税務調査が10年以上来ない法人と個人事業主の特徴とは？業種や税務調査が入る確率も紹介！

「税務調査が10年以上来ない法人や、税務調査が10年以上来ない個人事業主は、本当にそのまま安心してよいのでしょうか？」

たしかに、実際に税務調査が10年以上来ないケースは少なくありません。中には「もう税務調査なんて一生来ないかもしれない」と考えている法人や個人事業主もいるでしょう。しかし、税務調査が10年以上来ないという事実は、決して免除を意味するものではありません。むしろ「10年以上来ていないからこそ、そろそろ対象になるのでは？」という不安の声も増えてきています。

本記事では、税務調査が10年以上来ない法人や税務調査が10年以上来ない個人事業主に共通する傾向や特徴を分析しながら、「どんな業種が狙われやすいのか？」「実際に税務調査が入る確率はどれくらいなのか？」といった気になる情報を詳しくご紹介します。

法人や個人事業主に対する税務調査とは？

税務調査とは、法人や個人を対象に、申告された内容に誤りや不正がないかを確認するために、税務署や国税局が行う公式な調査です。特に法人は取引金額や規模が大きくなる傾向があるため、税務調査の対象になる可能性が高いといえます。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「国税調査（税務調査）はいつ来る？時期や10年以上来ない法人の特徴」

日本では、所得税や法人税などは「申告納税制度」により、納税者が自ら計算・申告し、納税する形をとっています。中でも法人は会計処理や経理の内容が複雑になるため、誤りや認識違いが発生しやすく、税務調査によって内容の正確性が確認されるのです。

法人や個人事業主が対象となる税務調査の種類

法人や個人事業主に行われる税務調査は、大きく分けて「任意調査」と「強制調査（犯則調査）」の2種類があります。

任意調査：多くの法人が経験する一般的な税務調査

任意調査は、法人に対して税務署が事前連絡をしたうえで行う税務調査です。帳簿書類や請求書、領収書など、法人の経理書類をもとに申告内容との整合性がチェックされます。税務調査日程は通常事前に調整され、1日〜2日程度かけて行われます。

強制調査：悪質な脱税が疑われる法人が対象

一方、強制調査（犯則調査）は、国税局査察部が裁判所の令状を取得し、令状に基づいて行う極めて厳しい税務調査です。これは、巨額な脱税や架空経費の計上など、明らかな不正行為が疑われる法人に対して行われ、税務調査に応じる義務は絶対です。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「【税理士監修】税務調査が入る確率は？10～20年は来ないって本当？売上1,000万円弱の申告は注意！」

税務調査が来る時期は？10年以上来ない法人・個人事業主も油断禁物

「税務調査が10年以上来ないから安心だ」と考えている法人や個人事業主は少なくありません。実際に、税務調査が10年以上来ないケースは珍しくなく、多くの法人が「うちは問題ない」と思い込んでいます。しかし、税務調査が10年以上来ない法人だからといって、この先も税務調査対象にならないとは限りません。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「税務調査が入る確率を紹介！10年以上来ない個人事業主がいるって本当？」

税務調査には決まった時期があるわけではありませんが、一般的には法人の決算期に合わせて実施される傾向があります。たとえば、2月〜5月決算の法人には7月〜12月に、6月〜1月決算の法人には翌年の1月〜6月に税務調査が入りやすいとされています。中でも3月決算の法人が多いため、7月〜12月は税務調査のピーク時期と言えるでしょう。

税務調査が10年以上来ないのは本当に安全なのか？

「税務調査が10年以上来ない」という事実があっても、それはたまたま税務調査対象として選ばれてこなかったに過ぎません。法人の中には、設立以来税務調査が10年以上来ないまま経過しているところもありますし、個人事業主でも税務調査が10年以上来ないケースは多く存在します。

ただし、それが「今後も来ない」とは限りません。特に、売上や利益が急激に増減したり、不自然な経費計上があったりすると、10年以上来ない税務調査が突然実施される可能性があります。また、消費税の還付を受けた法人は、その正当性を確認するために税務調査が行われることもあります。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「税務調査が来ない会社の特徴と税理士の役割」

税務調査が来る頻度と10年以上来ない法人・個人事業主の注意点

一般的に税務調査は3〜10年に1回程度の頻度で実施されると言われており、税務調査が10年以上来ない法人も少なくありません。特に、規模が小さかったり、設立から間もない法人や個人事業主では、長期間税務調査が行われないことがあります。

しかし、「税務調査が10年以上来ない」という状況が、逆にリスクの先送りになっている場合もあります。

10年以上税務調査が来ない法人・個人事業主こそ、今こそ備えるべき

「税務調査が10年以上来ない法人」や「税務調査が10年以上来ない個人事業主」こそ、定期的な帳簿の見直しや専門家による申告チェックを受けることが重要です。長期間放置されていたからといって、税務署が永遠に見逃してくれるわけではありません。

税務調査は突然やってきます。10年以上来ない税務調査だからといって、将来的にも来ないと考えるのは危険です。法人も個人事業主も、常に「今来ても大丈夫」な状態をキープしておきましょう。

税務調査が10年以上来ない法人には共通点がある？個人事業主にも通じる傾向とは

税務調査は、一般的に法人を対象として3～10年に一度の頻度で行われるとされています。しかし、実際には税務調査が10年以上来ない法人も少なくありません。また、税務調査が10年以上来ない個人事業主も多く存在しており、「うちは税務調査が来たことがない」「10年以上税務署から何も言われていない」という声もよく聞かれます。

ここでは、税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に見られる特徴を紹介しながら、「なぜ自分のところには来ないのか？」を見直すきっかけにしていただければと思います。

税務調査が10年以上来ない法人と個人事業主の特徴①
売上高が低めで安定している法人・個人事業主

まず最もよく見られる特徴は、売上規模がそれほど大きくない法人や個人事業主です。

とくに創業初期の法人や、個人規模で堅実に事業を続けている個人事業主は、税務署のリソース配分の中で後回しにされがちです。その結果、10年以上税務調査が来ない法人として扱われることになります。

税務調査が10年以上来ない法人と個人事業主の特徴②
過去の税務調査で問題がなかった法人は10年以上来ないことも

一度税務調査を受けた経験がある場合でも、その際に申告内容が正確で、重大な指摘事項がなかった法人であれば、次回の税務調査が大幅に先送りされることがあります。こうした法人は、税務署から「信頼できる申告を行っている」と評価されるため、税務調査が10年以上来ない可能性が高くなります。

税務調査が10年以上来ない法人と個人事業主の特徴③
業種や規模に対して適正な納税をしている法人

法人の業種や規模ごとに、税務署はある程度の利益率や納税額の「目安」を把握しています。仮に、飲食業であれば原価率、IT業であれば人件費率など、業種ごとに経費構造が異なるため、それらと比べて申告内容が自然であれば、税務署も違和感を感じにくく、税務調査が10年以上来ない法人となる傾向があります。

この傾向は、一定規模の個人事業主にも共通しています。例えば、白色申告よりも青色申告で帳簿付けがしっかりしており、適切に経費計上がされている場合は、税務署側でも「問題の少ない事業者」として判断され、税務調査が10年以上来ない個人事業主となる可能性が高まります。

税務調査が10年以上来ない法人と個人事業主の特徴④
現金取引が少ない法人・個人事業主は調査対象になりにくい

取引のほとんどが銀行振込やクレジット決済で処理されている場合、売上のごまかしや申告漏れが起きにくいため、税務署としてもチェックの必要性が低いと判断します。そのため、現金取引の割合が少ない法人や個人事業主は、結果として税務調査が10年以上来ない事例になりやすいのです。

税務調査が10年以上来ない個人事業主と法人に関する参考記事：「税務調査が10年以上来たことがない!? 税務調査が入りやすい法人・個人の特徴」

逆に現金商売が中心の業態（飲食、建設、理美容など）は、申告の信ぴょう性が問われやすいため、10年以上来ない税務調査が突然やってくるリスクもある点に注意が必要です。

「税務調査が10年以上来ない」というのは、事業者としては一見ありがたい状況に思えるかもしれません。しかしそれが慢心につながると、いざ税務調査が入ったときに思わぬ指摘を受けることにもなりかねません。

税務署は、必ず「何らかのきっかけ」があれば税務調査に動きます。いつでも税務調査を受けられる状態を保つことで、安心して事業を続けられる環境を整えましょう。

税務調査が入りやすい個人事業主・法人の特徴とは？

税務調査は、一般のイメージほど頻繁に実施されるものではありません。実際に、法人や個人事業主で「税務調査が10年以上来ない」という方も多く、経営者の間では「もう一生来ないのでは」といった楽観的な声が上がることも少なくありません。

しかし、税務調査が10年以上来ない法人や税務調査が10年以上来ない個人事業主であっても、それが「今後も税務調査が来ない」という保証には一切なりません。税務署は申告データをもとに優先順位をつけ、リスクの高い事業者から税務調査を行っているにすぎず、状況が変われば突然、10年以上来ない税務調査が実施されることもあります。

税務調査が入りやすい個人事業主に見られる8つの特徴

「税務調査が10年以上来ない個人事業主」というと、しっかりと申告していて信頼性が高い人…というイメージを持つかもしれません。実際、税務調査が10年以上来ない個人事業主は多数存在しており、中には「もう一生来ないのでは？」と感じている人もいるでしょう。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「税務調査が10年以上来ない個人事業主もいるって本当？特徴はある？」

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴①
無申告・申告義務を怠っている個人事業主

税務調査が10年以上来ない個人事業主の中には、そもそも一度も申告をしていないというケースもあります。しかし無申告は、税務署が最も警戒する行為の一つです。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴②
申告漏れが多い業種に該当する個人事業主

国税庁の税務調査結果では、キャバクラ・風俗業・建設業・ITフリーランス・不動産仲介業・バーなどは、申告漏れのリスクが高い業種とされています。たとえ税務調査が10年以上来ない個人事業主であっても、このような業種に属している場合は注意が必要です。業界全体の傾向から、ある日突然税務調査が入る可能性があります。

出展：国税庁「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴③
成長分野や新興ビジネスを手がけている個人事業主

アフィリエイト、民泊、NFT、仮想通貨、YouTube運営など、近年注目を集めている分野で活躍している個人事業主は、国税庁が「新しい収益モデルとして把握すべき」と認識しているため、税務調査の対象にされやすい傾向があります。税務調査が10年以上来ない個人事業主でも、ビジネスモデルの特異性によって優先的に税務調査されることがあります。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴④
売上が1,000万円ギリギリで止まっている個人事業主

年間売上が1,000万円を超えると、消費税の課税事業者となり納税義務が発生します。そのため「売上999万円」という申告が毎年続いていると、「意図的に調整しているのでは？」と疑われやすくなります。税務調査が10年以上来ない個人事業主であっても、このような数値の“癖”が見られると税務調査の対象になることが十分に考えられます。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴⑤
経費の内容や金額に不自然さがある個人事業主

経費の計上が極端に多かったり、逆にほとんど経費がないような申告内容だと、税務調査の対象になりやすくなります。特に車両費、通信費、接待交際費などの私的流用が疑われやすい科目について、過剰な計上があると要注意です。税務調査が10年以上来ない個人事業主でも、経費の傾向によっては一気にリスクが高まることがあります。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴⑥
現金取引が多く、売上が見えづらい業種の個人事業主

現金でのやり取りが日常的な飲食店、建設業、美容室、小売業などの業種では、帳簿に残らない売上や脱税リスクが高いと判断されやすくなります。税務調査が10年以上来ない個人事業主でも、現金商売を続けている限り、同業他社との比較によって不自然な点が見つかれば、税務調査対象になる可能性は十分あります。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴⑦
開業から3年以上経過し、売上が増加している個人事業主

開業から3年以上が経過し、売上が右肩上がりに伸びている個人事業主も、消費税の納税義務が生じたり、経理体制が追いつかなくなるケースがあるため、税務署から注視されがちです。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい個人事業主の特徴⑧
顧問税理士がいない個人事業主

税理士を通さずに自己申告をしている場合、税務署から見て「申告内容の正確性に不安がある」と判断されることがあります。たとえ税務調査が10年以上来ない個人事業主だったとしても、帳簿が簡易であったり、書類が不十分だったりすると、一気に税務調査対象となるリスクが高まります。

税務調査が10年以上来ない法人でも油断はできない！調査対象になる法人の特徴

「うちは税務調査が10年以上来ない法人だから、今後も大丈夫だろう」――このように考えている経営者の方も少なくありません。しかし、実際には税務調査が10年以上来ない法人であっても、突如として税務調査の対象に選ばれることは十分にあり得ます。税務署は限られた人員と予算の中で、税務調査対象を戦略的に選定しています。だからこそ、「10年以上来ない法人だから安心」という考え方は非常に危険です。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい法人の特徴①
規模が大きく納税額も高い法人

企業規模が大きくなると、当然ながら納税額も大きくなります。納税額が高額な法人は、もし申告ミスや不正が発覚した場合、税収への影響が大きくなるため、税務署としても優先的に確認する必要性が高まります。

たとえ過去に一度も税務調査が入ったことがなく、税務調査が10年以上来ない法人だったとしても、事業拡大や取引の多角化により、リスクの高い事業者と判断されることがあります。特に、売上規模や利益水準が数年前とは比較にならないほど大きくなっている法人は、税務調査が10年以上来ない実績に甘んじることなく、帳簿の透明性と整合性を改めて確認すべきです。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい法人の特徴②
不正の多い業種に該当する法人

過去の税務調査データに基づき、不正申告や申告漏れが多く見られた業種には、税務署の目が厳しく向けられます。たとえば、飲食業、風俗業、建設業、廃棄物処理業、解体業などは、業界全体として現金取引や人件費の取り扱いに不透明さが残る傾向があるとされており、重点的に税務調査が行われています。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「起業前に知っておきたい！税務調査が10年以上来ない法人の特徴」

たとえ税務調査が10年以上来ない法人だったとしても、その業種自体が「高リスク」と見なされれば、税務調査の対象となる日も遠くはありません。

業界全体の動向や過去の統計が、税務調査対象選定に影響を及ぼすことを理解しておきましょう。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい法人の特徴③
売上・利益の急変が見られる法人

前年と比較して、売上や利益が急激に増加または減少している法人は、税務署のチェック対象になりやすくなります。これは、急成長によって経理体制が追いついていない可能性や、過去の申告内容との不一致が疑われるためです。

「税務調査が10年以上来ない法人だから、業績が多少動いても大丈夫」と考えるのは危険です。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「税務調査が10年以上来ない会社と来る会社の違い｜確率や頻度も解説」

特に、黒字転換したばかりの法人や、事業再構築によって急激に利益が伸びた法人は、税務調査が10年以上来ないという事実だけに頼らず、税務調査が入る可能性を想定しておくべきです。

10年以上来なくても税務調査の対象になりやすい法人の特徴④
過去に指摘を受けた法人

過去に税務調査を受けたことがある法人で、その際に何らかの指摘事項があった場合、税務署は「その後の改善状況を確認する」目的で、数年後に再び税務調査を行うケースがあります。

仮にその後、税務調査が10年以上来ない法人であっても、申告内容の傾向や経理処理に再び違和感があると判断された場合は、優先的に対象とされることがあります。特に、以前の税務調査で「是正勧告」や「修正申告」が発生していた法人は、そのまま放置せず、税務署が再確認する可能性があるという前提で対応を考えておくべきです。

税務調査が入る確率は？10年以上来ない法人・個人事業主でも決して安心できない理由

「税務調査が10年以上来ない法人」や「税務調査が10年以上来ない個人事業主」は意外と多く存在します。実際、10年以上にわたって一度も税務署からの連絡がないという事業者も多く、「自分には関係ない」と感じている方もいるでしょう。

税務調査が10年以上来ない個人事業主と法人に関する参考記事：「税務調査が10年以上来ない企業、個人事業主とは？業種も関係ある？」

しかし、税務調査が10年以上来ないというのは“税務調査対象として選ばれなかっただけ”であり、「今後も来ない」という保証ではありません。税務調査が10年以上来ない法人でも、申告内容や売上の推移、業種の特性によっては、ある日突然、税務調査対象になるリスクを抱えています。

ここでは、税務調査がどれくらいの確率で行われているのか、そして税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主が陥りがちな“油断”について詳しく解説します。

税務調査が10年以上来ない個人事業主でも調査の確率はゼロではない

まず、個人事業主に対する税務調査の実施率は、国税庁のデータによると約0.5％。つまり、個人事業主200人のうち1人が1年のうちに税務調査を受けている計算です。単純に割り算をすれば、税務調査が入るのは200年に1度という確率になります。

この数字だけを見ると、「税務調査が10年以上来ない個人事業主であっても、特に気にする必要はない」と思うかもしれません。しかし、実際には税務署は無作為に税務調査対象を選んでいるわけではなく、リスクの高い個人事業主を優先的に選定しています。

税務調査が10年以上来ない法人でも、実際の確率は1.3％以上

次に、法人に対する税務調査の実施率についてです。最新の国税庁データによれば、法人は毎年約1.3％が税務調査を受けているとされています。これは、法人75社のうち1社が税務調査を受ける割合であり、個人事業主よりも調査の確率が高いということになります。

この数字を見ると、「税務調査が10年以上来ない法人はかなり幸運な存在」とも言えます。つまり、税務調査が来ていないからといって“問題がない”のではなく、“たまたま選ばれていなかった”という可能性が高いのです。

• 売上や利益が急増・急減している法人
• 前回の税務調査から10年以上経過している法人
• 過去に指摘を受けた経験のある法人
• 不正申告が多い業種（飲食・建設・風俗など）に属する法人
• 消費税還付を多く受けている法人

このような状況に該当する法人は、例え「税務調査が10年以上来ない法人」であっても、税務署からマークされていてもおかしくありません。

確かに、「税務調査が10年以上来ない法人」「税務調査が10年以上来ない個人事業主」というのは表面上は安心材料に見えます。しかし、それは“税務調査を受けていない”だけであり、“問題がない”わけではありません。

むしろ、税務調査が10年以上来ないという事実こそ、「そろそろ来るかもしれない」と警戒するタイミングだと言えるでしょう。

10年以上来ない法人・個人事業主こそ税務調査の対策を！

「税務調査が10年以上来ない法人」や「税務調査が10年以上来ない個人事業主」という話は決して珍しくありません。実際、多くの法人・個人事業主が「自分のところには税務調査が来たことがない」と感じており、税務調査が10年以上来ないことを“安全”と誤解しているケースもあります。

しかし、税務調査が10年以上来ないことが「税務調査が必要ない」という意味ではありません。むしろ、税務調査が10年以上来ない法人や税務調査が10年以上来ない個人事業主ほど、内部体制が緩み、帳簿や証拠書類の不備が見過ごされがちになります。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「起業前に知っておきたい！税務調査が10年以上来ない法人の特徴」

以下では、「税務調査が10年以上来ない」事業者が注意すべきポイント、そしていざという時に慌てないための税務調査対策について、徹底的に解説します。

■ 証拠書類の保存が税務調査の備えの基本

税務調査が10年以上来ない法人や税務調査が10年以上来ない個人事業主にとって最もありがちな問題が、「証拠書類の保存が不十分」という点です。

正しく処理していたとしても、請求書や領収書、契約書が保管されていなければ、それを証明する手段がありません。税務調査が10年以上来ないからといって、過去の資料を処分してしまっていた場合、税務調査官は否認せざるを得ないのです。

■ 原始資料への書き込みはNG！フセンで対応

税務調査が10年以上来ない法人では、税務調査そのものに慣れておらず、請求書や領収書にメモを残す癖があるケースがあります。しかし、これは大きな落とし穴となります。

税務調査が10年以上来ない個人事業主にも同様のリスクがあります。ちょっとしたメモのつもりが、税務調査官の目に止まり、疑問を呼ぶきっかけとなるのです。

■ 税務調査当日は「何も隠さない準備」が鍵

税務調査が10年以上来ない法人ほど、「何を用意すればいいのかわからない」という事態に陥りがちです。

事前に整理すべき書類の例

• 定款、議事録（法人）
• 契約書一式
• 現金出納帳、売上台帳、仕入帳
• 請求書、領収書
• 預金通帳

■ 顧問税理士との事前打ち合わせが鉄則

税務調査が10年以上来ない法人や税務調査が10年以上来ない個人事業主にこそ、顧問税理士の存在が欠かせません。税務調査当日の立ち会いだけでなく、事前に書類を見直し、過去の処理に問題がないかをチェックすることで、大きな指摘を未然に防げます。

■ 税務調査官にはフラットに対応すること

税務調査が10年以上来ない法人や税務調査が10年以上来ない個人事業主が税務調査官と対面した際、過剰に卑屈になったり、逆に高圧的な態度を取るケースがあります。

税務調査が10年以上来ない法人や個人事業主に関する参考記事：「税務調査が10年以上来ない個人事業主の理由とは？」

どちらもNGです。税務調査は冷静な対話の場です。「対等な立場」として適切なコミュニケーションを取ることで、税務調査の進行がスムーズになります。

税務調査の流れ

税務調査が10年以上来ない法人や、税務調査が10年以上来ない個人事業主の中には、「もう税務調査なんて一生来ないのでは？」と油断してしまう方もいるかもしれません。しかし、実際には税務調査が10年以上来ないこと＝安心安全というわけではありません。むしろ、「税務調査が10年以上来ない」という状況は、ある日突然終わることがあります。

法人・個人事業主の税務調査の流れ1
税務署からの事前通知〜「税務調査が10年以上来ない」と思っていた矢先に

税務調査は、任意調査の場合、通常は税務署からの事前通知（電話や書面）によって始まります。「税務調査なんて10年以上来ない」と感じていた法人にも、ある日突然「◯月◯日に税務調査を行います」と通知が届くことがあります。税務調査が10年以上来ない状態が続くと、備えが不十分になっているケースも多く、事前通知の段階で慌ててしまう法人・個人事業主も少なくありません。

法人・個人事業主の税務調査の流れ2
税務調査の日程調整〜10年以上来ない油断が調整ミスを招くことも

税務調査が10年以上来ない個人事業主と法人に関する参考記事：「税務調査の件数や確率は？調査が入るリスクを減らす方法も紹介」

税務調査の通知を受け取った後は、日程を調整します。税務調査が10年以上来ない法人では、「平日に事務所に誰もいない」「資料がバラバラ」など、税務調査対応の準備が整っていないケースも見られます。税務調査が10年以上来ない個人事業主も、プライベートな予定と重なって慌てることがあります。日程調整の段階でも、税務調査が10年以上来ないことによる油断が影響するのです。

法人・個人事業主の税務調査の流れ3
必要書類の準備〜税務調査が10年以上来ないからといって、整理を怠るのは危険

総勘定元帳、仕訳帳、契約書、請求書、預金通帳のコピーなど、税務調査に必要な書類は多岐にわたります。税務調査が10年以上来ない法人は、過去の資料が倉庫に眠っていたり、誰が管理していたか分からないケースもあります。税務調査が10年以上来ない個人事業主も、自己流の記帳で不備が発見されるリスクが高まります。「税務調査が10年以上来ないから今さら大丈夫」と思っていても、いざとなれば過去10年以上分の資料を遡って確認されることもあるのです。

法人・個人事業主の税務調査の流れ4
税務調査当日〜「税務調査が10年以上来ない」人ほど経験不足でミスが出やすい

税務調査当日は、法人なら代表者、個人事業主なら本人が税務調査官の対応にあたります。税務調査が10年以上来ない法人では、税務調査対応をしたことのないスタッフしかおらず、受け答えや説明に不安が残ることがあります。税務調査が10年以上来ない個人事業主も、緊張や知識不足から、意図せぬ発言をしてしまうリスクがあります。税務調査が10年以上来ないという状態は、決して免除されているわけではないと自覚しましょう。

法人・個人事業主の税務調査の流れ5
指摘事項への対応〜10年以上来ない間に溜まった“ほころび”が見つかることも

税務署からの指摘事項に対しては、請求書や領収書などの証拠を元に説明します。税務調査が10年以上来ない法人では、「過去に顧問税理士がいなかった時期の処理が不明瞭」「役員報酬の取り決めが議事録と異なる」など、昔の処理が原因でトラブルになることも。税務調査が10年以上来ない個人事業主も、「現金取引が多いのに帳簿が不自然」「経費計上に一貫性がない」といった問題を指摘されやすくなります。

法人・個人事業主の税務調査の流れ6
税務調査の結果を待つ〜10年以上来ない人でも是認とは限らない

調査から数週間〜1か月後、税務調査の結果が通知されます。税務調査が10年以上来ない法人・個人事業主だからといって、申告が完璧で是認となるとは限りません。中には、「修正申告」や「更生」を求められるケースもあります。税務調査が10年以上来ない場合でも、その分だけ税務署側も「慎重かつ広範囲に確認」する傾向があり、より丁寧な対応が求められます。

税務調査が10年以上来ない個人事業主と法人に関する参考記事：「税務調査、何年「来ていない」？税理士が教える「税務調査に選ばれやすい会社」の特徴3選」

法人・個人事業主の税務調査の流れ7
修正申告と追徴課税〜10年以上税務調査が来ないからこそ、金額が大きくなることも

税務調査が10年以上来ない法人では、過去数年分の誤りが一度に発覚し、修正申告や追徴課税の金額が大きくなることもあります。税務調査が10年以上来ない個人事業主にとっても、延滞税や加算税の負担が予想以上に重くなることがあります。

税務調査に関するよくある質問（Q&A）

税務調査は過去何年分までさかのぼって調べられる？

A：税務調査の基本的な対象期間は過去3年間ですが、場合によっては最大5年、さらに悪質なケースでは最大7年まで遡って税務調査される可能性があります。

たとえ税務調査が10年以上来ない法人や、税務調査が10年以上来ない個人事業主であっても、いざ税務調査が行われた際には、その10年以上税務調査が来ない空白期間の中から、直近数年分を徹底的に精査されることがあります。10年以上来ないからといって安心はできません。

税務調査で個人口座も確認されることがあるの？

A：はい、税務調査では法人・個人事業主問わず、個人口座が税務調査対象となるケースがあります。

税務調査が10年以上来ない法人や、税務調査が10年以上来ない個人事業主の場合でも、次のような状況があると、個人口座の税務調査が行われる可能性が高まります。