会社設立を行政書士に依頼した場合の費用相場は？行政書士の業務範囲についても解説！

会社設立にはさまざまな手続きが必要であり、スムーズに進めるためには行政書士に依頼することが有効な方法の一つです。ただし、行政書士に会社設立を依頼する場合、どの程度の費用がかかるのかを事前に把握しておくことが重要です。

行政書士が対応できる会社設立の業務としては、定款の作成、許認可申請、助成金・補助金申請などがあります。特に、許認可が必要な業種の会社設立では、行政書士が不可欠となるケースも多く、適切なサポートを受けることで手続きの負担を軽減できます。

一方で、会社設立にかかる費用は、依頼する行政書士の業務範囲やサポート内容によって異なります。一般的な費用相場として、株式会社設立を行政書士に依頼する場合は10〜15万円、合同会社設立の場合は4〜7万円程度が目安となります。また、これに加えて、定款認証費用や登録免許税などの法定費用が発生するため、トータルの会社設立費用はさらに高くなる可能性があります。

本記事では、行政書士に会社設立を依頼した場合の具体的な費用相場について詳しく解説するとともに、行政書士が対応できる業務範囲や、依頼する際のポイントについても解説します。

会社設立における行政書士の役割｜手続きの代行や費用について解説

会社設立をスムーズに進めるためには、多くの書類作成や官公庁への手続きが必要になります。これらの業務を専門的にサポートするのが行政書士です。行政書士は、各種申請書類の作成や提出手続きを代行し、会社設立に必要な手続きを効率的に進める役割を担っています。特に、定款の作成や許認可申請、助成金の手続きなど、多岐にわたるサポートを提供しています。

会社設立を行政書士に依頼する際の費用相場に関連する参考記事：「会社設立を行政書士に依頼する費用相場は？依頼できる業務と選び方を解説」

行政書士が代行できる会社設立の手続き

行政書士が代行できる会社設立の手続き①
官公庁へ提出する書類の作成と申請手続き

会社設立において、官公庁へ提出する書類の作成や申請手続きは不可欠ですが、専門知識がないと多くの時間と労力を要するため、行政書士に依頼することでスムーズに進めることができます。会社設立時に必要となる定款の作成や定款認証の代行を行政書士に任せることで、手続きを効率化し、会社設立にかかる費用と時間の負担を軽減できます。

会社設立を行政書士に依頼する際の費用相場に関連する参考記事：「会社設立を行政書士に依頼するには？依頼にかかる費用や選び方をわかりやすく解説」

定款は会社の運営方針や事業目的を明文化する重要な書類であり、会社設立の際に必ず作成しなければなりません。しかし、定款の内容は法的要件を満たし、事業の発展に適した形で作成する必要があるため、専門知識が必要になります。行政書士に依頼することで、適切な定款を作成し、会社設立後のトラブルを防ぐことが可能です。

また、株式会社の設立では定款の認証手続きが必要となり、行政書士に依頼することで、法的な不備を防ぎながら迅速に手続きを進めることができます。行政書士に定款作成や認証手続きを任せることで、会社設立にかかる費用を明確にし、無駄な出費を抑えつつ、スムーズな会社設立を実現できます。行政書士のサポートを活用することで、会社設立の費用対効果を最大化し、安心して事業をスタートさせることができます。

行政書士が代行できる会社設立の手続き2
許認可の取得

会社設立後に事業を開始するためには、業種によって特定の許認可が必要となる場合があります。例えば、建設業、飲食業、旅館・ホテル業などの業種では、事前に行政機関からの許認可を取得しなければなりません。こうした許認可の申請手続きは複雑であり、必要な書類の準備や提出には行政書士の専門的な知識が求められます。

行政書士に依頼することで、会社設立に伴う許認可の取得をスムーズに進めることができ、手続きにかかる時間や手間を大幅に削減できます。特に、会社設立時には他にも多くの準備が必要なため、行政書士に許認可申請を任せることで、会社設立の手続きを円滑に進めることが可能です。

会社設立に関する手続きは、事業の成功に直結する重要なステップです。行政書士を活用することで、許認可取得に関する不安を解消し、会社設立の費用を適切に管理しながら、安心して事業をスタートさせることができます。

行政書士が代行できる会社設立の手続き3
助成金や補助金の申請手続き

会社設立の際には、事業の内容や経営計画に応じて助成金や補助金を活用できる可能性があります。しかし、助成金や補助金には多くの種類があり、それぞれ細かい要件や申請期限が定められています。そのため、会社設立時に適用できる制度を把握し、正確な書類を作成して申請するのは容易ではありません。

行政書士に依頼すれば、会社設立に関連する助成金や補助金の最新情報をもとに、利用可能な制度を適切に選択することができます。特に、創業支援の助成金や雇用関連の補助金などは、要件が厳しく審査も複雑なため、行政書士の専門知識を活用することで、スムーズな申請が可能となります。

また、助成金や補助金は、会社設立後の事業運営における費用を抑えるためにも非常に有効です。特に、創業期の運転資金や設備投資に充てることができるため、事業の安定したスタートを切るための重要な資金源となります。しかし、申請の際には事業計画書の提出が求められることが多く、正確な記載が必要です。行政書士のサポートを受けることで、会社設立の費用を抑えつつ、必要な資金を確保しやすくなります。

会社設立を行政書士に依頼する際の費用相場に関連する参考記事：「起業支援・会社設立の報酬額・法定費用等」

【参考】行政書士と行政書士以外の士業の会社設立時業務範囲一覧

会社設立の際には、行政書士をはじめとするさまざまな士業の専門家が関与します。行政書士は、定款の作成や許認可申請などを担当できますが、登記申請は司法書士の業務範囲となるため、依頼する際には各士業の役割を明確に理解しておくことが重要です。

また、会社設立にかかる費用は、どの業務をどの専門家に依頼するかによって大きく異なります。行政書士へ依頼する場合、定款作成や許認可申請の代行が主な業務となり、費用の相場は10〜15万円程度ですが、登記申請を司法書士に依頼する場合は別途報酬が発生します。そのため、会社設立を進める際には、どの専門家に何を依頼し、どのくらいの費用がかかるのかを事前に把握することが重要です。

以下の表では、行政書士とその他の士業の会社設立時の業務範囲について詳しく比較し、それぞれの業務内容と費用の目安をまとめています。会社設立における費用負担を最小限に抑えるためにも、最適な依頼方法を検討しましょう。

会社設立にかかる費用を考慮する際、行政書士に定款作成のみを依頼する場合の費用は比較的抑えられますが、登記登録を司法書士に依頼する場合は別途費用が発生します。そのため、会社設立にかかる総費用を事前に把握し、どの専門家にどの手続きを依頼するのが最適かを慎重に決めることが重要です。費用を抑えつつスムーズに会社設立を進めるためには、行政書士と司法書士の業務範囲の違いを理解し、費用面も考慮しながら依頼方法を検討しましょう。

費用をかけてでも会社設立を行政書士に依頼するメリット

会社設立を行政書士に依頼することで、事業者が行う手続きの負担を大幅に軽減できるだけでなく、助成金や補助金に関する相談も同時に行うことが可能です。会社設立の際に必要な各種書類の作成や提出手続きを行政書士が代行するため、手続きにかかる時間を短縮し、事業の準備や運営に専念することができます。

【会社設立を行政書士に依頼するメリット】

• 会社設立に伴う手続きの負担を軽減し、時間と労力を削減できる
• 許認可申請の手続きも一括で依頼できるため、スムーズな事業開始が可能
• 会社設立の流れと併せて、助成金や補助金の相談ができるため、資金調達の選択肢が広がる

会社設立の手続きを効率よく進め、事業に集中するためには、行政書士を活用することが有効です。また、助成金や補助金を活用することで、会社設立時に発生する費用を抑えることも可能になります。

費用をかけてでも会社設立を行政書士に依頼するメリット①
会社設立の手続きの負担を軽減できる

会社設立を行政書士に依頼する最大のメリットの一つは、手続きに関する負担を大幅に軽減できる点です。特に、定款の作成は会社設立において重要な手続きであり、正しく作成しなければ、設立の手続きが進められなくなる可能性があります。

定款とは、会社の運営に関する基本的なルールを定めた書類であり、会社法に基づいて作成する必要があります。定款の内容は大きく以下の3つに分類されます。

• 絶対的記載事項：必ず記載しなければならない項目（例：会社の目的、商号、本店所在地、資本金、発起人の氏名・住所）
• 相対的記載事項：記載しなければ規則として有効とならない項目
• 任意的記載事項：記載しなくても、他の文書で定めることができる項目

特に、絶対的記載事項を正しく記載しなければ、定款の効力が無効となり、会社設立の手続きが完了しません。また、業種によっては許認可の申請が必要な場合があり、適切な事業目的の文言を定款に記載しておかないと、許認可の取得が困難になるケースもあります。

定款の認証手続きも行政書士に依頼できる

会社設立を行政書士に依頼する際の費用相場に関連する参考記事：「会社設立を自分でやる場合と依頼した場合の費用の比較」

作成した定款は、公証役場で認証を受ける必要があります。認証を受けるには、必要書類を準備し、公証役場の予約を取るなどの手続きが必要となります。こうした細かい手続きを自力で行うのは負担が大きいため、行政書士に依頼することで、スムーズに進めることができます。

会社設立の手続きは専門的な知識を要するため、行政書士のサポートを活用することで、負担を減らしながら正確な手続きを進めることができます。設立をスムーズに完了させるためにも、行政書士への依頼を検討するとよいでしょう。

費用をかけてでも会社設立を行政書士に依頼するメリット②
行政書士に許認可申請の手続きを一括で依頼できる

会社設立において、特定の業種では事業を開始する前に許認可の取得が必要となります。この許認可申請は行政書士の独占業務であり、他の士業では対応できません。そのため、費用をかけてでも行政書士に依頼することで、会社設立と許認可申請の手続きを一括で進めることができ、手間を大幅に削減できます。

また、行政書士に依頼することで、会社設立の手続きとあわせて、許認可申請の準備や書類作成も任せることができ、申請の手間やミスを防ぐことが可能になります。費用はかかるものの、専門的な知識を持つ行政書士に依頼することで、会社設立のプロセスをスムーズに進めることができるという大きなメリットがあります。

さらに、司法書士と提携している行政書士に依頼すれば、法人登記の手続きと許認可申請をまとめて行うことができるため、会社設立にかかる手続きの負担を減らし、効率化を図ることができます。費用は発生しますが、登記手続きと許認可申請を別々に依頼するよりも、費用対効果を高めることが可能です。

加えて、税理士や社会保険労務士とも連携している行政書士であれば、会社設立後の税務申告や社会保険手続きまでワンストップで依頼できるため、時間と費用を節約できます。行政書士に会社設立を依頼する際には、どの範囲の手続きをサポートしてもらえるのか、また、費用がどれくらいかかるのかを事前に確認することが重要です。

費用をかけてでも会社設立を行政書士に依頼するメリット③
会社設立と助成金・補助金の相談を同時に進められる

費用をかけて会社設立の手続きを行政書士に依頼することで、助成金や補助金に関する相談もあわせて行うことが可能です。会社設立後に助成金や補助金を活用したいと考えている場合は、設立手続きの段階で費用をかけて行政書士に相談しておくことで、スムーズな申請が可能になります。

行政書士は助成金や補助金の申請書類の作成にも精通しており、事業計画書や各種申請書類の作成サポートを受けることができます。助成金や補助金の申請要件を満たすための準備が不安な場合や、書類の書き方がわからない場合には、行政書士のサポートを活用することで、手続きを円滑に進めることができます。

費用をかけて会社設立を行政書士に依頼するデメリット

会社設立を行政書士に依頼する際の最大のデメリットは、費用が発生する点です。会社設立にかかる費用を抑えたいと考えている場合、行政書士への依頼費用が負担となることがあります。特に、会社設立の手続きをすべて行政書士に任せる場合、費用が高額になる可能性があるため、どの範囲の業務を依頼するのかを慎重に決めることが重要です。また、行政書士によって会社設立の費用が異なるため、依頼前に費用の見積もりを確認し、無駄な支出を防ぐことが必要です。会社設立の費用を抑えつつ、行政書士のサポートを適切に活用するためにも、事前の情報収集と費用の比較を行い、最適な依頼方法を選ぶことが大切です。

費用をかけて会社設立を行政書士に依頼するデメリット①
行政書士に依頼できる業務には限りがある

会社設立において行政書士が対応できる業務には、一定の範囲が定められています。登記申請に関する書類作成や提出代行は司法書士の独占業務とされており、行政書士が行うことは法律上禁止されています。そのため、会社設立時の登記申請については、自分で手続きを進めるか、司法書士に依頼する必要があります。

会社設立をスムーズに進めるためには、依頼する行政書士がどの業務に対応できるのかを事前にしっかり確認することが重要です。

費用をかけて会社設立を行政書士に依頼するデメリット②
行政書士への依頼には費用がかかる

会社設立の手続きを行政書士に依頼する場合、費用が発生するため、予算に応じた依頼内容を検討することが重要です。行政書士が対応できる業務の範囲は広いため、すべての手続きを任せると、費用負担が大きくなる可能性があります。

会社設立の費用を抑えたい場合、定款作成や定款認証の代行といった基本的な業務のみを依頼し、その他の手続きは自分で進めるといった方法で調整することができます。また、会社設立に必要な書類作成のうち、特に専門知識が求められる内容証明の作成や許認可申請など、行政書士のサポートが必要な部分に限定して依頼することで、費用を最小限に抑えることも可能です。

会社設立を行政書士に依頼する際の費用目安

会社設立の際に行政書士へ依頼する場合、費用は依頼する業務内容によって大きく異なります。行政書士が対応する業務の範囲やサポート内容に応じて、報酬額が変動するため、会社設立の手続きを進める前にしっかりと費用を確認することが重要です。

行政書士へ依頼する際の会社設立費用の相場

一般的に、会社設立に関する行政書士報酬の相場は以下のとおりです。

会社形態	行政書士報酬（費用相場）
株式会社	10〜15万円
合同会社	4〜7万円

行政書士事務所に支払う合計費用の目安

行政書士に会社設立の手続きを依頼する際の総費用には、書類作成や申請費用のほか、公的機関へ支払う諸費用も含まれます。

費用項目	株式会社の費用相場	合同会社の費用相場
定款の公証認証費用	3〜5万円	なし
定款原本の印紙費用（書面）	4万円	4万円
定款の謄本取得費用（公証役場）	2千円程度	2千円程度
行政書士報酬でかかる費用	10〜15万円	4〜7万円
合計費用	17万2千〜24万2千円	4万2千〜7万2千円

許認可取得の費用

会社設立後に特定の業種で事業を開始する場合、行政書士に許認可の取得手続きを依頼することも可能です。業種ごとの許認可取得費用の目安は以下のとおりです。

業種	許認可取得費用(相場)
飲食業	5〜10万円
建設業	15〜20万円
医療法人	60〜100万円

許認可の取得は、業種ごとに求められる書類や手続きが異なり、費用にも幅があります。会社設立をスムーズに進めるためにも、行政書士に相談して許認可申請の流れを把握しておくとよいでしょう。

登記にかかる費用（登録免許税）

行政書士は登記申請業務を行えないため、会社設立の際には、登記手続きを自分で行うか、司法書士へ依頼する必要があります。登記には「登録免許税」という費用が発生し、会社の資本金によって決定されます。

会社形態	登録免許税の計算方法
株式会社	資本金の額 × 0.7%（最低15万円）
合同会社	資本金の額 × 0.7%（最低6万円）

登録免許税の最低額が決まっているため、資本金が少額の場合でも、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円の費用がかかります。また、登記を司法書士へ依頼する場合は、別途報酬費用が発生するため、総費用を事前に見積もることが大切です。

行政書士に依頼する費用を抑える方法

会社設立にかかる費用を抑えるためには、行政書士へ依頼する業務の範囲を調整するのがポイントです。たとえば、定款作成のみを依頼し、その他の手続きは自分で進める方法を選ぶことで、費用の負担を軽減できます。

会社設立における費用の総額は、行政書士の報酬、許認可申請の有無、登記手続きの方法などによって大きく異なります。事前に必要な費用を把握し、最適な方法で会社設立を進めましょう。

行政書士とその他の士業の会社設立代行費用比較

行政書士とそれ以外の士業に依頼できる会社設立の業務範囲と、会社設立の費用は、士業によって異なります。

会社設立｜行政書士への依頼を特におすすめしたい人

ここまで解説してきたように、会社設立において行政書士に依頼することで、手続きの負担を軽減し、スムーズに設立を進めることが可能です。しかし、すべてのケースで行政書士への依頼が最適とは限りません。ここでは、会社設立の際に行政書士への依頼が特におすすめな人と、反対にあまりおすすめできない人について詳しく解説します。また、依頼にかかる費用面も考慮し、最適な依頼方法についても触れていきます。

① 許認可手続きが必要な事業を始める人

会社設立後、建設業や飲食業、旅館業などの許認可が必要な事業を開始する場合、行政書士への依頼がおすすめです。許認可申請の書類作成や手続きは、行政書士が独占的に行える業務であり、司法書士や税理士では対応できません。許認可の取得が会社設立の前提となる業種では、行政書士に依頼することで、スムーズに必要な手続きを進められます。

② 登記以外の書類作成を専門家に任せたい人

会社設立には、定款の作成や各種届出書類の準備など、多くの書類作成が必要となります。特に、事業計画書や助成金・補助金申請の書類など、登記以外の手続きも発生するため、行政書士に依頼することで作業負担を軽減し、スムーズに会社設立を進めることが可能です。

行政書士に依頼すれば、会社設立に必要なほぼすべての書類作成を任せることができ、手続きの漏れやミスを防ぐことができます。特に、助成金や補助金の申請に関するサポートを含めて依頼することで、資金調達の幅を広げることができるのもメリットの一つです。

会社設立を行政書士に依頼する際の費用相場に関連する参考記事：「会社・法人設立を行政書士など士業に依頼するメリット・デメリット」

ただし、行政書士に依頼する範囲が広がるほど、発生する費用も増加するため、会社設立にかかる総費用を事前に把握し、予算を考慮したうえで依頼内容を決めることが重要です。行政書士の報酬は業務範囲によって変動し、会社設立の費用全体にも影響を与えるため、どの手続きを専門家に依頼するかを慎重に検討する必要があります。

費用を抑えながら会社設立を進めるためには、必要最低限の業務を行政書士に依頼し、可能な部分は自分で手続きを行う方法もあります。会社設立にかかる費用を最適化するためにも、行政書士へ相談し、最適な依頼内容を選定することが大切です。

会社設立｜行政書士への依頼をあまりおすすめしない人

① 登記申請だけを専門家に任せたい人

登記申請は、法務局への手続きを含めて司法書士の独占業務とされており、行政書士は対応できません。そのため、会社設立時に登記申請のみを依頼したい場合は、行政書士ではなく司法書士に直接依頼するほうが適しています。

ただし、行政書士の中には司法書士と提携している事務所もあり、会社設立の手続きを一括で依頼できるケースもあります。その場合は、行政書士と司法書士のどちらに依頼するかを慎重に検討し、費用面も含めて最適な選択をすることが大切です。

② 許認可手続きが不要な人

会社設立後に特定の許認可を取得する必要がない場合、行政書士への依頼が必ずしも必要とは限りません。許認可が不要な業種であれば、会社設立に関する書類作成は司法書士でも対応可能であり、登記申請まで一括して依頼することができます。

そのため、行政書士に依頼するか司法書士に依頼するかは、会社設立の手続きにどのような書類が必要なのか、そして費用面でどちらが負担を抑えられるのかを比較検討することが重要です。行政書士は許認可手続きや助成金・補助金の申請にも強みがありますが、それらが不要な場合は、司法書士にまとめて依頼したほうが費用を抑えられる場合もあります。

行政書士に依頼する場合でも、業務範囲や費用を事前に確認し、自社の会社設立に最適な専門家を選ぶことが、スムーズな手続きを進めるためのポイントとなります。

会社設立で行政書士を選ぶ際のポイントと費用対効果

会社設立をスムーズに進めるためには、適切な行政書士を選ぶことが重要です。行政書士に依頼する場合、費用の負担が発生するため、どの業務を依頼するかを慎重に決めることが求められます。特に、会社設立に関する手続きの範囲や費用の内訳を事前に確認し、適正な費用で行政書士を活用することがポイントです。会社設立の手続きを効率よく進めながら、費用の無駄を抑えるためにも、行政書士の選定は慎重に行うべきです。

会社設立で行政書士を選ぶ際のポイントと費用対効果1
依頼したい業務に精通しているか

行政書士にも得意分野があり、会社設立の手続きをフルサポートできる行政書士もいれば、許認可申請の専門家もいます。自社のニーズに合った行政書士を選ばないと、余計な費用が発生する可能性があります。会社設立に必要な業務を行政書士に依頼する際は、どこまでの業務を任せるのかを明確にし、費用対効果を考慮したうえで選択することが重要です。

会社設立で行政書士を選ぶ際のポイントと費用対効果2
法律知識が豊富か

会社設立の手続きを確実に進めるためには、行政書士の法律知識の深さが重要なポイントとなります。法律改正があった際に適切な手続きを行えないと、追加の書類作成が必要になり、結果的に余計な費用がかかることもあります。

行政書士を選ぶ際には、最新の法律や制度に精通しているかを確認し、必要な手続きを正確に行えるかどうかを見極めることが大切です。会社設立時の費用負担を抑えるためにも、書類作成や申請手続きを的確に進められる行政書士を選ぶことが求められます。

会社設立で行政書士を選ぶ際のポイントと費用対効果3
司法書士と連携しているか

会社設立の際には、定款作成や許認可申請だけでなく、登記手続きも必要になります。しかし、行政書士には登記申請の権限がないため、登記まで一括で依頼したい場合は、司法書士と提携している行政書士事務所を選ぶことが重要です。

会社設立で行政書士を選ぶ際のポイントと費用対効果4
費用とサービスのバランスを考える

行政書士に会社設立を依頼する際には、業務内容ごとに費用が異なるため、どの手続きを依頼するかを明確にすることが大切です。費用を抑えたい場合は、定款作成のみを行政書士に依頼し、登記申請は自分で行うなどの方法も考えられます。

会社設立を行政書士に依頼する際の費用相場に関連する参考記事：「会社設立の相談は誰にする？司法書士・行政書士・社労士・税理士を徹底比較」

また、行政書士の報酬額は事務所によって異なるため、会社設立にかかるトータルの費用を把握し、複数の行政書士事務所から見積もりを取得して比較することが重要です。費用の内訳をしっかり確認し、無駄な支出を抑えつつ、最適な行政書士を選ぶことで、会社設立の手続きを効率的に進めることができます。

まとめ ～会社設立を行政書士に依頼する際の費用と相場～

会社設立を行政書士に依頼する場合の費用は、会社設立にかかる手続きや書類作成の費用を大幅に軽減できる一方で、行政書士への依頼費用がかかります。会社設立のために必要な行政書士の業務範囲には、定款の作成、許認可申請、補助金や助成金の申請手続きなどが含まれ、これらの業務を行政書士に依頼することで、会社設立の手続きが迅速かつ正確に進められるため、会社設立にかかる費用対効果が大幅に向上します。

費用を抑えながらも、行政書士の専門知識を活用することで、会社設立に必要な複雑な手続きがスムーズに完了し、将来の事業運営における余分な費用の発生を防ぐことができます。会社設立を効率的に進めるため、行政書士への依頼を検討する際は、依頼費用と提供されるサービスの範囲を十分に比較し、最適な行政書士を選定することが、会社設立の成功と費用節約につながる重要なポイントです。