合同会社の設立で節税はできる?個人事業主との税金の違いや節税以外のメリットも解説!
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公開日:2024年9月
更新日:2024年9月18日
合同会社は、徐々に知名度を高めている会社形態であり、特に個人事業主が法人化を検討する際の選択肢として注目されています。なかには、「合同会社は節税に有利だ」と耳にしたことがある方もいるかもしれません。
この記事では、合同会社の設立が節税対策としてどの程度有効かを詳しく解説します。合同会社と個人事業主での支払う税金の違いや、合同会社設立のメリット・デメリットについても触れるので、合同会社の設立による節税効果に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
合同会社と個人事業主の支払う税金の違い
合同会社は、経費として認められる範囲が広く、個人事業主に比べて多くの項目が経費として計上できます。たとえば、生命保険料や家族への給与など、個人事業主では経費として認められないものが、合同会社では経費に含められるため、節税が期待できます。
また、合同会社と個人事業主(青色申告者)はどちらも赤字を繰り越すことが可能ですが、繰り越し期間に違いがあります。個人事業主は最大で3年間赤字を繰り越せるのに対し、合同会社は9年(事業年度開始後は10年)まで繰り越せる点でも節税効果が見込めます。
さらに、消費税の納税義務は、売上が2年前に1,000万円を超えた場合や、前年度の上半期に課税売上高と給与支給額がそれぞれ1,000万円を超えた場合に発生します。しかし、資本金1,000万円未満の合同会社を設立した場合、売上が2年前にない場合は2年間、消費税の納税が免除されます。
また、合同会社の財産は相続税の対象外となり、決算日も自由に設定できるため、運用の柔軟性が高い点も節税対策で注目されているポイントです。
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合同会社の設立は節税につながる?
個人事業主が合同会社を設立することで、特に節税効果を得られやすい場合があります。合同会社は法人として扱われるため、個人事業主とは課税される税金が異なり、特に所得が800万〜900万円を超える個人事業主にとっては、合同会社の設立が節税で有利な選択肢となる場合もあります。
SoVa税理士お探しガイド編集部
ただし、個別の状況によって節税につながるかどうかの判断が異なるため、節税を目的に合同会社の設立を検討する際には、税理士に相談することが重要です。
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合同会社の設立が節税につながる理由
ここからは、合同会社の設立による7つの節税効果について説明します。
節税になる理由①:法人税率の適用
個人事業主の所得税は「超過累進課税」により、所得が増えるほど税率が最大45%に達します。一方、合同会社では、法人所得に対して法人税が適用され、中小企業の場合、税率は最大23.2%と一定です。そのため、特に所得が800万〜900万円を超える個人事業主は、合同会社の設立が節税で有利な選択肢になる可能性があるでしょう。
節税になる理由②:役員報酬を経費として計上可能
合同会社を設立した場合、経営者が受け取る役員報酬は経費に計上でき、適切な額に設定することで、所得税や住民税、社会保険料の節税ができます。また、合同会社を設立すると「給与所得控除」が適用されるため、さらなる節税効果が見込めます。
節税になる理由③:消費税の免除
新たに合同会社を設立すると、原則として合同会社の設立から1〜2期目は消費税の納税が免除されます。3期目以降は、基準期間の課税売上高に応じて消費税の納税義務が発生しますが、2年間の免除期間が節税につながります。
節税になる理由④:赤字の繰越期間が延長
青色申告を選択した合同会社は、最大10年間赤字を繰り越すことができます。このため、翌年以降に大きな利益が出た場合でも、損失と相殺することで、節税効果が期待できます。
節税になる理由⑤:経費範囲の拡大
合同会社では、個人事業主よりも多くの項目を経費として計上できます。たとえば、生命保険料、役員報酬、旅費日当、退職金などが挙げられ、これにより、節税効果が高まります。
節税になる理由⑥:家族への非常勤役員報酬の支給
合同会社を設立すれば、家族を非常勤役員として報酬を支給することが可能です。これにより、法人税や所得税の節税が期待できます。ただし、実態のない報酬支給は税務署から指摘される可能性があるため、適正な金額を設定しましょう。
節税になる理由⑦:相続税対策
不動産を個人で所有している場合、相続税の対象となりますが、合同会社を設立して不動産を合同会社の所有にすることで、相続税の対象は合同会社の持分や払戻請求権になります。これにより、相続税の節税効果が期待できます。
合同会社の設立は、個人事業主にとって節税の有力な手段となり得ますが、設立のタイミングや状況によっては節税効果が見込めないケースもあるため、慎重に検討する必要があります。
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合同会社を設立する節税以外のメリット
合同会社を設立することで得られる節税以外のメリットについて紹介します。
節税以外のメリット①:設立費用と運営コストが低い
合同会社は株式会社に比べ、設立にかかる費用が抑えられます。さらに、株式会社には決算公告が義務付けられており、その際に費用が発生しますが、合同会社はその義務がないため、運営コストが低い点も大きなメリットです。
節税以外のメリット②:経営の柔軟性が高い
合同会社では、出資者と経営者が同一であるため、経営の意思決定において自由度が高いといえます。株式会社では重要な決定を行う際に株主総会を開く必要がありますが、合同会社ではそのような制約がなく、利益の配分も定款により自由に決められます。一方、株式会社の場合、配分は株式数に基づいて行われます。
節税以外のメリット③:社会的信用が個人事業主より高い
合同会社を設立することにより、社会的信用が向上し、取引の円滑化や融資を受けやすくなる点も大きな利点です。法人として登記されることで、社会的に信用されやすくなるほか、法人名義での備品購入やリース契約が可能です。
SoVa税理士お探しガイド編集部
また、法人格が必要な許認可も取得できるようになります。
節税以外のメリット④:役員の任期がない
合同会社の場合、役員の任期は定められていません。これにより、株式会社であれば10年ごとに発生する役員の重任登記費用(約1万円)が不要となります。もっとも、定款で任期を定めることも可能です。
節税以外のメリット⑤:責任は出資額まで
合同会社では、万が一の取引の失敗があっても、出資額の範囲内でしか責任を負う必要がありません(代表者が個人保証をしていない場合)。ただし、融資を受ける際には、代表者個人が連帯保証を求められることが一般的で、その場合は無制限に責任を負う可能性がある点には注意が必要です。
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合同会社のデメリット
デメリット①:社員間のトラブルが発生しやすい
合同会社では、社員全員に平等に意思決定権があるため、意見の対立が発生するとトラブルに発展する可能性があります。経営の自由度が高い反面、こうした問題を防ぐためには、対策が必要です。たとえば、定款で社員の過半数の賛成による意思決定のルールを設けることが考えられます。
デメリット②:株式会社に比べて社会的信用が低い
合同会社は、個人事業主より社会的信用度は高いものの、株式会社には及びません。合同会社の代表者は「代表取締役」ではなく「代表社員」となり、一般の人には馴染みが薄いため、取引先によっては信用に影響が出る場合もあります。
合同会社の節税に関する注意点
また、資金調達力や採用活動においても、合同会社の名称が不利に働くことがあるかもしれません。
デメリット③:資金調達方法が限られる
株式会社は株式を発行して増資を行うことができますが、合同会社は基本的に補助金、助成金、借入に依存するため、大規模な資金調達は難しい場合があります。資金調達が必要な場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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まとめ
個人事業主が合同会社を設立することで、所得税よりも変動が少ない法人税の適用を受けられるため、節税効果を得られる可能性があります。さらに、合同会社は設立や運営のコストが低く、経営の自由度が高いなど、合同会社には節税以外にも多くのメリットがあります。節税対策を検討する際の選択肢として、合同会社を視野に入れてみるとよいでしょう。
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