日本政策金融公庫の創業計画書の書き方とは？記入が必要な項目の記載例も紹介！

日本政策金融公庫の創業融資を受けるためには、「創業計画書」の提出が必要不可欠です。創業計画書は、日本政策金融公庫が融資の審査を行う際に最も重視する書類の一つであり、記入内容によって融資の可否が決まります。

しかし、「日本政策金融公庫の創業計画書には何を記入すればよいのか？」「日本政策金融公庫の審査に通りやすい創業計画書の書き方は？」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、日本政策金融公庫の創業計画書の基本的な書き方を詳しく解説します。さらに、日本政策金融公庫の融資審査で重要視される創業計画書の記入ポイントや、各項目の具体的な記載例も紹介します。

日本政策金融公庫の創業融資を成功させるためには、創業計画書の作成が鍵を握ります。

創業計画書とは？日本政策金融公庫の創業融資に必要な書類

「創業計画書」とは、新たに事業を始める際に、その事業の概要や運営方針、資金計画、事業の成長見通しなどをまとめた書類のことを指します。特に、日本政策金融公庫の創業融資を利用する際には、この創業計画書が必須の書類となります。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫の創業計画書の書き方と記入例を解説」

創業計画書を作成することで、自分の経歴やスキルを整理し、事業の強み・弱みを客観的に分析する機会にもなります。また、日本政策金融公庫などの融資を申し込む際には、事業の具体的な計画や資金の使い道を明確に伝えることが重要です。

日本政策金融公庫をはじめとする公的機関や金融機関では、創業計画書をもとに融資の審査が行われます。特に日本政策金融公庫の創業融資では、事業の持続可能性や資金計画の妥当性が評価されるため、しっかりとした計画の記載が求められます。

日本政策金融公庫の創業計画書はどこで入手できる？

日本政策金融公庫の創業計画書のフォーマットは、日本政策金融公庫の各支店に備え付けられているほか、日本政策金融公庫の公式サイトからもダウンロードが可能です。創業融資を検討している場合は、事前にフォーマットを確認し、必要な記載項目を把握しておくことが重要です。

それぞれの融資制度によって、記入が求められる項目が異なるため、申請する金融機関や制度に応じたフォーマットを確認しましょう。

日本政策金融公庫とは？創業時の資金調達を支援する政策金融機関

日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者、農林漁業者など、事業を営む方々を支援するために設立された政策金融機関です。民間の金融機関では融資を受けにくい創業者や小規模事業者に対し、事業資金の調達を支援する役割を担っています。

また、日本政策金融公庫の融資制度は、単なる資金提供にとどまらず、事業計画の策定や経営のアドバイスなど、創業者の成長を支援する取り組みも行っています。公庫の創業融資を利用する際には、「創業計画書」の提出が必要となるため、事前にしっかりとした計画を立てることが重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本公庫の創業計画書【創業の動機】欄の良い例・悪い例」

日本政策金融公庫の創業計画書作成は「創業計画」から始めよう！

創業計画書は、日本政策金融公庫の創業融資を申し込む際に事業の実現性を伝えるための重要な書類です。日本政策金融公庫の担当者は、創業計画書の内容をもとに、創業計画の妥当性や事業の継続可能性を評価します。そのため、創業計画書を作成する前に、しっかりとした創業計画を立てることが大切です。

日本政策金融公庫の創業融資を受けるためには、創業計画を明確にし、創業計画書に具体的な事業の内容を記入する必要があります。創業計画書の内容が非現実的であれば、事業の実現性を示すことができず、日本政策金融公庫の融資審査で不利になる可能性があります。

日本政策金融公庫の創業計画書をを作成する際の3つのポイント

• 将来を構想する
• 現状を整理する
• 課題を抽出する

日本政策金融公庫の創業融資を活用するためには、創業計画を具体的に考え、創業計画書に事業の見通しを明確に記入することが求められます。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント①
将来を構想する – 日本政策金融公庫の創業計画書に記入すべき事業のビジョン

創業計画を立てる際には、事業の将来像を明確にすることが必要です。

将来を構想する際の記入項目

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント①-1
コンセプトを明確にする

日本政策金融公庫の創業計画書に事業のコンセプトを記入することで、どのような方向性の事業を展開するのかを説明できます。「地域に根ざしたカフェ」「健康志向の商品を提供する通販事業」など、具体的なコンセプトを考えましょう。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント①-2
ターゲットを明確にする

創業計画書では、誰をターゲットにした事業なのかを明確に記載することが求められます。ターゲットの年齢層や性別、ライフスタイルを考慮し、ビジネスモデルを構築しましょう。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント①-3
サービスを明確にする

創業計画書には、提供する商品やサービスの詳細を記入します。日本政策金融公庫の融資担当者に対して、どのような商品を提供し、どのように収益を生み出すのかを具体的に説明することが重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「創業計画Q&A」

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント②
現状を整理する – 創業計画書に記入すべき実績や市場分析

日本政策金融公庫の創業融資を申請する際、現在のスキルや経験、事業の市場環境を整理し、創業計画書に反映させることが必要です。

現状を整理する際の記入項目

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント②-1
実績を整理する

創業計画書では、過去の職歴や実績を詳しく記入することで、日本政策金融公庫の担当者に対して事業を成功させるための十分な経験があることを示すことができます。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント②-2
技術やスキルを整理する

日本政策金融公庫の創業融資を申し込む際には、事業に活かせるスキルや資格を創業計画書に記載することが求められます。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント②-3
市場環境を整理する

創業計画書には、事業の市場環境や競合分析を記入することも重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント③
課題を抽出する – 創業計画書に記入すべきリスクと対策

創業計画書を作成する際には、事業の課題を明確にし、それに対する対策を記入することが求められます。

課題を抽出する際の記入項目

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント③-1
資金計画を明確にする

創業計画書には、開業資金の目安や資金調達の方法を記入する必要があります。日本政策金融公庫の創業融資を受ける際には、自己資金の割合や融資を受ける金額を明確にすることが求められます。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫の創業計画書作成を支援します。」

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント③-2
集客計画を明確にする

創業計画書には、顧客をどのように獲得し、安定した売上を確保するかを記入することが重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書の作成ポイント③-3
資格の取得を整理する

事業の運営に必要な資格がある場合は、創業計画書にその取得計画を記入しましょう。

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方

日本政策金融公庫の創業融資を申し込む際、創業計画書の記入内容は審査に大きな影響を与えます。

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方①
創業の動機

「創業の動機」は、なぜその事業を始めようと考えたのか、どのような思いがあるのかを伝える重要な項目です。日本政策金融公庫の担当者は、創業の動機から事業を成功させる熱意や真剣度を判断します。

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方①-1
書き方のコツ – 創業の動機を説得力のある内容にするには？

• 創業のきっかけを具体的に書く
  「昔からの夢だった」「挑戦したいから」という漠然とした理由ではなく、過去の経験や市場ニーズと関連づけることが大切です。
• 自分の言葉で書く
  インターネット上でよく見かける一般的な表現ではなく、自身の経験に基づいたエピソードを交えることで、説得力を増すことができます。
• 事業との関連性を明確にする
  事業の成功に必要なスキルや知識、経験があることを示し、「なぜ自分がこの事業を立ち上げるのか」を論理的に説明しましょう。
• 抽象的な表現を避ける
  「社会の役に立ちたい」「日本を元気にしたい」といった抽象的な表現ではなく、具体的な課題や目標を記入することが重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方①-2
創業の動機 – 記入例

❌ 良くない例（抽象的すぎる例）
「昔から起業したいと考えており、夢を叶えるために創業を決意しました。お客様に喜ばれる事業を目指します。」

✅ 良い例（具体的で説得力のある例）
「大学卒業後、10年間アパレル業界で勤務し、店舗運営やマーケティングを経験しました。その中で、既存のブランドにはない個性的なデザインや高品質な素材を求める顧客層が一定数存在することを実感しました。特に、オーダーメイドの衣服を求める層は年々増加しており、このニーズに応えるため、自身でオリジナルブランドを立ち上げることを決意しました。これまで培った知識と経験を活かし、日本製の高品質な生地を使用したオーダーメイドのアパレルブランドを展開します。」

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫の創業融資に欠かせない、創業計画書の雛形（テンプレート）を解説」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方①-3
創業の動機を記入する際のポイント

• 具体的な経験・背景を盛り込むことで、事業の必然性を示す
• 抽象的な表現ではなく、事業の課題や市場のニーズに基づいた理由を記載する
• 事業を立ち上げる自分の強みや優位性をアピールする

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方②
日本政策金融公庫の創業融資で重要な「経営者の略歴等」

日本政策金融公庫の創業融資を受けるための創業計画書では、「経営者の略歴等」という項目が非常に重要です。ここでは、創業する事業に関係する経験があるか、過去の事業運営経験があるか、関連する資格や特許を持っているかが問われます。

【日本政策金融公庫の創業計画書における「経営者の略歴等」の記入ポイント】

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方②-1
事業に関係する経験を具体的に記載する

創業計画書では、日本政策金融公庫の担当者が「創業する事業を運営するためのスキルや経験があるか」を判断します。

• 過去の勤務経験を記載する
  例：「飲食業界で10年間勤務し、店舗運営・仕入れ・調理・接客の経験を積んできた」
• 起業する事業と関連するスキルを強調する
  例：「Webマーケティングの専門知識を活かし、ECサイト運営を開始予定」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方②-2
関連する資格・特許を積極的に記載する

日本政策金融公庫の創業融資の審査では、創業者が事業を運営するための専門知識や技術を持っているかが重要視されます。

• 飲食業を創業する場合：「調理師免許、食品衛生責任者」
• IT関連事業を創業する場合：「基本情報技術者試験（FE）、応用情報技術者試験（AP）」
• 美容業を創業する場合：「美容師免許、エステティシャン資格」

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「【2025年最新版】日本政策金融公庫の創業計画書（事業計画書）の書き方を徹底解説します。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方②-3
業界知識・スキルをアピールする

創業計画書の「経営者の略歴等」では、業界の動向や市場の特性について理解していることを記載すると、創業計画の信頼性が高まります。

• 例：「アパレル業界での勤務経験を活かし、最新のファッション動向や市場のニーズを反映したブランドを立ち上げる」
• 例：「IT業界のトレンドに精通しており、AI技術を活用したサービスを提供する」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方②-4
マネジメント経験を記載する

日本政策金融公庫の創業融資では、経営者としての管理能力も重視されるため、過去のマネジメント経験を記載することが有効です。

• 例：「広告代理店でチームリーダーを務め、部下10名のマネジメント経験あり」
• 例：「飲食店の店長として3年間、店舗の売上管理やスタッフの教育を担当」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方②-5
「経営者の略歴等」の記入例 – 日本政策金融公庫の創業計画書用

❌ 良くない例（内容が抽象的）
「大学卒業後、会社員として勤務していましたが、昔からの夢だった事業を立ち上げることにしました。」

✅ 良い例（具体的かつ説得力のある例）
「○○年3月　　○○大学経営学部卒業
○○年4月～　株式会社○○（大手アパレル企業）5年間勤務
　・販売戦略の立案、ECサイトの運営を担当
　・新規顧客獲得のためのデジタルマーケティング施策を実施
○○年7月～　株式会社○○（ECコンサルティング企業）3年間勤務
　・ECサイトの立ち上げ支援、売上拡大施策の提案を担当
○○年9月　　退職し、日本製アパレルブランドのECサイトを運営する会社を創業予定」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方③
創業計画書の「取扱商品・サービス」の書き方 – 日本政策金融公庫の創業融資で重要なポイント

日本政策金融公庫の創業融資を受けるための創業計画書では、「取扱商品・サービス」の項目が重要視されます。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「創業計画書(pdf)」

特に、「セールスポイント」は日本政策金融公庫の担当者が創業計画書の中でも重要視する部分です。

【日本政策金融公庫の創業計画書における「取扱商品・サービス」の記入ポイント】

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方③-1
取扱商品・サービスを具体的に記載する

創業計画書の「取扱商品・サービス」の項目では、取り扱う商品やサービスの内容を具体的に記載することが重要です。

特に、商品設計や価格設定が明確であることがポイントになります。

❌ 良くない例（抽象的すぎる例）
「地元の食材を活かした料理を提供する飲食店を開業予定。」

✅ 良い例（具体的な記載）
「地元の契約農家から仕入れた無農薬野菜を使用したオーガニックカフェを開業予定。ランチセット（1,500円）、ディナーコース（3,500円）を提供し、ヘルシー志向の女性客をターゲットにする。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方③-2
セールスポイントを明確にする

競争の激しい業界では、競合との差別化が成功のカギとなります。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫の創業計画書の書き方について！」

❌ 良くない例（競合との差別化が不明確）
「新鮮な食材を使った料理を提供する。」

✅ 良い例（競合との差別化が明確）
「毎朝、地元の漁港から直接仕入れる鮮魚を使用し、市場流通しない希少な魚介を提供する和食店を開業予定。全国の地酒と組み合わせたペアリングメニューを強みとし、同地域内の飲食店との差別化を図る。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方③-3
販売ターゲット・販売戦略を記載する

日本政策金融公庫の創業計画書では、「誰に向けて販売するのか？」「どのように販売するのか？」を明確にすることが求められます。

❌ 良くない例（ターゲットが曖昧）
「幅広い年代の方に楽しんでもらえるような商品を販売。」

✅ 良い例（ターゲットを明確化）
「30代～50代の健康志向の高い女性をターゲットに、グルテンフリーのスイーツを販売。Instagramを活用したマーケティングを行い、ターゲット層の関心を集める。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方③-4
競合・市場環境を分析する

創業計画書では、競合状況や市場の成長可能性を説明することが求められます。

❌ 良くない例（競合分析がない）
「周囲には多くの飲食店があるが、需要は高いため成功すると考えている。」

✅ 良い例（競合分析が明確）
「出店予定地にはカフェが10店舗あるが、すべてチェーン店であり、オーガニック専門のカフェは存在しない。市場の成長性として、健康志向の消費者が増加しているため、一定の需要が見込める。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方③-5
「取扱商品・サービス」の記入例 – 日本政策金融公庫の創業計画書用

＜取扱商品・サービスの内容＞

• 完全オーガニック食材を使用した健康志向のカフェを開業
• メニュー例：ランチセット（1,500円）、ディナーコース（3,500円）、オーガニックコーヒー（500円）

＜セールスポイント＞

• 地元の契約農家と提携し、無農薬・無化学肥料の新鮮な野菜を使用
• 低糖質・グルテンフリーのスイーツを提供し、健康志向の女性に向けた独自性を打ち出す
• 競合店が提供していない「オーガニック食材×ヴィーガンメニュー」の組み合わせに特化

＜販売ターゲット・販売戦略＞

• 30代～50代の健康志向の女性をメインターゲット
• Instagram・LINE公式アカウントを活用したSNSマーケティングを実施し、口コミの拡散を狙う
• 初回来店客には次回ドリンク無料券を配布し、リピーター確保につなげる

＜競合・市場など企業を取り巻く状況＞

• 出店予定地にはカフェが多数存在するが、すべてチェーン店であり、オーガニック専門の店舗はない
• 健康志向の高まりにより、オーガニック食品市場は年々拡大しており、需要が増加傾向

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方④
創業計画書の「取引先・取引関係等」の書き方 – 日本政策金融公庫の創業融資で重要なポイント

日本政策金融公庫の創業融資を受けるための創業計画書では、「取引先・取引関係等」の項目が重要視されます。この項目では、予定している取引先や仕入先、販売先がすでに決まっているか、具体的な取引条件が明確になっているかが問われます。

【日本政策金融公庫の創業計画書における「取引先・取引関係等」の記入ポイント】

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方④-1
販売先（取引先）を明確に記載する

創業計画書の「取引先・取引関係等」の項目では、事業の売上を生み出す販売先が決まっているかどうかが重要な判断材料となります。

❌ 良くない例（取引先が曖昧）
「事業が軌道に乗り次第、販売先を開拓予定。」

✅ 良い例（取引先を具体的に記載）
「○○株式会社（食品加工業）と契約締結予定。取引条件は末日締め翌月末払い、掛け率100％。初年度はシェア20％を想定。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方④-2
仕入先（取引元）を明確に記載する

創業計画書の「取引先・取引関係等」では、事業運営に必要な仕入先や調達ルートも重要な情報となります。特に、仕入れ先がすでに確定している場合は、具体的な取引条件を記載しましょう。

❌ 良くない例（仕入れ先が不明確）
「必要な材料は適宜仕入れる予定。」

✅ 良い例（仕入れ先を具体的に記載）
「○○商事株式会社（食品卸売業）より、毎週食材を仕入れ予定。取引条件は末日締め翌月20日払い、掛け率100％。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方④-3
ターゲット層（個人向け事業の場合）を明確に記載する

個人向けの事業では、具体的な取引先が確定していないことが多いため、ターゲット層や販売戦略を明確にすることが重要です。

❌ 良くない例（ターゲットが曖昧）
「幅広い年齢層をターゲットにしたカフェを開業予定。」

✅ 良い例（ターゲットを明確化）
「30代〜50代の健康志向の高い女性をメインターゲットとし、オーガニック食材を使用したカフェを開業。顧客獲得のためにInstagramを活用したマーケティングを実施予定。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方④-4
「取引先・取引関係等」の記入例 – 日本政策金融公庫の創業計画書用

＜販売先＞

• ○○食品株式会社（食品加工業）：シェア30％、掛け率100％、末日締め翌月末回収
• ○○レストランチェーン（飲食業）：新規取引予定、初年度取引額500万円見込み
• ECサイト（自社運営）：個人向けにオンライン販売を実施し、SNSを活用した集客を予定

＜仕入先＞

• ○○商事株式会社（食品卸売業）：地元産の無農薬野菜を定期仕入れ、掛け率100％、月末締め翌月20日払い
• ○○漁業組合（鮮魚卸）：毎日市場から直接仕入れを行い、新鮮な魚を提供

＜ターゲット層（個人向け事業の場合）＞

• 30代〜50代の健康志向の高い女性をメインターゲット
• InstagramやLINE公式アカウントを活用し、ターゲット層の関心を集めるマーケティングを実施
• リピーター獲得のため、ポイントカード制度を導入

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑤
創業計画書の「従業員」の書き方 – 日本政策金融公庫の創業融資でのポイント

日本政策金融公庫の創業融資を受けるための創業計画書では、「従業員」の項目に雇用創出の予定を記載します。

特に、開業後に1人以上の雇用を予定している場合、特別利率が適用できる可能性があるため、該当する場合は正確に記入しましょう。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫の創業融資で知らないと恥をかく！必要書類と準備のポイント」

【日本政策金融公庫の創業計画書における「従業員」の記入ポイント】

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑤-1
雇用予定がある場合は具体的に記載する

従業員を雇用する予定がある場合は、職種・人数・雇用形態を明記しましょう。

❌ 良くない例（曖昧な記載）
「事業の成長に応じて従業員を雇用する予定。」

✅ 良い例（具体的な記載）
「開業時に正社員1名、パートタイマー2名を雇用予定。正社員は調理担当、パートタイマーは接客・ホール業務を担当する。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑤-2
家族従業員がいる場合は記載する

❌ 良くない例（家族従業員の記載なし）
「創業時は一人で運営する予定。」

✅ 良い例（家族従業員の記載あり）
「開業時は代表者1名でスタートし、家族従業員1名（妻）が経理業務を担当。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑤-3
将来的な雇用計画を記載すると説得力が増す

日本政策金融公庫の創業計画書では、事業の成長とともに雇用を拡大する計画を記載すると、事業の成長性をアピールすることができます。

❌ 良くない例（将来の雇用計画なし）
「開業後も当面は一人で運営する予定。」

✅ 良い例（将来の雇用計画あり）
「開業時は代表者1名でスタートするが、事業拡大に伴い、2年目に正社員1名、3年目にパート2名を追加採用予定。」

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「第1回 創業計画書　はじめの一歩」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑤-4
「従業員」の記入例 – 日本政策金融公庫の創業計画書用

＜従業員構成（開業時）＞

• 常勤役員　1名（代表者）
• 正社員　1名（調理担当）
• パート・アルバイト　2名（ホールスタッフ）
• 家族従業員　1名（経理・事務担当）

＜将来的な雇用計画＞

• 2年目に正社員1名（キッチンスタッフ）を追加雇用
• 3年目にパート2名（接客担当）を追加雇用予定

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑥
創業計画書の「必要な資金と調達方法」の書き方 – 日本政策金融公庫の創業融資で最重要ポイント

日本政策金融公庫の創業融資を受けるための創業計画書では、「必要な資金と調達方法」の項目が最も重要視されます。この項目では、事業に必要な資金の具体的な内訳と、その資金をどのように調達するのかを明確に記載する必要があります。

また、設備資金・運転資金・調達方法の内訳を具体的に記載することで、創業計画書の信頼性が高まり、融資審査においてもプラスに働きます。

【日本政策金融公庫の創業計画書における「必要な資金と調達方法」の記入ポイント】

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑥-1
設備資金は詳細な見積もりを記載する

創業計画書の「設備資金」には、店舗・機材・パソコンなどの購入費用を具体的に記載することが求められます。日本政策金融公庫の担当者は、見積書などの提出を求めることがあるため、できるだけ正確な金額を記入することが重要です。

❌ 良くない例（設備資金が不明確）
「開業に必要な機材や備品を購入予定。」

✅ 良い例（設備資金が明確）
「オフィス賃貸保証金200万円、パソコン・プリンター・周辺機器（○○社の見積もり）120万円。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑥-2
運転資金は売上発生までの必要額を計算する

❌ 良くない例（運転資金が曖昧）
「事業が軌道に乗るまでの運転資金を確保する予定。」

✅ 良い例（運転資金が具体的）
「開業後3か月間の運転資金として150万円を確保。内訳：材料仕入れ60万円（20万円×3か月）、家賃60万円（20万円×3か月）、光熱費・通信費30万円（10万円×3か月）。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑥-3
資金調達方法は自己資金と融資の内訳を明確にする

日本政策金融公庫の創業計画書では、自己資金の割合が融資判断に大きく影響します。

❌ 良くない例（資金調達方法が不明確）
「自己資金と借入れで賄う予定。」

✅ 良い例（資金調達方法が明確）
「設備資金320万円、運転資金150万円の合計470万円を準備。調達方法は、自己資金100万円、日本政策金融公庫からの借入370万円（元金5万円×74回）。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑥-4
自己資金の蓄積過程を明確にする

日本政策金融公庫では、自己資金が本当に創業者本人の資金であるかどうかを厳しく審査します。自己資金を銀行口座に分散していた場合は、一つの口座にまとめ、過去の預金履歴を用意しておくと良いでしょう。

❌ 良くない例（自己資金が不明確）
「手元資金100万円を自己資金として活用予定。」

✅ 良い例（自己資金の蓄積過程を明確に記載）
「自己資金100万円は、過去3年間に毎月3万円ずつ積み立てた貯蓄から準備。銀行口座の記録で証明可能。」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑥-5
「必要な資金と調達方法」の記入例 – 日本政策金融公庫の創業計画書用

＜設備資金＞

• 事務所保証金　200万円（賃貸契約書あり）
• パソコン・周辺機器一式　120万円（○○社の見積もり）

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫の審査で通る創業計画書の書き方｜項目別に詳しく解説」

＜運転資金＞

• 商品仕入れ資金　60万円（20万円×3か月）
• 家賃支払　60万円（20万円×3か月）
• 光熱費・通信費　30万円（10万円×3か月）

＜資金調達方法＞

• 自己資金　100万円（3年間の貯蓄から準備、証明書類あり）
• 日本政策金融公庫からの借入　370万円（元金5万円×74回）

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑦
創業計画書の「事業の見通し」の書き方 – 日本政策金融公庫の創業融資で重要なポイント

この項目では、創業当初と軌道に乗った後の売上高・売上原価・経費の推移を具体的な根拠とともに示し、事業の収益性と安定性を証明することが求められます。

【日本政策金融公庫の創業計画書における「事業の見通し」の記入ポイント】

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑦-1
売上高は具体的な計算式を用いて根拠を示す

売上高の予測は、日本政策金融公庫の担当者が特に注目するポイントです。根拠が不明確な数値を記載すると、融資審査の際に疑問を持たれる可能性があるため、具体的な計算式を用いて説明することが大切です。

❌ 良くない例（売上高の根拠が不明確）
「創業当初は100万円の売上を見込む。」

✅ 良い例（売上高の根拠を明確に記載）
「売上高（平日営業・週1回定休）
ランチ：単価1,500円×席数15席×0.5回転×25日＝28.1万円
ディナー：単価5,000円×席数15席×1回転×25日＝187.5万円
合計：28.1万円＋187.5万円＝215.6万円」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑦-2
売上原価（仕入高）は業界平均などを根拠にする

仕入れコストを適切に予測するために、業界の平均原価率や過去のデータを活用すると信頼性が高まります。

❌ 良くない例（仕入原価が適当）
「売上の30%を仕入れに充てる予定。」

✅ 良い例（業界平均を根拠にした記載）
「売上原価（仕入高）は、業界平均の原価率35%（出典：○○レポート）を参考に算出。
創業当初：215.6万円×35%＝75.5万円
軌道に乗った後：350万円×35%＝122.5万円」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑦-3
経費は事業の成長に合わせた増減を考慮する

経費についても、初期段階と事業拡大後でどのように変化するかを明確にすることが重要です。

❌ 良くない例（経費の根拠が曖昧）
「人件費は増加する可能性がある。」

✅ 良い例（経費の増加を具体的に示す）
「創業当初：代表者1名、パート1名（時給1,200円×5時間×20日＝12万円）
事業拡大後：正社員1名（月給25万円）、パート2名（時給1,200円×6時間×25日×2名＝36万円）
合計：25万円＋36万円＝61万円」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑦-4
利益計算を正確に行い、事業の成長可能性を示す

創業当初は利益が少なくても、事業拡大後に黒字化できる計画を示すことが重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書に関する参考記事：「日本政策金融公庫で創業融資！手続きの流れを解説【事業計画書テンプレート付き】」

日本政策金融公庫の創業計画書の項目別の書き方⑦-5
「事業の見通し」の記入例 – 日本政策金融公庫の創業計画書用

＜創業当初と軌道に乗った後の収支計画＞

日本政策金融公庫の創業計画書で意識すべきこと

創業時に融資を受けるためには、日本政策金融公庫への創業計画書の提出が必要です。創業計画書は、金融機関が融資の可否を判断する重要な資料となるため、日本政策金融公庫の審査担当者にとって説得力のある内容に仕上げることが求められます。

創業計画書の中でも、特に重視されるのが「創業の動機」、「経営者の略歴等」、「必要な資金と調達方法」、「事業の見通し」の項目です。日本政策金融公庫の融資審査を通過するためには、各項目に具体的な根拠を示し、創業計画書の信頼性を高めることが重要です。

日本政策金融公庫への創業計画書を作成する際は、設備投資や運転資金の使途を明確にし、自己資金の割合をできるだけ高めることで、融資審査を有利に進めることができます。また、売上予測や市場分析を具体的な数値とともに記載し、日本政策金融公庫の担当者に事業の収益性を明確に伝えることがポイントです。

創業計画書の作成にあたっては、根拠となる資料や見積書を準備し、日本政策金融公庫の審査に通るための準備を万全に整えましょう。

まとめ｜日本政策金融公庫の創業計画書の書き方と融資審査のポイント

日本政策金融公庫の創業計画書は、日本政策金融公庫の創業融資を申し込む際に必要な書類であり、融資の審査を左右する重要な要素です。日本政策金融公庫の創業計画書は、事業の実現可能性を示し、日本政策金融公庫の担当者に対して説得力を持たせることが求められます。

日本政策金融公庫の創業計画書を作成する際は、特に「創業の動機」「経営者の略歴等」「必要な資金と調達方法」「事業の見通し」の項目が重要です。日本政策金融公庫の創業計画書では、事業の成功可能性を具体的な根拠とともに記載することが、日本政策金融公庫の融資審査を通過するポイントとなります。

また、日本政策金融公庫の創業融資では、自己資金の割合や資金調達計画も重要視されるため、日本政策金融公庫の創業計画書には、明確な収支計画や資金の出どころを記載する必要があります。日本政策金融公庫の創業計画書には、事業の成長戦略や市場分析を取り入れ、日本政策金融公庫の担当者に事業の将来性を伝えることが重要です。

日本政策金融公庫の創業計画書をしっかりと作成し、日本政策金融公庫の創業融資をスムーズに受けられるように準備を整えましょう。