アルバイト・パートの社会保険の加入要件とは?バイトが社会保険に加入するメリットとデメリットも解説!
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公開日:2024年9月
更新日:2024年11月27日
「アルバイトとして働く際に社会保険に加入する必要があるのか?」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。社会保険は、病気やケガ、老後の生活、介護、失業、労働災害などのリスクに備えるための公的な強制保険制度です。役員やフルタイムの従業員だけでなく、アルバイトも一定の条件を満たせば社会保険に加入することが求められます。
参考:「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
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この記事では、アルバイトが社会保険に加入するための条件や、役員とアルバイトの社会保険加入の違いについて詳しく解説します。社会保険制度の基本から、役員が加入する社会保険との違い、アルバイトとしての社会保険加入の必要性まで、必要な情報をしっかりと理解し、適切な手続きを行うための知識を提供します。
目次
社会保険とは
社会保険制度は、生活の中で発生するさまざまなリスクに備えるための公的な強制保険制度です。国や公的な団体が運営し、主に会社員や役員、さらにはアルバイトも社会保険に加入することが求められています。この制度では、病気やケガ、老後の生活、介護、失業、労働災害などのリスクに対して給付を受けることができます。
社会保険には、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類があります。役員や従業員が加入する社会保険のうち、健康保険、厚生年金保険、介護保険の3つは「狭義の社会保険」と呼ばれます。一方で、雇用保険と労災保険は「労働保険」として分類されます。アルバイトとして働く場合も、一定の条件を満たせば社会保険に加入する必要がありますので、役員やアルバイトが社会保険に加入する際には、この違いを理解しておくことが大切です。
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役員が社会保険に加入する際の説明をする前に、社会保険のていぎについて以下の記事を参考に確認しておきましょう。
「社会保険とは?加入条件や種類、国民健康保険との違いをわかりやすく」
社会保険① 健康保険
病気やけが、休業、出産、または死亡といった予期しない事態が発生すると、急な出費が必要になることがありますし、収入が途絶えることもあります。これにより生活が不安定になる可能性があります。こうしたリスクに備えるために、バイトやパートを含むすべての従業員は社会保険に加入することが重要です。
社会保険は、バイトを含むすべての労働者が日々保険料を支払い、その資金をもとに必要なときに保険給付を受けられる仕組みです。特に、健康保険はこの社会保険制度の一部として、医療費の負担を軽減し、バイトやパートなど全ての従業員の生活をサポートします。社会保険に加入しているバイトも、健康保険の適用を受けることで、安心して働くことができます。
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詳細な情報は、経済団体健康保険組合のホームページ「健康保険とは」をご参照ください。
社会保険② 厚生年金保険
厚生年金は社会保険の一部で、日本の社会保障制度の中で最も大きな公的年金制度のひとつです。これは、企業で働くアルバイトやパート、正社員、さらには公務員などが対象となります。社会保険としての厚生年金では、アルバイトを含むすべての社会保険に加入している従業員と雇用主が年金保険料を半分ずつ負担します。この仕組みにより、アルバイトであっても、65歳以上になったときに年金を受け取れることが保証されます。
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たとえば、アルバイトとして働く人が厚生年金に加入している場合も、社会保険制度に則り、将来の年金受給資格を得ることができます。アルバイトやパートも社会保険に加入することで、厚生年金の恩恵を受けることができ、将来にわたる安心感を得ることができます。
合わせて読みたい「月の途中で 入社 社会保険料」に関するおすすめ記事
月の途中で入社した場合の社会保険料はどうなる?計算方法も解説!
社会保険③ 介護保険
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40歳以上のすべての人が加入する社会保険で、アルバイトをしている人も例外ではありません。社会保険の中でも特に重要な制度で、65歳以上を「第1種被保険者」とし、64歳以下を「第2種被保険者」としています。この社会保険制度では、要介護状態(寝たきりなどで介護が必要な状態)や要支援状態(日常生活に支援が必要な状態)のときに、介護サービスなどの費用の一部が給付されます。アルバイトをしている場合でも、この社会保険に基づく給付を受けることができます。
第2種被保険者の場合、特定の疾病による要介護や要支援状態の場合に給付が限定されることがあります。アルバイトとして働いている人も、社会保険の適用を受けることで、必要な支援を受けることができます。
保険料の支払いについてですが、65歳以上の方は原則として年金からの天引きで社会保険料が支払われます。一方、64歳以下の方は、健康保険料とまとめて徴収されます。アルバイトをしている場合も、社会保険加入時には事業主と被保険者で折半するケースが多いですが、それ以外の場合は、アルバイトの被保険者が全額を負担することになります。
社会保険④ 労災保険
アルバイトを含む労働者を1人でも雇用した場合、事業主は社会保険の一部として労働保険に加入しなければなりません(ただし、一部適用除外があります)。
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労災保険の概要は以下の記事がおすすめです。
「労災保険とは?給付される条件や金額について解説」
アルバイトや他の労働者が業務中や通勤中に病気やケガをした場合、あるいは不幸にも死亡した場合には、社会保険に基づいて必要な給付が行われます。この給付により、アルバイトを含む労働者が困難な状況に直面したときでも、適切なサポートを受けることができます。
アルバイトの社会保険に関連するポイント!
労働保険の保険料は、事業主が全額負担することになっています。
社会保険⑤ 雇用保険
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社会保険の一つである雇用保険は、アルバイトを含む働く人々の生活や雇用の安定を目的とした社会保険です。雇用保険は、労災保険と合わせて「労働保険」と呼ばれることもあります。
この社会保険に加入しているアルバイトや他の従業員は、失業した場合に「失業保険(基本手当)」を受け取ることができます。また、育児や介護のために休職したときにも、雇用保険から給付金を受け取ることが可能です。雇用保険は、こうした状況でアルバイトを含む全ての働く人の暮らしを支える重要な社会保険となっています。
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アルバイトの社会保険の加入条件
アルバイトやパートとして働く場合、社会保険への加入が必要かどうかは「1週間の所定労働時間」や「1か月の所定労働日数」が正社員の基準の4分の3以上で、かつ2か月以上の雇用見込みがあるかどうかで判断されます。つまり、社会保険の加入対象となるためには、アルバイトやパートが正社員の所定労働時間や所定労働日数の4分の3以上を満たし、2か月以上の雇用が見込まれる必要があります。
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アルバイトの社会保険に関しては以下の記事もおすすめです。
「アルバイトやパートでも社会保険に入れる!その条件とは?」
加入条件の判断は、常にアルバイトが正社員の4分の3以上の労働時間を確保していると分かった時点で行います。ただし、一時的にアルバイトのシフトが増えただけでは社会保険加入の対象にはなりません。また、最初のアルバイトの雇用契約が2か月以内に設定されている場合、たとえ条件を満たしていてもアルバイトは社会保険には加入できませんが、アルバイトの契約期間が2か月を超える、または超えることが確定した時点で社会保険への加入が可能になります。
さらに、40歳から64歳までのアルバイトやパートは、健康保険の社会保険料に介護保険料も含まれるため、その点も理解しておく必要があります。
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「アルバイトの社会保険」解説部
介護保険の詳細は厚生労働省のHPをご覧ください。
アルバイトであっても、社会保険への加入条件に該当する場合は、社会保険に加入させる必要があります。ただし、学生アルバイトの場合は、全員が社会保険に加入しなければならないわけではありません。
学生アルバイトであっても、以下の条件に該当する場合には、社会保険、つまり健康保険や厚生年金保険、雇用保険への加入が必要です。
・夜間課程、定時制、通信課程の学校に通う学生アルバイト
・休学中の学生アルバイト
・卒業見込み証明書を持ち、卒業前から働いており、卒業後も同じ会社で働き続ける学生アルバイト
・会社の命令や承認で大学院などに通う学生アルバイト
・健康保険や厚生年金保険の場合、正社員と同じく、週の所定労働時間や月の所定労働日数が正社員の4分の3以上働く学生アルバイト
アルバイトの社会保険に関連する気をつけておきたい注意点
これらの要件は、学校の種類(大学、大学院、専門学校など)にかかわらず共通です。
昼間課程に通う学生アルバイトについては、これらの条件に該当しない限り、社会保険への加入は不要です。
なお、労災保険や介護保険については、学生アルバイトを特別に除外する要件は存在しません。社会保険、役員、またはアルバイトに関わるすべての条件を理解し、適切に対応することが重要です。
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アルバイトが社会保険に加入するメリット
アルバイトが社会保険に加入することには、いくつかの重要なメリットがあります。社会保険に加入することで、アルバイトとして働く皆さんは、病気やケガ、老後の生活、介護、失業などのリスクに対する保護を受けることができます。具体的には、健康保険による医療費の負担軽減、厚生年金保険による将来の年金受給権の確保、さらには介護保険による介護支援など、多くのサポートが受けられるのです。社会保険に加入することで、アルバイトとしての安心感が増し、生活の質が向上するでしょう。
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【アルバイトが社会保険に加入するメリット①】年金が増える
厚生年金保険にアルバイトとして加入すると、国民年金に上乗せされる形で将来受け取る基礎年金の額が増えます。具体的には、アルバイトとして支払った厚生年金保険料に応じた金額が、将来の年金額に上乗せされるのです。厚生年金保険に長期間加入しているほど、将来の年金額が増える仕組みです。このように、社会保険の一部である厚生年金保険にアルバイトが加入することは、将来の年金額を増やすために非常に有利な条件となります。
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
アルバイトの社会保険に加入したときの年金に関するメリットは以下の記事がおすすめです。
「パート・アルバイトの社会保険の加入条件とは? メリット・デメリット、損しない働き方」
【アルバイトが社会保険に加入するメリット②】障害年金の支給対象が広がる
「アルバイトの社会保険」解説部
障害年金の詳細はこちらをご覧ください。
病気やケガで障害が残った場合、社会保険から障害年金が支給されます。アルバイトとして働いている場合も含め、社会保険に加入していると、障害等級に応じて年金が支給されます。例えば、国民年金に加入しているアルバイトの場合、障害年金は障害等級1級と2級にのみ適用される「障害基礎年金」が支給されます。しかし、厚生年金保険に加入しているアルバイトや従業員の場合、障害等級1級と2級に加えて、より軽度の障害等級3級も認定されるため、支給対象が広がります。これにより、アルバイトを含む社会保険加入者は、障害等級の範囲が広くカバーされることになります。
また、社会保険における遺族年金についても、国民年金加入時と比べて支給対象となる遺族の範囲が広がります。アルバイトとして働いている場合でも、厚生年金保険に加入していれば、遺族年金の受給範囲が広がり、遺族にとって安心感が増します。
【アルバイトが社会保険に加入するメリット③】出産手当金を受け取ることができる
出産手当金は、アルバイトを含む会社に勤めている女性が産休を取得した際に支給される手当です。この出産手当金は、社会保険の一つである健康保険に加入している女性が対象で、出産前の42日間(多胎妊娠の場合は98日間)から出産後56日間の間に休職した場合に支給されます。
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
社会保険の出産手当金については以下のサイトも参考にしてみましょう。
「社会保険の出産手当金とは – 条件や期間も解説!」
労働基準法65条によれば、出産予定の女性アルバイトが、6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に産休の申請を行うと、そのアルバイト休業を認めることが義務付けられています。また、産後8週間以内は、アルバイトを含め基本的に働くことが禁止されています。
ただし、産前産後の休業中に給与が支払われるかどうかについては、労働基準法に具体的な定めがありません。つまり、産前産後の休業中に給与が支払われるかどうかは、企業の判断に委ねられており、アルバイトの場合も含め給与が支払われない場合は、その間の収入が大幅に減少する可能性があります。
「アルバイトの社会保険」解説部
社会保険や、産前産後の働き方については厚生労働省のHPを確認してください。
このような状況を考慮して、出産手当金が設けられています。出産手当金は、産休中の女性の生活をサポートするために、賃金を基に計算された金額が支給されるもので、社会保険に加入しているアルバイトや社員が対象です。
合わせて読みたい「法人設立後にやるべき手続き」に関するおすすめ記事
法人設立後にやることとは?手続きの仕方や必要書類も解説!
【アルバイトが社会保険に加入するメリット④】社会保険料の負担が少ない
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
アルバイトが社会保険に加入するメリットは以下の記事も参考になるでしょう。
「社会保険に加入するメリット・デメリットとは?企業と労働者双方の視点から内容を解説」
アルバイトが社会保険の一部である健康保険に加入すると、毎月の保険料を勤務先と折半することで、医療機関での自己負担額を大幅に抑えることができます。健康保険に加入しているアルバイトは、医療費の自己負担が3割に軽減されますが、加入していない場合は治療費を全額負担しなければなりません。
健康保険に加入しているアルバイトは、プライベートで体調を崩したり、怪我をした場合でも、金銭的な負担を過度に心配せずに安心して治療を受けることができます。また、健康保険の被保険者が40歳以上になると、自動的に介護保険にも加入することになります。
介護が必要な家族がいる場合でも、健康保険に加入していることで、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、さまざまな介護サービスを低価格で利用できるメリットがあります。このように、社会保険の健康保険にアルバイトとして加入することは、医療費の負担軽減や介護サービスの利用においても大変重要です。
【アルバイトが社会保険に加入するメリット⑤】扶養家族の社会保険料は免除される
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アルバイトでも家族の扶養に入ると、社会保険のアルバイトやその他の保険料の支払いが免除されます。これにより、社会保険料の負担が軽減され、アルバイトの収入が増えることになります。さらに、扶養者の社会保険に加入することで、健康診断や予防接種を含む医療費の負担も軽くなります。社会保険の扶養に入ることで、医療費の面でも大きなメリットが得られます。
また、扶養者がアルバイトであっても配偶者として社会保険の扶養に入ると、国民年金保険料の納付義務もなくなります。納付義務がないにもかかわらず、基礎年金は将来受け取ることが可能です。社会保険に加入することで、扶養家族としての経済的なメリットも享受できるのです。
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
扶養家族に関する社会保険加入のメリットとデメリットについては以下のサイトをご覧ください。
「扶養家族とは?妻や子供を扶養にするための条件やメリット・デメリットについて詳しく解説」
アルバイトで社会保険や源泉所得税の天引きをなくす方法
【アルバイトで社会保険や源泉所得税の天引きをなくす方法①】
社会保険
2022年10月以降、社会保険の適用範囲が拡大され、パートやアルバイトなどの短時間労働者でも、特定の条件を満たすと社会保険の被保険者として加入することが義務付けられました。これにより、社会保険におけるアルバイトやパートの適用範囲が広がり、より多くの労働者が社会保険の保護を受けることが可能となっています。
具体的には、以下の条件を満たすアルバイトやパートの従業員が社会保険の適用対象となります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が2ヵ月を超えて継続する見込み
・月額賃金が8.8万円以上
・学生ではない(夜間の学生などは除外)
・企業の規模が常時101人以上の特定適用事業所で勤務(または任意特定適用事業所)
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アルバイトの社会保険の控除に関する記事はこちらがおすすめです。
特に、社会保険の適用範囲が拡大されたことで、被保険者数が101人以上の企業では、中小企業であっても社会保険の適用を受けることになります。1週間に20時間以上働き、月の給与が8.8万円以上の場合、企業はそのアルバイトやパートを健康保険と厚生年金保険の被保険者として扱わなければなりません。これにより、社会保険の保険料が給与から天引きされるため、手取りが減少することがあります。これが、いわゆる「106万円の壁」と呼ばれる現象です。
気をつけておきたい注意点
アルバイトなどで扶養に入っている場合は、社会保険料の控除によって、給与が106万円未満の従業員と比較して手取り額が少なくなることがあるため、注意が必要です。
【アルバイトで社会保険や源泉所得税の天引きをなくす方法②】
税金
会社に雇用されるアルバイトやパートの労働者も、給与所得者として扱われます。アルバイト代やパート代などの給与収入しかない場合、年収が103万円以下であれば、所得税は課税されません。この103万円の内訳は、基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計です。年収が103万円を超えると、基礎控除以外に所得控除がない場合、超えた額に対して所得税がかかります。例えば、年収が120万円の場合、103万円を超えた17万円に対して所得税の税率5%が適用され、8,500円の所得税が課税されます(令和19年分の所得まで復興特別税2.1%が追加されます)。
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103万円の壁とは、アルバイト代やパート代などの給与収入が年間103万円を超えると、自分のアルバイト収入に対して所得税が課税され始める年収額を指します。学生やフリーターなどで家族の扶養に入っている場合、年収が103万円を超えると扶養から外れ、親や扶養者の所得税や住民税が増える可能性があります。このため、アルバイトやパートの収入が103万円を超えると、税金や社会保険の負担が増すことになります。
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また、アルバイトやパートであっても社会保険の加入が求められる場合がありますので、所得税だけでなく社会保険料の負担も考慮する必要があります。
アルバイトで社会保険に加入した方が良い年収
アルバイトで社会保険に加入していない場合、手取り収入が増えるケースとしては、自分で国民年金や国民健康保険の保険料を支払っている場合が考えられます。社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入すると、保険料は企業と折半されるためです。
アルバイトの社会保険に関する参考記事:「バイトの社会保険の加入条件は?年収の分岐点や手続きを解説」
社会保険に未加入の場合、自ら国民年金や国民健康保険の保険料を支払わなければならないのは、配偶者が自営業などで扶養に入れないケースです。ここで年金保険料に注目してみましょう。
・国民年金保険料: 年収に関係なく、月額16,980円(令和6年度)。
・厚生年金保険料: 協会けんぽに加入した場合、標準報酬月額18万円(年収約216万円)までなら、国民年金保険料の負担より少ないです。
例えば、標準報酬月額18万円(年収約216万円)の場合、厚生年金保険料は月額16,470円、標準報酬月額19万円(年収約230万円)の場合は月額17,385円です。
「アルバイトの社会保険」解説部
標準報酬月額表は協会けんぽのHPから確認できます。
したがって、アルバイトで自ら国民年金や国民健康保険に加入している人が社会保険に加入すると、年収約216万円までなら社会保険加入前よりも社会保険料控除後の手取り収入が多くなる可能性があります。
アルバイトが社会保険に加入する場合の社会保険手続き
【アルバイトが社会保険に加入する場合の社会保険手続き①】
健康保険・厚生年金保険
健康保険・厚生年金保険新規適用届
「健康保険・厚生年金保険新規適用届」は、アルバイトとして社会保険に初めて加入する場合に提出する重要な書類です。アルバイトであっても社会保険に加入する際、この「適用届」に加えて、登記簿謄本(原本提出日の90日以内に発行されたもの)を添付する必要があります。また、アルバイト先の事業所が登記地と異なる場合には、賃貸契約書のコピーや公共料金の領収書なども追加で提出が必要です。アルバイトとして働く方も、社会保険に加入する際には、提出書類を事前にしっかり確認し、アルバイトの手続きで書類に不備がないように準備することが求められます。
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
社会保険の手続きは以下の記事もおすすめです。
「社会保険の加入手続き方法は?会社設立時に対応する内容・必要書類を解説」
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届は、新たにアルバイトを採用した際に、そのアルバイトが社会保険の被保険者として認定されるために必要な書類です。アルバイトを含む全従業員や役員に対して提出が必要です。また、特定の条件に該当する場合、追加の書類も必要となります。
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
アルバイトの社会保険加入手続きは以下のサイトも参考になるでしょう。
「健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届とは?手続きの流れや注意点」
この被保険者資格取得届は、アルバイトを含む従業員が入社してから5日以内に提出しなければなりません。もし提出期限を過ぎた場合、再提出が求められることがあります。
さらに、老齢厚生年金の受給者であるアルバイトの場合、社会保険の加入により年金の一部または全額が支給停止となる可能性もあるため、注意が必要です。
提出先は、事務所を管轄する年金事務所または健康保険組合です。アルバイトであっても、初めて被保険者資格取得届を提出する際には、提出先を事前に確認しておくことが大切です。
「アルバイトの社会保険」解説部
管轄の年金事務所はこちらから検索できます。
健康保険被扶養者(異動)届
「アルバイトの社会保険」解説部
健康保険被扶養者(異動)届の詳細はこちらの記事がおすすめです。
被扶養者(異動)届は、アルバイトやパートなどの従業員が結婚したり、アルバイト従業員の配偶者や子どもが生まれたり、アルバイト先を辞めた家族が再就職したり、または死亡した場合など、健康保険や厚生年金保険に加入するアルバイト従業員の家族が被扶養者として追加・削除・氏名変更される際に提出する重要な書類です。アルバイトとして働いている従業員も、社会保険に加入している場合はこの手続きが必要です。
たとえば、アルバイト従業員が結婚し、新しく配偶者を健康保険や厚生年金の被扶養者に追加する場合、アルバイトであっても「被扶養者(異動)届」を提出しなければなりません。この届出は、アルバイトでも正社員と同じく、事実が発生してから5日以内に、勤務先を通じて年金事務所や健康保険組合に提出することが義務付けられています。
アルバイトの立場でも、社会保険に加入している限り、家族の状況が変わるたびにこの被扶養者届の手続きをしっかり行うことが、健康保険や厚生年金の適用を正しく受けるために必要です。
【アルバイトが社会保険に加入する場合の社会保険手続き②】
労災保険
保険関係成立届
事業所でアルバイトを1人でも雇用している場合、そのアルバイトも含めた従業員が社会保険の適用対象となり、労働保険の適用事業所として扱われます(一部例外を除く)。バイトを雇った際には、その事業所が労働保険に加入し、アルバイトを含む全ての従業員の保険関係が成立したことを所轄の労働基準監督署に報告する必要があります。この手続きを行うための書類が「保険関係成立届」です。
新しく事業を始めた場合はもちろん、既存の事業所が新しい支店や営業所を開設してアルバイトを雇用した場合も、アルバイトの雇用形態に関係なく、「保険関係成立届」の提出が必要となります。アルバイトを複数雇用している場合も、すべてのアルバイトに対してこの届を提出しなければなりません。
「アルバイトの社会保険」解説部
保険関係成立届はこちらのサイトも確認しておくことがおすすめです。
【アルバイトが社会保険に加入する場合の社会保険手続き③】
雇用保険
給与計算・労務手続き・記帳業務を依頼するならSoVaがおすすめ!!
経理・人事労務を任せて本業に集中したい方は、以下よりサービス内容をご確認ください。
雇用保険適用事業所設置届
「雇用保険適用事業所設置届」は、アルバイトなどで初めて雇用保険の対象となる従業員を雇った際に提出する書類です。この手続きは、アルバイトを含む従業員が雇用保険の被保険者となる条件を満たした場合に必要となります。
具体的には、次の要件に該当するアルバイトや従業員は、原則として雇用保険の被保険者になります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・31日以上の雇用見込みがある
アルバイトの社会保険に関連するおすすめ記事
アルバイトの雇用保険の手続きの概要はこちらの記事が参考になるでしょう。
アルバイトを1人でも雇った場合、事業所は雇用保険の適用事業所となり、「雇用保険適用事業所設置届」を提出する必要があります。この手続きにより、アルバイトも社会保険の一部である雇用保険に加入することが可能です。
ただし、この書類を提出する前に「労働保険の保険関係成立届」を先に出しておく必要があります。これを行わないと、アルバイトのための「適用事業所設置届」は受理されませんので、準備を忘れずに行いましょう。
雇用保険被保険者資格取得届
事業所でアルバイトやパートを雇用する際、社会保険の中でも特に雇用保険の適用が必要です。事業所の規模や業種を問わず、一定の条件を満たすアルバイトやパートも雇用保険の対象となります。
そのためには、ハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。この書類は、アルバイトやパートなどの新たに雇用する従業員が雇用保険の被保険者として認められるための重要な手続きです。
雇用保険には、失業給付のほか、自主的な教育訓練や育児休業、介護休業などの給付も含まれます。アルバイトやパートがこれらの給付を受けるためには、資格取得手続きが必須です。手続きがなされないと、アルバイトやパートが保険給付を受けられず、不利益を被ることがあります。そのため、雇用保険被保険者資格取得届を確実に提出することが非常に重要です。
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まとめ
アルバイトとして働く場合でも、社会保険に加入することが求められるケースが多くあります。社会保険は、アルバイトを含む全ての労働者に対して、様々な保障を提供する制度です。具体的には、健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労災保険などがあり、これらはアルバイトにとっても大きなメリットとなります。
特に、社会保険に加入することで、アルバイトでも病気やケガ、失業時に保障を受けることができます。社会保険は、国民健康保険や国民年金に加入する場合よりも、アルバイトにとっての保障内容が充実しており、生活の安定を図るための重要な制度です。
本記事では、条件を満たすアルバイトが社会保険に加入するための手続きや、そのメリットについて詳しく解説します。アルバイトとして働く際には、社会保険の加入条件を確認し、適切な手続きを進めることが重要です。
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