マイクロ法人に税理士は必要?費用相場やメリット・デメリットを解説

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公開日:2024年7月

更新日:2024年10月29日

マイクロ法人に税理士は必要?

マイクロ法人の会計に、税理士を雇う必要があるのでしょうか。結論から言うと、マイクロ法人の設立や運営において、税理士は法律的には必須ではありません。税理士がいなくても、マイクロ法人の立ち上げや会計には法的な問題はありません。

しかし、マイクロ法人の設立や運営は、税理士の助けなしでは作業的に非常に難しいことが多いです。なぜなら、マイクロ法人の会計は個人事業主の確定申告とは異なり、扱う税金の種類が多く、納税先も異なるため、会計の仕組みが複雑で時間と労力がかかるからです。

それでも、マイクロ法人の会計に税理士が本当に必要かどうか疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では、あなたがマイクロ法人を設立する際に税理士が本当に必要かどうかを判断するために、税理士が不要派と必要派の両方の意見を比較してみようと思います。

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マイクロ法人に税理士は不要派の意見

税理士はマイクロ法人の会計に【不要】だとする人々の主張は次の通りです。

  • 節税した分を税理士に支払うのは本末転倒
  • 本やネットで調べれば自分でできる
  • 節税はしていても脱税はしていないため、指摘されても問題ない

ただし、脱税の意図がなくても、税務申告を間違えると追徴課税されることがあります。追徴課税には、修正申告と更正処分があります。

SoVa税理士ガイド編集部

重加算税は基礎となる税額の35%~40%に及ぶため、単なるミスでも軽視しないようにしましょう。あります。

マイクロ法人に税理士は必要派の意見

税理士はマイクロ法人の会計に【必要】だとする人々の主張は次の通りです。

  • 本やネットの情報の鮮度や信頼性の確認が大変
  • 会計処理が個人事業主の確定申告とは比べ物にならないほど煩雑
  • 時間を取られる
  • マイクロ法人で使える助成金や補助金を漏らさず活用できる

【不要派】と【必要派】の意見は、それぞれの価値観や相場に対する費用対効果の捉え方の違いに基づいています。

不要派:節税・節約を重視し、「お金をかけないこと」が大切
必要派:不得意な分野に手を出すことを効率が悪いと感じ、「時間」を重視

マイクロ法人の会計業務にかける時間に対して税理士報酬の相場が似合うと思うか、相場に対して自分でやるほうが費用対効果がいいと判断するかどうかが、マイクロ法人の会計に税理士が不要か必要かが分かれるでしょう。

コストを下げて節税効果を最大限に発揮したいなら、税理士は必要ないかもしれません。

ここがポイント!

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しかし、マイクロ会社の成長を目指し、長期的に節税効果を維持したいなら、妥当の相場感を確認した上で、税理士のサポートを受けるのも賢明な選択でしょう。

マイクロ法人における税理士の必要性に関するおすすめ記事:マイクロ法人に税理士は必要?|賛成派と反対派の意見を一挙紹介

そもそも法人化を検討するタイミングはいつ?

個人事業主が法人化をすることで、節税や経営上のメリットを得られる一方、場合によってはデメリットが大きくなることもあります。法人化の判断基準として、事業の利益や売上規模、そして税負担や社会保険料負担を含めた全体のコストを総合的に評価することが重要です。特に迷った際には、税務の専門家である税理士のアドバイスを受けることをおすすめします。

タイミング1: 所得が800万円から900万円に達したとき

所得が800万〜900万円に到達した場合、個人事業主から法人化することで累進課税の影響を避け、税負担を軽減できる可能性があります。個人の所得税率は最大55%に達することもありますが、法人税率は課税所得が800万円までは15%、それを超える部分には23.2%と一定で、全体の税負担が低く抑えられます。ただし、法人化による社会保険料の負担増や役員報酬にかかる所得税、年金額の減少リスクも考慮する必要があります。自分の役員報酬と法人に残す資金のバランスを考え、総合的に判断しましょう。

タイミング2: 年間売上が1,000万円を超えたとき

売上が1,000万円を超えると消費税課税事業者となり、2年後から消費税を納める必要が生じます。法人化のタイミングによっては、この課税事業者の義務を先延ばしにできる可能性があります。例えば、2023年に個人事業主として売上が1,000万円を超え、2024年に法人化すると、法人としての売上が基準となり、2026年まで消費税の納税義務を免除できます。ただし、法人化時の資本金が1,000万円以上の場合、免除特例が適用されないため、注意が必要です。

タイミング3: 節税を意識し始めたとき

節税の意識が高まってきた場合も、法人化を検討するタイミングです。法人化すると、個人事業主にはない役員報酬の設定が可能となり、給与所得控除を利用して税負担を軽減できます。また、退職金の損金計上や欠損金の繰越控除期間の延長など、法人に特有の節税対策も活用できます。法人化による節税効果は、売上や利益の状況によって異なるため、法人化が本当に有利かどうかを税理士と相談しながら判断することが大切です。

法人化は、個人事業主のままでは得られないメリットがある一方で、社会保険料や法人税の負担が増える点にも留意が必要です。

合わせて読みたい「個人事業主から法人化したときのメリットとデメリット」に関するおすすめ記事

個人事業主から法人化するメリットとデメリットとは?

この記事では、個人事業主から法人化したときのメリットとデメリットについて解説しています。個人事業主から法人化するべきなのか迷っている方にはおすすめの記事です。

マイクロ法人で税理士に依頼する際の費用相場

税理士報酬相場の決まり方

税理士報酬は、事務所によって異なり、統一された基準はありません。ただし、税理士報酬を決定する要素はいくつかあります。

SoVa税理士ガイド編集部

まず、税理士報酬は基本的に月額の税務顧問料と年末の確定申告料金が含まれています。この基本料金にオプション料金が加算される仕組みです。基本料金は、顧客の難易度や取引量によって異なることが多いです。

税理士報酬相場に関するおすすめ参考記事:マイクロ法人の税理士費用は?実例や税理士選びのコツ

基本料金相場の決定要素

業種と年商

業種:サービス業のように物を扱わない業種よりも、製造業のように固定資産や在庫を管理する業種の方が、取引が複雑で取引量も多くなるため、料金相場が高くなる傾向にあります。

年商:同じ業種であっても、年商が大きいほど取引量が多く、処理が複雑になるため、料金相場が上がる傾向にあります。

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オプション料金

基本料金以外に、オプション料金が加算される場合があります。

記帳代行:帳簿作成を税理士に依頼する場合、税務顧問料に追加して月額で料金が発生することで費用相場より上がることが一般的です。

確定申告以外の作業:年末調整や償却資産税の申告など、確定申告以外の税務作業を税理士に依頼する場合、追加料金がかかります。これも作業量や取引の難易度に応じて料金相場より上がることがあります。

基本料金に含まれる内容の確認

基本料金に何が含まれているかは税理士事務所によって異なります。例えば、税務関係の届出が基本料金に含まれていても、資金調達や補助金のサポートはオプションとして別途料金がかかる場合があります。契約前に、基本料金に含まれるサービス内容とオプションの詳細を確認することで、費用相場に見合った税理士報酬を見極めることが出来ます。

SoVa税理士ガイド編集部

まとめると、税理士の料金相場は業種や年商、作業量や取引の難易度によって変動します。契約前に基本料金とオプション料金の詳細をしっかり確認することが大切です。

税理士報酬の決まり方に関するおすすめ記事:マイクロ法人に強い税理士を検討するポイント

税理士の業務内容と報酬相場

税理士の報酬は「売上高に基づく基準」と「作業量に基づく基準」のいずれかによって異なりますが、必要ない業務を省くことで相場よりも費用を抑えることが可能です。

以下に、税理士の業務内容と報酬相場を示します。

定期的な業務

  • 1回の訪問にかかる相場: 5,000円~1万円程度
  • 記帳代行の相場: 月1万円~3万円程度
  • 給与計算の相場: 従業員1名あたり月1,000円程度

年間に一度の業務

  • 決算・確定申告の相場: 5万円~10万円程度
  • 年末調整の相場: 従業員1名あたり1,000円~2,000円程度
  • その他: 決算申告費用に含まれることが多い

スポット契約の費用相場

ここまで述べてきたように、マイクロ法人が税理士に依頼する際の費用相場は、契約のタイプによって異なります。主に単発のスポット契約と継続的な顧問税理士契約の2種類があり、それぞれ費用相場やサービス内容が異なります。

スポット契約は、決算申告など一度限りのサービスを依頼する場合に選ばれます。費用相場は10万〜20万円程度で、マイクロ法人の規模や取引量によって相場は変動します。取引量が少ないマイクロ法人では、この相場の範囲内で依頼できることが多いです。

ただし、確定申告や決算申告が集中する11月〜翌年5月ごろは税理士事務所の繁忙期であるため、スポット契約を考える場合は早めに依頼することをおすすめします。

気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

繁忙期に依頼すると対応が難しいこともあるため、計画的な依頼が重要です。

スポット契約に関するおすすめ参考記事:税理士の契約形態とは?スポット契約と顧問契約のメリット・デメリット

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顧問契約の費用相場

顧問税理士契約は、マイクロ法人の税務会計や経理を継続的にサポートしてもらう契約で、費用相場は30万円以上からとなります。スポット契約に比べて費用相場は高額ですが、専門家の継続的なサポートを受けることで、節税対策や税務調査の対応などに時間を割かずに済みます。

顧問税理士契約では、適切な役員報酬の相場感を相談出来たり、最適な決算期のアドバイスがもらえるなど、自社に合ったアドバイスが得られ、経営の安定と節税効果の向上に寄与します。ネットでの情報収集よりも確実なサポートが得られ、事業に集中できるのが顧問税理士契約のメリットです。

税理士の費用相場に関するおすすめ記事:マイクロ法人は節税できる?個人事業主から法人化するおすすめタイミングも解説!

合わせて読みたい「役員報酬と給与の違い」に関するおすすめ記事

役員報酬と給与の違いとは?役員報酬の変更手続きについても解説!

この記事では、役員報酬と給与の違いについて解説しています。役員報酬と給与は、手続きの面や税制の面から大きく異なります。役員報酬と給与の違いについて理解しておくことで、節税にも活かせるため、正しく理解しておきましょう。

マイクロ法人で税理士に依頼するメリット

メリット1. マイクロ法人設立のアドバイスを受けられる

税理士に相談すると、マイクロ法人の設立が必要かどうかや、適切な役員報酬の相場感の相談、マイクロ法人設立の適切なタイミングを教えてもらえます。税務の専門家が、社会保険料のシミュレーションを含めた設立時期のアドバイスを提供してくれます。

メリット2. より適切な節税対策が可能

税理士の専門知識を活用すれば、マイクロ法人において正しい節税対策が実施できます。誤った節税対策を避け、正確な情報に基づいたアドバイスが得られます。

メリット3. 売上に集中できる

税理士に依頼すれば、会社設立、節税対策、会計帳簿の作成、決算申告、年末調整などの手間を省けます。これにより、事業主は売上を伸ばすことに集中できます。

メリット4. 修正申告や税務調査の対応がスムーズ

税務署からマイクロ法人に対して修正申告を求められる場合や税務調査が行われる場合、税理士に依頼しておくと安心です。税理士が対応をサポートしてくれます。

メリット5. 複雑な税制改正への対応が迅速

インボイス制度や電子帳簿保存法などの税制改正にも、税理士は研修を受けて対応しています。これにより、マイクロ法人の運営がスムーズに行えます。

SoVa税理士お探しガイド編集部

税理士に依頼することで、マイクロ法人を運営する上でこれらのメリットを享受できるため、税理士選びは慎重に行うことが重要です。

マイクロ法人法人で税理士に依頼するメリットに関するおすすめ記事:マイクロ法人に強い税理士は必要?費用相場や後悔しない選び方を解説

マイクロ法人で税理士に依頼するデメリット

デメリット1: 税理士報酬の負担

税理士に依頼すると、毎月一定の顧問料が発生します。顧問契約の場合の費用相場は30万~、スポット契約の場合でも費用相場は10万〜20万円程度となっており、相場に対して費用対効果をどう捉えるかが判断の鍵になりそうです。特に売上が安定しない初期段階では経営の負担となる可能性があります。

デメリット2: 適切な税理士を見つける難しさ

自社のマイクロ法人にとって適切な税理士を見つけるのは容易ではありません。単に専門知識があるだけでなく、マイクロ法人の事業内容や経営者のビジョンに合った税理士を相場と照らし合わせながら選ぶ必要があります。また、個人的な相性も重要で、信頼関係を築ける税理士を見つけるためには、市場調査や面談、サービス内容の比較、相場との適切性など、多大な時間と労力を要します。

マイクロ法人で税理士に依頼するデメリットに関するおすすめ記事:マイクロ法人は税理士に依頼すべき?会社設立からおすすめの税理士の選び方解説

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マイクロ法人におすすめの税理士

マイクロ法人に対応可能で業種がマッチしているか

税理士事務所によっては、節税目的のマイクロ法人との契約を断る場合があります。そのため、マイクロ法人に対応しているかを事前に確認することが重要です。また、税理士事務所が得意とする業種と設立するマイクロ法人の業種が一致しているかも大切です。例えば、コンサルタント、エンジニア、インターネット関連、不動産業などのマイクロ法人は、税理士がその業種に詳しくないと、特有の補助金や助成金、節税方法を見逃してしまう可能性があります。

ここがポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

問い合わせや見積もりの際に、相場と照らしあわせながら得意業種を確認することをおすすめします。

おすすめ参考記事:税理士に依頼をする前に知っておきたい8つの得意分野

税理士報酬は相場に対して適切か

税理士の報酬が大きな負担とならないよう、料金が相場に対して適切かどうかを確認する必要があります。マイクロ法人の立ち上げ初期などで税理士報酬が負担になる場合は、決算・申告のみのスポット依頼が可能な税理士を選ぶと良いでしょう。売上高が1000万円未満の場合、以下が相場となります。

  • 月額顧問料の相場:3万~5万円
  • 決算・申告の相場:10万~15万円

事前見積もりを参考にして、相場感にあう税理士を探しましょう。

経理や税務をまるっとお任せできるか

副業でマイクロ法人を設立する場合、経理や税務に時間を割けないことが多いため、日常的な記帳代行を含むすべての経理業務を任せられる税理士を選ぶと良いでしょう。マイクロ法人では、法人決算や法人税の申告が必要で、個人事業と比べて手続きが複雑です。

法人決算や法人税申告、年末調整などの難易度が高い税務は追加オプションとなる場合が多いため、ホームページで追加料金を確認するか、単発依頼が可能な税理士事務所を探すことをおすすめします。

マイクロ法人におすすめの税理士に関するおすすめ記事:マイクロ法人向けの税理士おすすめ10選!節税サポートや格安の税務代行も

まとめ

マイクロ法人に税理士が必要かどうかは、事業やプライベートにどれくらいの時間をかけるか、また事業でどれだけの収入があるかによって分かれるでしょう。

税理士の報酬は「売上高に基づく基準」と「作業量に基づく基準」のいずれかによって異なりますが、必要ない業務を省くことで相場よりも費用を抑えることが可能です。

顧問契約の相場感が高いと思われる場合は、スポット契約の相場感を参考に、ご自身のマイクロ法人で必要な内容のみを税理士に依頼することもおすすめです。

マイクロ法人で税理士を依頼する際には、依頼する目的を明確にした上で、相場感と照らし合わせながらご自身のマイクロ法人の業種や依頼したい内容にマッチした税理士に依頼をするようにしましょう。

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