個人事業主から法人化するメリットとデメリットとは?

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公開日:2024年8月

更新日:2024年9月3日

個人事業主から法人化することで得られるメリットとデメリットについて詳しく解説します。法人化することで、節税効果が期待できることや、社会的な信頼性が向上し取引先が増えるなど、多くのメリットがあります。一方で、法人化にはデメリットも存在します。例えば、法人設立には初期費用や手続きが必要で、法人維持に関する複雑な規制や書類作成の手間も伴います。この記事では、個人事業主から法人化した際のメリットとデメリットを中心に解説し、法人化を検討する際の参考となる情報を紹介します。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

個人事業主から法人化することを「法人化」や「法人成り」と言います。
参考:「法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!

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個人事業主から法人化したときに税理士に依頼することは、多くの創業者にとっておすすめな選択肢です。税理士などの専門家の支援を受けることで、税務申告や資金調達、経理管理などの面でスムーズな事業運営を実現できます。この記事では、税理士に会社設立を依頼するメリットとデメリット、個人事業主から法人化を依頼するおすすめのタイミング、個人事業主から法人化するときの税理士の選び方について詳しく解説しています。

個人事業主から法人化するメリット

個人事業主から法人化するとデメリットだけでなく多くのメリットがあります。ここでは、個人事業主から法人化したときに享受できる代表的なメリットについて解説します。
また、個人事業主から法人化した場合のデメリットについては後ほど解説します。

個人事業主から法人化するメリット① 信頼度が向上する

個人事業主から法人化する際には、商号(社名)、住所、資本金などの情報を法務局に提出し、正式に登記する必要があります。登記情報は公開されており、誰でも確認できるため、法人としての責任が明確になり、社会的な信用度が向上するというメリットがあります。これは、個人事業主から法人化すると、会社が登記され、公的機関からその法人の存在を認知されていることになるためです。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

個人事業主の場合は、実際に事業を行っていることを証明する書類が存在しません。

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個人事業主から法人化する際の信頼に関するメリット・デメリットは「【法人化による社会的信用】会社設立のメリット・デメリットについて」の記事がおすすめです。

個人事業主から法人化することで、取引先の幅が広がり、個人事業主とは契約しない企業とも取引が可能になります。これにより、事業の拡大や新たなビジネスチャンスを得る大きなメリットがあります。個人事業主から法人化は、事業の成長をサポートするための重要なステップとなり、信用力の向上や資金調達のしやすさ、税務上の優遇なども期待できます。

一方で、個人事業主から法人化にはデメリットも存在します。法人設立には初期費用がかかり、設立後も法人税や社会保険料などの経費が増加する可能性があります。また、個人事業主から法人化に伴い、許認可の取得やオフィス・店舗の名義変更、取引で使用する銀行口座の法人名義への変更が必要になります。これらの手続きや変更は手間がかかり、計画的に進める必要があります。
こちらの記事を参考にして手続き漏れがないようにしましょう。

個人事業主から法人化するメリット② 節税ができる

個人事業主から法人化でできる節税1 給与所得控除

個人事業主から法人化すると、個人事業主との大きな違いがあります。その一つが「給与所得控除」の特典です。個人事業主は事業所得として、収入から経費を引いた額にそのまま課税される仕組みです。

一方、個人事業主から法人化して社長になると、「役員報酬」が給与所得として扱われます。この場合、給与所得控除が適用され、所得から55〜195万円を控除できるメリットがあります。これは、個人事業主が利用できる青色申告控除(最大65万円)と比較すると、控除額が大きくなることが多く、結果として節税効果が高くなるというメリットです。個人事業主から法人化することで、税制面でのメリットを大いに活用していきましょう。

個人事業主から法人化するメリット・デメリットに関する

個人事業主から法人化するメリット・デメリットに関するおすすめ記事

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個人事業主から法人化した場合のメリット・デメリットはたくさん存在します。
メリット・デメリットをまとめた記事として「法人化による節税メリット9選|個人事業主が知るべき会社設立の最適タイミングとは」の記事が参考になるでしょう。

個人事業主から法人化でできる節税2 役員報酬を損金にできる

一定の要件を満たせば役員報酬を損金算入できるというメリットがあります。役員報酬を経費にすることで、課税所得が減少し、法人税の軽減につながります。

また、役員報酬の経費計上にするには、以下の3つの支給方法の規定に準拠する必要があります。

合わせて読みたい「役員報酬を経費にする方法」に関するおすすめ記事

役員報酬を経費にする方法を解説!経費にするための要件とは?

この記事では、個人事業主から法人化した際に役員報酬を経費(損金算入)として計上する方法や要件について詳しく解説しています。個人事業主から法人化によって、役員報酬を経費にするメリットが得られますが、要件を満たしていない場合、税務調査で厳しく確認されるデメリットがあります。そのため、役員報酬を経費として計上する方法をしっかりと理解し、適切に対応することが重要です。個人事業主から法人化の過程で、これらの要件を把握しておくことで、スムーズな経営が実現できるでしょう。

【定期同額給与】

個人事業主から法人化することで、定期同額給与の制度を利用し、役員に対して毎月一定額の報酬を支払うことが可能になります。この報酬は、株主総会などで事前に金額を決定し、支給時期が一定である必要があります。個人事業主から法人化すると、税務上のメリットとして、役員報酬を経費として計上できる場合があります。しかし、役員報酬の変更は年に1回、決算後3ヶ月以内に限られるため、定期同額給与のルールに従わないと、税務署から経費として認められないというデメリットも存在します。個人事業主から法人化によって得られるメリットとデメリットをしっかり把握し、適切な運用を心掛けることが重要です。

【事前確定届出給与】

個人事業主から法人化する際、事前確定届出給与を活用することで、役員に対して特定の時期に確定額を支給することができます。この届出により、役員賞与も経費として計上できるメリットがあります。ただし、届出書に記載された時期と金額が一致しない場合、経費として認められないデメリットが生じます。個人事業主から法人化によって、事業年度ごとにこの届出を行う必要があり、経営状態が悪化しても定められた時期に支払う義務があるため、注意が必要です。個人事業主から法人化のプロセスでは、このようなメリットとデメリットをしっかり把握し、適切な手続きを行うことが重要です。

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個人事業主から法人化するメリット・デメリットに関連して、気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

決まった時期に決まった額を正確に支払わないと損金算入できなくなるという大きなデメリットがあるため注意が必要です。

【業績連動給与】

業績連動給与は、企業の業績に連動して支給される役員報酬であり、算定指標を定め、有価証券報告書等で開示する必要があります。個人事業主から法人化する際、業績連動給与の導入は法人化のメリットの一つとして業績に応じた報酬の柔軟性を提供しますが、現状では導入企業は大企業に限られ、少数に留まっています。このため、個人事業主から法人化の際に業績連動給与を検討する場合、導入に必要な要件やデメリットも把握しておくことが重要です。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

詳細な役員報酬の規定などは「役員報酬を経費にする方法を解説!経費にするための要件とは?」が参考になります。

合わせて読みたい「役員報酬の株主総会議事録の作成方法」に関するおすすめ記事

役員報酬の株主総会議事録の作成方法とは?記載例も解説!

この記事では、個人事業主から法人化する際に役員報酬額を変更した場合に作成が必要となる株主総会議事録の書き方について解説しています。個人事業主から法人化のメリットの一つとして、役員報酬を経費として損金算入できる点が挙げられますが、役員報酬額の変更時には株主総会議事録を正しく作成する必要があります。これにより、税務調査の際に提出を求められても慌てることなく、役員報酬を確実に損金として計上することができるでしょう。個人事業主から法人化する際のデメリットとして、これらの手続きが煩雑になることもありますが、適切に対応することで問題を回避できます。

個人事業主から法人化でできる節税3 退職金を損金計上できる

役員退職金を適切な範囲内で支給することで、法人の所得税負担を削減し、節税効果を得ることができるメリットがあります。

個人事業主から法人化のメリット・デメリットに関連するポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

役員退職金を損金算入することで、法人の課税所得が減少し、結果的に法人税額が軽減されます。利益が出ている会社にとって、この方法は節税効果が期待できる有効な手段です。

役員退職金は、一般的に取締役や監査役が任期終了や辞任などで退任する際に支払われる金銭であり、個人事業主から法人化する際には重要な考慮点の一つです。法人化することで、役員退職金の支給が可能になる一方、支給手続きは一般社員の退職金とは異なり、株主総会の決議を得るか、定款にその旨を明記する必要があります。これにより、法人化のメリットとして役員退職金の制度を利用できる一方で、手続きの複雑さや追加のコストなどのデメリットも存在します。個人事業主から法人化する際には、役員退職金の支給に関するルールや手続きについてしっかりと理解しておくことが重要です。

個人事業主から法人化のメリット・デメリットに関連するおすすめ記事

税理士_依頼_おすすめの記事

役員退職金の定義については「役員退職金とは?支給手続きや計算方法、税金などのメリットとデメリットを解説」を参照してください。

また、役員退職金の損金算入には、以下の二つのタイミングがあります。

・株主総会で役員退職金を決議した事業年度

・会社が実際に役員退職金を支払った事業年度

これらのタイミングは必ずしも同じ年度である必要はありません。そのため、会社は税務上有利な年度を選択して損金算入を行うことができるメリットがあります。

事業年度に利益が出る場合、その年度内に役員退職金を損金計上することで、所得税負担を軽減できます。計画的に損金計上を行うことで、会社の税負担を効果的に抑えることが可能です。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

役員退職金を損金算入できるメリットの参考記事は「役員退職金は損金算入できる! ポイントは計算方法にあり」!」がおすすめです。

個人事業主から法人化でできる節税4 消費税納付が最長2年免除できる

新たに個人事業主から法人化すると、原則として設立後2期目まで消費税の納税義務が免除されるメリットがあります。また、個人事業主として開業してから2年間消費税免除を受け、その後に個人事業主から法人化することで、最大4年間の消費税免除を受けることが可能になる点はかなり大きなメリットと言えるでしょう。

【資本金が1,000万円未満の場合】

個人事業主から法人化した会社の資本金が1,000万円未満であれば、1期目の消費税納税義務が免除されます。

【資本金が1,000万円以上の場合】

個人事業主から法人化した時の資本金が1,000万円以上の場合、個人事業主から法人化1年目から消費税の納税義務が発生します。

ただし、資本金が1,000万円を超える場合でも、以下の2つの方法を利用することで消費税免除というメリットを享受できます。

・資本準備金の利用
会社法では、出資金の半分までを資本準備金として計上できます。例えば、1,500万円の資金がある場合、750万円を資本金、750万円を資本準備金とすることで、資本金を1,000万円未満に抑えることができます。

・役員借入金の活用
社長などの役員が会社に貸付けるお金を役員借入金とし、資本金を1,000万円未満にする方法もあります。例えば、自己資金が1,000万円以上ある場合でも、資本金を1,000万円未満とし、残りを役員借入金として扱うことで消費税免除の条件を満たすことができます。ただし、役員借入金は会社の債務となるため、後に返済が必要です。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

消費税を最長2年間免除するための詳しい要件は「会社設立後に最長2年間消費税が免除になる?要件や注意点を解説」の記事が参考になります。

個人事業主から法人化でできる節税5 赤字を最長10年繰り越しできる

法人税は赤字を翌期以降に繰り越せるメリットがあります。これにより、翌期以降に黒字が出た場合に相殺し、法人税を減らすことができます。

赤字繰越の適用条件

赤字を繰り越すためには、以下の手続きを期限内に行う必要があります

【青色申告承認申請書の提出】

[提出期限]
・青色申告を受ける事業年度開始の前日まで

・1期目の場合は、設立日から3ヶ月以内

・期限が土日祝の場合は翌日


【確定申告書の提出】

[提出期限]
・決算日から2ヶ月以内(例:3月決算の場合は5月31日)

・期限が土日祝の場合は翌日

繰越期間

【繰越期間】
10年間(平成30年3月31日以前に開始する事業年度に生じた欠損金は9年間)
※赤字が複数年にわたる場合、古い年度の欠損金から順に相殺されます。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

資本金が1億円以下の中小企業は、欠損金を全額控除することができます。

個人事業主から法人化するメリット・デメリットの関連ポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

翌期以降に黒字が出た場合、赤字と相殺することで課税所得を減らすことができます。課税所得が減れば法人税も減り、結果として手元に残るキャッシュが増えます。赤字が発生した場合、翌期以降の黒字で節税効果を活用しましょう。

個人事業主から法人化するメリット③ 責任範囲が限定される

一般的に会社(株式会社や合同会社)は、無限責任ではなく有限責任のため責任範囲が限定されています。


有限責任である会社形態

株式会社、合同会社、特例有限会社はすべて有限責任を前提とした会社形態です。

株式会社では、株主は株式購入時の出資金まで責任を負います。多くの資金を集めることができ、倒産しても株主は株式の価値を失うだけで済みます。

個人事業主から法人化のメリット・デメリット解説部

合同会社は、社員(出資者)が出資金まで責任を負います。株式を発行しない形態で、アメリカのLLCをモデルにしています。

個人事業主から法人化する際には、特例有限会社や有限責任事業組合(LLP)など、さまざまな法人形態を検討することができます。特例有限会社は、2006年の会社法施行により旧有限会社法が廃止されたため、法律的には株式会社の一種として存続しています。この形態のメリットとしては、出資者が出資金の範囲内で責任を負うため、安心して投資や経営ができる点があります。

一方、有限責任事業組合(LLP)は、会社法ではなく有限責任事業組合契約法に基づく民法上の組合で、出資者は出資金の範囲内で責任を負います。この形態も、出資者が出資金以上の責任を負わないため、経営のリスクを限定することができるメリットがあります。

しかし、個人事業主から法人化する際には、これらの法人形態にはデメリットも存在します。例えば、特例有限会社は既存の法人形態として一定の制約があり、有限責任事業組合(LLP)は税制面での優遇措置が少ない場合があります。法人化におけるこれらのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自身のビジネスに最適な形態を選ぶことが重要です。

無限責任である会社形態

個人事業主から法人化する際に、法人の形態として無限責任社員が存在する会社を選ぶ場合、いくつかのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。例えば、合名会社はすべての社員が無限責任を負う企業形態で、個人事業主から法人化する際の選択肢の一つです。合名会社のメリットは、社員が自身の労働力や信用も出資として提供でき、業務執行権と代表権を持つ点です。しかし、全社員が無限責任を負うため、リスクが大きすぎるというデメリットもあり、個人事業主から法人化する際に選ばれることは少なくなっています。

また、合資会社も個人事業主から法人化の選択肢として存在します。合資会社は、無限責任社員と有限責任社員が共存する形態で、無限責任社員が事業運営を担当し、有限責任社員が資金提供に専念するという役割分担が可能です。この形態には、倒産時の無限責任社員のリスクが大きいというデメリットがあるため、最近ではそのデメリットを考慮して設立件数が減少しています。個人事業主から法人化する際には、これらの法人形態のメリットとデメリットをよく理解したうえで、最適な形態を選ぶことが求められます。

個人事業主から法人化するメリット・デメリットの関連ポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

組織変更について、合資会社の有限責任社員全員が無限責任社員になる場合は合名会社に、無限責任社員全員が有限責任社員になる場合は別の組織形態に変更する必要があります。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

無限責任と有限責任について詳細な解説のおすすめの記事は「法人における有限責任と無限責任の違いを解説」がおすすめです。

個人事業主から法人化するメリット④ 決算月を自由に決定できる

個人事業主の場合、事業年度は法律で1月から12月と定められており、決算月は12月になってしまうデメリットがあります。一方、法人では決算月が固定されてしまうデメリットはなく、事業年度の決算月を自由に設定できるメリットがあります。例えば、繁忙期と決算月が重ならないようにするなど、自社の都合に合わせて決算月を調整することが可能です。

個人事業主から法人化するデメリット

個人事業主から法人化するのは何もメリットばかりではなくデメリットもあります。
メリットとデメリットの双方を理解しておくことが肝心なので、ここでは、個人事業主から法人化する場合のデメリットについて解説します。
一般的に言われる、個人事業主から法人化したときのデメリットは以下のものがあります。

個人事業主から法人化するデメリット① 法人化するのに費用がかかる

株式会社の設立には、合同会社よりも多くの費用がかかるデメリットがあります。特に定款の認証手数料や登録免許税が高く、合計費用は約22万円からです。一方、合同会社は約10万円から設立できます。このようなデメリットがあるので、事業の規模や予算に応じて、個人事業主から法人化する際にどちらの会社形態を選ぶか検討することが重要です。

株式会社の場合

株式会社の設立費用には、定款用収入印紙代が4万円(電子定款の場合は不要)、定款の謄本手数料が約2,000円(1ページあたり250円)、定款の認証手数料が資本金に応じて3万円から5万円かかります。さらに、登録免許税は最低額15万円または資本金額の0.7%(高い方)が必要です。これにより、合計費用は約22万円以上となり金額が合同会社よりも高額な面がデメリットになっています。
※この金額は資本金や認証手数料によって変動します。

合同会社の場合

一方、合同会社の設立費用は、定款用収入印紙代が4万円(電子定款の場合は不要)、定款の謄本手数料と定款の認証手数料がそれぞれ0円です。登録免許税は最低額6万円または資本金額の0.7%(高い方)です。これにより、合計費用は約10万円以上となり、資本金によって変動します。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

個人事業主から法人化するときの費用については「会社設立の費用・維持費ってどれくらい?個人事業主とどっちがお得」の記事も参考にしてみましょう。

株式会社は設立費用が高いというデメリットがあるものの、社会的信用があるというメリットもあり、資金調達や認知度向上に有利です。一方、合同会社は低コストで設立できるメリットがあり、設立初期の負担が軽減されます。メリットデメリットを考えて、事業の目的や予算に合わせて最適な形態を選びましょう。

個人事業主から法人化するデメリット② 社会保険に加入する必要がある

個人事業主から法人化すると、社会保険の対象が変わります。個人事業主は「国民年金」と「国民健康保険」に加入していますが、個人事業主から法人化すると「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」に切り替わってしまうデメリットがあります。
ただし、法人の代表取締役であっても、健康保険と厚生年金保険には加入することが求められますが、法人の社長は「雇用保険」と「労災保険」の適用対象外です。従業員を雇っている場合には、従業員には「雇用保険」と「労災保険」が適用されます。

個人事業主から法人化したときの社会保険手続きに関するポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

個人事業主から法人化した場合、社会保険手続きに加えて、労働保険の手続きが必要になることがあります。この際、統一様式を利用すると手続きがスムーズに進みます。統一様式とは、会社設立や事業開始に伴う以下の3つの社会保険手続きを、1つのフォームで一度に行える便利な書式です。
・労働保険の保険関係成立届
・雇用保険適用事業所設置届
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
これらの手続きを統一様式でまとめて行うことで、手続きが効率化されることが期待されます。
参考:「フリーランス・個人事業主から法人化したとき必要な社会保険の加入手続き

個人事業主から法人化によって、健康保険や厚生年金保険などの社会保険に加入する義務が生じ、法人はこれらの保険料の半分を負担しなければならないデメリットが存在します。その結果、法定福利費(法人の社会保険料負担)が増加し、事務手続きの負担も増えるというデメリットにつながることになります。

合わせて読みたい「個人事業主から法人化するメリット・デメリット」に関するおすすめ記事

個人事業主から法人化したときの社会保険手続きとは?個人事業主から法人化した際のメリットも解説!

この記事では、個人事業主から法人化した場合のメリットとデメリットに加え、「会社設立後にいつから社会保険に加入すべきか?」について詳しく解説しています。特に、個人事業主から法人化する際の社会保険手続きの流れや、法人化によって得られる節税効果や信用度の向上といったメリット、そして手続きの煩雑さやコストが増加するデメリットなども取り上げています。

個人事業主から法人化するデメリット③ 赤字の時も税金を払う必要がある

個人事業主から法人化した場合、赤字でも税金がかかるデメリットがあります。

個人事業主の場合は1事業年度で赤字の場合には所得税がかかりません。

しかし、法人の場合、1事業年度で赤字になったとしても最低限、年間約7万円の法人住民税が課税されるというデメリットがあります。

個人事業主から法人化を検討するタイミング

個人事業主が法人化すると、節税など多くのメリットが得られます。しかし、場合によっては個人事業主から法人化するとメリットよりもデメリットの方が上回ってしまうこともあります。事業の状況や売上規模によっては、個人事業主から法人化はせずに個人事業主のままでいる方が総支出を抑えられる場合もあります。個人事業主から法人化するタイミングや判断に迷った際は、税務の専門家である税理士に相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。

個人事業主から法人化するタイミング① 所得が800万~900万円

所得が800万〜900万円に達すると、個人事業主から法人化を検討することが一般的です。個人事業主から法人化することで、所得税率が段階的に上昇する累進課税から脱し、法人税は15%または23.2%と一定になるため、税負担を軽減できるメリットがあります。さらに、法人地方税が10.3%加算されますが、法人化による全体的な節税効果は大きいと言えます。

一方、個人事業主から法人化にはデメリットもあります。例えば、法人化すると法人税や法人住民税の支払いが発生し、社会保険料の負担も増えます。また、役員報酬に対して個人として所得税や社会保険料が課されるため、個人事業主から法人化した後に役員報酬を多く取ると、手取りが減少するリスクがあります。さらに、将来的に年金額が減る可能性も考慮する必要があり、これも個人事業主から法人化する際のデメリットの一つです。

このように、個人事業主から法人化には多くのメリットとデメリットが存在し、それぞれの状況に応じて慎重に判断することが重要です。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

このため、メリットデメリットを考えつつ、個人事業主から法人化は利益が800万円を超えたあたりから検討し、自分の役員報酬にかかる所得税や社会保険料と、会社に残すお金に対する法人税や社会保険料のバランスを考えることが重要です。

個人事業主から法人化するタイミング② 年間売上が1,000万円を超える

年間売上が1,000万円を超えた時点が、個人事業主から法人化する一つの目安とされています。売上が1,000万円を超えると、その2年後から消費税の課税事業者となり、消費税を納める義務が発生します。

個人事業主から法人化するタイミングを工夫すれば、消費税の免税期間を延ばすことができます。例えば、2023年に個人事業主としての売上が1,000万円を超え、2024年に個人事業主から法人化した場合、消費税の課税基準が2024年の売上にリセットされるため、2026年まで消費税の納税を先延ばしにできるメリットがあります。

ただし、個人事業主から法人化した時の資本金が1,000万円を超えると、特例規定により初年度から消費税課税事業者となるデメリットもあるため、この点には注意が必要です。

個人事業主から法人化するメリット・デメリットの関連記事

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個人事業主から法人化した場合のデメリットとメリットの両面を解説している「法人成りする11個のメリットと5個のデメリット」も参考になるでしょう。

個人事業主から法人化するタイミング③ 節税を考えはじめたとき

個人事業主から法人化する大きなメリットの一つは、節税効果が高いことです。個人事業主は、所得が増えるにつれて税率が上がる累進課税が適用されるデメリットがありますが、法人の場合は所得が800万円を超えても税率はほぼ一定です。そのため、大きな利益が出る場合には個人事業主から法人化することで節税が可能になるメリットがあります。

また、個人事業主から法人化すると役員報酬を設定できるため、給与所得控除の利用や退職金の損金計上、欠損金の繰越控除期間の延長など、法人ならではの節税対策が可能になります。

ただし、節税効果は企業の状況によって異なるため、売上や利益の観点からも個人事業主から法人化することを検討することが重要です。

個人事業主から法人化するメリット・デメリット編集部

個人事業主から法人化するタイミングに関しては「法人化に適したタイミングとは?売上・利益・節税の3つの観点から解説」の記事が参考になります。

合わせて読みたい「会社設立後にいつから社会保険に加入すべきなのか」に関するおすすめ記事

会社設立後に社会保険はいつから加入すべき?社会保険の加入手続きについても詳細解説!

個人事業主から法人化した際のメリット・デメリットのほかに、この記事では、個人事業主から法人化した際にいつから社会保険に加入すべきなのかについて紹介しています。また、社会保険加入手続きの方法についても紹介しているため、社会保険手続きに不安な方は是非ご覧ください。

まとめ

個人事業主から法人化すると、多くのメリットが得られます。例えば、税制面での優遇措置や、社会的信用の向上が挙げられます。特に、法人税は個人事業主から法人化することで所得税の累進課税から解放され、税率が一定となるため、結果的に税負担を軽減できるメリットがあります。また、法人としての社会的な信頼性が高まるため、大きな取引を受けやすくなるというメリットも期待できます。

しかし、個人事業主から法人化することにはデメリットも存在します。例えば、法人としての社会保険料や法人住民税の負担が増える点や、役員報酬に対する個人所得税の影響が大きくなることが考えられます。さらに、法人化による運営コストが増えたり、将来的な年金額に影響を与える可能性もあり、これらはすべてデメリットと言えます。

個人事業主から法人化するタイミングは、これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、慎重に判断することが重要です。

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