マイクロ法人は税理士に依頼すべき?会社設立からおすすめの税理士の選び方解説

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公開日:2024年2月

更新日:2024年6月1日

最近では、多様な会社形態が存在し、それぞれのビジネスモデルに適した運営方法が模索されています。中でも、マイクロ法人はその独特な特性から、多くの個人事業主やフリーランスに注目されています。マイクロ法人とは、基本的に代表者自身が唯一の従業員である会社形態を指し、税金や社会保険料の節約、さらには社会的信用の獲得を目的として設立されることが多いです。しかし、その運営は税理士に依頼し、サポートしてもらわずに行うには難しい側面もあります。本記事では、マイクロ法人の概要からメリット・デメリット、税理士に依頼する際のポイントまで、幅広く解説していきます。これからマイクロ法人として会社設立しようと考えている方、または既に運営しているが会計業務にお困りの方に向けて、税理士に業務を依頼するの必要性と選び方のコツを提供します。

目次

  1. マイクロ法人とは?
    1. マイクロ法人が一般的な法人や個人事業主と異なる部分
  2. そもそもマイクロ法人は税理士に依頼する必要がある?
    1. マイクロ法人の会計業務を税理士に依頼が必要になる場合
    2. マイクロ法人の会計業務を税理士に依頼するデメリット
  3. マイクロ法人が会計業務を税理士に依頼せずに困ること3選
    1. 依頼しないと困ること①:事務手続きに割かれる時間が想定外に多かった
    2. 依頼しないと困ること②:自分で調べるも、正確な情報がわからず情報に翻弄された
    3. 依頼しないと困ること③:経理を雇う費用と税理士への依頼費用が同じだった
  4. マイクロ法人をして後悔した人の声
    1. マイクロ法人化 -後悔の実例①- マイクロ法人の立ち上げ前や直後に後悔したこと
    2. マイクロ法人化 -後悔の実例②- マイクロ法人の立ち上げ後に後悔したこと
    3. マイクロ法人を設立する際のポイント
  5. マイクロ法人がおすすめの税理士に依頼するときに注意すべきポイント
    1. 最終的な税理士顧問料がいくらになるか
    2. 税理士がマイクロ法人に対応可能で、業種がマッチしているかどうか
    3. 経理・人事労務の業務を全て丸投げできるかどうか
  6. マイクロ法人に向いている業種
  7. マイクロ法人が税理士に依頼する際の費用相場
    1. 税理士にスポット依頼ー法人決算の依頼
    2. 税理士と顧問契約ー記帳代行から社会保険、年末調整、税務相談など
  8. マイクロ法人の設立方法と手続き手順
    1. マイクロ法人の設立方法は一般的な法人設立と同じ
    2. マイクロ法人として会社設立した時の手続き上の注意点
  9. まとめ

マイクロ法人とは?

マイクロ法人は、代表者自身が唯一の従業員であり、事業活動を行う会社の形態です。この会社形態は、税金や社会保険料の節約を目的として、個人事業主やフリーランスが選択することが多いです。マイクロ法人は、従来の会社法の枠組みに基づいて設立され、株主や従業員が存在しない、1人経営の会社です。この形態の主な特徴は、節税や事業運営の柔軟性にありますが、設立には会社法に従った手続きと登記が必要です。マイクロ法人として会社設立することについてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事についてもおすすめです。
おすすめ記事 :フリーランス・個人事業主は知っておきたい新たな選択肢「マイクロ法人」とは?

マイクロ法人として会社設立するメリット

マイクロ法人を選択する大きな動機の一つは、節税と事業運営の柔軟性にあります。節税のメリットとしては、まず法人税率の適用が挙げられます。マイクロ法人には、個人の所得税率と比較して低い法人税率が適用されることがあり、これにより事業の利益が一定額を超えると、個人事業主よりも税負担が軽減される可能性があります。また、事業に関連する経費をより幅広く計上できる点も節税効果を高める要因です。車両費、通信費、接待交際費など、個人事業主としては認められない経費を法人として計上できることがあります。さらに、代表者自身に役員報酬として給与を支払い、これを事業の経費として計上することで、個人の所得を調整し全体の税負担を最適化することができます。

事業運営の柔軟性については、株主や他の役員がいないため意思決定が迅速に行え、ビジネスチャンスを逃しにくい環境が実現できる点が大きなメリットです。事業の方向性や運営方法を自由に決定できるため、創造的かつ柔軟な事業展開が可能となります。また、個人事業主の場合は事業の収益が直接個人の所得として公開されることがありますが、マイクロ法人では法人としての収益として管理されるため、プライバシーが保護されるという利点もあります。

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マイクロ法人とは?作り方や個人事業主の節税・メリットを簡単に解説

この記事では、個人事業主から法人化をお考えの方向けに、マイクロ法人にしたことによるメリットデメリットについて解説しています。

マイクロ法人として会社設立するのデメリット

マイクロ法人として会社設立する際、会社法に従った手続きと登記の大変さがデメリットの一つとして挙げられます。個人事業主として事業を始める場合と比較すると、マイクロ法人の設立は複雑で、時間とコストがかかります。まず、会社設立には事業の目的や資本金などを定めた定款の作成が必要で、これを公証人によって認証してもらう必要があります。

さらに、法人登記には登録免許税が必要となり、公証人手数料や登記手続きを代行する司法書士への報酬も発生します。会社設立後も、法人税や消費税の申告、労働保険や社会保険への加入手続きなど、多くの行政手続きが待ち受けています。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    これらの手続きには専門的な知識が必要であり、多大な時間と労力を要する可能性があります。法人経営の信頼性と透明性を確保するためにこれらの手続きは必要ですが、特に会社設立が初めての場合には、専門家のアドバイスやサポートを求めることがおすすめされます

おすすめ記事:マイクロ法人を設立しよう!メリットとデメリット、作り方を徹底解説

マイクロ法人が一般的な法人や個人事業主と異なる部分

マイクロ法人は、経営体制や目的、税務上の取り扱いにおいて、一般的な法人や個人事業主とは明確な違いを持っています。特に、株主や従業員が存在しない点による違い、税務上の優遇措置、および責任の分離の観点から大きなメリットを享受できることが特徴です。

マイクロ法人が一般的な法人と異なる部分

一般的な法人は複数の株主からの資本を基にし、多くの従業員を雇用して事業を運営することが一般的です。これに対して、マイクロ法人は株主や従業員が存在せず、代表者一人がすべての経営活動を行います。この構造により、意思決定の迅速化、経営の柔軟性、および運営コストの低減といったメリットがあります。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    代表者は自身の意向に応じて迅速に事業戦略を変更でき、事業拡大よりも持続可能な成長や節税、個人のライフスタイルに合わせた事業運営を目指すことができます。

おすすめ記事:マイクロ法人に強い税理士を検討するポイント

マイクロ法人が個人事業主と異なる部分

個人事業主とマイクロ法人の最大の違いは、法人格の有無にあります。マイクロ法人は法人格を持つことにより、税務上の優遇措置を享受できます。例えば、法人税の低い税率、経費として計上できる項目の拡大、社会保険料の削減などが挙げられます。さらに、法人格による責任の分離により、事業に関連するリスクが個人資産に影響を及ぼすことがなく、個人の財産保護が図られます。これに対して、個人事業主の場合、事業の利益や損失は直接個人の所得となり、事業に関連する責任も個人が全て負うことになります。

マイクロ法人の設立に関するポイント

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マイクロ法人として会社設立するには、会社法に基づく登記や手続きが必要であり、一定の費用や手間がかかります。しかし、税制面でのメリットや法人としての信頼性の向上、責任の明確な分離など、長期的なビジネス運営を考えた際に多くの利点があります。
したがって、個人事業主がビジネスの拡大やリスク管理を考える際には、マイクロ法人への移行を検討する価値があるでしょう。

おすすめ記事:マイクロ法人とは?個人事業主が設立するメリット・デメリットを解説

そもそもマイクロ法人は税理士に依頼する必要がある?

マイクロ法人は、従業員がいない小規模な法人であり、税務や会計業務を自力で管理することが一般的です。しかし、適切な税務管理と節税対策は、法人の財務健全性と成長に不可欠です。そのため、専門的な知識が必要な場合や、事業に専念したい場合には、税理士に依頼することがおすすめされます。マイクロ法人の方で税理士に依頼すべきか悩んでいる方については以下の記事がおすすめです。

おすすめ記事:マイクロ法人の税理士費用は?実例や税理士選びのコツ

マイクロ法人の会計業務を税理士に依頼が必要になる場合

マイクロ法人が税理士に会計業務を依頼することには、多くのメリットがあります。

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会計業務を依頼することによるメリットについての記事は以下も参考になるののおすすめです。

おすすめ記事:マイクロ法人とは?作り方や個人事業主が設立するメリット・デメリット

税理士に依頼が必要①:バックオフィス業務を気にせず事業に集中したい

税理士に会計業務を代行してもらうことは、マイクロ法人が日々のバックオフィス業務から解放され、事業の核心部分に集中できるようにする効果的な手段です。具体的に税理士に依頼すると、以下のような会計業務を代行してもらうことが可能です。

記帳代行

日々の取引記録を正確に帳簿に記載する作業です。税理士がこの業務を担うことで、経営者は複雑な会計処理に時間を取られることなく、事業開発や顧客対応に専念できます。 税理士に依頼できる記帳代行についてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事についてもおすすめです。

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記帳代行は税理士に依頼すべき?おすすめの依頼先とメリットを紹介

この記事では税理士へ記帳代行を依頼することのメリット・デメリットとおすすめの依頼先、記帳代行を依頼するときの費用について解説しています。
決算業務

年度末の財務状況をまとめ、決算書を作成する業務です。税理士は会計基準に則った適切な決算書を作成し、法人税申告の基礎資料として提供します。

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税理士に依頼できる決算業務についてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事についてもおすすめです。
おすすめ記事:税理士に確定申告などを依頼した場合、費用相場はどのくらい?

税務申告

法人税、消費税などの申告書を作成し、税務署に提出します。税理士は最新の税法に基づいた適切な申告を行い、税務署との折衝も代行します。 税理士に依頼できる税務業務についてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事についてもおすすめです。

経理相談

日常の会計処理や経理に関する疑問について、専門的なアドバイスを受けることができます。また、経営戦略に関わる財務分析や資金繰りの相談も可能です。

税理士に依頼が必要②:法改正に合わせた節税を確実に行いたい

税制は毎年のように変更されることがあり、特に年末の税制改正は新たな規則や制度が導入される主なタイミングです。これらの法改正に適切に対応し、最適な節税策を講じるには、常に最新の税法情報をキャッチアップし、それを事業に適用する専門知識が必要になります。税理士は、定期的な研修や業界情報の交換を通じて最新の税法を学び、その知識をクライアントの税務戦略に活かします。このように、税理士は税法の専門家として、マイクロ法人が法改正に伴うリスクを最小限に抑え、節税の機会を最大化できるようサポートします。

参考おすすめ記事:税法の改正を確認するための方

国税庁「令和5年度法人税関係法令の改正の概要」

法改正の情報は適時適切に、国税庁のホームページを確認して、自社に適用の必要があるのか確認する必要があります。

税理士に依頼が必要③:資金繰りや経営についても相談したい

税理士が法人の財務状況や経営戦略に関して豊富な知識を持つ理由は、彼らが税務だけでなく、会計や経営学の広範な教育を受けているからです。税理士資格を取得するためには、会計原則、財務分析、経営戦略など、ビジネス運営のあらゆる側面に関する深い理解が求められます。したがって、税理士は税務申告の専門家であると同時に、財務状況の分析や資金繰りの改善、効果的な経営戦略の策定についてもアドバイスができる信頼できるパートナーです。マイクロ法人が経営上の課題や資金繰りの問題に直面した場合、税理士はその専門知識を活用して具体的な解決策を提案し、法人の健全な成長をサポートします。

これらの理由から、税理士に会計業務を依頼することは、マイクロ法人にとって多くのメリットがあります。法改正に迅速に対応し、事業運営の効率化を図ることで、より安定した事業成長を目指すことができるでしょう。

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この記事ではマイクロ法人の設立手順とマイクロ法人の設立による節税効果について解説しています。

マイクロ法人の会計業務を税理士に依頼するデメリット

マイクロ法人が税理士に会計業務を依頼することには、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。特に、顧問料の負担と適切な税理士を見つける過程の難しさが挙げられます。

税理士に依頼するデメリット①:月額の税理士顧問料が固定でかかる

税理士に依頼すると、提供されるサービスに応じて毎月一定の顧問料が発生します。この顧問料は、マイクロ法人の経済規模や業務の複雑さにかかわらず固定で支払う必要があるため、特に売上が安定しない初期段階のマイクロ法人にとっては、経営上の負担となり得ます。具体的には、顧問料が月額数万円から数十万円に及ぶ場合もあり、これはマイクロ法人の限られた資金を圧迫する可能性があります。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    節税を目的として会社設立されたマイクロ法人にとっては、この顧問料自体が経費削減の努力を消してしまうする要因となることも考えられます。

おすすめ記事:マイクロ法人で税理士は必要?費用相場や後悔しない選び方を解説

税理士に依頼するメリット②:自分にあう税理士を探すのが難しい

適切な税理士を見つける過程は、単に専門知識があるかどうかを確認するだけでは不十分です。マイクロ法人の事業内容や経営者のビジョンに合致し、かつ個人的な相性が良い税理士を見つける必要があります。税理士との信頼関係は、長期にわたる協力関係の基盤となるため、慎重な選定が求められます。このプロセスには、市場調査、面談、サービス内容の比較検討など、多大な時間と労力を要します。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    また、特定の業界に精通した税理士を求める場合や、特定の経営課題に特化したサービスを提供する税理士を探す場合には、選択肢が限られるため、適切なパートナーを見つけるまでの道のりはさらに困難になります。

参考:法人化を後悔する10個のパターン!税理士目線で失敗しない方法を解説

これらのデメリットにもかかわらず、適切な税理士との協力関係が築ければ、マイクロ法人の税務管理と事業発展に大きく貢献することが期待できます。したがって、税理士を選定する際には、コストと利益を慎重に比較検討し、長期的な視点で最適な選択をすることが重要です。

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この記事では、税理士の良い税理士の探し方について、様々な観点から紹介を行っています。起業したてで「これから税理士をつけたいんだけど、どう探せば良いかわからない…」と考えている方に特におすすめです。
 

マイクロ法人が会計業務を税理士に依頼せずに困ること3選

マイクロ法人が税理士に会計業務を依頼しないと、様々な困難に直面することがあります。特に、事務手続きの複雑さ、正確な情報の不足、コスト面での誤算が主な懸念点として挙げられます。

依頼しないと困ること①:事務手続きに割かれる時間が想定外に多かった

多くのマイクロ法人経営者は、会計や税務業務が自分たちで管理できるほど簡単だと見積もっています。しかし、実際には、法人会計は個人事業主の確定申告よりもはるかに複雑で、多くの時間と専門知識を要求されます。法人税、消費税、給与計算、社会保険料の管理など、多岐にわたる業務を適切に管理するためには、専門的な知識が必須です。これらの業務に多くの時間を費やすことで、本来の事業活動に支障をきたす可能性があります。

  • SoVa税理士ガイド編集部

    法人にかかる税金の種類は?税率や計算方法を個人事業主と比較でも紹介されていますが、法人が支払う可能性のある基本的な税金は5種類あると言われています。個人事業主のときに支払う必要のある税金との比較に関する解説が書いてあるおすすめの記事があるので、気になる方は見てみてください。

依頼しないと困ること②:自分で調べるも、正確な情報がわからず情報に翻弄された

インターネットや書籍から会計や税務に関する情報を集めることは可能ですが、情報の信頼性を常に確認する必要があります。法改正による情報の陳腐化や、専門用語の解釈の違いによって誤った判断を下すリスクがあります。また、情報過多により何が正しいのか判断が難しくなり、結果として誤った申告や決算を行ってしまう可能性もあります。

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依頼しないと困ること③:経理を雇う費用と税理士への依頼費用が同じだった

経理担当者を雇用するという選択肢もありますが、その費用は決して安価ではありません。特にマイクロ法人の場合、事業規模に見合った経理担当者の給与を支払うことは経済的負担となります。一方で、税理士に依頼する場合、月額顧問料や決算時の報酬で済むことが多く、長期的に見れば税理士への依頼の方がコストパフォーマンスに優れることがあります。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    また、税理士は会計業務だけでなく、税務相談や節税対策のアドバイスなど、付加価値の高いサービスを提供してくれます。

税理士に依頼せずに会計業務を行うことは、短期的にはコスト削減に繋がるかもしれませんが、長期的には多くのリスクとコストを伴う可能性があります。正確な会計処理と効率的な税務管理は、マイクロ法人の持続可能な成長にとって不可欠です。

おすすめ記事:マイクロ法人の番頭としての税理士の費用

マイクロ法人をして後悔した人の声

マイクロ法人を立ち上げた起業家の中には、「思っていたのと違った」「もっとこうすればよかった」と後悔するケースも少なくありません。ここでは、実際にマイクロ法人を立ち上げた人々の具体的な後悔の実例を紹介します。これらの事例を知ることで、将来的に発生し得る課題を事前に把握し、適切な対策を講じることができます。

マイクロ法人化 -後悔の実例①- マイクロ法人の立ち上げ前や直後に後悔したこと

まず、マイクロ法人の設立前や直後に起業家が後悔した事例を見てみましょう。

定款の内容を適当に決めてしまった

設立時に作成する定款の内容を深く考えずに決めてしまい、後から修正が必要になり3万円もかかってしまったというケースです。定款の内容は法人の基本となるため、しっかりと考えた上で作成することが重要です。

自分だけの判断で届出書類を作成した

税務上有利な方法を見逃してしまい、税金の面で損をしてしまったという事例です。専門的な知識が不足していると、後々大きな後悔に繋がります。

設立の申請作業を一人で行った

非常に手間がかかり、本業に支障が出てしまったという話もよく聞かれます。設立時の手続きは多岐にわたるため、時間と労力がかかります。

設立費用の補填に使える助成金の存在を知らなかった

助成金を利用しなかったために、余計な費用を負担することになったケースです。事前に助成金や補助金についてリサーチしておくことが大切です。

これらの後悔の事例から分かるように、マイクロ法人の設立時には多くの注意点があります。一人で全てをこなそうとすると、知識不足や手続きの煩雑さから後悔につながってしまいがちです。

マイクロ法人化 -後悔の実例②- マイクロ法人の立ち上げ後に後悔したこと

次に、マイクロ法人を立ち上げた後に起業家が後悔した事例を見ていきましょう。

法人の決算が想像以上に大変だった

経費処理や法人税の計算が複雑で、想像の10倍も大変だったという声があります。個人事業主時代の確定申告とは異なり、法人の決算は多くの書類や詳細な計算が必要となります。

社会保険料の計算が難しかった

法人として社会保険に加入する際の計算が難しく、自分一人では対応できなかったという事例です。社会保険の手続きや計算は非常に複雑で、専門知識が求められます。

維持費が予想以上に高かった

バーチャルオフィスの契約料や社会保険料、法人税などのランニングコストが意外と大きく、予想以上の負担となったケースも多く見られます。

これらの後悔の事例から分かるように、マイクロ法人の運営は思った以上に複雑で費用がかかることがあります。個人事業主としての経験だけでは対応しきれない部分が多く存在します。

マイクロ法人を設立する際のポイント

マイクロ法人を設立する際に後悔しないためには、専門家の助言を受けることが重要です。特に、税理士に相談することでたくさんのメリットを享受できます。マイクロ法人化の際に税理士に相談し、後悔するリスクを大幅に減らすことが可能となります。専門家の力を借りて、適切な準備と計画を立てることが成功の鍵となります。

これらの後悔の実例を参考にして、マイクロ法人を設立する際には慎重に準備を進め、専門家の助言を活用することが大切です。後悔しないために、必要な情報をしっかりと収集し、適切な判断を下しましょう。

マイクロ法人がおすすめの税理士に依頼するときに注意すべきポイント

マイクロ法人が税理士に依頼する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。これらのポイントを押さえることで、適切なサービスを提供する税理士を選び、後悔のない選択をすることができます。

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税理士_依頼_おすすめの記事

税理士に依頼する時の税理士選びにお悩みの方は以下の記事がおすすめです。

おすすめ記事:マイクロ法人向けの税理士おすすめ10選!節税サポートや格安の税務代行も

最終的な税理士顧問料がいくらになるか

税理士に依頼する前に、最終的な顧問料がいくらになるのかを明確にしておくことが重要です。税理士によっては、初期の見積もりに含まれていない追加料金が発生することがあります。そのため、顧問契約を結ぶ前に、どのようなサービスが含まれていて、どのような場合に追加料金が発生するのかを詳細に確認しましょう。また、税理士の報酬がマイクロ法人の経済状況に見合ったものであるかどうかも考慮する必要があります。

税理士がマイクロ法人に対応可能で、業種がマッチしているかどうか

税理士事務所によって得意とする業種が異なります。自社の業種に精通している税理士を選ぶことで、業種特有の節税対策や補助金・助成金の情報を得られる可能性が高まります。税理士との初回相談時に、自社の業種に関する経験や知識を持っているかを確認し、業種がマッチしている税理士を選ぶことが重要です。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    税理士の中でもIT業界に強い税理士がいるなど、業種によって強みや弱みが分かれますので、依頼する前に税理士の強み・弱みを把握しておくことが必要です。

おすすめ記事:マイクロ法人が決算を税理士に依頼する際の流れ

経理・人事労務の業務を全て丸投げできるかどうか

マイクロ法人の場合、経営者自身が多くの業務をこなす必要があるため、できるだけ多くの業務を税理士に委託したいと考えることが一般的です。税理士に依頼できる業務の範囲を事前に確認し、日常的な記帳代行や給与計算、年末調整などを含め、必要な業務を全てカバーできるかを確認しましょう。また、追加で必要になる業務がある場合の費用についてもあらかじめ確認しておくと安心です。

マイクロ法人が税理士に依頼する際には、これらのポイントに注意して適切な税理士を選ぶことが重要です。事前にしっかりと確認し、納得のいく税理士選びを心がけましょう。

気をつけておきたい注意点

税理士
        _依頼_おすすめの注意点

マイクロ法人として会社設立する際の注意点として、会社員がマイクロ法人を設立すること自体は可能ですが、社会保険料の節約にはつながりません。雇用先の会社で社会保険に加入しているため、マイクロ法人経由での社会保険料支払いは行えない、などがあります。
マイクロ法人を設立するときの注意点に関する記事についてはマイクロ法人とは?作り方や個人事業主の節税・メリットを簡単に解説の記事もおすすめです。

マイクロ法人に向いている業種

マイクロ法人は、特定の業種においてそのメリットを最大限に活かすことができます。特に、初期投資が少なく、運営コストを低く抑えられる業種がおすすめです。 マイクロ法人に向いている業種については以下もご参考にしていただくことをおすすめします。

おすすめ記事①:マイクロ法人とは?作り方や個人事業主の節税・メリットを簡単に解説

おすすめの業種①:コンサルティング

コンサルティング業は、クライアントの課題解決や経営改善に向けた助言や指導を提供するサービスです。この業界では、専門知識や経験が重要とされ、物理的な商品を扱わないため在庫リスクがありません。また、コンサルタントとしてのスキルやノウハウが主な資産となるため、事務所や設備に多大な投資をする必要がなく、マイクロ法人として運営しやすい業種の一つです。個人が長年培った専門性を活かし、企業や個人からの相談に応じることで、比較的低コストで事業を展開できます。

おすすめの業種②:アフェリエイター

アフィリエイトは、オンライン上で商品やサービスを紹介し、その成果に応じて報酬を受け取るビジネスモデルです。アフィリエイターは自身のウェブサイトやブログ、SNSなどを活用して広告を掲載し、訪問者がその広告経由で商品を購入すると報酬が発生します。アフィリエイトビジネスは在宅で行うことが可能で、物理的な商品の在庫を持つ必要がなく、初期費用を抑えて始められるため、マイクロ法人に最適な業種の一つです。また、自分の興味や専門分野に関連する商品を選んで紹介することで、楽しみながら事業を展開できる点も魅力的です。

これらの業種は、マイクロ法人としての運営において、柔軟性と効率性を発揮しやすい特徴を持っています。自身のスキルや経験、趣味や関心を生かした事業を考えている場合、マイクロ法人としての会社設立を検討してみる価値があるでしょう。

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スタートアップに税理士は必要?依頼できる業務とメリットを徹底解説

この記事ではスタートアップ企業において税理士に依頼できる業務と、スタートアップ企業が税理士に依頼することのメリットについて紹介しています。

マイクロ法人が税理士に依頼する際の費用相場

マイクロ法人が税理士に会計業務を依頼する際、費用は依頼の内容によって大きく異なります。一般的に、スポット依頼と顧問契約の2つの形態があり、それぞれの費用相場を把握しておくことが重要です。

マイクロ法人の税理士費用に関するおすすめ記事

税理士_依頼_おすすめのポイント

税理士に依頼する際の費用についてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事についてもおすすめです。
参考:税理士顧問料の相場は月額3万円!安い税理士と高い税理士の決定的な違い

税理士にスポット依頼ー法人決算の依頼

法人決算書の作成と申告をスポット依頼する場合、一般的な費用相場は10万円から20万円程度となります。この費用には決算書の作成と税務申告が含まれますが、日常的な記帳や仕分けなどの会計業務は含まれません。スポット依頼の費用相場は、法人の取引量や経理の複雑度、必要な資料の整理度によって変動することがあります。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    事前に必要な資料を整え、明確な依頼内容を伝えることで、スムーズかつコスト効率の良い決算処理が期待できます。

おすすめ記事:税理士顧問料・報酬・料金・価格の適正価格

税理士と顧問契約ー記帳代行から社会保険、年末調整、税務相談など

顧問契約では、税理士がマイクロ法人の日常的な会計業務から税務相談まで幅広いサポートを提供します。顧問契約の費用相場は年間で30万円からとなりますが、これは業務の範囲、法人の規模、取引量、業種の特性によって変動します。例えば、取引が頻繁に発生する業種や複数の事業を運営している場合、顧問料は高くなる傾向があります。また、特定の業種特有の税務相談が多い場合や、経営上の複雑な問題に対応が必要な場合も、顧問料が上乗せされることがあります。顧問契約を結ぶことで、経営者は記帳代行、給与計算、社会保険手続き、年末調整など、経営に必要な業務を税理士に任せることができ、事業運営に専念できるようになります。
税理士の顧問料についてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事を読んでいただくのがおすすめです。

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税理士_決算申告_費用_依頼_おすすめ

税理士の顧問料の相場とは?費用を抑える方法と払いすぎていないかのポイントについても解説

この記事では税理士へ業務依頼するときの費用の相場や、月額顧問料の相場など税理士に業務を依頼する際にかかる費用に関して紹介しています。税理士に業務を依頼する際にかかる費用や月額顧問料について詳しく知りたい方におすすめです。

費用相場の変動要因を理解し、自社の状況に合ったサービスを適切な価格で依頼することが、マイクロ法人の経営効率化と財務健全性を保つ上で重要です。事前に複数の税理士と相談し、サービス内容と費用のバランスを考慮した上で、最適な税理士を選定することをおすすめします。

マイクロ法人の設立方法と手続き手順

マイクロ法人の設立は、事業のスタートアップやビジネスの公式化において重要な一歩となります。ここでは、マイクロ法人を設立する方法と手続きの手順について解説します。

マイクロ法人の設立方法は一般的な法人設立と同じ

マイクロ法人の設立方法は一般的な法人設立と同じです。 マイクロ法人を設立する際は、一般的な法人設立と同様に以下の手順を踏みます。 マイクロ法人の設立手順は一般的な法人設立手続きと同じなため、会社設立のやり方で検索して出てくる記事を参考に手続きを確認していただくことをおすすめします。
おすすめ記事:個人事業主から法人化するメリット・デメリットや最適なタイミングとは

会社形態や設立するマイクロ法人の基本事項を決める

マイクロ法人を立ち上げる際には、まず会社の形態や設立する法人に関する基本的な事項の決定から始めます。これには、ビジネスの目的、会社の名称、所在地などが含まれ、これらの基本事項は法人のアイデンティティと運営の方向性を定義します。この段階での決定は、事業の将来に大きな影響を与えるため、慎重に考慮する必要があります。

法人用の実印を作成する

次に、法人としての正式な手続きに必要な実印を作成します。この実印は、法人登記を含む重要な文書に使用され、法人の正式な認証として機能します。

定款を作成し、認証を受ける

実印の作成後、法人の基本ルールとなる定款を作成し、必要に応じて公証人の認証を受けます。定款には、事業の目的、資本構成、役員の構成などが記載され、法人の運営基盤となります。特に株式会社の場合、この定款の認証は法的な要件ですが、合同会社の場合はその必要はありません

出資金(資本金)を払い込む

法人の設立には、出資金(資本金)の払い込みが必須です。この資本金は、法人の財務基盤を構築し、事業活動の初期投資に使用されます。払い込まれた資本金は、法人の資産として管理され、その領収証は重要な財務記録となります。

登記申請書類を作成し、法務局で申請する

登記申請書類を作成し、法務局にて法人としての登記を申請します。この登記を通じて、マイクロ法人は正式な法人格を得ることができ、ビジネスとしての公式な活動を開始できます。

登記完了後、税務署や地方自治体への税金や社会保険関連の手続き、さらには業種に応じた許認可申請など、追加の行政手続きを行う必要があります。また、個人事業主からの法人化の場合は、個人事業の廃業手続きや、事業に関連する資産や負債の法人への引継ぎも重要なプロセスとなります。これらの一連の手続きを通じて、マイクロ法人は事業運営の新たなステージへと進む準備が整います。

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IT業界に強い税理士の特徴と選び方のポイントについて解説!

この記事ではIT業界に強い税理士の特徴やIT業界に強い税理士の選び方に関するポイントを紹介しています。「ITツールの導入に積極的かどうか」「担当する税理士が若いか」などIT業界に強い税理士の特徴を具体的に紹介していますので、IT事業者の方はぜひご覧ください。

マイクロ法人として会社設立した時の手続き上の注意点

青色申告の取りやめ

個人事業主がマイクロ法人への移行を選択した際、税務関連で特に注意が必要なのが「青色申告の取りやめ」です。青色申告をしていた個人事業主は、法人化と同時に青色申告の特典を享受することができなくなります。これに伴い、税務署への適切な取りやめの届出を行うことが求められ、これを怠ると税務上の不利益を招く可能性があります。

給与支払事務所等の届出

また、マイクロ法人設立により新たに役員報酬の支払いが発生することから、「給与支払事務所等の届出」も重要な手続きとなります。この届出は、法人として給与を支払う事務所として税務署に登録し、所得税や住民税の源泉徴収義務を適切に履行するために必要です。

  • SoVa税理士お探しガイド編集部

    法人化するときの税務署への書類について以下の記事も参考になるかと思います。

おすすめ参考記事:個人事業主から法人へ「法人成り(法人化)する際の手続きは?自分でもできる?」

社会保険の切り替え

さらに、社会保険の面では、個人事業主から法人への移行に伴う「社会保険の切り替え」が必要となります。これは、個人事業主として加入していた国民健康保険や国民年金から、法人役員としての健康保険や厚生年金保険への加入へと移行することを意味します。この切り替えは、法人としての福利厚生の整備や、個人としての保険料負担の見直しにも影響を与えるため、慎重に対応する必要があります。

これらの手続きは、個人事業から法人へのスムーズな移行を実現するために必須であり、適切なタイミングでの届出や手続きの完了が、法人運営の基盤を固める上で重要となります。

合わせて読みたい「中小企業の税理士の選び方」に関するおすすめ記事

中小企業の税理士の選び方と税理士に依頼できることについて解説

この記事では中小企業における税理士の選び方と、中小企業において税理士と契約をする場合に依頼できる具体的な業務について紹介しています。

まとめ

マイクロ法人の会社設立と運営において、税理士の必要性は個々の価値観やビジネスの状況に大きく左右されます。一方で、節税や時間の効率化を重視する「税理士への依頼が必要と考える人」は、専門家によるサポートの重要性を認識しており、事業の本質に集中することでより大きな成果を目指しています。もう一方で、初期費用や経費の節約を最優先とする「税理士への依頼が不要と考える人」は、自らの手で会計業務を行うことの可能性を探求しています。

マイクロ法人が税理士に会計業務を依頼することには明確なメリットがありますが、それには一定のコストが伴います。スポット契約や顧問契約など、サービス内容に応じた費用相場を把握し、自社の状況に合った最適な選択をすることが重要です。また、事務手続きの複雑さや情報の正確性、費用対効果の観点からも、専門家のアドバイスやサポートの価値を再認識することが求められます。

最終的に、マイクロ法人を設立・運営する際には、自身のビジネスモデルや将来の展望、そして個人的な価値観を総合的に考慮した上で、税理士の依頼を検討するべきです。この記事が、マイクロ法人の会社設立を考える方々にとって、税理士との関係性を見直し、より良いビジネス運営への道を切り開くための参考になれば幸いです。

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