税理士と公認会計士どちらに依頼すべき?それぞれの違いを紹介
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公開日:2024年4月
更新日:2024年11月6日
税理士と公認会計士は、会計と税務の専門家として、それぞれ役割に違いを持っています。どちらも企業や個人の財務健全性を支える重要な存在ですが、独占業務や専門領域などに違いがあり、それゆえ得意とする分野・領域にも違いがあります。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
この記事では、税理士と公認会計士の主な違いと、それぞれの資格取得のための要件、どのような業務を税理士や公認会計士に依頼すべきかについて詳しく解説します。
「結局どっちに業務を依頼すればよいのかわからない」「会計と税務の違いもそもそもよくわからない」など、公認会計士と税理士との違いについて気になっている方におすすめの内容です。
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目次
税理士と公認会計士の違い
ここではまず、税理士と公認会計士がそれぞれ何の専門家なのかと、それぞれの違いについて解説します。税理士・公認会計士ともに国家資格でありますが、それぞれ独占業務が違います。
それぞれの独占業務の違いや対応範囲、専門領域に違いがあるのでしっかりと把握しておくようにしておきましょう。
専門領域の違い:税理士は「税務」の専門家、公認会計士は「会計監査」の専門家
税理士と公認会計士はどちらも会計の分野における専門家ですが、それぞれの役割には大きな違いがあります。
税理士は「税務」に特化しており、企業が作成した決算書を基に税金の申告書を作成することや、節税策などの税に関する助言を行います。このような税務代理や税務書類の作成、税務相談が税理士の独占業務とされています。
一方で、公認会計士は「監査」を専門としており、企業の会計記録が適切に作成されているかをチェックします。公認会計士の主な独占業務は、監査業務であり、会社法や金融商品取引法に基づく法的要件の遵守を確認します。公認会計士は条件に応じて税理士としても活動可能であり、税務業務も行うことがあります。
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税理士は通常、経営者と密接に関わり、日常の会計処理に携わりながら、良好な財務状態の構築をサポートします。対照的に、公認会計士は完成した決算書に対して監査を行い、その正確性を保証します。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
会計に関する業務を考えた場合、税金の申告や相談が主な目的であれば税理士が適切です。一方で、監査を含めた包括的な会計チェックが必要な場合は公認会計士の方が望ましいでしょう。
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税理士になるためにはどんなことが必要?
税理士になるためには、一般的に最短であっても2年から5年程度の勉強期間が必要とされています。税理士試験は科目合格制を採用しており、税理士試験に置いて必須となるのは会計の2科目(簿記論と財務諸表論)です。
これらに加え、税法関連からは法人税法または所得税法のいずれか1科目、消費税法または酒税法のいずれか1科目、住民税または事業税のいずれか1科目を選択し、合計5科目の合格が求められます。
税理士試験は年に1回実施され、税理士試験の受験者は1科目から最大5科目まで受験することができ、各科目は個別に合格判定が行われます。科目合格制を採用しているため、長期間にわたって特定の1科目だけを深く学ぶ受験生もおり、税理士試験の全科目の合格には長い時間を要することがあります。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
国家試験である税理士試験に合格後、税理士事務所などでの2年以上の実務経験も必要です。
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しかし、一度合格した科目はその資格が取り消されることはなく、合格した科目は履歴書などに記載することができ、重要な資格となります。
ここがポイント!
このように、税理士試験は個々の科目に対する専門性を高め、専門家としての地位を築くための重要なステップとなっています。
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公認会計士になるにはどんなことが必要?
公認会計士試験に合格するためには、効率よく勉強すれば1年半程度での合格も可能と言われていますが、実際にはかなり難しい試験です。
試験は短答式試験と論文式試験の2段階に分かれています。短答式試験はマークシート形式で、科目は財務会計論(簿記・財務諸表論)、管理会計論、監査論、企業法の4科目です。この試験に合格すると、論文式試験を受験する資格が得られます。
公認会計士試験の論文式試験では、会計学(財務会計論・管理会計論を含む)、監査論、企業法、租税法、そして経営学などから選択する1科目の計5科目が問われます。論文式試験には一部科目合格制度がありますが、基本的には5科目全てを同時に合格する必要があるため、試験の範囲が広大であることが大きな挑戦です。
短答式と論文式の試験形式により、税理士試験よりも競争率が相対的に低い面がありますが、同時に5科目を勉強する必要があるため、試験の難易度は非常に高いとされています。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
公認会計士になるためには、広範囲の知識と深い理解が求められるため、長期にわたる集中的な学習が不可欠です。
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税理士と公認会計士の業務範囲にはどのような違いがある?
税理士の業務範囲
税理士の主な業務は、以下の3つの独占業務に集約されます。
・税務代理:納税者に代わって税務申告を行う権限があります。
・税務書類の作成:納税者に代わって税務に関する書類を作成し、提出することができます。
・税務相談:税務に関する相談を受け付けることが可能です。
特に個人事業主や小規模企業者は、年明けから3月中旬の確定申告期に向けて、税理士のアドバイスを求めることが多いです。この時期、税理士は個人の確定申告書類の作成支援から、税務申告までをサポートします。
法人においても、同様に確定申告の準備や申告業務を税理士が担当することがあります。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
税法の複雑さから、多くの個人事業主や法人が直接確定申告を行う代わりに、これらの重要な業務を税理士に依頼するケースが多いです。
おすすめ記事:確定申告を税理士に代行してもらう際の注意点や費用相場を解説
公認会計士の業務範囲
公認会計士の主な業務は、下記の2つとなります。
・監査証明業務
・財務書類の調製や相談業務
公認会計士が主に従事する業務は、上記の二つですが、特に「監査証明業務」は公認会計士の独占業務であり、多くの公認会計士がこの業務に携わっています。
ここがポイント!
この業務では、企業が作成した決算書(貸借対照表や損益計算書など)が正しく作られているかどうかを確認し、問題がなければ監査報告書を発行し、監査意見を表明します。
おすすめ記事:確定申告を公認会計士に依頼する費用相場は?仕訳は丸投げできる?
企業が公認会計士に監査報告書の発行を依頼する理由は多岐にわたります。例えば、上場企業や大企業は、上場の維持や新規資金調達のために定期的に決算書の監査を受ける必要があります。中小企業の場合も、融資を受ける際に公認会計士がチェックした決算書と監査報告書を銀行に提出することで、その信頼性が向上します。
さらに、金融商品取引法や会社法に基づいて、一定規模以上の企業には公認会計士による監査が義務付けられています。このように公認会計士の監査証明業務は、企業活動の透明性を高め、株主や投資家からの信頼を確保するための重要な役割を担っています。
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具体例別:この依頼はどちらに頼むのがおすすめなのか?
ここまで税理士と公認会計士の違いについて解説してきましたが、実際に会社を経営していたりする上では、税理士と公認会計士のどちらに業務を依頼すべきか迷うこともあるかと思います。そこでここでは具体的な業務について、それぞれ税理士と公認会計士のどちらに依頼するのがおすすめかについて紹介していきます。
税理士・公認会計士を適切に利用して、バックオフィスに関する業務の悩みから解放される手助けになれば幸いです。
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依頼内容①:税務相談(節税含む)に関する依頼
税務相談、特に節税に関する相談は、税理士の独占業務に該当します。このため、税務相談には「◯◯税理士事務所」を選ぶのが適切です。税理士はこれらの問題に専門的に取り組むことができ、適切なアドバイスとサポートを提供します。
ただし、公認会計士も一定の条件を満たせば税理士登録が可能で、その場合は税務相談に対応できることもあります。しかし、公認会計士が税理士としての資格は持っていても、必ずしも税務の専門的なアドバイスができるわけではないため、注意が必要です。ただし、税務業務において豊富な経験を持つ公認会計士であれば、「◯◯公認会計士事務所」での相談でも十分なサポートが期待できるでしょう。
税務相談の依頼に関する注意点
税務相談を依頼する際には、その専門家の経験や資格を確認することが重要です。
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依頼内容②:経営相談に関する依頼
経営に関する相談は、税理士または公認会計士のどちらに相談しても適切です。これは、両方の専門家が多くの企業の会計を扱ってきた経験を持ち、会計や税務のプロフェッショナルであるためです。彼らはそれぞれの専門知識を活かして、財務状況の分析、リスク管理、資金調達の助言など、経営に関する広範な課題に対して有効なアドバイスを提供することができます。
税理士は特に税務に関する深い知識を活かし、税負担の最適化や節税対策についてのアドバイスを提供することができます。
一方で、公認会計士は財務報告の精度を高めることに重点を置き、会計基準の適用や内部統制の強化に関する助言を行うことが可能です。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
経営の課題に応じて、適切な専門家に依頼することが重要です。
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依頼内容③:記帳(会計ソフト入力)代行に関する依頼
日々の会計ソフトへの入力業務は、個人事業主・法人問わず様々な方から「経理をすべて依頼したい、丸投げをしたい」というニーズがあります。これらの業務は、税理士または公認会計士のどちらに依頼しても問題ありません。どちらの専門家も、会計データの適切な管理と会計処理に必要な知識と技能を持っています。
ただし、記帳業務では消費税計算など税務に直結する内容が頻出するため、税務業務の経験が豊富な専門家に依頼することが望ましいでしょう。税理士は税務代理や税務書類の作成といった税務に関する独占業務を行うため、特に税に関する詳細な知識を有しています。
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税理士と会計士への業務依頼に関するポイント!
このため、税理士に記帳業務を依頼することで、税務処理に関する正確性を高めることができます。
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一方で、公認会計士も消費税に関する知識を有しており、特に会計と財務報告の領域で高い専門性を持っています。
したがって、記帳だけでなく財務分析や経営のアドバイスも期待できるため、公認会計士に依頼するメリットも大きいです。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
選択にあたっては、具体的な業務内容や求める専門性に応じて、最適な専門家に依頼することが重要です。
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依頼内容④:M&Aやデューデリジェンスに関する依頼
M&A(企業の合併・買収)や財務デューデリジェンスに関する業務は、一般的に公認会計士の得意とする分野です。これには、企業の財務状況の詳細な調査や企業価値の評価が含まれ、精密な財務分析が必要とされます。
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しかし、M&Aプロセスではただ財務面だけでなく、税務の観点からも各種スキームの適切性を検討する必要があります。税務上の取り扱いを誤ると、予期せぬリスクや追加費用が発生する可能性があるため、税理士の専門知識も非常に重要です。
そのため、M&Aやデューデリジェンスに際しては、公認会計士による財務評価とともに、税理士との密接なコミュニケーションを取りながら進めることが理想的です。
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依頼内容⑤:国際会計基準(IFRS)や日本の会計基準に関する依頼
国際会計基準(IFRS)の導入が進む中、特に大企業では、これに適合した決算書の作成が求められます。IFRSは主に国際的な財務報告のための基準であり、日本の税務計算とは直接的な関連はありません。このため、IFRSに関する相談は、会計の国際基準に精通している公認会計士に依頼するのが最適です
一方、日本の会計基準に基づく決算書の作成や相談については、税理士または公認会計士のいずれに相談しても大丈夫といえます。
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まとめ
税理士と公認会計士は共に会計の分野で重要な役割を担っていますが、専門分野が異なります。税理士は税務に関連する業務に特化しており、公認会計士は会計監査と財務分析を主に行います。それぞれの試験や資格要件にも違いがあり、適切な専門家の選択はその業務の性質に依存します。
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SoVa税理士お探しガイド編集部
依頼内容に応じて、税務のアドバイスが必要な場合は税理士を、広範囲の会計監査や財務評価が求められる場合は公認会計士を選ぶことがおすすめです。
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