入社時の住民税に関する手続きについて解説!退職時の住民税の手続きも併せて紹介!

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公開日:2024年8月

更新日:2024年10月9日

今回は入社時の住民税の手続きについて解説していきます。

入社時の住民税の手続きは、新卒か、前職を退職する際に転職先が決まっているかなどによって住民税の入社手続きが変わります。

また、住民税の徴収方法には「特別徴収」と「普通徴収」があり、それぞれの入社手続き方法については、本記事を通して理解しておきましょう。

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住民税とは?

入社時の住民税に関する手続きを解説する前に、まずは「住民税」の定義と概要を確認しておきましょう。

住民税とは、住んでいる都道府県や市区町村などの自治体に納める税金で、地域の教育、福祉、清掃などの公共サービスの費用に使われる地方税の一つです。住民税には、企業が支払う「法人住民税」と、個人が支払う「個人住民税」があります。

個人住民税(以下、住民税)は、都道府県が課税する「道府県民税」(東京都の場合は「都民税」)と、市区町村が課税する「市区町村民税」をあわせて徴収される税金です。

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住民税の入社手続きを理解するうえで重要な「住民税」の概要については以下の記事も参考にしてみましょう。
住民税はいつから天引きされる?納付の時期や方法、課税対象を解説

給与所得者の場合、1月から12月までに支給された給与と賞与をもとに年末調整が行われ、その結果として所得金額や所得税が確定します。そして、それに基づいて住民税の金額も決定されます。

例えば、4月に入社した新社会人の場合、4月から12月までの9か月分の給与と賞与から所得が確定し、翌年から住民税が課税されます。

ただし、給与が月末締めで翌月に支払われる会社では、12月分の給与が翌年1月に支給されます。この場合、その給与は前年の所得ではなく、翌年の所得として扱われます。

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入社後いつから住民税の納付手続きが必要になるかは以下のサイトがおすすめです。
住民税はいつから納付が必要?納付の時期や計算方法などを解説

住民税の徴収方法

住民税の徴収を行う手続き方法に「普通徴収」と「特別徴収」の2つがあります。

普通徴収

普通徴収は、住民税を市区町村から送付される納税通知書を使って、納税者本人が直接納める手続き方法です。この手続き方法は、給与所得がない自営業者や個人事業主、フリーランスの方に適用されます。

納付方法としては、一般的にコンビニや役所の窓口での支払いを行う手続きが推奨されます。ただし、自治体によってはクレジットカードやスマホアプリでの支払いも可能です。

「入社時の住民税の手続き」ガイド編集部

クレジットカードで支払うとポイントが貯まることがありますが、決済手数料がかかる場合があります。また、住民税の支払いをクレジットカードで行う手続きの場合は領収書が発行されないこともあるため、確認が必要です。
参考:総務省「個人住民税

また、入社前や現在無職で収入がない場合でも、前年に一定以上の所得があった場合は住民税の支払い手続きが必要です。普通徴収では、一括払いか年4回に分けて支払うという手続き方法を選択することもできます。

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住民税の特別徴収と普通徴収の詳細は、こちらの記事を参照してください。
住民税の特別徴収とは?普通徴収との違いや納付の手順を解説

特別徴収

個人住民税の特別徴収とは、事業主(給与支払者)が従業員(納税義務者)の給与から住民税を毎月天引きし、代わりに自治体へ納める制度です。所得税の源泉徴収と同じ仕組みで行われます。事業主は、法人・個人を問わず、すべての従業員に対してこの特別徴収を行う義務があります。(地方税法第321条の4

入社時の住民税の手続きに関するおすすめ記事

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入社後に住民税の特別徴収を行う場合は、こちらのサイトも参考にしてみましょう。
個人住民税の特別徴収を徹底します

毎月の特別徴収をした税金は、原則として翌月の10日までに区市町村へ納入しなくてはなりません。

入社時の住民税の手続きに関連するポイント!

税理士_依頼_おすすめのポイント

住民税の「納期の特例」という制度もあります。
この特例は、従業員が常時10人未満の場合、市区町村長(東京23区では区長)の承認を得ることで、特別徴収の住民税の納付を年2回にまとめることができる手続き方法です。この住民税の納期の特例が適用されると、6月から11月分の住民税は12月10日までに、12月から翌年5月分は翌年の6月10日までに納付することが認められます。ただし、住民税の納期の特例が適用されても従業員の給与からの住民税の天引きは毎月行う必要があることに注意してください。
参考:「納期の特例の申請と納入について

入社時の住民税の手続きとは?

入社時の住民税の手続きについて、以下のパターンによって入社手続きが変わってくるため、それぞれのパターンごとに住民税の入社手続き方法を解説します。

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入社時の住民税の手続き① 過去に所得のない新入社員のケース

給与所得者の住民税は、前年の給与所得をもとに計算され、その年の6月から翌年の5月にかけて給与から住民税が天引きされます。この住民税の天引き方式を「特別徴収」と呼びます。

そのため、前年に給与所得がない入社1年目の場合、翌年5月までは住民税が給与から天引きされません。したがって、入社1年目の場合は、基本的に入社時の住民税に係る手続きは不要になります。

合わせて読みたい「従業員が3人の場合の社会保険」に関するおすすめ記事

従業員3人の場合に社会保険の加入義務はある?社会保険未加入のときの罰則も解説!

この記事では、従業員が3人の場合の社会保険加入義務について解説しています。社会保険の加入義務があるのにも関わらず、社会保険に未加入だった場合は罰則規定があるため注意が必要です。

入社時の住民税の手続きに関するおすすめ記事

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入社時と退社時の住民税の手続きをまとめた以下の記事もおすすめです。
【徹底解説!】入退社時の住民税の手続きに関して

「入社時の住民税の手続き」ガイド編集部

入社2年目の6月の給与から住民税の天引きが始まるため、1年目と同じ給与額でも手取りが減少します。このことから、よく「住民税の天引きが始まる2年目から手取りが減る」と言われるのです。

入社時の住民税の手続き② 過去に所得がある新入社員(中途採用)で、特別徴収に切り替える場合

過去に所得があり、従業員が自分で住民税を支払っていた場合(普通徴収の場合)、その従業員の住んでいる市区町村に「特別徴収切替届出(依頼)書」を提出します。この入社手続きを行うことで、特別徴収に切り替わります。

住民税の特別徴収は毎年6月から始まりますが、転職先の会社でも6月分の給与から住民税の天引きが開始されます。

入社時の住民税の手続きに関連する気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

2024年は定額減税により、通常は7月から天引きがスタートします。

一方で、前職を退職後、まだ転職先が決まっていない場合、住民税の支払い方法は退職した時期によって異なります。

●1月1日~5月31日に退職した場合  

この期間に退職する場合、その年度分の残りの住民税は最後の給与で一括で天引きされます。ただし、住民税の金額が給与を超える場合は「普通徴収」に切り替わり、自分で市区町村に納めることになります。

●6月1日~12月31日に退職した場合  

この場合、退職する月の住民税は給与から天引きされますが、残りの分は「普通徴収」に変更されます。市区町村から納税通知書が届き、期日までに自分で納付する手続きが必要です。

入社時の住民税の手続き③ 中途採用で特別徴収を継続するケース

会社を辞めた後、転職先が決まっている場合は、「給与所得者異動届出書」を新しい会社を通じて市区町村に提出することで、住民税の「特別徴収」を継続できます。これにより、転職先の会社の給与から住民税が引き続き天引きされます。「給与所得者異動届出書」は、退職前の会社で必要事項を記入してもらい、受け取っておきます。

この手続きをしっかりと行えば、転職後すぐに住民税の特別徴収が再開されます。ただし、「給与所得者異動届出書」の手続きをしなかった場合や、入社までに期間が空いた場合は、普通徴収で住民税を納める必要があります。

入社時の住民税の手続きに関するおすすめ記事

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転職したときの住民税の手続きは以下の記事がおすすめです。
【社労士監修】転職後の住民税はどうしたらいい?手続きと納付方法を解説

従業員が退職した際の住民税に関する必要手続き

ここでは、入社時に必要となる住民税の手続きとは別に、退職時の住民税に係る手続きについて解説します。

「入社時の住民税の手続き」ガイド編集部

入社時の住民税の手続きを理解するうえで、退職時の住民税の手続きも理解しておくと納得しやすいかもしれません。

退職時の住民税に係る必要手続き ケース①
退職後の転職先が決まっている場合

入社時の住民税の手続きに関するおすすめ記事

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入社時の住民税の手続きと併せて、退社時の住民税の手続きも確認しておきましょう。
退職後の住民税はどうなる?税額、納付方法など注意点を解説

退職後に転職先が決まっていて、給与が支払われない期間がない場合は、住民税の特別徴収を継続できます。会社は「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の「特別徴収継続」の欄にチェックを入れ、必要事項を記入して退職者に渡します。退職者はこの書類を転職先に提出することで、転職先でも特別徴収を続けることができます。

退職時の住民税に係る必要手続き ケース②
退職後の転職先が決まっていない場合

退職後に転職先が決まっていない場合、住民税の納付方法は退職時期によって異なります。以下の3通りの手続きがあります。

退職時期 必要な住民税に関わる手続き
今年の6月~12月 以下の手続きのいずれか。
・普通徴収への切り替え
・退職者が希望する場合は一括徴収
翌年の1月~4月 以下の手続きのいずれか。
・5月分までの住民税を会社が一括徴収
・最終月の給与支払額がマイナスになってしまうときには、普通徴収へ変更
翌年の5月 通常どおり、1か月分の住民税を徴収して納付

それぞれの退職時期における住民税の手続きの詳細については以下で詳しく見ていきましょう。

入社時の住民税の手続きに関するおすすめ記事

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退社時に会社側が行う住民税手続きに関しては、以下の記事もおすすめです。
従業員退職に伴う住民税の手続きとは?会社側が行う必要業務

退職時期が1月から4月

この時期に退職すると、会社は退職月を含む分の住民税を一括で徴収する手続きをします。たとえば、1月に退職した場合は1月から5月分、4月に退職した場合は4月から5月分を一括で徴収します。住民税の額が給与よりも多くなると、最終的な給与額がマイナスになることがありますので、事前に確認が必要です。また、もし給与がマイナスになる場合は、普通徴収に切り替えて手続きを行うことも可能です。

退職時期が5月

5月に退職する場合、通常は5月分の住民税を会社が天引きして納付する手続きを行います。この場合、退職時点での住民税の徴収は1か月分のみです。

退職時期が6月から12月

この期間に退職した場合、住民税の扱いは以下の2つの手続き方法から選べます。

【普通徴収への切り替え】

 退職者は、退職後に自分で市区町村に住民税を納付します。

【一括徴収】

 退職者が希望する場合、最終月の給与や退職金から住民税を一括で徴収できます。この場合、退職後は特別徴収が続かないため、住民税の残りを一括で支払うことになります。

住民税は前年の所得に基づき、今年の6月から翌年の5月にかけて徴収されるため、退職時期によって納付方法が異なります。手続きについては、転職先が決まっていない場合でも、適切な方法を選んで住民税を納付することが大切です。

まとめ

今回は入社時の住民税に関する社会保険手続きについて解説しました。

入社時の住民税に関する手続きは、新卒か否か、退職時に転職先が決まっているか否かなどによって必要な住民税の手続きが変わるため、それぞれのパターンごとに理解しておくことが重要です。

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