会社設立時の社会保険手続きについて徹底解説!
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公開日:2024年8月
更新日:2024年12月4日
会社設立時に行う社会保険手続きについて今回は詳しく解説していきます。会社設立後に行う手続きのなかでも大変な社会保険手続きですが、1つ1つ確実に社会保険手続きを会社設立後に進めていけるように本記事を参考にしてください。なかでも、手続きが遅延すると罰則がある社会保険手続きもあるため注意が必要です。
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目次
社会保険とは
会社設立時には社会保険の加入手続きを行わなければなりません。
この会社設立時に行う社会保険の手続きを解説する前に、そもそも「社会保険」とはなんでしょうか?
ここでは「社会保険」の定義と、その社会保険に含まれる各種社会保険の概要について解説します。
合わせて読みたい「会社設立時の社会保険」に関するおすすめ記事
個人事業主から法人化したときの社会保険手続きとは?個人事業主から法人化した際のメリットも解説!
社会保険の定義
社会保険とは、病気やケガ、その他の事故に備えるための公的保険の総称であり、会社に勤務する正規社員や一定の条件を満たす非正規社員が加入することが義務付けられています。
社会保険(広義)には以下の5つの保険を指します。
会社設立時の社会保険に関連するおすすめ記事
社会保険の全体像を理解するうえで以下の記事がおすすめです。
「社会保険とはこんな仕組み!国民健康保険との違いや、切替方法を解説」
社会保険の1つ目 健康保険
会社設立の際、社会保険の加入は重要な要素となります。病気やけが、休業、出産、または死亡といった予期しない事態が発生すると、予想外の出費が必要になり、収入が途絶える可能性があります。これにより、生活が不安定になることがあります。こうしたリスクに備えるために、社会保険に加入し、日々社会保険料を支払うことで、必要なときに社会保険給付を受けることができる仕組みが整えられています。健康保険は、この社会保険の一部として、会社設立後に加入することが求められる重要な制度です。
「会社設立時の社会保険」解説部
詳細は経済団体健康保険組合ホームページ「健康保険とは」を参照してください。
社会保険の2つ目 厚生年金保険
会社設立時には、社会保険の加入が求められます。その中でも、厚生年金は日本の社会保険制度の中で最も大きな公的年金制度のひとつです。これは、企業に勤務する会社員や公務員が対象で、労働者と雇用主が年金保険料を半分ずつ負担し、65歳以上になったときに年金を受け取れる社会保険の仕組みです。
国民年金は、日本に住む20歳から60歳未満の全ての人が加入する公的年金ですが、厚生年金は厚生年金保険が適用される事業所に勤務する70歳未満の会社員や公務員が対象となる社会保険制度です。
また、会社設立に際しては、健康保険も重要です。これにより、医療費の負担軽減やその他の医療保障が提供されるため、社会保険制度の一部として適切に加入することが求められます。
・ 従業員101人以上の企業(特定適用事業所)に勤務している
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある(フルタイムと同様)
・学生でない(夜間学生や通信制は除く)
「会社設立時の社会保険」に関連するおすすめ記事
厚生年金保険の概要は以下の記事がおすすめです。
「厚生年金とは?総まとめ!制度と計算方法を分かりやすく解説」
社会保険の3つ目 介護保険
会社設立に伴い、社会保険の一環として介護保険が導入されました。これは2,000年に始まった制度で、「高齢者の介護を社会全体で支える仕組み」を目的としています。この社会保険制度では、介護が必要になった際に、被保険者は原則1割の負担で介護サービスを利用できます。
高齢化が進む中、介護を必要とする高齢者が増えていますが、核家族化や介護する家族の高齢化により、家族だけでの支援が難しくなってきています。介護保険は、こうした状況で家族の負担を軽減し、社会全体で支えるための重要な社会保険制度です。
さらに、会社設立時には、健康保険の加入も重要となるため忘れないようにしましょう。
「会社設立時の社会保険」に関連するおすすめ記事
社会保険制度の1つである介護保険の概要については以下の記事を参考になるでしょう。
「介護保険とは?制度の仕組みや介護サービスについて解説!」
社会保険の4つ目 労災保険
会社設立後、必ず加入が必要となる健康保険などを含む社会保険の一つが労災保険です。労災保険は、従業員が業務中や通勤中に事故に遭い、怪我や病気、障害、または死亡した場合に、給付金を支給する公的な社会保険制度です。会社設立時に社会保険へ加入することで、従業員を守る体制を整え、働きやすい環境を提供することができます。さらに、健康保険と併せて社会保険全体の手続きを進めることが重要です。
「会社設立時の社会保険」に関するポイント!
一般には「労災」と呼ばれていますが、正式には「労働者災害補償保険」と言います。労災保険は、正社員だけでなく、パートタイムやアルバイト、日雇いなど、すべての働く人が対象となる社会保険の一種です。
「労災保険とは?給付される条件や金額について解説」
社会保険の5つ目 雇用保険
会社設立後、加入が求められる社会保険の一つに雇用保険があります。これは、従業員の生活や雇用の安定を目的とした社会保険で、労災保険と合わせて「労働保険」とも呼ばれます。この社会保険に加入している従業員は、万が一失業した場合に「失業保険(基本手当)」を受け取ることができ、また、育児や介護で休職する際にも給付金を受け取ることができます。さらに、会社設立後は社会保険の1種である健康保険への加入も重要です。
「会社設立時の社会保険」に関連するおすすめ記事
広義の社会保険の1つである雇用保険の概要については以下の記事がおすすめです。
「雇用保険とは?給付の種類や加入条件、保険料の計算方法などを解説」
合わせて読みたい「個人事業主から法人化 社会保険手続き」に関するおすすめ記事
個人事業主から法人化(法人成り)したときの社会保険手続きとは?個人事業主から法人化した際のメリットも解説!
会社設立をすると社会保険の加入義務が生じる
前述した通り社会保険とは、厚生年金、健康保険、介護保険、労災保険、雇用保険など、複数の公的社会保険をまとめた総称です。これには狭義の社会保険である「健康保険」と「厚生年金」のみを指す場合もありますが、一般的には上記の全てを含む広義の社会保険を指します。
会社設立後には、法律により狭義の社会保険である健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられています。
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この会社設立後に行う狭義の社会保険への加入義務は、役員や従業員の人数に関係なく、一人社長であっても一定以上の報酬(給与)があれば適用される社会保険です。たとえ会社設立時に従業員を雇用していない場合でも、会社設立をする時点で社会保険への加入が必要です。
さらに、広義の社会保険である労災保険や雇用保険については、会社設立後に従業員を一人でも雇用している場合に加入が義務付けられる社会保険です。
「会社設立時の社会保険」解説部
広義の社会保険に該当する労災保険と雇用保険を労働保険と呼ぶこともあります。
詳細は厚生労働省のHPをご覧ください。
したがって、会社設立時における実際の状況によって、加入しなければならない会社設立時の社会保険の範囲が異なることに注意が必要です。
「会社設立時の社会保険」で気をつけておきたい注意点
もし社会保険に未加入の状態が発覚した場合、過去2年間に遡って社会保険料(延滞金を含む)を徴収されたり、罰則を受けることがあります。これにより、企業にとって大きな経済的負担がかかる可能性があるため、社会保険の各制度の仕組みや、社会保険の加入に伴う実際にかかるコストを会社設立時からしっかりと把握しておくことが社会保険を加入する際に重要となります。社会保険の加入漏れや、社会保険の未加入によるリスクを防ぐためにも、適切な社会保険手続きのスケジュール管理を会社設立時から行いましょう。
「一人社長も会社設立時には社会保険加入が必須!必要な書類や手続きをわかりやすく解説」
合わせて読みたい「会社設立後にいつから社会保険に加入すべきなのか」に関するおすすめ記事
会社設立後に社会保険はいつから加入すべき?社会保険の加入手続きについても詳細解説!
会社設立時に必要な社会保険手続き① 健康保険・厚生年金加入時に必要な書類
まず会社設立時または会社設立後に行う必要がある社会保険手続きに伴って作成及び提出が必要な社会保険に関する書類について解説します。
会社設立時に必要な社会保険手続き①-1 健康保険・厚生年金保険新規適用届
会社設立時または会社設立後に必要な社会保険手続きの一種で、健康保険・厚生年金保険新規適用届は会社設立をした際に行わなければならない社会保険手続きです。
この社会保険手続きでもある新規適用届に添付する書類は、「強制適用事業所」に該当する場合と「任意適用事業所」の認可申請をする場合で異なります。
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強制適用事業所の場合
強制適用事業所に該当し、社会保険の健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出する際に必要な主な添付書類は以下の通りです。
「会社設立時の社会保険」に関連するおすすめ記事
会社設立時に行う社会保険手続きの概要については以下の記事がおすすめです。
「社会保険の新規適用手続きを解説 必要書類の書き方や提出方法」
【法人の場合】
・登記簿謄本(登記事項証明書)
・法人番号指定通知書の写し
【個人事業主の場合】
・事業主の世帯全員の住民票
なお、会社設立に伴う社会保険手続きでは、登記簿謄本や住民票は必ず原本を提出しなければなりません。これらの書類は、提出日から90日以内に発行されたものである必要があります。また、健康保険の社会保険手続きでも同様に、コピーは認められません。さらに、法人番号指定通知書の写しが添付できない場合には、国税庁の法人番号公表サイトから法人情報を印刷して添付することが可能です。
「会社設立時の社会保険」解説部
ただし、会社設立後間もない場合は、法人番号公表サイトに法人番号が反映されていないことがあります。
さらに、法人事業所の所在地が登記上の所在地と異なる場合や、個人事業所の所在地が住民票の住所と異なる場合には、賃貸借契約書の写しなど、事業所の所在地を確認できる書類も別途添付が必要です。
また、社会保険料口座振替納付申出書など他の書類が必要になることもあるため、事前に年金事務所に確認しておくと安心です。
「会社設立時の社会保険」解説部
管轄の年金事務所が分からない場合は、日本年金機構HPから確認してください。
合わせて読みたい「税理士 会社設立 補助金(助成金)」に関するおすすめ記事
会社設立時の補助金(助成金)申請は税理士に依頼すべき?メリット・デメリットも解説!
任意適用事業所の認可申請の場合
強制適用事業所に該当しない事業所が、社会保険の任意適用を受けるために新規適用届を提出する際の主な添付書類は以下の通りです。
・健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書
・任意適用同意書(従業員の過半数以上の同意を得たことを証明する書類)
・事業主世帯全員の住民票
・公租公課の領収証(原則として1年分)
「会社設立時の社会保険」で気をつけておきたい注意点
住民票や公租公課の領収証もコピーが認められず、原本を提出する必要があります。任意適用申請書の用紙は、指定のウェブサイトからダウンロードでき、記入例や書き方も掲載されています。
会社設立時に必要な社会保険手続き①-2 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
会社設立時または会社設立後に従業員の入社日が決まったら、社会保険手続きの「被保険者資格取得届」を作成する必要があります。
この届出書には、事業所の整理記号や番号、従業員の個人情報、個人番号、そして給与から計算された報酬月額などを記載します。提出先は、健康保険組合や年金事務所であり、提出期限は入社日から5日以内です。会社設立後の従業員入社前に必要な情報を揃え、入社日に社会保険手続きを行えるよう準備を整えておくことが重要です。
「会社設立時の社会保険」に関するおすすめ記事
社会保険手続きの資格取得手続きに関する詳細は以下の記事がおすすめです。
「【社会保険の資格取得届】書き方・添付書類・提出先(保存版)」
加入条件
正社員などの常勤
月給 | 70歳まで | 健康保険・厚生年金保険に加入 |
70歳以上75歳まで | 健康保険のみ加入 |
アルバイトなどの時給者
一般事業所の場合
労働時間 | 1週間の所定労働時間が常時使用される人の4分の3以上 |
労働日数 | 1か月の所定労働日数が常時使用される人の4分の3以上 |
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特定適用事業所の場合
特定適用事業所とは、1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が101人以上となることが見込まれる企業等のことです。
引用:日本年金機構HP「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
週の所定労働時間 | 20時間以上になること |
雇用期間 | 1年以上見込まれること |
賃金月額 | 8.8万円以上見込まれること |
「会社設立時の社会保険」解説部
大学生など昼間学生は加入しないので気をつけましょう。
合わせて読みたい「会社設立時の社会保険」に関するおすすめ記事
会社と個人事業主の違いとは?会社を設立する場合のポイントと手続きについても詳細解説!
個人事業主から会社設立をする場合に必要な手続きについて解説しているため、会社設立に伴う手続きに自信がない方にもおすすめの記事です。
添付書類
以下の書類が社会保険手続きである「資格取得届」を会社設立後に提出する場合に必要となります。
・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
・被扶養者異動届・国民年金第3号被保険者関係届
※事業所が協会けんぽに加入している場合
会社設立時に必要な社会保険手続き①-3 健康保険被扶養者(異動)届
会社設立時または会社設立後に必要な社会保険手続きの一種である被扶養者(異動)届は、従業員が結婚したり、配偶者や子供が生まれたり、就職や死亡があった場合に、狭義の社会保険(健康保険や厚生年金保険)の被扶養者としての情報を追加、削除、または氏名変更するための社会保険の書類です。この社会保険の書類である健康保険被扶養者(異動)届は、会社設立後に事実が発生した日から5日以内に、管轄の年金事務所や健康保険組合に勤務先を通じて提出する社会保険書類になります。届出が受理されると、従業員の家族が新たに被扶養者として認定されます。また、会社設立後に被扶養者の認定要件を満たさなくなった場合、その日を削除日として届出を行う必要があります。
「会社設立時の社会保険」に関するおすすめ記事
社会保険手続きである健康保険被扶養者届の詳細は以下の記事がおすすめです。
「被扶養者(異動)届とは?対象者の条件や手続きの方法・書類の具体的な書き方まで徹底解説」
被扶養者の事情 | 必要書類 |
1. 退職によって収入要件を満たす場合 | 退職証明書 または 雇用保険被保険者離職票のコピー |
2. 雇用保険の失業給付を受給中、または受給終了によって収入要件を満たす場合 | 雇用保険受給資格者証のコピー |
3. 年金を受給中の場合 | 現在の年金受取額が記載された年金額改定通知書などのコピー |
4. 自営業(農業等を含む)や不動産収入がある場合 | 直近の確定申告書のコピー 自営業者の場合、収入額から必要経費を差し引いた額を示す書類 |
5. 上記1〜4以外の収入がある場合 | 上記1〜4に該当する書類 または 課税(非課税)証明書 |
6. 上記1〜5に該当しない場合 | 課税(非課税)証明書 |
引用:「一人社長も会社設立時には社会保険加入が必須!必要な書類や手続きをわかりやすく解説」
合わせて読みたい「法人設立後にやるべき手続き」に関するおすすめ記事
法人設立後にやることとは?手続きの仕方や必要書類も解説!
会社設立時に必要な社会保険手続き② 雇用保険加入時に必要な書類
ここでは、会社設立時または会社設立後に必要となる社会保険の一種である雇用保険に関連する書類について解説します。
会社設立時に必要な社会保険手続き②-1 雇用保険適用事務所設置届
会社設立時や設立後に必要となる社会保険手続きのひとつに、「雇用保険適用事業所設置届」の提出があります。これは、会社設立後に初めて雇用保険の適用を受ける労働者を雇用した際に行う社会保険手続きです。この書類は、新たに雇用保険の対象となる事業所が登録されるために必要で、労働者だけでなく会社設立後の事業所も雇用保険適用事業所として登録されます。また、会社設立後に雇用した労働者に対して、健康保険や他の社会保険も同時に適用されることが一般的です。
「会社設立時の社会保険」解説部
適用事業所とは、会社設立後に雇用保険の適用を受ける労働者を雇い入れた事業所のことです。会社設立後初めて雇用保険の対象者を雇用する場合は、労働者だけでなく、事業所自体も雇用保険適用事業所として登録手続きを行い、設置届を提出しなければなりません。
「会社設立時の社会保険」で気をつけておきたい注意点
注意すべき点として、会社設立後に雇用保険適用事業所設置届を提出する前に、労働保険の「保険関係成立届」を提出する必要があります。「保険関係成立届」が未提出の場合、社会保険手続きである適用事業所設置届は受理されませんので、必ず事前に手続きを済ませておきましょう。
「雇用保険適用事業所設置届とは? 書き方や必要書類、手順を解説」
手続き方法
STEP1 労働保険番号を記入
まずは労働基準監督署に、以下の書類を会社設立後に提出する必要があります。
1. 保険関係成立届
2. 労働保険概算保険料申告書
これらの書類を会社設立後に提出すると、「労働保険番号」が発行されます。この番号を、雇用保険適用事業所設置届に記入します。
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STEP2 雇用保険適用事業所設置届をハローワークに提出
雇用保険適用事業所設置届は、管轄のハローワークへ会社設立後に提出します。提出方法としては、会社設立後にハローワークの窓口に持参するか、電子申請で行うことが可能な社会保険手続きとなっています。
提出期限は、会社設立後に雇用保険被保険者となる従業員を雇った翌日から10日以内ですので、早めに社会保険手続きを済ませるようにしましょう。
STEP3 雇用保険適用事業所設置届の控えを保管
雇用保険適用事業所設置届が受理されると、「雇用保険適用事業所届控(適用事業所台帳)」が郵送で送られてきます。届いた控えは、事業所で大切に保管しておきましょう。万が一、控えを紛失した場合でも、ハローワークで再発行が可能です。
会社設立後に再発行する際は、ハローワークで配布される「雇用保険関係各種届書等再作成・再交付申請書」に必要事項を記入し、提出する必要があります。この控えは雇用保険の社会保険手続きで必要になることがあるため、紛失が判明したら早めに再発行の手続きを行いましょう。
合わせて読みたい!「会社設立時の社会保険手続き」に関するおすすめ記事
会社設立時に税理士は必要?依頼するメリットとおすすめのタイミングとは
会社設立時に必要な書類
会社設立時または会社設立後に必要な社会保険手続きである雇用保険適用事業所設置届を提出する際には、以下の書類が必要です。まず、雇用保険適用事業所設置届に必要事項を記入しておきます。次に、従業員が雇用保険に加入するための社会保険書類である「雇用保険被保険者資格取得届」や、労働基準監督署で受理済みの社会保険書類である「労働保険関係成立届の事業所控」を準備します。
さらに、事業情報や社会保険の加入状況を証明するために、法人の場合は会社設立後に発行される「登記事項証明書」や「事業許可証」、「工事契約書」、「不動産契約書」、「源泉徴収簿」、または他の社会保険の適用関係書類など、いずれかを提出します。
「会社設立時の社会保険」に関する参考ポイント
また、会社設立後の労働者の雇用実態や賃金支払い状況を証明するためには、「労働者名簿」、「賃金台帳(雇い入れから現在まで)」、「出勤簿またはタイムカード(雇い入れから現在まで)」、または有期雇用労働者の場合は「雇用契約書」のいずれかを社会保険手続きを行ううえで用意する必要があります。
「雇用保険適用事業所を設置する場合の手続きについて」
会社設立時に必要な社会保険手続き②-2 雇用保険被保険者資格取得届
会社設立後に従業員を1人でも雇用すると、企業は業種や規模に関係なく、一定の条件を満たす従業員を社会保険の一種である雇用保険に加入させる義務があります。その際、会社設立後にハローワークに提出する社会保険の書類が「雇用保険被保険者資格取得届」です。
会社設立後の雇用保険への加入条件は、基本的に「31日以上の雇用が見込まれ、週の所定労働時間が20時間以上」であることです。この条件に該当する従業員は、パートやアルバイトであっても全員が加入対象となります。また、もともと週の労働時間が20時間未満であった従業員でも、労働時間が20時間以上に増えた場合には、加入手続きを行う必要があります。
SoVa税理士お探しガイド編集部
雇用保険被保険者資格取得届の詳細は「これで安心!雇用保険被保険者資格取得届の書き方と申請時の注意点」が参考になります。
会社設立時に必要な書類
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会社設立時または会社設立後に必要な社会保険の一種である雇用保険の申請に必要な書類は、事業所の所在地を管轄するハローワークの窓口や厚生労働省のホームページで確認できます。一般的に、以下の書類の提出が会社設立後の社会保険手続きを行ううえで求められることが多いです。
・雇用保険被保険者資格取得届(必ずマイナンバー(個人番号)の記載が必要)
・賃金台帳
・労働者名簿
・タイムカードや出勤簿
・社会保険の資格取得に関する書類など、雇用した従業員の雇用事実と雇用開始日が確認できる書類
・有期労働者の場合は、就業規則や雇用契約書など、労働条件を確認できる書類
会社設立時に必要な社会保険手続き③ 労災保険加入時に必要な書類
ここでは会社設立時または会社設立後に必要な社会保険の一種である「労災保険」で必要となる書類について解説します。
会社設立時に必要な社会保険手続き③-1 保険関係成立届
会社設立時または会社設立後に必要な社会保険手続きの一種である保険関係成立届は、労働保険の適用事業所となった際に、従業員の労働保険加入義務を果たすために必要な社会保険手続きの書類です。
提出期限は、保険関係が成立した日から10日以内となっています。
会社設立時にすでに労働者がいる場合は、会社の設立時が保険関係の成立した日となります。
必要書類
以下の書類が社会保険手続きを行ううえで必要になります。
・法人登記簿膳本(個人事業主の場合は住民票)
・労働保険概算保険料申告書
「会社設立時の社会保険」に関する参考ポイント
社会保険手続きである保険関係成立届の詳細は以下を参照してください。
「労働保険の保険関係成立届の添付書類や提出先など分かりやすく解説」
「会社設立時の社会保険」で気をつけておきたい注意点
事業の拡大に伴い従業員を雇う場合、社会保険関連の書類である「保険関係成立届」を提出する必要があります。この社会保険手続きを怠ると、行政庁が自動的に手続きと社会保険料の決定を行い、さかのぼって社会保険料や社会保険に関する追徴金が徴収される可能性があります。この社会保険手続きに重大な過失があった場合、労災保険給付の全額または一部の返還を求められることもあるため、注意が求められる社会保険手続きになっています。
「保険関係成立届とは?どこでもらう?目的や条件、事業別の手続き方法についてわかりやすく解説!」
会社設立時に必要な社会保険手続き③-2 労働保険概算保険料申告書
会社設立時や会社設立後に必要な社会保険手続きの一つに、労働保険の社会保険手続きがあります。労働保険は、広義の社会保険に含まれ、労災保険と雇用保険を組み合わせた社会保険制度です。従業員を1人でも雇う際には、労働保険の成立手続きを行う必要があり、これに伴って「労働保険の概算保険料申告書」を提出しなければなりません。
会社設立後、この社会保険手続きを進める際、「概算保険料申告書」の提出方法にはいくつかのパターンがあります。会社設立後に保険関係成立届と同時に申告書を提出する場合は、管轄の労働基準監督署へ提出します。もし、会社設立後に成立届を先に出してから申告書を提出する場合は、所轄の労働基準監督署または労働保険事務組合で社会保険手続きが行えます。また、会社設立後には健康保険の社会保険手続きも併せて行うことが一般的です。
「会社設立時の社会保険手続き」解説部
管轄の労働基準監督署は厚生労働省のHPより検索することが可能です。
1. 所轄の労働基準監督署
2. 所轄の都道府県労働局
3. 日本銀行の歳入代理店(全国の銀行、信用金庫の本店または支店、郵便局)
なお、農林水産業や建築業などの二元適用事業の場合は、労災保険に関する社会保険手続きは上記の3つのいずれかで対応できますが、雇用保険の社会保険手続きは都道府県労働局または日本銀行の歳入代理店で行う必要があります。
「会社設立時の社会保険」解説部
概算保険料申告書の書き方などは「【会社設立後の提出書類⑪】労働保険の概算保険料申告書の概要と書き方(記入例つき)」を参考にしましょう。
社会保険に未加入の場合の罰則
社会保険への加入義務がある場合に未加入だと罰則があります。
ここでは、社会保険に加入しなかったときの罰則について解説します。
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【社会保険に加入しなかったときの罰則①】
罰金が発生
社会保険に加入していない場合、まず最初に考えられる罰則は、罰金が科される可能性です。
社会保険への加入は法律で義務付けられており、未加入の事業所には健康保険法第208条に基づき、最大で6ヶ月の懲役または50万円の罰金が課されることがあります。
【社会保険に加入しなかったときの罰則②】
過去2年に遡って保険料を徴収
社会保険に加入していない場合の2つ目の罰則として、過去2年間分の保険料をさかのぼって請求される可能性があります。
社会保険に未加入であることが発覚し、年金事務所から強制的に加入手続きを指示された場合、過去2年間の未納分の社会保険料を支払わなければなりません。
従業員3人の場合の社会保険加入義務に関連する気をつけておきたい注意点
社会保険料は給与だけでなく、従業員3人に対する賞与にも適用されるため、支払いが一度に高額になることがあり、事業運営に大きな負担を与えるリスクがあります。
【社会保険に加入しなかったときの罰則③】
従業員の社会保険料を会社が負担
社会保険に加入していない場合、3つ目の罰則として、従業員の負担分の社会保険料を企業が全額支払うことになる可能性があります。
通常、社会保険料は会社と従業員で半分ずつ負担しますが、未加入が発覚し、過去の保険料を遡って支払う際、既に退職した従業員の保険料を回収できない場合があります。そのため、企業がその分も全額負担する必要が生じることがあります。
【社会保険に加入しなかったときの罰則④】
求人をハローワークに出せない
社会保険に加入していない場合、4つ目の罰則としてハローワークで求人を出せなくなることがあります。
従業員3人の場合の社会保険加入義務に関連するおすすめ記事
従業員3人の場合もふくめ、社会保険に未加入の事業所のリスクについては以下のサイトが参考になるでしょう。「社会保険未加入の事業所にはリスクがいっぱい!?」
社会保険に未加入だと、ハローワークで求人票を受理してもらえません。そのため、新たに従業員を雇うためには、まず社会保険に加入する必要があります。
【社会保険に加入しなかったときの罰則⑤】
延滞金が発生する
社会保険に加入していない場合、5つ目の罰則として延滞金が発生する可能性があります。
もし社会保険料が支払期限を過ぎて未払いのままだと、延滞金が課されます。延滞金は「滞納額×延滞金利率÷365日×延滞日数」で計算され、以下の利率が適用されます。
・延滞開始から3ヶ月以内:年利7.3%または特例基準割合+1%のいずれか低い方
・延滞開始から3ヶ月を超えた場合:年利14.6%または特例基準割合+7.3%のいずれか低い方
従業員3人の場合の社会保険加入義務に関連するおすすめ記事
社会保険に未加入の場合は、できるだけ早く社会保険の加入手続きを行いましょう。
「社会保険料の未納・未加入・滞納のペナルティは?状況を改善するための対処法も解説」
まとめ
今回は会社設立後に行う社会保険手続きについて詳しく解説しました。会社設立時から従業員を雇う場合は特に、会社設立時に行う社会保険手続きが多くなるのでスケジュールには余裕をもって社会保険手続きを行うようにしましょう。
社会保険手続きのなかのは、社会保険の加入義務があるのにも関わらず社会保険に加入していなかった場合に罰則が生じる可能性もあるため注意が必要です。
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