安化ができる?具体的な方法とデメリットも解説!

本記事では、マイクロ法人を活用して社会保険料を最安に抑える方法について解説します。マイクロ法人を設立することで、どのように社会保険料を軽減できるのか、また役員報酬の設定によって社会保険料を最安レベルに抑える方法についても詳しく説明します。

マイクロ法人とは 

マイクロ法人とは、従業員を雇わず、代表者自身が1人で事業活動を行いながら、税金対策や厚生年金の加入を考慮して設立される法人のことを指します。特に個人事業主やフリーランスが、社会保険料の負担を最適化し、厚生年金を活用するためにマイクロ法人を設立するケースが増えています。

マイクロ法人と一般的な法人との違い

項目 マイクロ法人 一般的な法人
外部株主や従業員の有無 なし(代表者1人) あり
登記の有無 あり あり
設立の目的 節税や厚生年金の加入を目的とすることが多い 事業経営・拡大や社会貢献

マイクロ法人でも厚生年金に加入できるかに関するおすすめ記事

マイクロ法人には、外部の株主や複数の従業員が存在せず、代表者1人がすべてを管理します。一般的な法人は株主を募り、役員や従業員を抱えて事業を拡大するのに対し、マイクロ法人は厚生年金の活用や税負担の軽減を目的に運営されることが多いのが特徴です。

マイクロ法人でも厚生年金に加入できるかに関するおすすめ記事:個人の法人の二刀流で大幅節税!?マイクロ法人ってなに!?

会社法では、非公開会社の役員や株主の人数に決まりはないため、法律上はマイクロ法人も一般的な法人と同じ扱いになります。ただし、マイクロ法人を設立するには会社法に則った手続きが必要で、法人登記を行う必要があります。

マイクロ法人と個人事業主との違い

マイクロ法人と個人事業主の大きな違いは、法人化の有無ですが、それにより厚生年金への加入可否や税務上のメリットに差が出ます。

マイクロ法人を設立すると、一定の役員報酬を設定することで厚生年金に加入することが可能となり、老後の年金額を増やせるメリットがあります。個人事業主の場合、国民年金のみの加入となるため、将来的な年金受給額が低くなる可能性があります。このため、厚生年金を活用したいと考えるフリーランスの間で、マイクロ法人の設立が注目されています。

また、個人事業主は税務署に開業届を提出するだけで事業を始められるのに対し、マイクロ法人は定款を作成し、法務局で法人登記を行う必要があります。そのため、マイクロ法人の設立には一定の手間とコストがかかりますが、厚生年金の恩恵や節税メリットを考慮すると、長期的には有利になるケースもあります。

ここがポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

個人事業主のままでいるか、マイクロ法人を設立するかは、厚生年金の活用や税制面のメリットを総合的に考え、中長期的な視点で判断することが重要です!

厚生年金とは?国民年金との違い

公的年金制度には、国民年金制度と厚生年金制度があり、どちらの年金制度に加入するかは、個人の働き方やマイクロ法人の活用有無によって決まります。特に、マイクロ法人を設立することで厚生年金への加入が可能となり、個人事業主やフリーランスにとって重要な選択肢となっています。ここでは、国民年金と厚生年金の特徴や違いについて説明します。

国民年金とは

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する基本的な年金制度です。これは「基礎年金」とも呼ばれ、「2階建て」と言われる年金制度の1階部分にあたります。

SoVa税理士ガイド編集部

個人事業主やフリーランスは原則として国民年金のみの加入となるため、将来の年金受給額が比較的低くなる傾向があります。

そのため、マイクロ法人を設立し、厚生年金に加入することで、老後の年金額を増やす方法が注目されています。

厚生年金とは

厚生年金は、会社員や公務員が加入できる年金制度で、給与に応じた保険料を支払い、将来の受給額が国民年金よりも高くなる仕組みです。

また、一定の条件を満たしたアルバイトやパートタイマーも厚生年金に加入することができます。マイクロ法人の代表者も、自らに役員報酬を設定することで厚生年金に加入でき、国民年金のみの場合に比べて手厚い年金制度を利用することが可能になります。

厚生年金は、「2階建て」の年金制度の2階部分にあたるため、国民年金のみの場合よりも将来の受給額が増え、障害年金や遺族年金の給付も手厚くなるメリットがあります。

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厚生年金と国民年金の違いとは

厚生年金と国民年金の違いについて、マイクロ法人の活用も視野に入れながら、以下の表で確認してみましょう。

項目 厚生年金 国民年金
対象者 会社員、公務員、マイクロ法人の代表(役員報酬を受ける場合) 個人事業主、学生、無職の人(第1号被保険者、第3号被保険者)
保険料 収入に応じて変動 一律
保険料負担 会社と折半(マイクロ法人の場合は会社負担分も自己負担) 全額自己負担
最低被保険者期間 1か月 10年
支給開始年齢 65歳(生年月日によっては60歳) 65歳
将来の受給額 収入と加入期間に応じて変動(マイクロ法人を活用すれば増額可能) 加入期間に応じて一律
障害年金 障害等級1~3級の場合に支給(3級未満でも支給される場合あり) 障害等級1~2級の場合に支給
遺族年金 生計を維持されていた配偶者、子供、父母、孫、祖父母に支給 生計を維持されていた要件を満たした子供に支給

マイクロ法人の社長でも社会保険への加入義務はある?

そもそも社会保険とは、厚生年金・健康保険・介護保険・労災保険・雇用保険など、公的保険の総称です。特に「健康保険+厚生年金」のみを指す場合もあり、狭義にはこの2つを指すことがあります。

企業は設立後、健康保険法第3条・厚生年金保険法第9条などの法律により、以下の社会保険への加入が義務付けられています。

  • 健康保険
  • 厚生年金

SoVa税理士お探しガイド編集部

マイクロ法人を設立した場合でも、役員(代表者)が一定以上の報酬(給与)を設定すると、厚生年金と健康保険の加入が必須になります。

従業員を雇用していない一人社長のマイクロ法人でも、法人化と同時に厚生年金への加入義務が発生するため、国民年金のみの個人事業主とは異なり、老後の年金受給額を増やすことが可能です。

一方で、労災保険や雇用保険については、従業員をひとりでも雇用している場合に加入が義務付けられるため、マイクロ法人の運営方針によって加入すべき社会保険が異なります。

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マイクロ法人の設立で社会保険料が削減できる仕組み

個人事業主がマイクロ法人を設立し、自ら役員報酬を受け取ることで厚生年金に加入することが可能になります。この際、役員報酬を低く設定することで、厚生年金や健康保険の社会保険料負担を抑えることができる点が大きなメリットです。

例えば、年収500万円の個人事業主がマイクロ法人を設立し、役員報酬を月額20万円に設定した場合、厚生年金や健康保険の保険料負担が大幅に軽減されます。一方で、国民健康保険や国民年金に加入したままの場合、所得に応じた高額な保険料を支払う必要があります。

ここがポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

特に、厚生年金は国民年金に比べて将来の受給額が高くなるため、マイクロ法人を活用して厚生年金に加入することで、老後の年金額を増やす効果も期待できます!

このため、所得が高くなるにつれ、国民健康保険や国民年金の負担が大きくなる個人事業主にとって、マイクロ法人を設立し厚生年金に加入する方法は、節税と将来の年金対策の両方を兼ね備えた魅力的な選択肢となります。

マイクロ法人を設立して厚生年金に加入するメリット

SoVa税理士ガイド編集部

このマイクロ法人を活用した厚生年金加入スキームには、いくつかの大きなメリットがあります。

厚生年金に加入するメリット①:厚生年金と健康保険の保険料削減

マイクロ法人を設立し、役員報酬額を調整することで、厚生年金や健康保険の負担を大幅に軽減できます。特に、年収が高い個人事業主にとって、国民健康保険や国民年金よりも厚生年金に加入するほうが保険料負担を抑えやすいケースが多く、この手法は有効な選択肢となります。

厚生年金に加入するメリット②:信用力の向上

マイクロ法人として法人化することで、個人事業主に比べて社会的信用度が向上します。これにより、取引先からの信頼を得やすくなり、金融機関からの融資の審査も通りやすくなることが期待できます。また、法人名義で契約ができるため、事業用のクレジットカードや銀行口座の開設もしやすくなる点もメリットです。

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厚生年金に加入するメリット③:税制面で有利

マイクロ法人として法人化することで、法人税の適用を受けることが可能です。法人税率は個人事業主の所得税率よりも低くなる場合が多く、利益の分配方法を工夫することで節税効果を高めることができます。さらに、厚生年金に加入することで将来の年金受給額が増加するため、老後の備えとしても有利です。

マイクロ法人でも厚生年金に加入できるかに関するおすすめ記事:マイクロ法人設立とは?作り方・年収はいくらから?個人事業主の場合は確定申告をどうする?

このように、マイクロ法人を設立し、厚生年金に加入することで、社会保険料の最適化、信用力の向上、税制メリットを同時に享受できる可能性があります。

マイクロ法人を設立して厚生年金に加入するデメリット

しかし、マイクロ法人を活用した厚生年金加入スキームには、いくつかの大きな落とし穴やリスクも存在します。適切に運用しなければ、厚生年金や社会保険料の負担増加につながる可能性があるため注意が必要です。

厚生年金に加入するデメリット①:厚生年金・社会保険料の増加リスク

厚生年金は国民年金よりも手厚い制度ですが、その分、保険料の負担も大きくなります。役員報酬を高く設定しすぎると、厚生年金や健康保険の支払額が想定以上に膨らんでしまう可能性があります。逆に、役員報酬を極端に低く設定すると、税務署から「不自然な所得分配」とみなされ、税務調査の対象となるリスクもあります。

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厚生年金に加入するデメリット②:マイクロ法人の設立・維持コスト

マイクロ法人を設立するには、法人登記費用や専門家への相談料が発生します。また、法人維持には会計処理や税務申告のための費用、法人住民税の均等割(赤字でも発生)などのコストがかかります。これらの費用を考慮せずに「厚生年金の保険料削減」だけを目的にマイクロ法人を設立すると、かえってコストが増えるリスクがあります。

厚生年金に加入するデメリット③:税務上のリスク

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マイクロ法人は売上なしでも大丈夫?メリットやデメリットについても解説!

本記事では、売上なしの状態でマイクロ法人を運営する際の重要なポイントを解説し、法人を維持するためのコストやリスク、さらには売上がなくても活用できるメリットについて詳しく紹介します。

 

マイクロ法人と個人事業を併用する場合、事業の切り分けが曖昧だと税務署から問題視される可能性があります。特に、法人と個人事業の間で不自然な利益分配や取引が行われていると、税務調査の対象になるリスクが高まります。また、役員報酬の設定が適正でないと、法人税や所得税の面でも問題が生じるため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に対応する必要があります。

厚生年金に加入するデメリット④:将来的な影響(厚生年金の受給額)

厚生年金に加入することで将来の年金受給額は増えますが、役員報酬を極端に低く設定すると、厚生年金の受給額が少なくなる可能性があります。短期的には社会保険料の負担を抑えられるものの、長期的には老後の年金額が大きく減るリスクがあるため、将来の年金受給額を考慮した上で役員報酬を決定することが重要です。

SoVa税理士ガイド編集部

このように、マイクロ法人を活用した厚生年金の加入スキームは、適切に運用すれば大きなメリットがあるものの、設計を誤ると税務・社会保険料・法人維持費用の面でデメリットが発生する可能性があります。リスクを十分に理解した上で、適切な報酬設定や法人運営を行うことが重要です。

まとめ

マイクロ法人を活用した厚生年金・社会保険料の削減スキームは、特に国民健康保険や国民年金の負担が重い個人事業主にとって、大幅なコスト削減が期待できる手法です。厚生年金に加入することで、老後の年金受給額が増えるメリットもあるため、社会保険料の最適化と将来の年金対策を両立できる可能性があります

しかし、役員報酬の設定による厚生年金の影響、法人維持コスト、税務リスク、将来的な年金受給額の減少など、慎重に検討すべきポイントも多く存在します。

気をつけておきたい注意点

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        _依頼_おすすめの注意点

特に、マイクロ法人の役員報酬を極端に低く設定すると、将来的な厚生年金の受給額が減少するリスクもあるため、長期的な視点での計画が不可欠です。

このスキームを成功させるためには、厚生年金や社会保険の制度を正しく理解し、税務や法人運営のリスクを考慮した上で、適切な設計を行うことが重要です。そのためには、社会保険や税務に詳しい専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが推奨されます。

マイクロ法人でも厚生年金に加入できるかに関するおすすめ記事

マイクロ法人を活用した厚生年金加入戦略は、短期的な社会保険料削減だけでなく、長期的な年金受給額や法人経営の安定性を考慮して総合的に判断することが重要です。事業規模や個人の状況に応じて最適な方法を選択し、リスクを十分に認識しながら活用することで、マイクロ法人のメリットを最大限に引き出すことが可能となります。

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