会社設立で税金対策をしよう！会社設立で節税する方法を紹介

会社設立を検討している方にとって、税金対策をどう進めるかは非常に重要なポイントです。個人事業主から法人化することで、会社設立ならではの税金対策が可能となり、法人税の負担を軽減できるメリットがあります。

会社設立をすると、役員報酬の損金計上や社用車の活用、退職金の支給、保険を利用した節税など、さまざまな税金対策を実践できるようになります。また、欠損金の繰越控除や福利厚生費の活用など、会社設立によって長期的な税金対策を行うことも可能 です。

本記事では、会社設立による具体的な税金対策の方法を詳しく解説し、法人化を検討している方がスムーズに節税を進められるようサポートします。

会社設立で節税対策！会社設立で税金を抑えられる理由とは？

会社設立をすることで、個人事業主とは異なる税制が適用され、経費として認められる範囲が広がるため、効果的な税金対策が可能になります。会社設立をすることで、税金対策として有利に働くケースが多いのはこのためです。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「会社設立が税金対策になる？どのようなメリットが得られるのか徹底解説！」

個人事業主は、簡単に事業を始められ、税務申告の手続きもシンプルですが、事業の成長とともに所得が増えると、所得税率が累進課税のため高くなり、法人税よりも税負担が重くなる可能性があります。

さらに、会社設立をすると、個人事業主よりも経費として計上できる範囲が広がり、役員報酬や退職金などを活用することで、課税所得を抑えやすくなります。こうした理由から、会社設立は税金対策として非常に有効な選択肢といえます。

会社設立で税金対策をする方法

会社設立で税金対策をする方法①
役員報酬を損金計上して税金対策をする方法

会社設立をすることで、個人事業主とは異なる税金対策が可能になります。法人になることで、経費として認められる範囲が広がり、法人税の負担を軽減できる点が大きなメリットです。特に、役員報酬を損金計上することは、会社設立における重要な税金対策 となります。

会社設立をした法人では、経営者が給与ではなく役員報酬を受け取る仕組みになります。この役員報酬は、定期同額給与 などの一定の条件を満たせば、法人の経費として認められ、法人の利益から差し引くことができるため、法人税の税金対策になるのです。会社設立をして法人化することで、役員報酬の適切な設定が可能となり、法人税の負担を抑えることが税金対策となります。

会社設立で税金対策をする方法①-1
役員報酬の設定は慎重に！

ただし、法人税を減らす目的で役員報酬を過剰に増やすと、今度は役員個人の所得税や住民税の負担が増え、結果的にトータルの納税額が増えてしまい、税金対策とならないことがあります。したがって、会社設立時に役員報酬の金額を適正に設定することが重要な税金対策 になります。法人税の節税を考える際は、会社設立時に税理士と相談し、法人全体で最適な税金対策を行うことがポイント です。

会社設立で税金対策をする方法①-2
会社設立後の役員報酬の変更にはルールがある

会社設立後に設定する役員報酬は、原則として1年間固定 となり、途中での変更は原則認められていません。そのため、会社設立時に税金対策として最適な役員報酬を決めることが不可欠 です。もし役員報酬の増減が必要な場合は、株主総会での決議が必須 となります。税金対策の一環として、会社設立時には役員報酬の設定を慎重に行いましょう。

会社設立で税金対策をする方法②
家族に給与を支払い所得を分散する税金対策方法

会社設立をすると、税金対策として所得を家族に分散し、法人税や所得税の負担を軽減することが可能 になります。会社設立をすれば、家族を役員や従業員として雇用し、役員報酬や給与として所得を分配できるため、税金対策の効果を高めることができます。

所得税は「累進課税制度」により、所得が増えるほど税率も上昇する仕組み になっています。そのため、会社設立をして家族に所得を分散することで、個々の所得税率を抑え、税金対策として節税効果を高めることが可能 です。さらに、給与所得控除（65万〜220万円）を家族にも適用できるため、会社設立による税金対策としてのメリットはさらに大きく なります。

会社設立で税金対策をする方法②-1
個人事業主と会社設立の違い｜家族への給与の自由度が違う

個人事業主の場合も、家族（配偶者や親族など）を「事業専従者」として給与を支払うことは可能ですが、会社設立した場合とは異なり税金対策として活用するには以下のような制約があります。

• 給与の金額に上限がある
• 事業専従者としての実態が必要
• 同一生計の家族が対象
• 配偶者控除や扶養控除との関係で制限がある

このように、個人事業主として家族に給与を支払うにはさまざまな条件があるため、会社設立をした方が税金対策としての自由度が高く、節税効果を得やすい のです。

会社設立で税金対策をする方法②-2
会社設立による税金対策は柔軟な所得分散が可能

会社設立をすれば、家族を役員や従業員として雇用し、役員報酬や給与を支払うことで、法人税と所得税の負担を最適化できる ため、税金対策としての効果を最大化できます。特に、一定の給与所得控除を活用しながら、適正な役員報酬や給与を設定することで、法人全体の税負担を抑えることが可能 です。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「サラリーマンの節税対策に会社設立は有効？メリットや方法、設立までの流れを解説」

会社設立で税金対策をする方法③
経営者や従業員の家を社宅にして税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策が可能になり、法人税の負担を軽減する方法の一つとして 社宅制度の活用 があります。会社が賃貸物件を借りて経営者や従業員に社宅として貸し出すことで、会社が支払った家賃と入居者から受け取った賃貸料相当額の差額分を法人の経費として計上できるため、税金対策として有効な手段になります。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「法人化した方が節税になる？法人化のデメリットも合わせて解説」

会社設立で税金対策をする方法③-1
会社設立で社宅を活用！税金対策の仕組み

社宅として扱うためには、会社名義で賃貸契約を結び、入居者（経営者・従業員）から一定の賃料（賃貸料相当額）を受け取ることが必要 です。こうすることで、会社設立による法人税の節税対策を行いつつ、従業員にとっても 住宅費を抑えられる福利厚生の一環 となり、会社全体のコスト削減につながります。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「企業経営における税金対策」

会社設立で税金対策をする方法③-2
会社設立による社宅活用のメリット

• 法人税の税金対策になる（家賃の一部を会社の経費にできる）
• 経営者・従業員の住宅費負担を軽減できる
• 会社設立による福利厚生の充実につながる
• 従業員の満足度向上や定着率の向上が期待できる

このように、会社設立後に社宅制度を導入すれば、法人税の税金対策と従業員の生活サポートを両立できるのが大きなポイントです。

会社設立で税金対策をする方法③-3
会社設立で社宅を活用する際の注意点

会社設立による税金対策として社宅を利用する際、経営者や従業員が社宅の賃料を無料にしたり、相場より極端に低く設定すると、税務上「現物支給」とみなされ課税されるリスクがあります。そのため、適正な賃貸料相当額を設定することが重要です。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「プライベートカンパニーの作り方と節税に有効な複数の理由」

会社設立で税金対策をする方法④
退職金を支給して税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策が可能になり、その一つとして 退職金の支給による節税があります。法人では、5年以上勤務した役員に退職金を支給することで「退職所得」として優遇税制を適用できるため、法人税と所得税の両面で大きな税金対策が可能 になります。

退職金は、通常の給与と異なり、退職所得控除を差し引いたうえで、課税対象額の半分にのみ税金がかかる ため、税負担を大幅に抑えることができる税金対策です。さらに、退職所得は他の所得と分離して課税されるため、累進課税の影響を受けにくいという特徴があります。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「法人化によって得られる節税のメリットを解説」

これにより、会社設立をして退職金を活用すれば「法人税」「所得税」「累進税率」の3つを軽減するトリプル税金対策が可能 となります。

会社設立で税金対策をする方法④-1
会社設立をしないと退職金の税制優遇は受けられない？

個人事業主の場合、退職金の支給という制度がないため、退職所得としての優遇税制を直接活用することができず税金対策が不可能です。

そのため、会社設立をすることで退職金を活用した税金対策がより柔軟に行えるようになるのが大きなメリットです。

会社設立で税金対策をする方法④-2
会社設立後の退職金活用で税金対策を最大化するポイント

• 退職金の支給要件を満たす
  • 役員が5年以上勤務していることが条件
  • 適正な金額設定が必要（不当に高額な退職金は認められない）
• 退職所得控除を活用する
  • 勤続年数に応じて一定額が控除されるため、課税対象額を抑えられる
• 退職金を損金として法人の経費に計上する
  • 会社が支給した退職金は、法人の経費（損金）として計上可能

会社設立で税金対策をする方法⑤
経営者への旅費日当を支給して税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策 が可能になり、その一つとして 旅費日当の支給 があります。会社設立をすれば、経営者が出張した際の旅費日当を法人の経費として計上できるため、法人税の節税につながるというメリットがあります。

会社設立で税金対策をする方法⑤-1
会社設立で旅費日当を経費にできる仕組み

旅費日当とは、出張時の宿泊費や交通費とは別にかかる食費や通信費などの費用のことを指します。法人では、旅費日当を経費にできるため、法人税を抑える効果的な税金対策 になります。

一方、個人事業主の場合、従業員に支給する旅費日当は経費として認められるものの、事業主本人の旅費日当は経費計上できません。そのため、会社設立をすることで、経営者本人の旅費日当も経費として認められるようになり、会社設立による税金対策の幅が広がるのです。

会社設立で税金対策をする方法⑤-2
会社設立で旅費日当を活用するメリット

• 法人税の税金対策になる（旅費日当を法人の経費として計上可能）
• 経営者が受け取る旅費日当は所得税が非課税
• 個人事業主では適用できない制度を活用できる
• 法人の旅費規程に基づいた適正な金額であれば問題なし

会社設立をして法人化することで、経営者が受け取る旅費日当を適正に設定すれば、法人税の節税対策として有効に機能するのがポイントです。

会社設立で税金対策をする方法⑤-3
会社設立後に旅費日当を活用する際の注意点

会社設立による旅費日当の支給は、法人の旅費規程に基づいて行う必要があり、適正な範囲内での支給であれば法人の経費として認められます。また、経営者が受け取る旅費日当は、所得税が非課税扱い となるため、法人税と所得税の両面で税金対策が可能になります。

会社設立で税金対策をする方法⑥
未払費用を適切に計上して法人税を抑える税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策を活用でき、その一つに 未払費用の適切な計上があります。未払費用とは、当期に発生したものの、支払いが翌期にずれ込む費用のことで、これを適切に計上することで法人税の負担を軽減し、効果的な税金対策につながります。

会社設立で税金対策をする方法⑥-1
未払費用とは？会社設立後の税金対策で重要なポイント

未払費用には、今期の費用として認識できるが、支払いが翌期に行われるものが含まれます。例えば、以下のような費用が該当します。

• 通信費（電話代・インターネット費用）
• 会社負担分の社会保険料
• 従業員の給与や賞与
• 水道光熱費
• 広告宣伝費
• 借入金の利息

決算の際に、これらの未払費用を正しく計上すれば、当期の利益を圧縮でき、法人税を抑える税金対策として有効になります。

会社設立で税金対策をする方法⑥-2
会社設立による未払費用の活用で法人税の負担を軽減

未払費用の計上は、法人だけでなく個人事業主でも適用できますが、法人の方が所得の規模が大きいため、節税効果もより期待できるのがポイントです。特に、会社設立をして法人化すると、利益を適切にコントロールしながら税金対策を行うことが可能になります。

会社設立後の未払費用を活用した税金対策のポイント

• 決算前に未払費用を正確に把握する
  • 今期に発生しているが、支払いが翌期になる費用をリストアップ
  • できる限り計上漏れを防ぐことで、法人税の節税効果を高める
• 適正な範囲内で未払費用を計上する
  • 法人税を抑える目的で過剰に計上すると、税務調査で指摘される可能性があるため、実態に即した計上を心がける
• 税理士と相談しながら適切な処理を行う
  • 会社設立後は、決算時に未払費用を正しく計上することで法人税の負担を最適化できるため、税理士と相談しながら進めるのがベスト

会社設立で税金対策をする方法⑦
欠損金を長期間繰越控除して法人税を抑える税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策が可能になり、その一つに 欠損金の繰越控除の活用があります。事業が赤字になった場合、その赤字分（欠損金）を翌期以降に繰り越し、将来の利益と相殺できるため、法人税の負担を長期間軽減できる税金対策となります。

会社設立で税金対策をする方法⑦-1
会社設立で欠損金を繰り越すと税金対策になる理由

事業を開始したばかりの頃は、収入よりも経費が多くなり、赤字（欠損金）が発生するケースが少なくありません。しかし、会社設立をして法人化すると、赤字となった欠損金を翌期以降に繰り越し、将来の黒字と相殺することが可能です。その結果、利益が出ても課税所得を減らすことができ、法人税の負担を軽減できるという大きな税金対策になります。

会社設立で税金対策をする方法⑦-2
個人事業主と法人の違い！欠損金の繰越控除期間

• 個人事業主の場合：「青色申告」を行っても、欠損金の繰越控除期間は3年間
• 会社設立をした法人の場合：欠損金の繰越控除期間は10年間（平成30年4月1日以降の事業年度から適用）

つまり、会社設立をすれば、欠損金の繰越控除が個人事業主の3倍以上の期間（10年間）適用されるため、長期的な税金対策として非常に有利 になります。

会社設立で税金対策をする方法⑦-3
会社設立による欠損金の繰越控除を活用するポイント

• 青色申告の適用を受ける
  • 欠損金の繰越控除は「青色申告」を適用している法人のみが利用可能
  • 会社設立後、青色申告の届出を忘れずに提出する
• 赤字が出た年度の決算を正しく処理する
  • 赤字となった年の決算で、欠損金を適切に計上しておくことが重要
  • 法人税申告時に、欠損金の繰越控除を正しく申告する
• 黒字化後の法人税負担を抑える
  • 翌年度以降に利益が出た際に、繰り越された欠損金と相殺し、法人税を最小限に抑える

会社設立で税金対策をする方法⑧
保険を活用して法人税を抑える税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策を活用でき、その一つに 保険を利用した法人税の節税があります。法人が契約者となる保険商品には、支払保険料の全額または半額を損金（経費）として計上できるものがあり、利益を繰り延べることで法人税の負担を抑えることが可能になります。

会社設立で税金対策をする方法⑧-1
会社設立後の保険活用が税金対策になる理由

個人事業主が加入できる保険は、基本的に個人を対象としたものであり、経費として認められることがほとんどありません。また、生命保険料控除を活用しても、適用限度額は最大12万円と非常に限定的です。

一方で、会社設立をして法人化すると、法人契約の保険を利用することで、全額または一部を損金計上できるため、法人税の負担を軽減する効果的な税金対策となります。さらに、利益の繰り延べを行うことで、将来的な法人税の負担を調整することも可能になります。

会社設立で税金対策をする方法⑧-2
会社設立をして保険を活用するメリット

• 法人契約の保険なら全額または一部を損金算入できる
• 利益の繰り延べができ、法人税の負担をコントロールできる
• 役員退職金と組み合わせることで、さらに効果的な税金対策が可能
• 法人税率の低下傾向を考慮すると、有利な節税戦略になる

法人契約の保険を利用すれば、保険料の支払い時には損金算入し、解約時や満期時に課税される仕組みになっているため、会社設立後の利益計画に応じた税金対策ができるのがポイントです。

会社設立で税金対策をする方法⑧-3
会社設立後に保険を活用する際の注意点

会社設立をして保険を活用する際、解約時や満期時には課税対象となるため、法人の資金計画を考慮した上で契約することが重要です。特に、役員退職金と組み合わせることで、受け取り時の税金負担を抑えながら、効果的な法人税の節税が可能となります。

特に、役員退職金と組み合わせることで、法人税と所得税の両面で節税効果を高めることができるため、会社設立後の税金対策として積極的に検討すべきポイントとなります。

会社設立で税金対策をする方法⑨
社員旅行や健康診断を制度化して法人税を抑える税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策が可能になり、その一つとして社員旅行や健康診断を制度化し、福利厚生費として計上する方法があります。これにより、法人税の負担を軽減しつつ、従業員の満足度向上や健康管理の充実につなげることができます。

会社設立で税金対策をする方法⑨-1
会社設立後に社員旅行を福利厚生費として計上するメリット

社員旅行を福利厚生費として法人の経費に計上すれば、法人税の節税対策になるため、会社設立後の税金対策の一環として有効です。ただし、福利厚生費として認められるには一定の条件を満たす必要があるため、注意が必要です。

社員旅行を福利厚生費として計上するための条件

• 1人あたりの会社負担額が10万円以内
• 4泊5日以内の旅行であること
• 従業員の50%以上が参加すること

これらの条件を満たせば、会社負担の旅行費用を福利厚生費として経費計上できるため、法人税の税金対策として有効です。

一方で、役員のみの旅行や、特定の従業員だけが参加する旅行は福利厚生費と認められず、交際費扱いとなり、法人税の節税効果が薄れてしまうため、制度化する際は条件を厳守することが大切です。

会社設立で税金対策をする方法⑨-2
会社設立後に健康診断を制度化し、税金対策を行う

健康診断も、会社が負担することで福利厚生費として経費計上が可能になり、法人税の負担を軽減する税金対策となります。特に、従業員の健康維持や業務の効率化にもつながるため、会社設立後の経営戦略としても効果的です。

健康診断費用を福利厚生費として認められる条件

• 従業員全員を対象に実施していること
• 会社が直接医療機関に支払っていること
• 特定の個人だけでなく、広く社員の健康維持を目的としていること

健康診断を制度化することで、法人税の節税対策だけでなく、従業員の健康管理や生産性向上にもつながるため、会社設立後の運営において積極的に活用すべき税金対策の一つといえます。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「合同会社の設立は税金対策として有効？節税効果やメリット・デメリットを税理士が解説」

会社設立で税金対策をする方法⑩
自家用車を社用車にして法人税を抑える税金対策

会社設立をすると、法人ならではの税金対策を活用でき、その一つに 経営者が所有する自家用車を社用車にする方法があります。法人名義の社用車にすることで、車両にかかる各種費用を経費として計上できるため、法人税の負担を軽減する税金対策が可能になります。

会社設立で税金対策をする方法⑩-1
会社設立後に社用車を活用することで法人税の税金対策が可能

会社設立をして経営者が個人で所有している自家用車を、会社設立後に社用車として法人名義に変更することで、減価償却費や維持費を法人の経費に計上できるようになり、税金対策が可能になります。

社用車として経費計上できる主な項目

• 減価償却費（取得価額から減価償却を行い、毎年の経費として計上）
• 燃料費（ガソリン代、電気自動車の充電費用など）
• 自動車保険料（法人契約の自動車保険の保険料）
• 車検費用（2年ごとの車検費用やメンテナンス費用）
• 修理費（事故や故障による修理費）
• 駐車場代（社用車を停めるための駐車場代）

会社設立で税金対策をする方法⑩-2
会社設立後に社用車を活用する際の注意点

会社設立をして法人名義の社用車にする場合、完全に業務用として使用するのが理想ですが、プライベート利用をする場合は、適切なルールを設けることが必要です。

会社設立をして税金対策する際の参考記事：「合同会社の設立で節税はできる？個人事業主との税金の違いや節税以外のメリットも解説！」

プライベート利用をする場合のルール

• 社用車の利用規程を作成する（業務利用とプライベート利用の区分を明確にする）
• プライベート利用時の利用料を会社に支払う（個人使用分を明確にし、会社負担を適正化する）
• 走行距離や燃料費の管理を徹底する（業務使用と個人使用を区別するための記録を残す）

法人が社用車を保有する場合、税務調査の際に私的利用分が指摘される可能性があるため、適切な管理が重要です。

会社設立で税金対策をする方法⑪
経営セーフティ共済に加入して法人税を抑える方法

会社設立をすると、法人ならではの税金対策を活用でき、その一つに 経営セーフティ共済（中小企業倒産防止共済制度）の活用があります。経営セーフティ共済に加入することで、掛金を全額損金（経費）として計上できるため、法人税の節税につながるのが大きなメリットです。

会社設立で税金対策をする方法⑪-1
経営セーフティ共済とは？会社設立後の税金対策に活用できる制度

経営セーフティ共済とは、取引先が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産するリスクを軽減するための共済制度です。会社設立後にこの共済に加入すれば、以下のようなメリットを得ることができます。

• 毎月の掛金を全額損金（経費）計上でき、法人税の節税対策になる
• 掛金の最高10倍（最大8,000万円）まで無担保・無保証人で借り入れ可能
• 取引先が倒産した際に、売掛金の回収が困難になった場合、速やかに資金を調達できる

会社設立で税金対策をする方法⑪-2
会社設立後に経営セーフティ共済を活用するメリット

• 掛金を損金として計上できるため、法人税の負担を軽減
• 万が一の取引先倒産時に、資金調達がスムーズにできる
• 無担保・無保証で借り入れ可能なため、資金繰りの安定化につながる
• 退職金や事業承継資金としても活用できる

会社設立で税金対策をする方法⑪-3
会社設立後に経営セーフティ共済を活用する際の注意点

会社設立をして経営セーフティ共済に加入する際、以下の点に注意が必要です。

• 掛金は年間最大240万円（毎月最大20万円）まで積み立て可能
• 加入から12ヶ月以上経過しないと借り入れができない
• 解約時には受取金に法人税が課税されるため、計画的に活用する必要がある

会社設立をすることで、経営セーフティ共済に加入し、法人税の負担を軽減しながら、万が一の資金確保を実現することが可能になります。特に、取引先との関係が多い企業にとっては、税金対策とリスクヘッジを同時に行える有効な手段となるため、会社設立後にぜひ活用を検討すべき税金対策です。

まとめ ～会社設立をして税金対策をする方法～

会社設立をすることで、個人事業主では活用できない多くの税金対策が可能になります。法人として会社設立をすれば、法人税の計算方法が変わり、役員報酬を損金計上できるほか、所得分散や社宅制度の導入、退職金の支給など、さまざまな税金対策を行うことが可能です。さらに、会社設立をすると、旅費日当を経費として計上することや、未払費用を正しく処理することで、法人税の負担を軽減することもでき、効果的な税金対策になります。

会社設立をすることで、法人ならではの税金対策を実施でき、法人税の負担を軽減しながら長期的な節税効果を得ることができます。会社設立による税金対策を成功させるためには、それぞれの税金対策の適用条件を正しく理解し、適切に制度を活用することが重要です。特に、会社設立をして法人化すると、税金対策の選択肢が増えるため、どの税金対策が最適かを慎重に検討する必要があります。会社設立をする際には、税理士などの専門家と相談しながら、法人税の節税効果を最大化する税金対策を計画的に行うことが求められます。

会社設立をして法人化することで、税金対策の幅を広げ、法人税の負担を抑えながら経営を安定させることができます。適切な税金対策を活用し、会社設立のメリットを最大限に引き出しましょう。