マイクロ法人は税理士いらずで決算できる?自分でやるメリット・デメリットや手順を解説!
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公開日:2025年7月
更新日:2025年7月31日
「マイクロ法人の決算って、税理士いらずでもできるの?」
このような疑問を持つ方は少なくありません。確かに、法人決算は税理士に任せるのが一般的ですが、実は小規模でシンプルな経営体制のマイクロ法人であれば、自分で決算を完了させることも十分に可能です。
最近では、会計ソフトの発達や情報の整備により、税理士いらずでの決算対応が現実的な選択肢になっています。しかし一方で、専門知識が求められたり、手続きの煩雑さに悩まされたりと、すべてのマイクロ法人に適しているとは限りません。
この記事では、税理士いらずでマイクロ法人の決算を進めるメリット・デメリットをはじめ、具体的な手順や注意点についてわかりやすく解説します。自分でやるべきか、プロに任せるべきか判断するための参考にしてください。
目次
- マイクロ法人の決算は税理士いらずで対応可能!
- 税理士いらずでマイクロ法人の決算を対応するメリット
- マイクロ法人の決算を税理士に依頼するメリット
- 税理士いらずでマイクロ法人の決算を対応する手順
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順①:日々の取引を記帳する
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順②:帳票類の整理
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順③:資産・負債の実査を行う
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順④:試算表を作成する
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順⑤:決算整理仕訳を行う
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順⑥:法人税申告書を作成・税金を計算する
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順⑦:決算書類を作成する
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順⑧:取締役会・株主総会で承認を得る
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順⑨:税務署へ提出・納税を行う
- 税理士いらずで法人決算を対応する手順⑩:書類の保存
- 税理士いらずでマイクロ法人の決算を対応する際の注意点
- まとめ
マイクロ法人の決算は税理士いらずで対応可能!

通常、法人決算は税理士や会計士に依頼することが多いですが、実は税理士いらずで経営者自身が行っても法的な問題はありません。
特に、ひとりで事業を運営している場合や、規模の小さいマイクロ法人などでは、税理士いらずで自力で法人決算を行っているケースも珍しくありません。最近では、会計ソフトの進化により、マイクロ法人が税理士いらずで決算を完了させるハードルも下がっています。
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税理士いらずで法人決算に挑戦できるかどうかは、以下のような条件を満たしているかが判断のポイントになります。
税理士いらずで対応しやすい法人の特徴①:売上規模が小さいマイクロ法人であること
年間売上高が1,000万円以下、法人税の納税額が100万円を下回る、もしくは赤字で納税が発生しない場合などは、税理士いらずでも決算に大きなリスクはありません。こうした小規模なマイクロ法人では、コストを抑えるために自分で決算を進める方も多くいます。
税理士いらずで対応しやすい法人の特徴②:会計ソフトを活用しているマイクロ法人であること
日々の仕訳や帳簿づけ、決算書類の作成など、会計ソフトを導入していれば多くの作業を自動化できます。

SoVa税理士ガイド編集部
税理士いらずで法人決算を進めるには、会計ソフトの活用が不可欠です。
逆に、手書きや表計算ソフトで対応している場合は、作業時間が膨大になるほか、ミスが起きやすくなるため注意が必要です。
税理士いらずでマイクロ法人の決算を対応するメリット

マイクロ法人の決算を税理士に依頼するメリットも多くある一方で、税理士いらずで対応するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
税理士いらずで対応するメリット①:マイクロ法人にとっては会計費用の削減につながる
マイクロ法人が税理士に会計を依頼する場合、顧問契約やスポット契約などで費用が発生します。顧問税理士に依頼すると、日頃の経営相談や税務調査対応なども任せられる安心感はありますが、その分、毎月の顧問料がかかり、費用負担は大きくなりがちです。

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マイクロ法人が格安で税理士に依頼する際の注意点
一方で、スポット契約は「決算申告書の作成だけ」「必要なときだけ節税の相談」といった限定的な依頼になるため、料金は比較的抑えられますが、それでも一定のコストがかかるのは避けられません。

SoVa税理士ガイド編集部
マイクロ法人が税理士いらずで決算をするメリットについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
節税目的で売上を調整しているマイクロ法人にとっては、この会計費用が事業運営の重荷になることも多く、税理士いらずで進められるなら大きなコスト削減となります。特に、取引がシンプルで会計ソフトを使いこなせる経営者であれば、税理士いらずで完結できるケースも少なくありません。
税理士いらずで対応するメリット②:税理士選びの手間とリスクを回避できる
マイクロ法人であっても、「税理士に依頼すれば安心」と考える人は多いですが、実際には税理士ごとに得意分野や対応スタイルが異なり、自分のニーズに合う専門家を見つけるのは簡単ではありません。
マイクロ法人が税理士に依頼する際に気をつけておきたい注意点

特にマイクロ法人のような小規模事業では、「対応していない」「優先順位が低くなる」といった理由で断られたり、後回しにされるケースもあるため注意が必要です。
また、税理士を探す方法としてはネット検索や知人からの紹介が一般的ですが、それぞれに落とし穴があります。ネット検索では、極端に安い料金で集客しているものの、実際は連絡が取りづらかったり、後から追加費用を請求されたりすることも。紹介の場合も、「紹介者には合っていても、自分には合わない」「断りづらくなる」といったリスクがつきものです。
こうした選定の手間やミスマッチのリスクを避けられるのが、税理士いらずで自分自身が会計対応を行うメリットです。特に、創業初期で業務がシンプルなマイクロ法人であれば、会計ソフトやテンプレートを活用することで、税理士いらずでも十分に対応可能なケースが多いのです。
マイクロ法人の決算を税理士に依頼するメリット

ここでは、マイクロ法人が税理士に依頼することで得られる主な3つのメリットについて解説します。税理士いらずを目指す前に、依頼することで得られる価値もぜひ比較検討してみてください。
税理士に依頼するメリット①:マイクロ法人の会計負担を軽減し、事業に集中できる
マイクロ法人であっても、会計処理や申告業務には多くの手間がかかります。税理士いらずで全てを対応しようとすると、想像以上に時間と労力を取られてしまうことも。
しかし、税理士に法人会計を依頼することで、日々の記帳から決算書の作成、確定申告までの一連の業務を代行してもらえます。特にひとり社長としてすべてをこなすマイクロ法人にとって、これは大きなメリットです。
マイクロ法人が税理士いらずで決算をする方法に関するおすすめ記事
その結果、経営者自身は本業に集中でき、事業の成長や新たな挑戦にリソースを使うことができます。税理士いらずを目指すのも一つの選択肢ですが、手間や時間を考慮すると、法人経営においては税理士の力を借りることで得られるメリットも多いのです。
税理士に依頼するメリット②:マイクロ法人でも安心して節税・税務調査に対応できる
税制は毎年のように改正されており、常に最新の情報を把握していなければ、正しい節税ができません。税理士いらずで進めようとしても、法改正の内容に気づかず誤った申告をしてしまうリスクがあります。
とくにマイクロ法人では、個人と法人のお金の流れが曖昧になりがちで、税務署から目をつけられやすい傾向があります。そのため、税理士に会計を任せ、適切な帳簿管理と申告を行うことが、重加算税や税務リスクを回避するうえで非常に重要です。
税理士に依頼する際のメリットはここがポイント!

万が一マイクロ法人に税務調査が入った場合でも、税理士が立ち会って対応してくれるため、精神的な安心感は大きなものとなります。
税理士いらずで進めたい方も、こうしたリスクを加味して検討するとよいでしょう。
税理士に依頼するメリット③:資金繰りや経営相談ができるマイクロ法人の良きパートナー
マイクロ法人を経営する上で、資金繰りや今後の事業方針について相談できる相手がいることは非常に心強いです。税理士いらずで進める場合、自分1人で悩みを抱え込んでしまい、経営判断が鈍ってしまうケースもあります。
とくに、法人として金融機関から融資を受けたい場合、個人の収入よりも法人の財務状況が重視されます。節税のために設立したマイクロ法人が、売上や利益の見え方によって融資審査に通らないことも少なくありません。
そんなとき、税理士は資金繰りの計画や財務資料の整備などをサポートしてくれる存在です。事業内容を理解してくれる第三者として、数字だけでなく経営の方向性についても相談できるため、マイクロ法人の経営者にとって非常に大きな支えとなるでしょう。
税理士いらずでマイクロ法人の決算を対応する手順

マイクロ法人の決算を税理士いらずで自分自身で対応する場合、どのような手順で進めればよいのかを知っておくことが重要です。マイクロ法人であっても、年間を通じて日常的に行うべき作業や、決算期にまとめて処理するべき業務があります。
以下では、税理士いらずでスムーズに法人決算を進めるための10ステップを詳しく解説します。
税理士いらずで法人決算を対応する手順①:日々の取引を記帳する
マイクロ法人でも、日々の収支や取引内容を帳簿に正確に記録することは必須です。税理士いらずで進めるには、会計ソフトや表計算ソフトを活用し、自動化や効率化を図ることがポイントです。これが決算時のスムーズな処理につながります。
税理士いらずで法人決算を対応する手順②:帳票類の整理
領収書、請求書、契約書など、マイクロ法人で発生した取引に関する証憑は、後の税務処理に必須です。税理士いらずで対応するためには、整理・分類をこまめに行い、必要書類をすぐに取り出せるようにしておきましょう。

SoVa税理士ガイド編集部
マイクロ法人が税理士いらずで決算をする方法についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
おすすめ記事:法人決算を自分で(税理士なしで)やる手順を簡単に紹介!
税理士いらずで法人決算を対応する手順③:資産・負債の実査を行う
マイクロ法人の財務状況を正確に把握するためには、期末時点での資産や負債の実査(在庫確認・未払金の確認など)が必要です。税理士いらずで行うからこそ、自分自身でしっかりチェックしましょう。
税理士いらずで法人決算を対応する手順④:試算表を作成する
試算表は、すべての仕訳が正しく反映されているかを確認するための大切なステップです。マイクロ法人でも、会計ソフトを使用すれば自動作成が可能です。税理士いらずでの確認作業を助ける便利なツールです。
税理士いらずで法人決算を対応する手順⑤:決算整理仕訳を行う
減価償却や売掛金の未収計上など、期末に必要な調整仕訳を行いましょう。マイクロ法人にとっては一見複雑な作業ですが、会計ソフトやテンプレートを活用することで、税理士いらずでも対応しやすくなります。
税理士いらずで法人決算を対応する手順⑥:法人税申告書を作成・税金を計算する
マイクロ法人であっても、法人税・消費税の申告は必要です。法人税申告書(別表1〜20など)の作成は難易度が高いですが、税理士いらずで対応したい場合は、申告書作成ソフトや国税庁のe-Taxソフトの活用が必須です。
税理士いらずで法人決算を対応する手順⑦:決算書類を作成する
マイクロ法人が提出すべき主な決算書類は以下の通りです:
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
マイクロ法人が税理士いらずで決算をする方法に関するおすすめ記事:【保存版】マイクロ法人の決算処理を自力(税理士なし)でやる方法を全解説!(マネーフォワード&全力法人税)
これらは税理士いらずでも、会計ソフトを使えば自動生成されるケースが多く、手間を大幅に省けます。
税理士いらずで法人決算を対応する手順⑧:取締役会・株主総会で承認を得る
マイクロ法人でも、作成した決算書類は形式的に取締役会や株主総会で承認を得る必要があります。税理士いらずで進める場合でも、議事録などの必要書類はしっかりと残しておきましょう。
税理士いらずで法人決算を対応する手順⑨:税務署へ提出・納税を行う
決算書類の作成と承認が完了したら、マイクロ法人として法人税申告書を税務署に提出し、税金を納めます。

SoVa税理士ガイド編集部
税理士いらずで対応する際は、e-Taxを活用すると便利です。
申告期限は事業年度終了後2ヶ月以内なので注意しましょう。
税理士いらずで法人決算を対応する手順⑩:書類の保存
作成した決算書類や申告書類は、マイクロ法人であっても法律により一定期間保存が義務付けられています(通常10年間)。税理士いらずで対応する際は、誤って破棄しないよう、電子保存または紙での適切な管理を行いましょう。
税理士いらずでマイクロ法人の決算を対応する際の注意点

ここまでの内容をふまえて、マイクロ法人が税理士いらずで法人決算を自分で行う場合には、特に以下のポイントに注意しながら作業を進める必要があります。
- 法人税法、租税特別措置法、会社法、会計基準など、決算に関わる法令を正確に理解する
- 財務諸表の作成に必要な簿記知識や実務スキルを身につけておく
- 決算業務には想定以上の時間がかかるため、余裕を持ってスケジュールを立てる
- 税務調査や監査に備えて、すべての帳票や決算書類を適切に保管する
マイクロ法人が税理士いらずで決算をする方法に関するおすすめ記事
税理士いらずで進めるには、共通して「正確な知識」が求められます。マイクロ法人の決算では、処理する書類が多く、勘定科目や申告書の記載ミスが命取りとなる場合もあります。知識が不十分なまま自己流で進めると、後々トラブルに発展するリスクも高くなります。
そのため、事前にしっかりと知識やスキルを身につけることが、税理士いらずで進めるための大前提です。もし途中で「難しい」と感じたら、迷わず税理士や会計事務所に依頼する判断をすることも視野に入れましょう。

SoVa税理士ガイド編集部
特に税務調査では、税理士いらずで進めてきた分、自分自身で対応しなければならず、精神的な負担が大きくなる可能性があります。
また、マイクロ法人にとっても、税理士から得られる最新の節税情報やアドバイスは貴重な資源です。これを活用できないことによる「機会損失」も、総合的な費用対効果で考慮すべきでしょう。
なお、税理士いらずで進める場合でも、疑問点があれば税務署に相談するという選択肢もあります。特に、決算整理仕訳のような複雑な処理については、税務署の職員が適切なアドバイスを提供してくれることもあります。マイクロ法人であっても、正確な処理を心がける姿勢が大切です。
まとめ

マイクロ法人にとって、税理士いらずで決算を進めることは、コスト削減や業務の内製化という面で大きな魅力があります。会計ソフトを活用すれば、日々の記帳から決算書類の作成まで一人で対応できる体制を整えることも可能です。
ただし、法人決算には専門知識が必要であり、誤った申告や書類不備は後のトラブルにつながる恐れもあります。無理に税理士いらずで対応しようとせず、自信がない場合や途中で行き詰まった場合は、早めに税理士に相談することも視野に入れましょう。
本記事で紹介した手順や注意点を参考に、自社の状況にあった方法でマイクロ法人の決算対応を行い、安心・確実な事業運営を実現してください。
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