社会保険料は4月から6月で決まる!4月5月6月に残業すると手取りが減る理由を解説
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公開日:2025年6月
更新日:2025年6月22日
「社会保険料は4月から6月で決まるって本当?」
「4月から6月に残業すると手取りが減るって聞いたけど、どういうこと?」
実は、社会保険料の金額は、毎年4月から6月に支給された給与をもとに決まるというルールがあるのです。これは、標準報酬月額という基準を算出するための対象期間が4月から6月の3カ月間と定められているためで、給与の多寡によって4月から6月の平均報酬額が高くなれば、それに連動して社会保険料も上がる仕組みです。
特に注意が必要なのが、4月から6月に残業が多くなる場合。残業代が加算されて給与が増えると、4月から6月の平均報酬が引き上げられ、標準報酬月額が上がり、結果として社会保険料が増額されてしまいます。そうなると、9月以降の手取りが想定以上に減ってしまうということも。
「4月から6月は年度初めだから働き方に気をつけよう」という話には、こうした社会保険料の仕組みが深く関係しているのです。
本記事では、なぜ社会保険料が4月から6月で決まるのか、4月から6月に支給される残業代や手当がどれだけ影響するのか、4月から6月の給与をどう管理すべきかなど、実務に役立つ知識をわかりやすく解説します。
社会保険料と4月から6月の働き方の関係を正しく理解し、手取りの減少を防ぐためのポイントを押さえましょう。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
社会保険料と4月から6月の働き方の関係を正しく理解し、手取りの減少を防ぐためのポイントを押さえましょう。

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目次
社会保険料の基礎知識
一般的に社会保険料とは、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険といった社会保険に関する各種保険料のことを指します。これらすべてを含めた意味で使われる場合、社会保険料は広義の社会保険料とされます。
一方で、社会保険料という言葉は、文脈によってはもう少し狭い意味で使われることもあります。いわゆる狭義の社会保険料とは、健康保険、介護保険、そして厚生年金保険の3つの保険料のみを指す表現です。
社会保険料と4月から6月の報酬の関係に関するおすすめ記事

社会保険料と残業代を含む4月から6月の報酬の関係性について、以下の記事も参考になるでしょう。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「「4・5・6月に残業すると社会保険料が増え手取りが減る」のはいつから?」
なお、雇用保険と労災保険に関しては、これらは社会保険料とは区別されて労働保険料という呼び方が一般的です。
このように、社会保険料という言葉には広義と狭義の使い分けがあるため、保険料の分類や制度内容を理解する上では、その意味の違いを把握しておくことが大切です。給与明細などに記載される社会保険料の内訳を正しく読み取るためにも、この基本的な知識は押さえておきたいところです。

決定時期となる4月から6月とは?定時決定(算定基礎)と随時改定の違い

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会社員の毎月の給与から天引きされている社会保険料。この金額がどのように決まっているかご存知でしょうか?
社会保険料の計算は、単純に今月の給与に連動しているわけではなく、4月から6月の給与額が大きく関係しているのです。

合わせて読みたい「算定基礎はいつから反映?」に関するおすすめ記事

社会保険の算定基礎(定時決定)は いつから反映?変更時期や月額変更届についても解説!
ここでは、社会保険料の金額を決定する2つの仕組みである「定時決定」と「随時改定」の違いを中心に、なぜ4月から6月の給与が重要なのか、どのように手取り額へ影響を与えるのかをわかりやすく解説します。
定時決定とは?社会保険料が毎年見直される重要なタイミング
定時決定とは、毎年1回、全ての従業員を対象に実施される、社会保険料の基礎となる「標準報酬月額」の見直し制度です。
この制度の最大の特徴は、4月から6月の3カ月間の報酬額をもとに、その年の9月から翌年8月までの社会保険料が決定されるという点にあります。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
つまり、4月から6月にどれだけ給与を受け取ったかが、1年間の社会保険料に影響するということです。
たとえば、この3カ月間に残業が多くなったり、一時的に手当が増えたりすると、その分給与額の平均が上昇し、それに連動して標準報酬月額が上がり、9月以降の社会保険料も高くなります。
その結果、1年間を通じて手取りが減るというケースも珍しくありません。
4月から6月に社会保険料が決まる理由とは?
この「4月から6月」に集中して給与を観察する理由は、企業の年度更新時期や、安定的な収入の把握という観点から行政が設けたルールです。
実際に提出されるのは「算定基礎届」と呼ばれる書類で、企業はこの時期の給与データを社会保険事務所に提出する義務があります。
4月から6月で社会保険料が決まる算定基礎

【算定基礎とは】
算定基礎とは、社会保険料を計算する際の基準となる標準報酬月額を決めるための手続き、またはその手続きで用いる書類「算定基礎届」を指します。具体的には、毎年4月から6月までの3ヶ月間の給与をもとに、その年の9月から1年間適用される標準報酬月額(社会保険料)を決定します。これにより、実際の給与と社会保険料の乖離を防ぎ、適正な保険料負担を確保します。
このため、会社員にとっては4月から6月が「社会保険料を決める勝負の3カ月間」とも言えるのです。
随時改定とは?4月から6月以外でも社会保険料が変わるケース
一方の随時改定は、4月から6月に関係なく、年間を通じて給与に大きな変動があったときに実施される社会保険料の見直しです。
たとえば、次のようなケースが対象になります。
- 昇進による固定給の増額
- 降格による給与の減額
- 通勤手当・住宅手当などの固定的手当の支給額変更
- 給与体系の変更(例:日給制から月給制へ)
ただし、随時改定が適用されるには3つの要件をすべて満たす必要があります。
社会保険料と4月から6月の報酬の関係に関するおすすめ記事

社会保険料と残業代を含む4月から6月の報酬の関係性について、以下の記事も参考になるでしょう。
「4月から6月に残業すると社会保険料は上がる?具体例を交えて仕組みを解説します」
このように、随時改定は4月から6月以外にも社会保険料が変更される可能性を持ちますが、定時決定と比べて適用対象は限定的です。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
定時決定と随時改定の違いは以下の表で確認しておきましょう!
算定基礎(定時決定) | 随時改定(月額変更) | |
---|---|---|
手続きの名称 | 被保険者報酬月額算定基礎届(算定基礎届) | 月額変更届 |
対象となるケース | 毎年決まった時期に行う標準報酬月額の定期的な見直し | 昇給・降給などによる固定給の大幅な変動があった場合 |
提出時期 | 毎年7月上旬 (7月10日が提出期限) |
固定的賃金の変動後、3か月分の給与を確認した後 (要件該当時) |
対象期間 | 4月から6月に実際に支払われた報酬 | 固定的賃金変動があった月の翌月から3か月分の報酬 |
いつから反映されるか | 9月分の保険料(10月納付分)から反映 | 変動があった月の4か月目の保険料から反映 (例:4月変動→8月反映) |
届出の目的 | 年に1回、すべての従業員の標準報酬月額を定期的に見直すため | 実際の給与と標準報酬月額の乖離が大きくなった場合に修正するため |
必要な条件 | 社会保険適用事業所であること | 固定給の変動があり、 かつ変動月を含む3か月間の平均変動が一定以上 |
反映される内容 | 標準報酬月額の更新により社会保険料が変更 | 新たな標準報酬月額が適用され、 保険料が見直される |
標準報酬月額と社会保険料の関係

社会保険料の仕組みを理解するうえで欠かせないのが、「標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)」という考え方です。
標準報酬月額とは、健康保険や厚生年金保険の保険料を計算するための基準となる金額のことを言います。
実際に受け取っている給与額をもとに、一定の金額帯(等級)に当てはめて決定されます。
社会保険料と4月から6月の残業代の関係に関するポイント!

この標準報酬月額が上がれば、社会保険料も比例して増えるため、手取り額にも大きく関わってきます。

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会社設立後の社会保険料はいつから支払いが始まる?いつから社会保険に加入するのかについても詳細解説!
特に重要なのが、毎年4月から6月の給与がこの標準報酬月額の算出に使われるという点です。
この3カ月間の働き方や残業状況が、その年9月以降1年間の社会保険料に影響を与える仕組みになっているため、「4月から6月に残業しすぎると損する」と言われるのです。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
まずは、この標準報酬月額の基本を押さえたうえで、4月〜6月の給与と社会保険料の関係を詳しく見ていきましょう。
標準報酬月額表の見方
たとえば、全国健康保険協会(協会けんぽ)が公表している東京都の保険料額表を見ると、報酬月額が「290,000円〜310,000円」に該当する従業員は、標準報酬月額が300,000円として扱われます。
この300,000円という標準報酬月額をベースに、各種社会保険料の金額が定められていくのです。

画像引用:協会けんぽ「東京都令和7年度保険料額表」
社会保険料は、基本的に労使折半(会社と従業員で半分ずつ負担)となっており、保険料額表にはそれぞれの負担額が明記されています。
給与から実際に引かれるのは、この社会保険料の「従業員負担分」です。

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4月から6月の報酬と社会保険料に関して以下のサイトも是非ご覧ください。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「4月から6月の残業代で社会保険料が上がる?標準報酬月額の仕組みも解説」
たとえば、標準報酬月額が300,000円で、かつ被保険者が40歳未満の場合、次のような社会保険料が給与から控除されます。
- 健康保険の社会保険料:月額 約15,000円
- 厚生年金の社会保険料:月額 約27,450円
これらの社会保険料が、毎月必ず給与から天引きされることになり、同額の社会保険料を会社側も支払っています。
つまり、標準報酬月額が高くなればなるほど、毎月の社会保険料の負担も増加し、その結果として手取りが減少する構造になっているのです。
残業代で社会保険料が上がる?知っておきたい4月から6月の影響
社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料など)は、毎月の給与から自動的に差し引かれるため、どのように計算されているのか意識する機会は少ないかもしれません。
しかし実は、社会保険料の金額は「4月から6月の報酬」によって決まるという、極めて重要なルールがあります。
社会保険料と4月から6月の報酬の関係に関するおすすめ記事

社会保険料と残業代を含む4月から6月の報酬の関係性について、以下の記事も参考になるでしょう。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「社会保険料の仕組み|4~6月に残業すると手取りが減るって本当!?」
この3カ月間に残業代が増えると、その分社会保険料が上がり、手取りが減る可能性があるのです。
以下では、4月から6月の残業と社会保険料の関係について詳しく解説します。
社会保険料は「標準報酬月額」と「4月から6月の報酬」で決まる
社会保険料は、給与明細にある「標準報酬月額」をもとに計算されます。
この標準報酬月額は、毎年4月から6月に実際に支給された給与の平均額をもとに決定されます。つまり、4月から6月の給与が高ければ、その分、標準報酬月額も上がり、社会保険料も増加するという仕組みです。

この「4月から6月の報酬」には、基本給のほか、通勤手当や住宅手当、そして変動する残業代も含まれています。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
この「4月から6月の報酬」には、基本給のほか、通勤手当や住宅手当、そして変動する残業代も含まれています。詳しくは後ほど解説します。
4月から6月の残業代が多いと、社会保険料も高くなる理由
残業代はその月の勤務状況によって増減するため、4月から6月の残業時間が多ければ多いほど、支給される給与額(総支給額)も増えます。
この総支給額を基に標準報酬月額が決まるため、4月から6月に残業が多かった結果、社会保険料が引き上げられる可能性が高くなるのです。
社会保険料と4月から6月の残業代の関係に関する注意点

そのため、4月から6月の働き方、特に残業時間の管理は、単なる労働時間の問題ではなく、年間の手取り額を左右する要素でもあるという点に注意が必要です。

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社長は社会保険(厚生年金や健康保険など)に入れない?社会保険に入れる場合と、入れない場合や注意点を解説します!
残業代が「翌月払い」なら、3月から5月の残業も影響する
多くの企業では、残業代だけを「翌月払い」にしていることがあります。
この場合、3月の残業代が4月の給与に含まれ、「4月から6月に支給された報酬」にカウントされることになります。
つまり、3月・4月・5月の残業が、4月から6月に支払われる報酬に含まれ、標準報酬月額に影響を与える可能性があるのです。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
4月から6月の報酬と社会保険料に関して以下のサイトも是非ご覧ください。
「4~6月は残業すると損?給料が上がると社会保険料や手取りはどうなる」
「4月から6月の残業」だけでなく、「4月から6月に支払われた給与の中に何が含まれているか」を理解することが、正しい社会保険料対策につながります。
4月から6月の報酬で決まった社会保険料は、9月以降の手取りに影響
毎年4月から6月の報酬をもとに決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月までの1年間にわたり、健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料の計算に使用されます。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「「4月5月6月の給料で税金が決まる」は間違い!社会保険料と標準報酬月額を正しく理解」
実際には、社会保険料は「前月分」を翌月の給与から差し引く形式が多いため、9月からの新しい社会保険料が差し引かれるのは、10月支給分の給与からとなるケースが一般的です。
そのため、4月から6月に多く残業をしていた人は、10月から手取りが大きく減ったと感じることもあるでしょう。
このように、4月から6月の給与や残業の内容が、半年後の生活費にまで影響を与えるのです。
4月から6月の残業が多いと本当に損?社会保険料面でのメリット
「4月から6月に残業が多いと手取りが減る」とよく耳にします。これは事実ですが、その背景には社会保険料の決定に用いられる「標準報酬月額」の存在があります。
確かに、4月から6月の給与額が増えると、標準報酬月額が上昇し、9月からの社会保険料が高くなり、手取りが減るという仕組みになっています。
しかし、4月から6月の給与増加には、社会保険料が上がることによる“見えないメリット”も存在するのです。今回は、4月から6月に社会保険料が上がることで得られる3つの具体的なメリットをご紹介します。
① 傷病手当金が増える|4月から6月の給与が将来の支えに
傷病手当金は、病気やケガで仕事を長期間休んだ際に、健康保険から支給される生活保障のひとつです。
支給額は、「直近12カ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2」で計算されます。ここで注目すべきなのが、4月から6月に給与が増えて標準報酬月額が上がっていれば、その分、傷病手当金の支給額も増えるということ。
つまり、4月から6月の残業が多くて社会保険料が上がったとしても、万が一のときには手厚い支給を受けられる可能性が高くなるのです。
② 出産手当金が増える|4月から6月の働き方が育児支援に直結
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社会保険料と残業代を含む4月から6月の報酬の関係性について、以下の記事も参考になるでしょう。
「賞与・ボーナスにも社会保険料がかかる?計算方法も分かりやすく解説!」
女性従業員が出産のために仕事を休む際に受け取れる出産手当金も、標準報酬月額を基に計算される社会保険料給付の一つです。
支給日額は傷病手当金と同じ計算式で算出されるため、4月から6月の給与が高くなることで出産手当金も増加します。
社会保険料と4月から6月の残業代の関係に関するポイント!

たとえ社会保険料の負担が増えても、4月から6月の収入アップが将来のライフイベント時にプラスの影響をもたらすという点は見逃せません。
③ 将来の年金額も増える|4月から6月の社会保険料が“老後の収入”に

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
社会保険料は4月・5月・6月の3か月間で決まります。そのため4月から6月の残業代をコントロールすることも重要です。4月から6月の報酬と社会保険料に関して以下のサイトも是非ご覧ください。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「4月・5月・6月はノー残業がおすすめ?!社会保険料が増えて手取りが減る…収入アップの盲点」

老齢厚生年金や障害厚生年金、遺族厚生年金といった公的年金の一部は、在職中の標準報酬月額に基づいて支給額が決まるという特徴があります。
このため、4月から6月の給与が高く、標準報酬月額が上がることで、将来受け取る年金額も増える可能性があるのです。
社会保険料と4月から6月の残業代の関係に関するポイント!

社会保険料が増えるのは負担に感じられますが、4月から6月の社会保険料の上昇が、将来の生活を安定させる資産となるとも言えます。
給与の支給タイミングで変わる社会保険料に影響する「残業の月」
社会保険料は、4月から6月に実際に支給された給与額をもとに標準報酬月額が決まり、9月から翌年8月までの1年間にわたって適用されます。
そのため、「いつの給与が4月から6月に支払われるのか」を正しく把握しなければ、思わぬタイミングの残業が社会保険料を引き上げてしまうリスクがあります。

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社会保険料の会社負担割合は?社会保険の計算方法や会社負担の注意点を徹底解説!
実はこの「支払われる給与のタイミング」は、企業の給与支給ルール、すなわち『当月払い』か『翌月払い』かによって大きく変わるのです。
『当月払い』と『翌月払い』では、社会保険料に反映される残業の月が違う
ここでは、解説の大前提となる給与の当月払いと翌月払いの違いについて確認しておきましょう。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「「4~6月は残業しない方が良い」はウソ?社会保険料と年金受給額の比較」
『当月払い』とは?
『当月払い』とは、給与の締め日と支払日が同じ月にある支給形態です。たとえば、「20日締め・当月末払い」であれば、4月分の給与は4月末に支給されることになります。
この場合、4月から6月に支給された給与は、4月から6月に勤務した分の給与であるため、4月から6月に残業をすれば、その分社会保険料が増えるという、非常にわかりやすい関係になります。
『翌月払い』とは?
一方、『翌月払い』とは、給与の支払日が締め日の翌月に設定されている形態です。たとえば、「月末締め・翌月25日払い」なら、3月分の給与が4月25日に支払われる、という流れになります。
この場合、4月から6月に支給された給与とは、実際には3月・4月・5月分の勤務に対する給与であり、社会保険料に影響するのは3月から5月にかけての残業や手当ということになります。
『当月払い』の企業は「4月から6月の残業」が直接影響
『当月払い』の企業では、4月・5月・6月の3カ月間に残業を控えることで、社会保険料の増加を防ぐ効果が得られます。
この期間は標準報酬月額の決定に直結するため、春の残業をコントロールすることがそのまま1年分の社会保険料の負担軽減に繋がるのです。
ただし、企業によっては残業代のみを翌月払いとしているケースもあるため、その場合は次の『翌月払い』のルールが適用される点に注意が必要です。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
社会保険料は4月・5月・6月の3か月間で決まります。そのため4月から6月の残業代をコントロールすることも重要です。4月から6月の報酬と社会保険料に関して以下のサイトも是非ご覧ください。
社会保険料と4月から6月の残業代に関する参考記事:「社会保険料に4月から6月までの標準報酬月額や残業代が与える影響を解説」
『翌月払い』の企業では「3月から5月の残業」が影響する
『翌月払い』の企業では、4月から6月に支給される給与の中身は3月・4月・5月分の給与となります。
つまり、3月・4月・5月の間に残業が多かった場合、その増加分が社会保険料に反映されることになります。
社会保険料と4月から6月の残業代の関係に関するポイント!

社会保険料の負担を抑えたいと考えている企業や従業員は、3月からの残業時間に早めに着目することが重要です。
4月に入ってからでは遅い場合もあるので、支給スケジュールを必ず確認しておきましょう。
4月から6月の残業代以外に社会保険料に影響する手当

社会保険料は、4月から6月に実際に支給された報酬の平均額から算出される「標準報酬月額」を基に決定されます。
この「報酬」には、4月から6月の残業代だけでなく、その他にもさまざまな手当が含まれることを忘れてはいけません。
標準報酬月額に含まれるのは、事業主から労働の対価として支給される現金または現物であり、以下のような手当が社会保険料の対象になります。
社会保険料と4月から6月の残業代の関係に関する注意点

これらはすべて、4月から6月に支給された場合は、標準報酬月額に算入され、社会保険料の計算対象となるため、注意が必要です。

「社会保険料は4月から6月で決まる」編集部
一方で、以下のような臨時的・一時的に支給されるものについては、4月から6月に支給されたとしても、社会保険料の算定には含まれません。
【社会保険料の対象外となる主なもの】
このように、4月から6月にどのような名目の手当が支給されたかによって、社会保険料への影響が大きく変わることになります。
社会保険料と4月から6月の報酬の関係に関するおすすめ記事

社会保険料と残業代を含む4月から6月の報酬の関係性について、以下の記事も参考になるでしょう。
「「4・5・6月の残業を減らすと社会保険料が少なくなる」は本当か」
まとめ:4月から6月の行動で年間社会保険料はこう変わる
社会保険料は、毎年4月から6月に支給された給与額の平均をもとに決まるという仕組みがあります。
この「4月から6月の報酬」によって、標準報酬月額が算出され、9月以降1年間にわたって社会保険料が固定されるため、4月から6月の働き方や給与の内容は非常に重要です。
特に、4月から6月に残業が多くなった場合、その残業代が給与に加算されることで、4月から6月の平均支給額が上がり、結果として社会保険料が増額されることになります。
この影響により、4月から6月に頑張った分、9月以降の手取りが思ったより減ってしまうというケースも珍しくありません。
また、残業代が翌月払いの会社では、3月から5月の残業が4月から6月の給与に含まれることになり、これも4月から6月の社会保険料に反映される可能性があります。
さらに、4月から6月に支給される通勤手当・住宅手当・役職手当などの固定的手当も標準報酬月額に含まれるため、4月から6月の給与明細の中身までしっかり確認することが必要です。
このように、社会保険料は4月から6月に支給された金額をベースに決定される以上、4月から6月の残業・手当・報酬構成がその後1年間の手取りに直結します。
4月から6月の労務管理をどう設計するかが、将来の負担や生活費に影響するという視点を持つことが、今後ますます重要になっていくでしょう。
4月から6月の社会保険料対策は、節税にも等しい働き方の知恵です。
この機会にぜひ、4月から6月の給与内容を見直し、1年間の手取りを最大化するための行動を始めてみてください。

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