顧問税理士の役割とは?メリットとデメリットについても紹介
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公開日:2024年4月
更新日:2024年5月17日
この記事では、顧問税理士の役割や契約のメリット・デメリットについて解説します。経営者や個人事業主にとって、顧問税理士の存在は重要ですが、その選択は慎重に行う必要があります。それぞれの事業やニーズに適した税理士を見極めることが重要です。
契約するメリットの前に|顧問税理士とは?
顧問税理士は、企業との顧問契約を通じて税務指導や経営サポートを提供します。
顧問契約は、税務指導や経営サポートを受けるために期間を定めて契約する形式です。契約を結んだ税理士には、毎月または年間で支払う顧問料が必要です。
専門知識が不足している場合、税務申告や書類作成などに手間取ることがありますが、顧問税理士はそのような業務を確実にサポートしてくれます。また、節税対策なども依頼できるため、様々な場面で頼りになります。
会社を設立する際に顧問税理士と契約することもありますが、売上規模が小さい個人事業主の場合、必ずしも顧問税理士との契約が必要ではありません。1つの目安として、売上規模が1,000万円以上になったら顧問税理士との契約を検討することがおすすめです。
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顧問税理士は何をしてくれる?
顧問税理士に依頼できる業務は、個々の契約によって異なります。
記帳業務の代行や経理指導、税務申告などの業務に加えて、資金繰りなど経営上の重要な問題について相談することも可能です。そのため、経営者の間では税理士を事業のパートナーと見なし、事業の支えとなってくれる存在と捉える人も多いようです。
経理指導・経理代行
会社を経営する上で、経理業務は欠かせません。
経理業務の内容は企業によって異なりますが、売上請求書や会計データの記録、給与明細など、最低限行う必要があります。
顧問税理士がいると、これらの経理業務について指導してもらえるだけでなく、顧問契約の内容によっては、アウトソーシング(経理代行)することもできます。
特に、新型コロナウイルス感染症の影響下では、経理業務の重要性が再認識されました。
コロナ禍における補助金や救済策では、様々な書類の提出が求められましたが、経理業務を怠っていたために必要な書類が不足していたというケースもありました。このように、有事になると経理業務の重要性が明確になります。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
税理士に経理業務全般を依頼していれば、有事に対してスムーズに対処することができます。
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決算書の作成・申告業務
決算申告や法定調書、償却資産税などの申告業務は、税理士の専門業務とされています。
近年ではクラウド会計ソフトなどを利用し、日々の取引データの入力を自社で行い、税理士事務所には会計データのチェックや税務処理、事業計画に関するアドバイスを依頼する企業が増えています。
また、決算書の作成は税理士に依頼し、税理士法第33条の2第1項の書面を添付することで、決算書の信頼性を向上させ、税務調査の対象となる可能性を低減するメリットもあります。
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給与計算業務
税理士事務所には、給与計算業務まで請け負うところもあります。
年に1度の年末調整(社員の年間給与をもとに所得税額を確定する作業)についても、サポートしてもらえます。
また、一部の税理士事務所は、社会保険労務士と連携して労務業務全般についてもサポートしています。
資金調達などの経営のアドバイス
銀行から融資を受ける際には、直近の損益計算書とともに、事業部門別の戦略や将来の展開に関する事業計画書が必要です。
資金調達に精通した税理士は、必要な書類の作成などのサポートを提供し、銀行からの融資手続きを円滑に進めることができます。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
また、有益な補助金や助成金の情報提供や、申請手続きのサポートも期待できます。
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顧問税理士と契約するメリット
顧問税理士との契約を行わずに、すべての業務を自社で行う企業も存在します。しかし、顧問税理士に依頼することには様々なメリットがあります。
以下では顧問税理士と契約するメリットについて主なメリットを8つご紹介します。
メリット①:顧問税理士がいることで経営者が本業に集中できる
顧問税理士と契約していない企業では、経営者が税務業務なども担当することが一般的です。しかし、経営者は営業活動や経理作業など、多岐にわたる業務を行う必要があります。
顧問税理士と契約することにより、経営者が本業に集中できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
経理業務を税理士に任せることで、経営者の負担を軽減し、本業に専念できるようになります。
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SoVa税理士ガイド編集部
経理や税務申告業務は非常に複雑で時間を要する作業です。顧問税理士に業務を依頼することで、時間効率が大幅に改善され、経営者は他の重要な業務に集中することができます。
おすすめ参考記事:顧問税理士とは?税理士と顧問契約を結ぶメリットや注意点を解説
メリット②:正確な税務書類が作成できる
正しい知識で正確な書類を作成してもらえることもメリットの1つです。書類の中には非常に複雑なものもあり、作成には時間がかかることがありますが、税務の専門家である税理士に依頼すれば効率的です。
メリット③:顧問税理士が節税対策に関する助言をしてくれる
前述した通り、クラウド会計ソフトを導入すれば、日々の記帳業務は比較的煩雑ではありません。ただし、自社にとって有効な節税対策を実施しているかは別の問題です。
会社が支払う税金には法人税、事業税、消費税などが含まれますが、適切な対策を講じればこれらの税負担をかなり軽減できます。
税金は会社が自ら申告内容に基づいて納付しますが、税務署は「税金を払い過ぎています」「この制度を活用すればもっと節税できます」といったアドバイスをしてくれることはありません。有効な節税対策を実施するためには、税制に熟知した税理士に相談し、適切なアドバイスを受けることが非常に重要です。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
このような助言をしてくれるという点も顧問税理士と契約するメリットでしょう。
メリット④:顧問税理士が税務調査に対応してくれる
税務調査に対応してくれることもメリットの1つです。
申告に疑問が生じた場合、税務署は任意で調査に入ることがあります。顧問税理士がいる場合、調査の連絡はまずその税理士に入ります。事前の書類の準備や調査当日の立ち合いなども頼めるため、心理的負担から解放され、税務署の指示に従って無意識に税金を過剰に支払うといった事態も回避できます。税務調査に対応するための専門家を提供する事務所も存在しますが、「自分のことをよく知ってくれている」税理士ならば、より安心感が得られるでしょう。
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メリット⑤:顧問税理士がいることで対外的な信用度が高まる
顧問税理士がいれば、財務状況に関する金融機関や取引先の信頼度が向上します。個人が税務申告した書類と、税理士が関与した書類とでは、税務署の印象も異なるでしょう。
このように対外的な信用度が高まることも顧問税理士と契約するメリットです。
メリット⑥:顧問税理士が資金繰りについて助言してくれる
会社を経営する上で最も重要な問題のひとつが資金繰りです。取引先や従業員への支払い、税金の納付など、さまざまな出費があり、資金繰りが厳しい時もあります。また、事業拡大のために仕事を外部に依頼する場合は、一時的に利益が減少する可能性があり、その際は早めに資金調達を検討する必要があります。
資金調達の方法は様々で、金融機関からの融資やベンチャーキャピタルからの出資、助成金・補助金の活用などがあります。顧問税理士がいれば、最適な資金調達方法についてアドバイスを受けることができます。この点は非常に大きなメリットの一つと言えるでしょう。
また、税理士からの紹介案件には、企業実態を適切に示す決算書が付随しているため、金融機関側も安心して融資を行う可能性が高まります。
ここがポイント!
さらに、融資に必要な試算表や資金繰り表などの資料作成についても迅速に対応してもらえるなど、税理士からの顧客紹介には多くのメリットがあります。
メリット⑦:顧問税理士が経営者の悩みに共感してくれる
経営者とは、実に孤独な存在です。サラリーマンであれば、会社で自分の仕事を遂行するだけでよかったものが、起業をすると事業以外の事務作業が増え、支払いや納税などの資金繰りの悩みも増えます。
しかし、「資金繰りが厳しい」「売上が減っている」といった経営上の悩みは、なかなか社内の人間に相談しにくいものです。なぜなら、それが社内で知れ渡ると貴重な人材が流出してしまうリスクがあるからです。
そんな時に頼りになるのが、顧問税理士です。実際、経営者の中には、「腹を割って相談できるのは、経営全体を理解している税理士だけ」と考える人もいます。
ここがポイント!
税理士は顧問契約を結び、経営に深く関わる課題を経営者と共有し、経営者の苦悩を理解してもらうことができる数少ない存在と言えます。
おすすめ記事:税理士と顧問契約を結ぶってどういうこと? そのメリット・デメリットを解説
顧問税理士と契約するデメリット
デメリット①:顧問料がかかる
一方で、デメリットも存在します。まず、コストがかかるという点です。
顧問契約を結ぶ場合、税務申告に関わる報酬とは別に、月額の顧問料を支払わなければなりません。顧問料は売上規模や事業所への訪問回数、作業量、事務所の定めるオプションの利用などによって異なりますが、一般的に法人の場合は月額30,000円~、個人の場合は15,000~30,000円程度が相場です。年間を通じて考えると、かなりの出費になります。
顧問税理士のデメリットや契約に関する注意点
顧問契約を結ぶかどうか、また結んだ場合にどこまで依頼するかは、このコストとメリットを天秤にかけて検討する必要があります。
さらに、顧問契約を結ぶ際に注意すべき点として、適切な税理士を選ぶことが挙げられます。顧問契約のメリットを享受するためには、依頼主の要望に応えられるだけの資質を持った税理士を選ぶことが不可欠です。質問しにくかったり、業界知識が不足していたりする税理士と契約した場合、事業の足を引っ張るリスクがあることを認識しておくべきです。
デメリット②:良い顧問税理士と契約できるとは限らない
良い顧問税理士と契約できるとは限りません。顧問税理士の質は一様ではなく、選択が重要です。信頼性や実績、コミュニケーション能力など、様々な要素を考慮して選ぶ必要があります。事前に複数の税理士と面談し、提供するサービス内容や価格を比較しましょう。また、実際の仕事や相性も重要です。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
したがって、慎重な税理士選びが重要です。
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まとめ:顧問税理士と契約して事業に集中できる環境を!
ここまで顧問税理士と契約するメリット・デメリットについて紹介してきました。
確かに顧問税理士と契約することで費用がかかってしまうというデメリットはありますが、会社経営をしていく上では専門知識を有する税理士の存在は非常に重要です。
上記メリットを踏まえ、顧問税理士と契約し、事業に集中できる環境を整えることをおすすめします。
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