役員報酬が5万円の場合の社会保険料はいくら?社会保険料の負担額や、手取り額、メリットについて解説!
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公開日:2024年8月
更新日:2024年11月13日
役員報酬を5万円にするメリットはなんでしょうか?
役員報酬が5万円の場合、社会保険料がどのくらいの負担額になるのか、手取り額がどの程度減少するのかを知ることは、役員報酬を設定する上でとても重要です。役員報酬の設定は、手取り額に大きな影響を与えるため、手取り額を最大限に確保するには、社会保険料負担をしっかりと把握しておくことが欠かせません。
この記事では、役員報酬が5万円のケースにおいて、社会保険料が手取り額にどのような影響を与えるかを詳しく解説します。社会保険料を考慮した役員報酬の手取り額がどのくらいになるのかを知ることで、最適な役員報酬の設定が可能になります。
SoVa税理士お探しガイド編集部
また、社会保険料の負担額が役員報酬の手取り額に与える影響を軽減するためのポイントについても説明します。
役員報酬の設定によって、手取り額が減少してしまうことはよくありますが、手取り額を維持しながら社会保険料の負担を最適化する方法を知っておくことで、役員報酬の設定に役立てることができます。手取り額を意識した役員報酬の設定や社会保険料の負担を調整することで、会社の経営をより効率的に進めることができるでしょう。役員報酬と手取り額のバランスをしっかりと把握し、手取り額を最大限に確保するためのポイントを押さえておきましょう!
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目次
役員報酬とは
役員報酬が5万円のときの社会保険料について解説する前に、そもそも役員報酬とはなんでしょうか?
役員報酬とは、税法上「役員」とされる人に支払われる報酬のことです。
役員報酬には月々支払われる報酬のみならず、不定期に支給される役員賞与も役員報酬に含まれます。
役員とは、従業員として日常業務に従事するのではなく、経営における意思決定を行う立場の人物を指します。役員報酬は社内外問わず、役員に対して支払われたすべての報酬が該当し、支給回数が少なくても役員報酬として扱われます。
次に、役員報酬の対象となる役員の種類について確認しましょう。
【役員の種類】
役員報酬が支給される対象の役員には、以下の職位が含まれます。
- 取締役
- 会計参与
- 監査役
- 執行役または会計監査人
- 理事
- 監事など、法人の経営に関わる者
「役員報酬5万円の社会保険料」解説部
会社法329条では、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人が役員として定められています。理事は主に団体で使用される役職であり、監事は公益法人や協同組合で監督を行う役割を担っています。
合わせて読みたい「役員報酬の決め方」に関するおすすめ記事
役員報酬を経費にする方法を解説!経費にするための要件とは?
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
役員報酬が5万円のときの社会保険料を紹介する前に、こちらの記事も参考に役員報酬の定義について確認しておきましょう。
「役員報酬とは?給与との違いや金額の決まり方について解説」
役員報酬を5万円にした場合の手取りは?
SoVa税理士お探しガイド編集部
役員報酬を5万円にした場合の手取り額はいくらになるのでしょうか?
役員報酬を5万円にした場合の手取り金額を計算するには社会保険料や所得税を計算する必要があります。
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【役員報酬5万円の場合の社会保険料】
役員報酬5万円の場合の社会保険料① 健康保険料
支払わないといけない社会保険料の1つ目が「健康保険料」です。
役員報酬5万円の場合、標準報酬月額の等級が「1」に該当するため、健康保険料は2,894円になります。
※令和6年の東京都と仮定して計算しています。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するポイント!
標準報酬月額は都道府県によっても変わってくるため、協会けんぽのホームページから都道府県ごとの標準報酬月額表を参照してください。
役員報酬5万円の場合の社会保険料② 厚生年金保険
支払わないといけない社会保険料の2つ目が「厚生年金保険料」です。
役員報酬5万円の場合、健康保険と同様に標準報酬月額の等級が「1」に該当するため、厚生年金保険料は8,052円になります。
役員報酬5万円の場合の社会保険料③ 介護保険
支払わないといけない社会保険料の3つ目が「介護保険料」です。
今回は便宜上40歳未満と仮定するため、役員報酬が5万円か否かに関係なく介護保険料は0円になります。
役員報酬5万円の場合の社会保険料④ 雇用保険
支払わないといけない社会保険料の4つ目が「雇用保険料」です。
役員報酬が5万円か否かに関わらず、基本的に役員の場合は雇用保険に加入できないため、雇用保険料は0円になります。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
役員報酬5万円の場合の社会保険料⑤ 子ども・子育て拠出金
316円が会社負担分になり、従業員負担の子ども・子育て拠出金は0円になります。
「役員報酬5万円の社会保険料」解説部
被保険者個々の厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に、拠出金率(0.36%)を乗じて得た額の総額となります。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
社会保険料に関連して、子ども・子育て拠出金の概要についてか以下の記事が参考になります。
「子ども・子育て拠出金(児童手当拠出金)とは?拠出金率の傾向と計算方法」
【役員報酬5万円の場合の所得税額】
役員報酬が5万円の場合の所得税額は以下の計算式でもとめます。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するポイント!
役員報酬5万円-社会保険料10,946円₌39,054円
この39,054円を給与所得の源泉徴収税額表(令和 6 年分)と照らし合わせると、88,000円以下に該当するため、所得税額は0円になります。
※甲欄・乙欄に関係なく0円
【役員報酬が5万円の場合の手取り額】
役員報酬5万円から社会保険料10,946円、所得税(今回は0円)を差し引いた39,054円が手取り額になります。
※住民税は0円と仮定
【参考】役員報酬が2万円、3万円、6万円、8万円、60万円の場合の社会保険料
【役員報酬が2万円の場合の社会保険料】
社会保険料は年間約9万円、手取り額は年間約14万円
※40歳未満、住民税1万円と仮定
【役員報酬が3万円の場合の社会保険料】
社会保険料は年間約9万円、手取り額は年間約26万円
※40歳未満、住民税1万円と仮定
【役員報酬が8万円の場合の社会保険料】
社会保険料は年間約14万円、手取り額は年間約81万円
※40歳未満、住民税1万円と仮定
【役員報酬が60万円の場合の社会保険料】
社会保険料は年間約100万円、手取り額は年間約544万円
※40歳未満、住民税40万円と仮定
参照元:「役員報酬、シュミレーション計算ツール」
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非常勤役員報酬を5万円に設定している場合は注意!
合わせて読みたい「役員報酬の決め方」に関するおすすめ記事
合同会社の役員報酬の決め方とは?決め方の注意点や、役員報酬の相場についても解説!
SoVa税理士お探しガイド編集部
少し前ではありますが、2020年から所得税の計算方法が一部変更されているため、注意が必要です。
家族経営の法人で、非常勤役員として社長のご両親に月額5万円の役員報酬を支払っているケースは多いかと思います。この月額5万円という金額は、よく見られる設定ですが、2020年の「給与所得控除」の変更により、月額5万円の役員報酬を受け取っている方には影響が出る可能性があります。
具体的には、給与所得控除が年間65万円から55万円に引き下げられたため、月額5万円、年間60万円の役員報酬を受け取っている方は、これまで所得が0円であったものが、新たに所得が5万円発生することになります。この所得5万円に対しては、所得税、住民税、健康保険料がそれぞれ課されるため、負担が増えることが予想されます。
例えば、所得税は約5%、住民税は約10%、健康保険料は約16%(神戸市の場合)となるため、合計で31%の税負担がこの5万円の所得に対してかかります。つまり、月額5万円の報酬が、思わぬ税負担を生むことになります。
そのため、月額5万円の役員報酬を支払っている場合には、月額4.5万円に調整することをおすすめします。これにより、給与所得控除の変更による負担を軽減できるでしょう。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
非常勤役員報酬を5万円に設定しているときの、社会保険料を含む注意点は以下の記事を参照してください。
「非常勤役員報酬を5万円に設定されている方へ」
社長の配偶者の役員報酬を5万円にするメリット
ここでは、役員報酬を月額5万円に設定することで得られる4つの主なメリットについて説明します。役員報酬を5万円にすることで、さまざまな利点があります。これらのメリットを理解し、役員報酬を決める際の参考にしてください。
社長の配偶者の役員報酬を5万円にするメリット① 所得税と住民税がかからない
役員報酬を月額5万円に設定することには、いくつかのメリットがあります。まず、月額5万円の役員報酬にすることで、配偶者の年間収入が103万円以下となり、所得税がかからない状況を作ることが可能です。これは、役員報酬が給与所得として扱われるため、よく知られる「年間103万円以下なら配偶者の扶養に入れる」というルールが適用されるからです。
社長の配偶者が月額5万円の役員報酬を受け取ることで、年間で60万円となり、所得税や住民税がかからないだけでなく、社長自身も配偶者控除を受けられるメリットがあります。例えば、月額85,333円以下にすることで、年間103万円を下回り、所得税がゼロとなりますが、住民税は発生する可能性があるため注意が必要です。
ただし、収入が月額5万円、年間で100万円以下に抑えることができれば、所得税・住民税の両方が非課税となります。役員報酬を5万円に設定することは、税負担の最適化に大いに役立つ選択肢です。
結論として、所得税と住民税の両方が非課税となるのは、年間の収入が100万円以下の場合です。そのため、役員報酬を月額5万円にすると税制の面でメリットがあります。
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社長の配偶者の役員報酬を5万円にするメリット② 社会保険料がかからない
役員報酬を月額5万円にするメリットの2つ目は、社会保険料がかからないことです。
年間103万円以下の収入であれば、配偶者控除だけでなく、社会保険の扶養にも入れるため、社会保険料の負担がゼロになります。これにより、会社側の社会保険料の負担も軽減されます。
「役員報酬5万円の社会保険料」解説部
会社側の社会保険料も負担が軽減される理由は、基本的に社会保険料は会社と従業員で半分ずつ按分するためです。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
役員報酬を5万円にした際の社会保険料は先ほど解説しましたが、社会保険料の負担額の計算に関する総論は以下の記事がおすすめです。
「社会保険料について本人は何割負担?負担割合を解説!」
社長の配偶者の役員報酬を5万円にするメリット③ 税務調査で指摘されない
役員報酬を月額5万円に設定するメリットの3つ目は、税務調査において指摘されにくい点です。役員報酬は税務調査で特に重点的に確認される項目ですが、月額5万円程度の役員報酬であれば、高額報酬と見なされるリスクが低いため、調査時に問題視されにくくなります。
役員報酬が「不相当に高額かどうか」は、実質基準と形式基準の2つの観点から税務署によって判断されますが、月額5万円程度の役員報酬であれば、これらの基準を超えずに済む可能性が高くなります。特に、高額な役員報酬が問題にされるケースが多い中で、5万円という金額は指摘のリスクを最小限に抑える効果があります。
さらに、役員報酬を5万円に設定することで、税務署の目を避けやすくなり、余計な税務調査の手間や指摘に対応するコストも抑えることができます。このため、役員報酬を月額5万円にすることは、税務上のリスク管理としても非常に有効な方法と言えます。
合わせて読みたい「役員報酬の株主総会議事録の作成方法」に関するおすすめ記事
役員報酬の株主総会議事録の作成方法とは?記載例も解説!
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
役員報酬を5万円にするか否かを決める際に、税務調査で指摘されない役員報酬額であるかを確認しておく必要があります。税務調査時に役員報酬でチェックされるポイントは以下の記事を参照してください。
「役員報酬の相場とは?税務調査で指摘されやすいポイントや注意すべき箇所について解説!」
【実質基準】
役員の職務内容や会社の状況をもとに役員報酬が適正かどうかを判断します。たとえば、役員報酬が同業他社と比べて極端に高い場合、適正でないとされることがあります。実質基準で確認する主なポイントは以下の4つです。
・職務の内容:役員の仕事内容
・会社の収益:会社の収益状況
・社員の給与:その会社の従業員に対する給与の状況
・他社の状況:同業他社での役員報酬
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【形式基準】
定款や株主総会の決議に基づいて役員報酬の額を判断します。たとえば、定款や株主総会で役員報酬の総額を決めている場合、実際の役員報酬がその額を超えていると、その超過分が過大と見なされることがあります。
役員報酬5万円の社会保険料に関連するおすすめ記事
役員報酬を5万円にした際に、5万円全額を損金算入する場合の注意点は以下の記事を参考にしてみましょう。
「役員報酬を経費にして節税するには?損金算入の要件を解説」
配偶者の役員報酬を5万円にすることで、基本的には「不相当に高額」とは認識されることはないと言えます。
したがって、税務調査の観点からも役員報酬を5万円にすることは「役員報酬を5万円にするメリット」の1つと言えます。
まとめ
今回は役員報酬を5万円にした場合の社会保険料や、手取り額、その他に役員報酬を5万円にするメリットについて解説しました。
役員報酬を5万円にした場合のメリットは、ほとんどの観点から役員報酬を8万円にしたときのメリットと重複します。しかし、役員報酬金額から社会保険料を控除することを考えると役員報酬を無理に低くすることは得策とは言えません。したがって、役員報酬を可能な限り低く設定する場合でも5万円程度に留めておきましょう。
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