法人の決算月は税理士に相談すべき?決め方と変更方法について解説!

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公開日:2024年5月

更新日:2024年5月28日

決算月とは

法人の決算月とは、事業年度の最終月を指します。この決算月は、法人ごとに自由に設定できます。例えば、4月1日から翌年の3月31日までを事業年度とする場合、決算月は3月になります。

事業年度と決算月は、法人を設立する際に決める必要があります。決算月を途中で変更することも可能ではものの、自法人の業界や業種、外部環境などを考慮に入れて、決算月の決め方については税理士に相談しながら慎重に検討されることが一般的です。

法人が決算月の決め方を慎重におこなうべき理由

法人の決算月は、必要に応じて税理士に決め方を相談しながら慎重に設定しましょう。決算月の決め方は、法人の節税や業務効率に大きな影響を与えます。

特に、売上が年間を通じて大きく変動する法人では、売上が急増する月を決算月にすると、節税対策を実施するための十分な時間が取れない場合があります。その結果、予期せぬ多額の法人税支払いに直面する可能性があります。

売上が見込まれる月の直前を法人の決算月にすることで、実際の売上に基づいて十分な節税対策を税理士と検討する期間が得られます。また、売上が予想よりも低い場合でも、1年を通じて黒字化戦略を練ることができます。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    法人が決算月の決定を慎重におこなうべき理由に関しては以下の記事もおすすめです。

おすすめ記事:決算月はいつがいい?決める際のポイント4つと変更方法を紹介

法人の決算月はいつが多い?

法人の決算月の決め方は自由に選択することが出来ますが、日本では3月を決算月としている法人が最も多く、全体の約18%を占めます。次いで、9月が約11%、12月が10%となっています。

出典:国税庁 令和元年度「決算期別の普通法人数

なぜ決算月を3月にする法人が最も多いのかについては、公的機関のスケジュールに合わせている、教育機関のスケジュールに合わせている、法改正の影響を受けているなど、さまざまな理由が考えられます。

ただし、決算月の決め方を自由に選択できるのは法人だけであり、個人事業主の場合は必ず1月から12月までの1年間が事業年度となります。

法人の決算月に選ばれやすい時期に関するおすすめ記事

法人設立時の決算月の決め方

法人設立時の決算月の決め方STEP①:「繁忙期」を外す

まず、法人の繁忙期を避けて決算月を選びましょう。繁忙期に決算月を設定すると、業務が最も忙しくなり、申告業務がおろそかになる可能性があります。

たとえば、予想以上の売上が発生し、税金の支払いが予想を上回る場合や、急激な売上の減少により赤字に転落した場合、決算月までに対処策を税理士と相談する時間がなくなる恐れがあります。繁忙期以外の時期を決算月にする決め方を採用することで、税理士と協力して十分な節税対策を練る時間を確保できます

法人設立時の決算月の決め方STEP②:資金に余裕がある月を絞り込む

次に行うべき決め方としては、法人の収益見込みが高い月を絞り込みましょう。税金を支払う際に、資金が不足していると支払いが困難になる可能性があるためです。

税金の支払い期限は通常、「決算の翌2ヶ月以内」です。しかし、法人税や住民税、事業税、消費税などを一括して支払う必要があるため、資金繰りが厳しくなることがあります。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    このため、繁忙期に発生した収益が入ってくる月などを決算月として検討するのがよいでしょう

おすすめ記事:事業年度(決算月)の変更手続き

法人設立時の決算月の決め方STEP③:消費税免除が最大化されるラインを探る

前段階で選ばれた決算月候補の中から、法人の消費税免除を最大化できる決算月を見つけましょう。

新しい法人を設立すると、特定の条件を満たすことで最大2年間の消費税免除が適用されます。したがって、消費税の免除期間を最大化するためには、決算月の決め方が重要です。税理士と相談しながら決めることをおすすめします。

▼法人設立時の消費税免税の条件

①資本金が1,000万円未満であること
②1期目の前半6ヶ月間の売上が1,000万円以下であること
または1期目の前半6ヶ月間の給与等の支払いが1,000万円以下であること

参考:国税庁「新規開業又は法人の新規設立のとき

消費税の免税制度は、特に起業初期において最大限に利用したいものですね。注意すべきなのは、決算月の決め方によって免税期間が短くなる可能性があることです。

免税期間は2年ではなく2期と規定されています。そのため、消費税の免除を最大限に活用するためには、法人設立の前月を決算月に選ぶという決め方がよいでしょう

法人設立時の決算月の決め方STEP④:売上が多い月を年度の序盤に持ってくる

これまでの決算月の決め方の3STEPを通じて、法人の決算月候補が絞られてきたのではないでしょうか。しかし、まだ決算月の決め方に悩んでいるという場合は、年度の初めに売上の多い月を設定するとよいでしょう。

なぜなら、予想以上の売上があった場合でも十分な時間があり、税理士と相談しながら節税対策を立てることができるからです。

また、法人の決算月の決め方に迷った場合は、一旦決定してしまい、法人設立後に変更することも可能です。次の章では決算月の変更方法について解説します。

法人設立時の決算月の決め方に関するおすすめ記事

法人設立後に決算月を変更する方法は?

法人が決算月を変更するための具体的な流れは以下のとおりです。

法人の決算月の変更方法 STEP①:株主総会で3分の2以上の同意を得る

決算月は、法人の定款に記載されています。従って、決算月を変更するには、定款の変更が必要となります。そのため、決算月を変更するには、定款変更を行うために株主総会が必要です。具体的な要件は次の通りです。

▼具体的な要件
・発行済株式の過半数を有する株主が株主総会に参加すること。
・参加した株主の3分の2以上の議決権が賛成の場合に成立する。

決算月の変更は事業に大きな影響を与えるため、通常の決議ではなく特別決議が必要です。臨時株主総会を開催し、定款の変更(決算月の変更)を決議した後、議事録を作成すれば手続きは完了します。

法人の決算月の変更方法 STEP②:定款を変更する

決算月を定款に記載するかどうかは任意です。しかし、多くの場合、法人設立時には定款に決算月が記載されています。そのため、決算月を変更する場合には、定款に記載された決算月を変更する必要があります。

ただし、この変更手続きは公証役場での認証が必要ないため、法人設立時のような費用や手間はかかりません。この一連の手続きは、司法書士や行政書士に依頼することもできますが、手数料がかかります。コストを抑えたい場合は、自法人で手続きを行うのも選択肢のひとつです。

法人の決算月の変更方法 STEP③:税務署に届け出をする

定款上で決算月の変更を行った場合、所轄税務署等に届け出を行う必要があります。税務署への提出の際は、特別決議を行ったことを証明する株主総会議事録を添付することで、手続きが完了します。

法人設立後に決算月を変更する方法に関するおすすめ記事:事業年度(決算月)の決め方と変更手続き

法人設立後に決算月を変更することの注意点

法人の事業年度は1年以上に設定することはできないので、決算月を遅らせることは不可能です。つまり、決算月を変更した年は、決算までの期間が1年未満になるため、1年に2回の決算が行われることになります。経理業務の負担も大きくなるため、決算月の変更時期は税理士とも相談しながら慎重に検討する必要があります。

また、法人税・地方税・消費税の納付期限は決算期末の2か月後であるため、決算月を変更すると納税が前倒しになることにも注意が必要です。特に、消費税の免税期間がある場合、その期間も短縮される可能性があることを考慮しておく必要があります。決算月の変更を検討する際には、資金繰りへの影響も考慮に入れましょう。売上が急増し納税額が増加する可能性がある場合は、節税につながる可能性もあります。

法人設立後に決算月を変更することの注意点に関するおすすめ記事:最適な決算月とは?〜決め方や変更の仕方〜

まとめ

一般的に、法人は決算月の決め方を自由に選択でき、適切な手続きを踏めばいつでも変更できます。これまでの説明を読んで、「自法人の決算月が本当に適切なのか不安だ」と感じている方もいるかもしれません。もし少しでも不安を感じるなら、税理士に相談することもおすすめです。

税理士は税金に関する専門家であり、自法人にとって一番節税できる決算月を決めてくれたり、自法人の状況を踏まえて業務負担のない決算月の決め方や変更方法をアドバイスしてくれるでしょう。

法人設立後でも、自法人にとって最適な決算月に変更することは、資金繰りや節税対策の面でも十分に検討する価値があります。ぜひ、今回ご紹介した注意点などを参考にしながら、自法人に最適な決算月を設定してみてください。

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