税理士費用は経費にできる?具体的な勘定科目と仕訳例についても紹介
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公開日:2024年4月
更新日:2024年11月12日
会社を運営していく上で、避けては通れないのが日々の記帳や決算のような税務処理ですが、この作業は専門性を要するため、多くの企業や個人事業主は税理士の専門知識を活用しています。税理士に依頼することの主なメリットは、税務申告の精度を高めることに加え、経営全般にわたるアドバイスを受けられる点にあります。
しかし、税理士に支払う費用は、提供されるサービスの内容や事業の規模によって異なります。この記事では、税理士に支払う費用の相場と、その費用を経費として計上する方法について詳しく解説します。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:税理士へ支払う費用は経費にできるのか
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目次
税理士費用は原則的に経費計上することが可能
税理士費用は原則として経費に計上可能です。経費に計上できるのは、個人や法人が所得税や法人税などを正確に納付するために税理士に支払った費用です。私的に利用した費用については経費にすることはできません。
事業に関わる税理士費用は経費計上することができる
事業に関連する業務から生じた費用であれば、税理士費用は経費の対象となります。日々の記帳、確定申告、決算書作成など、税理士に依頼した業務の費用は経費として計上することができます。
税理士費用を経費として扱う際には、契約の形態や支払い方法が影響しません。毎月の顧問料を支払う顧問契約でも、一時的な確定申告の代行を依頼するスポット契約でも、事業に関連している限り経費計上が可能です。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
ただし、税理士費用を経費に計上する際は、適切な仕訳を行うことが重要です。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:確定申告作成に関する税理士報酬が経費となるかについて
相続に関する税理士費用は経費計上できない
相続のために税理士に業務を依頼した場合、その費用は経費に計上できません。相続は事業の運営に直接関連するものではなく、個人的な手続きに該当するためです。前述の通り、経費に計上できるのは事業に直接影響するもののみで、私的に利用した税理士費用は経費として計上することはできません。
税理士費用を経費計上するときの注意点
もし、通常事業関連の業務で依頼している税理士に相続手続きも依頼する場合は、特に注意が必要です。事業の経費として誤って計上しないよう、明確に項目を分けて管理することが求められます。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:税理士へ支払う費用は経費にできるのか
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税理士費用を経費計上するときの勘定科目
顧問契約や確定申告を税理士に依頼した際の費用は、直接経費として計上することができます。一般的には税理士費用を経費計上するときには「支払手数料」「支払報酬料」「支払顧問料」「業務委託費」といった勘定科目が利用されます。
税理士への支払った費用に関連する複数の勘定科目が存在しますが、顧問税理士と契約し継続的に報酬を支払う場合は、自身にとって分かりやすい科目を継続して使用することも問題ありません。それぞれの勘定科目について、具体的な例を交えて詳しく説明します。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:確定申告を税理士に依頼する費用の相場は?参考料金表と報酬の仕訳処理
経費計上するときの勘定科目例1:支払手数料
支払手数料とは、取引や契約に伴って発生する手数料(費用)の支払いに使われる勘定科目です。この科目は税理士だけでなく、弁護士や司法書士などの専門家との取引時に支払った費用にも使用されます。
また、支払手数料は銀行振り込みの手数料や代引き手数料など、さまざまな手数料の支払いにも適用される科目です。どの手数料の支払いか後で識別できるように、税理士費用を経費として計上する際に「税理士契約」などの補助科目を設けると便利です。
経費計上するときの勘定科目例2:支払報酬料
支払報酬料とは、専門的な業務を依頼した際に支払う報酬を経費計上するときの勘定科目です。税務代行、税務書類の作成、税務相談など、税理士の専門性を活かした業務に対する報酬は、この勘定科目を使用して費用計上されます。
税理士の業務は多岐に渡りますが、税理士特有の専門業務だけでなく、記帳代行などのその他の業務についても支払報酬料としてまとめて計上することが可能です。このようにして、業務の性質に応じて適切に勘定科目を選び、費用管理を行うことが重要です。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:税理士費用は経費にできる?勘定項目・仕分けの例や源泉徴収の有無を解説
経費計上するときの勘定科目例3:支払顧問料
支払顧問料とは、専門家を顧問として雇用した際に支払う費用を計上するための勘定科目です。支払報酬料とは似ていますが、税理士や弁護士を顧問としている場合で支払った費用を経費計上するときにこの科目を使用することが一般的です。
顧問契約を結んでいる税理士や弁護士からの経営に関するアドバイスは、会社にとって重要な役割を果たすことが多いです。税理士や弁護士への顧問料を「支払顧問料」として計上することで、年間の顧問料の支払総額を明確にすることができます。
また、顧問業務以外に記帳代行や申告書作成などの業務に対する支払いも、支払顧問料として一括で計上して問題ありません。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:税理士に払った顧問料って経費になる?顧問料の勘定科目や源泉徴収の処理まとめ
経費計上するときの勘定科目例4:業務委託費
業務委託費は、会社の業務を他の会社や個人に依頼した際に支払う費用を経費計上するための勘定科目であり、一般的には外注費とも呼ばれます。複数の業務委託がある場合には、どのような内容の業務を依頼したかを経費計上するときに補助科目として記載すると、後で見返した時にどのような経費・費用なのかが明確でわかりやすくなります。
税理士に業務委託を行う際は、通常、確定申告書の作成や経理業務の代行などが含まれます。これらの業務を継続して依頼している場合は、それに対する費用を業務委託費として計上します。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
一時的な支出として税理士報酬を雑費として計上することも可能です。しかし、税理士に依頼する機会があまりない場合であれば問題ないですが、税理士に依頼する機会が多い場合は費用管理が煩雑になるので、おすすめしません。
おすすめ記事:税理士報酬の勘定科目・仕訳は?源泉徴収や仕入税額控除も解説
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税理士費用を経費計上する際に源泉徴収が必要か
税理士費用から源泉徴収が不要な場合
源泉徴収が発生しない場合として、以下のケースが挙げられます:
・報酬を支払う側が個人であり、給与を支払っていない、または「常時2人以下の家事使用人のみ」に給与を支払っている場合。
・報酬を支払う側が給与所得者である場合。
・報酬を受け取る側(税理士)が法人である場合。
これらの条件のいずれかに当てはまる場合、報酬の支払いに際して源泉徴収を行う必要がありません。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:【税理士と源泉所得税】税理士への報酬は源泉徴収しないといけない?
税理士費用から源泉徴収が必要な場合
上記「税理士費用から源泉徴収が不要な場合」に当てはまらない場合
(報酬を支払う側が法人、報酬を受け取る側が個人の場合など)
源泉徴収義務者に関する国税庁のサイト
No.2793 報酬・料金等の源泉徴収義務者
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税理士費用をかけてまで税理士に業務を依頼するメリット
税理士費用を正確に計上できる
税理士に業務を依頼する大きなメリットの一つは、税理士費用を経費として計上できる点です。
税理士費用を経費計上する際には、仕訳を慎重に行うことが重要です。依頼の方法や契約期間によって経費計上する際に用いる適切な勘定科目が異なるため、最適な勘定科目を選ぶ必要があります。適切な科目を選ぶことで、費用の正確な記帳ができます。
日々の記帳を依頼できる
税理士に依頼するメリットの一つは、税金計算の専門家であるため、正確な確定申告が行えることです。税理士を利用することで、経費計上の適否、減価償却の方法、効果的な節税策などを学ぶことができます。
一方で、税理士なしで申告を行う場合、知識不足からの判断ミスが生じる可能性があります。意図的でない脱税であっても、申告漏れが発覚した場合には追徴税のペナルティが課されるリスクがあります。税理士に依頼することで、このようなミスを防ぎ、より正確な申告が可能となります。
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税務調査への対応を依頼できる
税理士に依頼することのメリットの一つは、税務調査への対応を任せることができる点です。税理士が立ち会うことで、正確な申告内容を提示できるため、ペナルティを避ける可能性が高まります。
税務調査では、職員の指摘に対して適切に返答したり、必要な資料を準備したりすることが求められます。これらが不十分だと追徴税が課される可能性があります。税理士がいる場合、常に税務調査を受ける準備が整っており、予期しない調査があっても心配する必要がなくなります。
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経営方針に関する相談も依頼できる
税理士と顧問契約を結ぶことは、経費相談はもちろんのこと、経営方針に関する相談にも応じてもらえるという大きなメリットがあります。例えば、新規事業を立ち上げる際には、潜在的なリスクや将来の見通しについて相談が可能であり、利益計画や資金繰りに至るまで幅広い経営アドバイスを受けることができます。
さらに、新たな資金調達が必要になった場合、金融機関との交渉でも支援を受けることができます。このように税理士に経営相談をすることで、ビジネスを有利に進める選択肢が増えるのです。
資金調達に関してのポイント!
金融機関からの融資には事業計画書が重要です。中長期目標や数値計画、実行態勢を記載する書類で、計画内容が不十分だと融資が難しくなります。資金調達に詳しい税理士なら、金融機関が重視するポイントを理解し、融資を受けやすい事業計画書の作成をサポートできます。
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加えて、事業規模が拡大するにつれて、「法人成り」を検討するタイミングも重要になります。法人成りは節税効果や社会的な信頼度の向上などのメリットをもたらします。顧問税理士が個人事業の財務状況を把握していれば、最適な法人化のタイミングをアドバイスしてもらうことも可能です。
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税理士費用(報酬)の相場は
税理士に依頼する費用は、売上の規模や依頼する業務の内容によって大きく異なります。
一般的な税理士費用の相場は以下のようになっています。
・顧問契約の報酬相場:月額2.5万円から
・確定申告の報酬相場:5万円から
ここがポイント!
税理士事務所によっても報酬の相場は変わるため、具体的な金額を知りたい場合は、複数の事務所に見積もりを依頼し、相場を比較することをお勧めします。
税理士費用を経費にできるかどうかに関するおすすめ参考記事:税理士報酬の相場はいくら?顧問料が変動する要因や税理士を選ぶ際のポイントを解説
顧問契約の報酬相場は月額2.5万円~
顧問契約の報酬相場は年商や年間売上高に応じて変動します。月に1回訪問するタイプの顧問契約の場合、以下のような金額が一般的です。
年間売上が500万円未満の場合、税理士費用は比較的低めに設定されており、売上が増加するにつれて費用も段階的に上昇する傾向にあります。
顧問契約を検討している場合、具体的な予算に応じて税理士と直接相談することで、予算内での契約が可能な場合もあります。そのため、まずは税理士に直接相談を行うことをおすすめします。
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まとめ
税理士に業務を依頼することは、多くのメリットを提供しますが、その利点を最大限に活用するには適切な知識が必要です。本記事では、税理士費用の概算とそれを経費として計上する方法、勘定科目の選択肢について詳細に説明しました。
また、税理士の支援が企業経営にどのように寄与するか、そして税務調査や経営戦略における役割にも触れました。経営の複雑さを理解し、適切な時期に専門家の助言を求めることで、事業成長につながります。
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