月の途中で入社した場合の社会保険料はどうなる?計算方法も解説!
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公開日:2024年8月
更新日:2024年11月27日
月の途中で入社し、社会保険の加入条件を満たした社員は、いつから社会保険料を負担するのでしょうか。実際には、月の途中で入社した場合でも当月から保険の対象となり、翌月の給与支払い時から社会保険料の控除が開始されます。
SoVa税理士お探しガイド編集部
また、通常、社会保険料は継続して勤務している場合、毎年4月から6月の給与を基準に算出されますが、月の途中で入社した際の社会保険料の計算はどのように行われるのでしょうか。
この記事では、社会保険料の基本的な知識を振り返りながら、月の途中で入社した場合にいつから社会保険料が控除されるのか、そして月の途中で入社した場合の各社会保険料の計算方法についても詳しく説明します。
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月の途中で入社する場合でも社会保険に加入しなければなりません。しかし、一般的な税理士事務所では労務手続きを代行してくれるサービスはなく、社労士に別途依頼する必要があります。
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目次
社会保険料の計算方法
そもそも社会保険料とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つの保険に対する保険料の総称です。社会保険の加入が義務付けられている事業所およびその従業員は、必ずこれらの保険に加入しなければなりません。社会保険料の負担については、労災保険は全額が事業所負担で、それ以外の保険は事業所と従業員がそれぞれ折半で負担します。
SoVa税理士お探しガイド編集部
社会保険料は以下のように計算されます。
社会保険名 | 計算方法 |
健康保険・厚生年金保険・雇用保険 | 標準報酬月額 × 各保険の保険料率 |
労災保険 | 賃金総額 × 保険料率 |
「標準報酬月額」とは、事業所から支給される給与を一定の等級に区分したものです。保険によって等級の区分は異なり、例えば健康保険の場合、等級は第1等級から第50等級まであります。
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入社・退社時における社会保険料が発生・資格喪失するタイミング
月の途中で入社すると、社会保険料は一般的に給与から差し引かれる形で支払われます。ここでは、社会保険料が発生・徴収されるタイミングや資格喪失のタイミングについて説明します。
入社月の社会保険料は給与から控除されない
月の途中で入社した場合の社会保険料の納付期限は、原則として翌月の末日です。例えば、4月分の社会保険料は5月末までに納付されるため、月の途中で入社したとしても、入社月の給与からは社会保険料が引かれません。
例えば、締日が20日、支給日が25日の会社で4月3日に入社した場合を考えてみましょう。このケースでは、4月25日に支払われる給与は4月3日から4月20日分のものですが、このタイミングでは社会保険料の控除はありません。実際には、翌月5月25日に支払われる給与から4月分の社会保険料が控除されることになります。
多くの会社ではこのように月の途中で入社した場合、翌月の給与から前月分の社会保険料を控除しますが、例外もあります。中には、月の途中で入社した場合に、その月に発生した社会保険料をその月の給与から控除し、翌月末に納付する方式を採用している会社もあります。
例えば、先の例で言えば、4月25日に支払われる給与から4月分の社会保険料が控除され、5月末に納付されるという形です。つまり、控除されるタイミングと実際の納付が1か月ずれることになります。
月の途中で入社するときの社会保険料に関するポイント
自分の会社がどのタイミングで社会保険料を控除しているか、確認してみるとよいでしょう。
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社会保険の資格喪失のタイミング
社会保険の資格喪失は、基本的に退職日の翌日から適用されます。退職日当日までであれば、その日のうちに勤務先の健康保険を利用して医療機関で受診することが可能です。
例えば、4月30日に退職した場合、資格喪失日は5月1日です。この場合、4月分の社会保険料が発生し、5月末に社会保険料が納付されることになります。
一方、4月29日に退職した場合、資格喪失日は4月30日となり、4月分の社会保険料は発生しません。したがって、4月末に支払う社会保険料が最後の支払いとなります。
このように、退職日を月末以外の月の途中で設定するか月末にするかによって社会保険料の発生有無が異なるため、タイミングには注意が必要です。
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月の途中で入社した場合の社会保険料はいつから控除される?
月の途中で入社した際、社会保険料が実際に給与から控除される時期について説明します。
社会保険料は基本的に月単位で徴収されるため、月の途中で入社した場合も日割り計算は行われません。そのため、月の途中で入社した場合でも、入社した月から月単位で負担が発生し、実際に控除されるのは翌月の給与支払い時です。
SoVa税理士お探しガイド編集部
つまり、月の途中で入社した場合でも、その入社月分の社会保険料が翌月の給与から差し引かれることになります。
社会保険料控除の具体例
具体的な例を使って、月の途中で入社した場合の社会保険料控除を見てみましょう。
月の途中で入社した場合の例①:「15日締め、当月25日支払い」の事業所に4月5日入社した場合
4月5日に入社した場合、4月が保険の対象月となります。4月25日に支払われる給与は、4月5日から15日分の給与ですが、この時点では社会保険料は控除されません。4月分の社会保険料は翌月5月25日に支払われる給与から差し引かれます。
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月の途中で入社した場合の例②:「末締め、翌月25日支払い」の事業所に4月20日入社した場合
この場合も保険対象月は4月です。4月20日から30日分の給与は翌月5月25日に支給され、その際に4月分の社会保険料が控除されます。
事業所によって給与の締め日と支払い日は異なりますが、いずれにしても月の途中で入社した場合、入社月分の社会保険料は翌月支給される給与から差し引かれるという点は共通しています。
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月の途中で入社した場合の社会保険料の計算
では、月の途中で入社した場合、社会保険料の計算はどうなるのでしょうか。まず、社会保険料がどのように決定されるのかを確認しておきましょう。
標準報酬月額とは
社会保険料は、毎年4月から6月までの給与を3で割って算出する「標準報酬月額」を基準に決まります。これは、社会保険料を算出するための基準額です。健康保険や介護保険の場合、標準報酬月額は協会けんぽや組合けんぽによって、厚生年金保険は日本年金機構によって設定されます。各保険の料率や基準額表は、各機関のウェブサイトで確認できます。
新入社員の場合、4月から6月の給与がないため、この方法では標準報酬月額を算出できません。そのため、月の途中で入社する場合は、入社後に受け取る予定の給与額を基に、社会保険料を決定します。入社時に決まっている基本給や手当をもとに、おおよその給与額を予測し、それに基づいて標準報酬月額が決定されるのが通常の方法です。
月の途中で入社した場合の健康保険料の計算方法
月の途中で入社した場合の健康保険料は次の計算式で求められます。
健康保険料 = 標準報酬月額 × 健康保険料率
標準報酬月額については前述のとおりです。健康保険料率は都道府県ごとに異なり、会社の所在地によって所属する「協会けんぽ」の支部で決まります。
例:東京で勤務する23歳の会社員で、月給25万円の場合
令和6年度の標準報酬月額は等級20に該当し、26万円となります。この場合、健康保険料率は9.98%です。
そのため、健康保険料は「26万円 × 9.98% = 25,948円」です。会社と労働者で保険料を折半するため、給与から差し引かれる金額は12,974円です。
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月の途中で入社した場合の厚生年金保険料の計算方法
月の途中で入社した場合の厚生年金保険料は次の計算式で算出されます。
厚生年金保険料 = 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率
令和6年3月時点での厚生年金保険料率は18.300%です。同じ23歳の会社員で、標準報酬月額26万円の場合、厚生年金保険料は「26万円 × 18.300% = 47,580円」です。これも労使折半されるため、給与から控除されるのは23,790円です。
月の途中で入社した場合の介護保険料の計算方法
介護保険料は、40歳未満の従業員には適用されません。対象は40歳から64歳までの第2号被保険者となります。計算式は次の通りです。
介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率
令和6年3月から、介護保険料率は1.82%から1.60%に引き下げられました。
例:東京で勤務する43歳の会社員で、月給35万円の場合
標準報酬月額は36万円に該当し、介護保険料率は1.60%です。
計算式は「36万円 × 1.60% = 5,760円」。このうち、労使折半されるため、従業員負担分は2,880円となります。
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月の途中で入社した場合の社会保険料に関するよくある質問
最後に、月の途中で入社した場合における社会保険料の計算に関するよくある質問をまとめて解説します。
入社月の社会保険料は修正が必要な場合がある?
月の途中で入社した場合の社会保険料は、あくまで想定される給与をもとに算出するため、予測に近いものになります。通常は大きな誤差は生じませんが、実際の給与額が想定と異なる場合は、随時改定を行う必要が出てきます。
この随時改定とは、標準報酬月額と実際の給与に大きな差が生じた際に、社会保険料額を見直す制度です。入社後の給与状況によっては、こうした調整が必要となる場合があることを覚えておいてください。
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月の途中での入社時の対応は?
月の途中で入社した場合は、社会保険料は日割り計算が行われず、どのタイミングで加入してもその月の社会保険料を満額支払う必要があります。
例えば、4月15日など月の途中で入社した場合でも、4月分の社会保険料は満額が発生し、それが5月末の給与から引かれることになります。
月の途中で入社するときの社会保険料に関する注意点
この場合、加入日が月の途中でも保険料が減額されることはないため、注意が必要です。
入社した月の途中で退職した場合は?
入社した月の途中で退職した場合、特別な取り扱いが必要になります。
例えば、4月3日に入社した社員が4月28日に退職した場合、資格喪失日は4月29日となります。この社員が4月30日までに他の会社に転職し、その会社で社会保険に加入していれば、その月の社会保険料は徴収されません。
ただし、このようなケースは非常に稀で、通常は入社月の途中で退職する場合も社会保険料が天引きされます。もし後に社会保険料が誤って徴収されたと判明した場合、年金事務所から還付される手続きが行われます。
入社月・退職月に賞与が支給された場合
賞与にも社会保険料が課されます。賞与に対する保険料は、社会保険資格取得後に支給されたものが対象です。
一方で、退職月に賞与が支給される場合は、退職日によって取り扱いが異なります。月末退職の場合、退職する月の途中で支給された賞与に対しても社会保険料がかかります。逆に、月末以外の退職であれば、給与と同様に賞与にも社会保険料がかからないため、その月の賞与についても保険料の徴収は行われません。
月の途中で入社した場合の社会保険料に関するおすすめ記事:同じ月に入社と退職をした人(同月得喪)の社会保険料について
まとめ
社会保険料は、当月分が翌月の給与から控除されます。入社した月から保険の適用が始まるため、月の途中で入社した場合も、翌月の給与支払い時に社会保険料が差し引かれることになります。
また、社会保険料は毎年4月から6月の給与を基準に決定される「標準報酬月額」に基づいて計算されます。月の途中で入社した場合は、その後の見込み給与をもとに標準報酬月額が設定されます。
特に月の途中で入社した場合は、社会保険料がいつから控除されるかをしっかり確認しておきたいものです。本記事を参考に、社会保険料の仕組みを再確認しておきましょう。
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